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2009年9月

2009年9月27日 (日)

思考のワザを磨く【ほぼ日読書日記 2009年9月26日】

またしても勝間和代さんが市場を作った感がある「模倣からのスキルアップ」というテーマに齋藤先生も参入。

4797353767 齋藤 孝「頭がよくなる思考法 天才の「考え方」をワザ化する」、ソフトバンククリエイティブ (2009/9/17)

「頭のよい人の考え方を自分の思考パターンに取り入れるのが一番」といい、その方法を説明している。教育者らしく、内容はかなり抽象的で、ハウツーものではない。ゆえに、しっかりと読み込めば、非常に有用な本だと思う。

もれなく考える
やわらかく考える
広く考える
大きく考える
深く考える
論理的に考える
独創的に考える

などの思考に、フッサールの「現象学」とヘーゲルの「弁証法」を使ってパターン化の方法を説明している。「タメ」以来のインパクト。

2009年9月26日 (土)

第63回書籍プレゼント「ゲーム理論の思考法」(10月7日まで)

第63回は、中経出版の中村明博さまのご厚意で、ゲーム理論の実用書「ゲーム理論の思考法」をプレゼントしていただけることになりました。

鳩山由紀夫首相が首相に就任し、日本では初の「理系」首相が誕生しました。欧米や中国と同じく、日本もこれからは理系の時代になるのかもしれません。ビジネスの分野では、すでに日本でも理系的アプローチはかなり普及しており、理系アプローチを背景に仕事をするビジネスマンやコンサルタントは大活躍しています。特に、理論的な背景が必要とされるコンサルティングでは理系出身のコンサルタントの活躍は目覚ましいものがあります。

このようにビジネスやマネジメントにおいて、理系のアプローチの中核になるのが、鳩山首相の専門でもあるOR、システム論、ゲーム理論です。中でも、戦略策定に役立つゲーム理論はこれから注目の分野です!

この本は経済学の専門の先生が書かれた本で、いままであったゲーム理論の本より、かなり実用的な本になっています。実用的なゲーム理論とは何か?そう思われる方は、ぜひ、プレゼントに応募して購入てください!

本の詳しい内容を知った上で応募したい方はビジネス書の杜の紹介記事をお読みください。

勝てるルールに変える!ゲーム理論指南書

とりあえず応募したい方は、こちら

2009年9月25日 (金)

日本流は復活するのだろうか【ほぼ日読書日記 2009年9月24日】

大阪でコンサル。移動中に新書を一冊読んだ。

原 正紀「優れた企業は「日本流」 」、扶桑社(2009)

事例に取り上げている企業はどれもおもしろい。そして、そこには、著者の言う「日本流」がある。

読んだ改めて認識したのは、著者のいう高度成長期の三種の神器「終身雇用」、「年功序列」、「企業内組合」の3つが「和」と「情」と「不安への備え」という日本的マネジメントというソフトウエアを走らせるプラットホームとして非常に優れたものだということだ。

失ったものは大きいなあ。著者が指摘するように社会環境は変わっている。キャリアパスも多様化している。3つのソフトウエアはプラットホームが代わると暴走する危険性を秘めている。

たとえば、情報共有。和や情が、情報の非対称性に依存する部分は少なくない。アカウンタビリティの高い組織で、和や情を活かすためには相当に強い文化が必要になるだろう。

事例企業のように、新しい環境の中で、日本流を取り戻すことができるかどうかは興味深い。

2009年9月23日 (水)

第62回プレゼントの結果発表!

シルバーウィークも終わり。こんな時期に、何でこんな連休がと恨みつつ、連休前に忙しくてできなかった仕事を粛々とこなした連休でした。

その中の一つ。第62回のプレゼントの当選者発表をやっとしました。大幅に予定が遅れて、申し訳ありませんでした。

第62回は

4413037197 松山淳「真のリーダーに導く7通の手紙」、青春出版社(2009)

