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2009年1月

2009年1月18日 (日)

マネジメントにテコの原理を導入する

4492043276_2 本田 直之「レバレッジ・マネジメント―少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略」、東洋経済新報社(2009)

お奨め度:★★★★1/2

帯に「経営者版レバレッジ・シンキング」とあるとおり、レバレッジ・シンキングをマネジメントの中で行うとこうなるというのを書いた本。レバレッジシンキングで展開された考えることによって、労力、時間、知識、人脈にレバレッジをかけて好循環を生み出すという発想が原点になった一冊。

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2009年1月17日 (土)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月16日

京都へ戻る新幹線の中で読書。

この本もやっぱり売れるんだろうなあ。読んでやられたと思った。こういう発想ってありだな。書いてあることはわりとよく言われるマネジメントの工夫なのだが、こういう束ね方をして、「レバレッジ」という視点を与えると、まったく別物に見える。

こういうのをレバレッジシンキングっていうんだろうなあ。

本田 直之「レバレッジ・マネジメント―少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略」、東洋経済新報社(2009)

ということで、絶賛。もう一冊読んだ。実はこの本の方が面白かった。

芦原 一郎「ビジネスマンのための法務力」、朝日新聞出版(2009)

まだ、昨年のアワードのセミナーも終わっていないのだが、補正予算と一緒に次年度の本予算を組むとかいうものありのようなので、あえて一言。Award2009の候補の一冊になること間違いなし。

法律関係の本を結構読んでいるのだが、面白いけど、何か物足らないということろどまり。この本読んで、何が物足らないか良く分かった。ある意味、あまり前なのだが、法律関係の本に書いていることは守りの経営を前提にしている。ところが、この本は攻めを念頭において、法律をどう位置づけるかをきちんと論じている。それが「法務力」というタイトルのゆえんである。

その分法律的な知識の体系的な記述は弱いように思えるのがだ、法律を勉強したいビジネスマンはまずこの本を読んで、自分の中で法律の位置づけを明確にするのがよいだろう。具体的な法律知識を書いた本はたくさんあるので、そのあとでそういった本を読めばよいと思う。

そういえば、Award2008の「プロデュース能力」のセミナー、本日で締め切った。告知から1週間で満席になった。このテーマへの関心の高さが伺われる。セミナーにこれない人も本だけでも読んでみてほしい!

佐々木 直彦「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」、日本能率協会マネジメントセンター(2008)

2009年1月16日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月15日

えらく難しい本に当たってしまった。

武田 修三郎「心を研ぐ フロニーモスたち―イノベーションを導く人」、宣伝会議(2009)

途中で挫折しそうになりながらも、なんとか最後まで流し読み。流し読みで理解できるような本ではないなあ。とりあえず、フロニーモスという人が必要だと言っているのはよくわかった。

よくわからなかったのは、「目利き」とフロニーモスは同じなのか、違うのか?それから、フロニーモスなる人のコンピタンスは何かという点。

何にもしても、今はコメントできない。近いうちにもう一度読んでみよう。

今日はこの本だけの予定だったが、なんか、欲求不満が残ったので、気晴らしに、この本を2章だけ読んだ。

スディール・ヴェンカテッシュ(望月 衛訳)「ヤバい社会学」、東洋経済新報社(2009)

この本、スティーヴン・レヴィットが「ヤバい経済学」でヴェンカテッシュのことを話題にして、邦訳が待たれていた本。

スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー(望月 衛訳)「ヤバい経済学」、東洋経済新報社(2007)

ビジネスウィークか中の書評で、ethnographyだと書いてあったので楽しみにしていたのだが、こりゃあ、ノンフィクションだな。ちょっとがっかりだが、内容は文句なく面白い。最後まで読んだら、また、感想を書く。

今日も書籍紹介を書かなかったなあ、、、今年になってまだ3本だけ。もっとペースを上げたいな。

以前、この日記に編集学校の通信教育をしているって話を書いたが、「守」のあとの応用コース「破」がえらく手間がかかっているのがペースが落ちている原因。

やっと終わったので、学んだことを活かしながら、もう少し、ペースを上げていこう。

といいたいところなのだが、実は、原因はほかにもある。僕の書籍紹介は編集学校の校長校長先生でもある松岡正剛さんの「千夜千冊」のスタイルを見よう見まねでやってきた。もちろん、作品は足元にも及ばないが。

ところが、編集学校の「セイゴウ知文術」という稽古で、作り方を習ってしまったら、なんか、気になっていままでのように気軽にかけなくなってしまったのだ。特に、本のあたり方が少ないのが気になって仕方ないので、ある本の紹介記事を書こうと思っていると、今までなら2~3冊、あたって終わっていたのが5冊、6冊あたることもある。

商売でブログ書いているわけではないので、こうなるとペース落ちるわけ。とりあえず、編集学校はこれで終わりにしようと思っているので、学んだことを整理して、少し、このあとのブログのスタイルを考えてみようと思っている。それまでペース落ちると思うので、すみません。

