書き忘れていたが、書籍プレゼント、新しくなりました。今度はシステム思考。今日に日記にあった感じ。こちらです。
高橋 浩一「レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング」、日本実業出版社(2009)
さて、年度末に駆け込みで新規セミナーを2本やったので、その準備に追われて、最近、あまり本を読んでいなかった。っていうか、明日、久しぶりに戦略論の講義をするので、この際と思って、本を買い集めて、15冊くらい読んだので、他の本を読む気にならなかったというのが正しい。
以前からの持論であるが、戦略論や戦略思考の本は著者を決めて読んだ方がよい。複数の人の本を読むと、訳がわからなくなる。その中で、この本はいい感じだと思った。好みです。
谷口 和弘「戦略の実学 際立つ個人・際立つ企業」、NTT出版(2006)
ということで、今日、やっと明日やる「ビジネスマンのための戦略論」というセミナーの資料を作り終え、久しぶりにゆっくりと本を読んだ。
木村 英紀「ものつくり敗戦―「匠の呪縛」が日本を衰退させる」、日本経済新聞出版社 (2009/03)
木村先生は、大学時代から、制御のエンジニアとしてのキャリアの中でいろいろな形でお世話になった先生だ。先生の論文に影響を受けたこともあるし、学会で有益なアドバイスをもらったこともある。
この本を見たときに、別人かと思ってすぐにプロフィールを見たらご本人だった。この本をよく日経プレミアム文庫から出したなと思うくらい、堅い内容の本。論旨は明確。システム的な発想をせずに戦争に負けたののと同じ道をビジネスでもたどろうとしているぞという、システムを軽視する日本人への警鐘。
思えば、システムズアプローチというのが一瞬だけ脚光を浴びた時期があった。米国ではアポロで人類が月面着陸を成し遂げ、日本では新幹線という次世代のビークルが登場した。すべてシステムズアプローチのなせる技で、零戦や戦艦大和とは一線を画すものだった。
実は、これが僕が大学に入った前後の10年。僕はシステム工学という道を選んだ。世紀の愚策だと思うが、この後、どんどん、システム工学系の学部は情報系に切り替えられてしまう。今では、40代前半までの世代で、ちゃんとシステムズアプローチを勉強したことのある人材はほとんどいないのではないかと思う。これが国際競争力の劣化につながっていることは間違いない。とくに、システムを基本とするマネジメント系の弱さが目立つ。木村先生の指摘は、得意だった技術分野で、システムズアプローチ(システム思考)の欠如により、どんどん、負けているというもの。
これは、これからローブローのように効いてくると思う。あと、15年くらいは競争力が取り戻せないような気がする。ひょっとすると、ずっと追いつけないかもしれない。
ただし、今回の不況に引き金になった金融工学もシステムズアプローチであり、すべてがよいという風にはみんなが考えなくなってきた。足が止まれば少しでも追いつくチャンスだ!
まあ、そんなことを考えながら読んで見て欲しい。ただし、システム論が結構出てくるので、読みづらいことは覚悟の上で。。。
2冊目。
八幡 紕芦史「人はなぜオバマに魅せられるのか?」、PHP研究所(2009)
僕は、八幡紕芦史さんの古くからのファンだが、最近、こういうソフトな読み物的な感じの本が増えてきた。この本、八幡さん独自の視点から、オバマ大統領のリーダーシップを分析しており、なかなか、読ませるし、おもしろい。
ただ、オバマというのはリーダーシップ研究の対象になりうる人物なのだろうかという疑問は持っている。この本を読んで改めてそう感じた。
マネジメントの研究のおもしろさはケースの選び方にかなり依存する。その意味で、あまりおもしろい分析だとは思わなかった。むしろ、それでも本としてうまくかいている八幡 さんの筆力に感心という趣の本だ。
ついでも、もう一冊、読んだ。「シュガー社員が会社を溶かす」を読んでいっぺんにファンになってしまった社労士の田北百樹子さんの新作。
田北 百樹子「ブラック企業とシュガー社員」、ブックマン社(2009)
「悪いのはどっちだ?」って、おっもしろいところに目をつけたなあ。本当にこの人の着眼点はすごいと思う。思いっきり本質を突いているよなあ。この本、紹介記事かきます。
今、シュガー社員のアマゾンのページみたら、あまり、みかけない★の付きかたをしている。★★が0なのに、★が20%もついている。世の中がこういう反応をするというのは、やっぱり、この話は本物だと思う。今度の本は、シュガー社員より、一段とグレードアップしている。
最近のコメント