システム思考のバイブルを読む【ほぼ日読書日記 2009年9月22日】
待望のジョン・スターマンの「Business Dynamics」の翻訳が登場。システムダイナミクスを中心にしたシステム思考の名著。
ジョン・スターマン(小田 理一郎、枝廣 淳子訳)「システム思考―複雑な問題の解決技法」、東洋経済新報社(2009)
実は、小田さんには以前、コンサルティングを受けた経緯があり、その際に1000ページもある原書を読んだ。
その中から、事例的な部分を編集して、500ページの本にまとめた本になっているが、ちょっともの足らない気もするが、良い本であることは間違いない。最初に
・自動車リース
・プロジェクトマネジメント
・メンテナンス
などのモデリングと問題解決を事例として取り上げ、ビジネスダイナミックスのイメージを示した上で、ポイントになるビジネスダイナミックス理論を解説している。
今年の春にシステムシンキングの本を出版された高橋さんと話をしていたら、出版社の編集方針として、システムダイナミックスはカットするというスタンスに押し切られたと言われていた。
システム思考からダイナミックスを割愛すると、ロジカルシンキングに毛の生えた程度のものにしかならないので、あまり、時間が重要な意味を持つビジネスの問題に対しては、実践的なツールにならない。
少なくとも、ビジネスにおける必要性を説いた日本語の本は見あたらないし、今後もきっと出てこないと思うので、多少、ハードルは高いがこの本にチャレンジされるとよいだろう。
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