でした。応募者は169名と平均より、若干少なめでした。当選者はこちらのページをごらんください。

第62回 真のリーダーに導く 7通の手紙
http://pmstyle.jp/honpo/present/20090816.htm

63回ももう準備ができていますのでお楽しみに。

システム思考のバイブルを読む【ほぼ日読書日記 2009年9月22日】

待望のジョン・スターマンの「Business Dynamics」の翻訳が登場。システムダイナミクスを中心にしたシステム思考の名著。

4492532633 ジョン・スターマン(小田 理一郎、枝廣 淳子訳)「システム思考―複雑な問題の解決技法」、東洋経済新報社(2009)

実は、小田さんには以前、コンサルティングを受けた経緯があり、その際に1000ページもある原書を読んだ。

その中から、事例的な部分を編集して、500ページの本にまとめた本になっているが、ちょっともの足らない気もするが、良い本であることは間違いない。最初に

・自動車リース
・プロジェクトマネジメント
・メンテナンス

などのモデリングと問題解決を事例として取り上げ、ビジネスダイナミックスのイメージを示した上で、ポイントになるビジネスダイナミックス理論を解説している。

今年の春にシステムシンキングの本を出版された高橋さんと話をしていたら、出版社の編集方針として、システムダイナミックスはカットするというスタンスに押し切られたと言われていた。

システム思考からダイナミックスを割愛すると、ロジカルシンキングに毛の生えた程度のものにしかならないので、あまり、時間が重要な意味を持つビジネスの問題に対しては、実践的なツールにならない。

少なくとも、ビジネスにおける必要性を説いた日本語の本は見あたらないし、今後もきっと出てこないと思うので、多少、ハードルは高いがこの本にチャレンジされるとよいだろう。

2009年9月22日 (火)

日本型組織の良さを活かしたマネジメントの方法【ほぼ日読書日記 2009年9月21日】

先週、マイクロソフトの浦正樹さんとお会いしたときに、頂いた本。決して読みやすい本ではないので、苦労しながらやっと読み終えた。

4891006730_2 浦 正樹「プロジェクトを成功に導く組織モデル チームの「やる気」はなぜ結果に結びつかないのか」、日経BPソフトプレス(2009)

機会があればそのうちブログで書くが、米国と日本ではエンジニアのキャリアモデルが違う。米国は日本のように終身雇用で、徐々に組織内での地位が上がっていくというモデルではない。

このため、日本組織はガバナンスが緩い。上司の統制されているというより、上司の見習いという立場がより強い。実際に、僕が最初に勤務した会社では、上司が不在なら、上司の代わりができなくてはならないと言われたし、実際のところ、まったく見えない話は、人事からみの話くらいだという印象がある。

この種のたとえ話としてよく使われる話。自分の担当中のお客から、自分の上司に急ぎの電話があった。外出中の上司の代わって、自分が電話を受け、処理をし、上司には事後報告をした。日本なら機転が利くと言われるが、米国ならクビだという話。

よいか、わるいかは、価値観の問題であるが、プロジェクトマネジメントは米国のキャリアモデルやガバナンスのあり方を前提に考えられることは、認識しておく必要がある。

浦さんの本は、米国流の現場モデルを前提にして、日本の現場の良さを活かすにはどうすればよいかを考察した本。力作である。

2009年9月20日 (日)

勝間和代のリーダーシップ【ほぼ日読書日記 2009年9月20日】

シルバーウィーク2日目。この時期に、こんな連休があると大変である。この1ヶ月くらいを振り返ると、上期が2週間早く終わるようなもので、特にこの1週間は大変だった。金曜日の夜に東京駅に行くのに乗ったタクシーの運転手が、今日はドライバーが殺気だっていたと言っていたが、分からなくはないなあ。

今日の夕方で一段落。日記の方もちょっと日が空いたが、ひさしぶりに書く。

その前に、さっき、クレヨンしんちゃんの作者である、臼井儀人さんがなくなったというメールニュースがきていた。事故死らしいが、結構、ショックだ。ご冥福をお祈りする。

さて、ジョセフ・ナイのソフト・パワーと、リーダー・パワーをまとめてひさしぶりに読む。

ジョセフ・ナイ(山岡 洋一訳)「ソフト・パワー 21世紀国際政治を制する見えざる力」、日本経済新聞社(2004)

