日本型組織の良さを活かしたマネジメントの方法【ほぼ日読書日記 2009年9月21日】
先週、マイクロソフトの浦正樹さんとお会いしたときに、頂いた本。決して読みやすい本ではないので、苦労しながらやっと読み終えた。
浦 正樹「プロジェクトを成功に導く組織モデル チームの「やる気」はなぜ結果に結びつかないのか」、日経BPソフトプレス(2009)
機会があればそのうちブログで書くが、米国と日本ではエンジニアのキャリアモデルが違う。米国は日本のように終身雇用で、徐々に組織内での地位が上がっていくというモデルではない。
このため、日本組織はガバナンスが緩い。上司の統制されているというより、上司の見習いという立場がより強い。実際に、僕が最初に勤務した会社では、上司が不在なら、上司の代わりができなくてはならないと言われたし、実際のところ、まったく見えない話は、人事からみの話くらいだという印象がある。
この種のたとえ話としてよく使われる話。自分の担当中のお客から、自分の上司に急ぎの電話があった。外出中の上司の代わって、自分が電話を受け、処理をし、上司には事後報告をした。日本なら機転が利くと言われるが、米国ならクビだという話。
よいか、わるいかは、価値観の問題であるが、プロジェクトマネジメントは米国のキャリアモデルやガバナンスのあり方を前提に考えられることは、認識しておく必要がある。
浦さんの本は、米国流の現場モデルを前提にして、日本の現場の良さを活かすにはどうすればよいかを考察した本。力作である。
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