とここで終わる予定だったが、ちょっと良心が痛むんで、

千夜千冊はWeb版がこちらにあります。

http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/toc.html

でも、千夜千冊に関しては書籍版、持っておく価値あり!です。

2009年1月15日 (木)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月14日

ちと勉強の必要があって、この本を買ってきて読む。

Xavier M.Frascogna Jr、H.Lee Hetherington(湯浅 政義訳)「アーティスト マネジメント 仕組みのすべて」、オリコン・エンタテインメント(2008)

ある意味で感動した。米国ではアーティストは個人事業主であるというのはよく聞く。日本では自前の事務所を作って独立しない限り、基本的にはプロダクションに所属するサラリーマンである。極論すれば、プロダクションだけでなく、広告エージェント、メディア、果ては興行企業などが形作るビジネスモデルの中で消費されていく商材である。

このことは、日米のアーティストの芸術性の違いに大きな影響を与えているように思えてならない。

といったことを以前からぼんやりと考えていたのだが、この本を読んで、改めてのこの認識を強くした。米国では、アーティストは個人事業主であり、自らマネジメントチームを組んで、自身のマネジメントとプロデュースをしていく。完全に自立したビジネスマンであり、マーケティングもすれば、キャリアプラニングもする。

Copyrightを見ると、この本の初版は1978年である。このようなバイブル的な本があるということはすでにその分野のマネジメントは確立していることを意味している。もう30年前である。これにも驚かされた。

こういう仕組みを持たないとグローバルな活動はできないというのは良く分かる。よく考えてみると、坂本龍一とかはこの世界で動いているように見える。

お仕事で読んだ本はさておき、プライベート。非常に考えさせられる本を読んだ。

ヴェルダー・R・ペーター、フィリップ・ロートリン(平野 卿子訳)「ボーアウト 社内ニート症候群」、講談社(2009)

バーンアウトならぬ、ボーアウト。これも造語だそうだが、仕事に退屈しきってる状態。これは訳者の造語っぽいが、「社内ニート」だといっている。

以下のような現象の相互作用で生まれるそうだ。

・能力以下の仕事しかさせてもらえない
・無関心
・退屈

忙しくて、忙しくて仕方ないといいながら、実は、仕事中に私用メールを書いてみたり、Webを見たりしている人。回りを見回すと、結構、多いのではなかろうか?

2009年1月13日 (火)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月13日

現場視点はもういいって感じ。これからの現場リーダーは、経営視点を持った人材として育てるべき。現場の代弁者としてのリーダー、プロジェクトリーダーでは、現場は不幸になるだけ。

っていうのを、だいぶ前から思っている。3~4年前に、ボスコンのコンサルタントの方が書いた

菅野 寛「経営者になる 経営者を育てる」、ダイヤモンド社(2005)

という本が出て、これを読んである出版社の編集の方と、経営者の育て方の書籍の企画をしたことがある。結局、著者が見つからずに流れたが、ついに、本命の本がでたって感じです。ラム・チャランの本。

ラム・チャラン(石原 薫訳)「CEOを育てる―常勝企業の経営者選抜育成プログラム」、ダイヤモンド社(2009)

実践的だし、面白い。ただし、いつまでもこういうCEO像、一言でいえば、チャランを師と仰ぐといわれるウェルチタイプのCEOでよいのかという疑問は残る。

この本を一緒に読んでみるとよい。

ラケシュ・クラーナ(加護野忠男 、橋本碩也訳)「カリスマ幻想―アメリカ型コーポレートガバナンスの限界」、税務経理協会 (2005)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月12日

プロデュースについて考えたいことがあり、工業デザイナーの奥山さんの

奥山 清行「人生を決めた15分 創造の1/10000」、ランダムハウス講談社(2008)

を読んだ。たいへん、面白かったというか、共感したので、以前、買ったままになっていた、

奥山 清行「フェラーリと鉄瓶―一本の線から生まれる「価値あるものづくり」」、PHP研究所(2007)

奥山 清行「伝統の逆襲―日本の技が世界ブランドになる日」、祥伝社(2007)

を一挙に読む。「フェラーリと鉄瓶」は何人かに読むように進められたが、プロデュースという視点で読んでいるせいか、あまりピンとこなかった。むしろ、「伝統の逆襲」がよかった。この本はきちんと紹介したいなあ。

年末に読んだ茂木さんの「クオリア立国」と同じようなテーストの話。アマゾンのページで、NHKのプロフェッショナルの仕事の流儀の7巻に奥山さんがカーデザイナーということで登場することが判明。実は、この本、読んでいるのだが、記憶にない。

この本を読んだときには奥山さんの話を読みたかったわけではなく、将棋の羽生善治さんの話を読みたくて読んだせいか。読み直そうと思って、探したけど、行方不明。断念。まあ、またの機会ということで。

ただ、プロデュースを考えるときに、奥山 清行という人物は、たいへんな示唆を与えてくれることがはっきりしたのはよかった。

2009年1月12日 (月)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月10日

ちょっと、面白い本を見つけた。

四ッ柳 茂樹「理系アタマのつくり方」、サンマーク出版(2009)