ジョセフ・ナイ(北沢 格訳)「リーダー・パワー」、日本経済新聞出版社(2008)

実は、金曜日に東京から帰る新幹線で、姜先生の

4087205096_2尚中「リーダーは半歩前を歩け」、集英社(2009)

を読んで、この何年か、自分自身のリーダーシップ観が、かなり狭くなっているのではないかという問題意識を持ったので、この辺で修正しておきたいと思ったため。

姜先生は、「半歩前」がキーワードだと言う。この言葉で頭に浮かんだのが、勝間和代さん。彼女が、若い女性たちのリーダーである所以は、まさに、半歩前にいることではないかと思う。

ただし、半歩前にいるためには、2~3歩は先行していて、意図的にポジショニングをする必要があるのではないかと思う。これが、結局のところ、ジョセフ・ナイや姜先生がリーダー・パワーと呼んでいるものではないかと思う。ちなみに、姜先生であれば

・先見力
・目標設定力
・動員力
・コミュニケーション力
・マネジメント力
・判断力
・決断力

の7つである。むう~、そうなんだよなあ。

勝てるルールに変える!ゲーム理論指南書

4806134708 川西 諭「ゲーム理論の思考法」中経出版(2009)

お奨め度:★★★★★

※この本を3名の方にプレゼントします。応募要領は本記事の最後をご覧ください。

ゲーム理論は、交渉プロフェッショナルなど、一部のビジネスマンには大いに役立つが、それは解説の方法でそのように思い込んでしまっているということを思い知らせてくれる本。ビジネスの場面で出てくる問題解決を思考フレームワーク化し、そのフレームワークの中でゲーム理論を使うという解説方法をとっているので、実務でも大いに役立つ本になっている。その意味で、タイトル通り、ゲーム理論の説明にとどまらず、ゲーム理論を使ってどのように思考をしていくかという内容になっている。その意味で、画期的な一冊。

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2009年9月16日 (水)

人生の山谷とどう向かい合うか【ほぼ日読書日記 2009年9月15日】

この数日、懲りない金融業界的なニュースが流れている。悪いことではないと思うのが、死亡の証券化とか、自然災害の証券化とか、まあ、そこまでやるかという感じ。オバマ大統領は、「歴史を繰り返すことは許されない」ということで、監視を強化する構えのようだが、こんなニュースを耳にしながら読むと、ちょっと複雑な感じ。

4594060528 スペンサー・ジョンソン(門田 美鈴訳)「頂きはどこにある?」、扶桑社(2009)

書いていることはすばらしい。素直に読めば、不況に限らず、仕事と人生における山谷を自分の思いどおりにあやつることは、すべてのビジネスマンの願望かもしれない。

もっとも、山谷というのはそういうものでない、そんなことをしていたら疲れてしまうという考え方もあるが、、、

金井 壽宏「働くみんなのモティベーション論」、NTT出版(2006)

2009年9月14日 (月)

マネジャーも勉強してほしい【2009年9月13日】

すごく感銘を受けたので、すぐに紹介記事を書いた。

福田 収一「良い製品=良い商品か?―「モノづくり」から「価値づくり」へ」、工業調査会(2009)

内容は紹介記事を読んでください。

1ヶ月くらい、出張用のキャスターに入れたままになっていた本をやっと読み終えた。

447800966x DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部「協力のリーダーシップ―メンバーの個性を活かすチームワークの技術 (Harvard Business Review Anthology) 」、ダイヤモンド社(2009)

有名な論文ばかりなので、1回1編に決めて、ちびちびと読み進め方が、読み終えて、全体を見ると改めて、HBRという雑誌の存在感を思い知らされた。

すごいね。

マネジャーになると勉強しないという話はどこの企業にいっても耳にする。僕が思うに、日本には、マネジャーが読むに値する雑誌は、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューしかないのではないかと思う。だけど、1冊2千円なので、毎月買うのは少したいへん。おそらく、読みたい記事はせいぜい3本だと思うので、高い。

そこで、という話になると、Harvard Business Review Anthologyはお奨め。考えるマネジャーになりたい人は、ぜひ、Anthologyだけでも読んでほしいな。

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