理系アタマの4つの力を
「論理力(Logic)」「抽象力(Abstraction)」「計算力(Calculation)」「実験力(Experimentation)」
の頭文字をとってLACEというらしい。語呂もよい。

抽象力として書いていることに、全面的に共感。特に、分けることに丸々1章を割いているのはいいねえ。結局、話の本質はここだ。

こんな本がある。

坂本 賢三「「分ける」こと「わかる」こと」、講談社学術文庫(2006)

講談社現代新書で1982年に出版された本で大学のときに読んで感動したが、絶版になっていたので残念に思っていた。学術新書の方で復活した。ジャンルが難しい本である。タイトルから分類学だというのは早計であって、しいていえば哲学書である。坂本先生ご自身は、「「哲学入門」として読んでいただいてもいいし,「認識論」でもあり,「宇宙論」でもある」と述べられている。

分けるところでとまるのが文系アタマ、わかるところまでいくのが理系アタマだというと、文系の方はお怒りになるだろうか?でも、僕はそう思う。

この本、おしいのは、せっかっく体系的な思考というキーワードを引き出しながらほったらかしにしていること。ロジカルではなく、システマティックである。本当の理系アタマは、システマティックにものごとを考えることのできるアタマだ。

2009年1月 9日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2008年1月8日

京都駅新幹線のキヨスクに雑誌を買うために行ったら、レジ横に、労働基準法の新書が2冊おいてあるのが目に入る。

布施 直春「イザというときの労働基準法」、PHP研究所 (2008)

布施 直春「わかる!使える!労働基準法―「知らない」ではすまされない仕事のルール」、PHP研究所(2007)

機を見るに敏というか、まあ、そういう時代なんでしょう。新幹線でさっと読んだが、2冊とも面白い。

今年はあまり経験できない経済環境や、経験をできそうだが、ポジティブにとらえて、この時期でなくてはできないことをいろいろとやってみるべきだね。労働基準法の勉強をするっていうのもいいと思う。

2009年1月 8日 (木)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月7日

このあたりが境目かな。これ以上、ディープな本は、この日記では紹介できないな。なんとなく本屋で手にとって、ぱらぱらと読んでみたら思った以上に面白かった。で、買って来て真剣に読みました。深!

稲盛 和夫、梅原 猛「人類を救う哲学」、PHP研究所(2008)

 循環、他利、多神教、慈悲

いずれも重要な問題である。ただ、今はビジネスもこういうレベルの議論に立ち戻らないと、先に進めない状況になってしまった。

今年は、河合先生の著作集をもう一度読み直そうと思って、お正月に引っ張り出してきたが、そのときに、梅原先生の本も何冊か、取り出した。少し、考えたい。

今日、昨年から僕の中で懸案になっていた國貞克則さんの「悩めるマネジャーのためのマネジメント・バイブル」の紹介記事を書いた。

「素敵な」リーダーのバイブル

國貞さんから

本書の全体像と本質が本当に簡潔にそして鋭くまとめられているなと思いました。

というコメントを戴いた。

紹介記事ではふれていないが、この本はある意味でスピリチャルマネジメントに踏み込んでいるのではないかと思う部分がところどころある。こんな本がある。

江原 啓之「悪意/善意 たましいの素顔」、小学館(2008)

日本人にはキリスト教徒のような絶対的な神の存在を持たない人が多いので、結局、どこかでこういうことを考えなくてならないのではないかとも思う。コンプライアンスとかいう話では納まらない。

相当、難しい仕事だと思うが、編集力のある編集者が出てきて、きちんと扱う本がほしいものだ。著者が自分自身で書くと、カルトになってしまう。編集が不可欠な分野だ。

稲盛さんや梅原先生がされているより、ある意味でさらに深い議論である。

米国の投資銀行のやっていることを見ていると、社会的なパラダイムでは解決しないような深い闇(?)を感じる。それは個人の問題であり、ビジネスの領域の話ではないと反論する人も多いと思うが、会社や株式という装置を作ってみても、ビジネスは所詮、人間の営みであるのでここから逃れることはできないと思う。

もっと書きたいことがあるが、こういう話題は生理的に嫌いな人もいると思うので、ビジネス書の杜としてはこの辺でやめておこう。ただ、近いうちに紹介記事を書こうと思っているサーバントリーダーシップなどで、いずれはまた、議論することになるだろう。

昔、フラジャイルというブログをやっていたが、復活しようかな、、、

2009年1月 7日 (水)

「素敵な」リーダーのバイブル

4492532498 國貞克則「悩めるマネジャーのためのマネジメント・バイブル」、東洋経済新報社、(2008)

お薦め度:★★★★★

著者が自分のマネジメントに対する想いをまとめた本。書籍としてみれば決して読みやすい本ではないが、この本に書けた熱意はひしひしと伝わってくるし、何よりも述べられていることが素晴しい。書き方もよく考えられているように思う。おそらく、MBA理論の部分を除いてしまうと、結構、ありがちな経営の精神論か、成功したコンサルタントの経験論のような内容になってしまうのではないかと思うのだが、あくまでもベースはMBA理論であって、それを現場でどのように解釈し、どのように適用していくかを書いた内容になっている。

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