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2008年12月

2008年12月31日 (水)

日本のこころ

4863100388 茂木 健一郎「クオリア立国論」、ウェッジ(2008)

お薦め度:★★★★1/2

「クオリアとは人間が心の中で感じるさまざまな質感」のことだそうだ。「抜けるような青空、ヴァイオリンの音色など、意識の中であるものとして把握されているものはすべてクオリアであるといっても過言ではない」と著者は説明する。この本は、記号的な消費の時代は終わってクオリアの消費の時代が来たことを背景に、クオリアで立国していこうと主張する。

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【ほぼ日 読書日記】2008年12月31日

要約力と名のつく本3冊目。以前読んだのは以下の2冊

轡田 隆史「要約力」、主婦の友社(2005)
和田 秀樹「要約力」、かんき出版(2003)

今日、読んだのは

本間 正人、浮島 由美子「できる人の要約力」、中経出版(2008)

なんか、魅力のあるテーマなんだろう。しかし、今回の本もあまりピンとこなかった。確かに要約という行為に何かのエッセンス(本質)が含まれているようには思う。それが何かをきちんと伝えてくれる本に出会わない。今年の最後に読んだ本としては残念。

要約するとはどういうことかすらもあまりきちんと書いていないように思う。結局、そこかな。

2008年12月26日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月26日

多くの企業は今日で本年の業務は終了。今日は何回も挨拶をした。

誰かが、今年はビジネス書は勝間・小宮・茂木の年だったと言っていた。僕も何冊か読んでいるはずだが、正直、印象に残っているものがない。

と思っていたら、最後の最後に、すばらしい本に出会った。本年のビジネス書を締めくくるにふさわしいかもしれない。

茂木 健一郎「クオリア立国論」、ウェッジ(2008)

まだ、今年が終わったわけではないが、このブログの今年のスタートはこの本だった。

リクルートワークス編集部「おもてなしの源流 日本の伝統にサービスの本質を探る」、英治出版(2007)

この本は上質さの創造のために「主客一体」というすばらしいコンセプトを与えてくれたが、茂木さんのこの本も文化の追求という視点を与えてくれている。この本を今年最後の書籍紹介にしよう。

2008年12月25日 (木)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月25日

「あれ?ずいぶん、装丁が変わったな」と思って本屋で手にとった。

「1分間アントレプレナー 黄金の起業法則」

よく見ると、日本実業出版社の文字が、、、。見事な「日実仕様」になってしまった、、、、

ケン・ブランチャード、ドン・ハトソン 、イーサン・ウィリス(鈴木 智草訳)「1分間アントレプレナー 黄金の起業法則」、日本実業出版社

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これが4478360847

に変わったときには、「おっ、変わった」と思ったけど、何も違和感は感じなかった。でも、これが

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に変わってすごい違和感を感じている。シリーズのイメージが変わってしまった、、、ロゴもついている。これはオリジナルのロゴか?

そういえばこ4594038522ういうのもあった。こっちとどちらが近いかな。

 

クリスマスの約束を見ながら書いているので、ちょっと遊んでみましたが、内容は悪くない。かなり、いいです。

社会起業家にも響きそうな内容。このシリーズ、内容を紹介してしまうと実も蓋もないので、ここまでということで。

もう、一冊。イノセンスの石川光久さんの自伝。

石川 光久「現場力革命」、KKベストセラーズ(2008)

石川さんの発想や体験、特に押井学監督との関係が詳しく書かれており、とても興味深く読める。はっとした言葉がある。監督を起用するという言葉。やっぱり、プロデューサーって偉いんだよなあ。がんばれ、ミドル!あなたたちは監督(プロジェクトマネジャー)を使っている。偉いんだ!

ってところで、仕事ネタでもう一冊。

野島 美保「人はなぜ形のないものを買うのか」、エヌティティ出版(2008)

この本、僕はむちゃくちゃ面白かった。サービスマーケティングはこういう視点でもう一度、検証しなおしてみるといい。答えはまっきりしないが、示唆に富む。

ただ、デジタルコンテンツをいかに売るかというテーマの本としては、なんとなく物足らない。まあ、そっちには興味が薄いのでいいですが、、、

プロデューススキルの全貌が明らかに!

4820717332 佐々木 直彦「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」、日本能率協会マネジメントセンター(2008)

お薦め度:★★★★★

この本には誕生ストーリーがある。この本は、佐々木氏が1999年に日本能率協会マネジメントセンターから依頼され、一旦挫折したそうだ。同時期に、偶然、PHP研究所から同じ依頼があったが断った。ところが、PHP研究所でオファーした編集者の方がいつのまにか日本能率協会マネジメントセンターに転籍され、それを知った佐々木さんが日本能率協会マネジメントセンターに再チャレンジを持ち込んだというのだ。そして、最初から数えて10年かかり、やっと世の中にでてきたそうである。

そのストーリーを読んで、「これだけの本を作るにはやっぱり10年はかかるよな」と思わせるくらいよくできた本である。

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2008年12月24日 (水)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月24日

本日の発売です。素敵なクリスマスプレゼント、ありがとうございます!

4862760406 ロバート・グリーンリーフ(金井壽宏監訳、金井真弓訳)「サーバントリーダーシップ」、英治出版(2008)

2008年12月23日 (火)

キャリアステージのあるべき姿とその実践

4270004401 新 将命「伝説の外資トップが説く リーダーの教科書」、ランダムハウス講談社(2008)

お薦め度:★★★★★

100%共感できるリーダー論。リーダーは何をすべきかというよりも、どうあるべきかを中心にして、その実践が具体的に述べられている。今年読んだリーダーものでは間違いなくベスト1。また、これまでに読んだリーダー論の中でも間違いなくベスト3に入る本。

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【ほぼ日 読書日記】2008年12月22日

23時くらいから読書。前にこの日記にスピリチュアルのことを書いたら、知人の澤田さんという方がセレンディピティというキーワードを教えてくださった。ちょっと違うイメージで捉えていたので、とりあえず、勉強を決意。2冊買っておいた本を一挙に読む。

宮永博史「成功者の絶対法則 セレンディピティ」、祥伝社(2008)

まあ、よくこれだけ事例を集めたなというのが読後の感想。雑然としているが、これをセレンディピティという概念の表現のためにやっているとしたら、たいした編集力だ。セレンディピティを「やってくる」と称し、「気まぐれな小人さん」だと比喩しているのは共感。

読んでいてふと気になったのは、この本は事例を飛ばして読んでみると面白いのではないかということ。もう一度、読むときにはこれもやってみることにしよう。

沢泉 重一「偶然からモノを見つけだす能力―「セレンディピティ」の活かし方」、角川書店(2002)

こちらは入門書。語源とか、いろいろと基本事項が書いてあって役にたつ。が、そんなに深くないので、タイトルに対しては期待はずれ。宮永先生の本のほうが面白そうだったので、後回しにしたのが失敗。沢泉さんの本を最初に読めば、宮永先生の本の感じ方も違っていたかもしれない。

セレンディピティという話は現場指向の日本人は大好きだというのは良く分かる。ただ、マネジメントの中に組み込んでいかないと単なる現場の話で終わってしまう。それは組織文化なのかもしれないし、仕組みなのかもしれない。あるいは人材育成なのかもしれないし、ナレッジマネジメントなのかもしれない。

このあたりの議論を尽くすべきだと思うが、技術系の人が注目している概念のようなので、そういう体系化は難しいのだろうなあ。これこぞ、日本型のMOTに格好のテーマだと思うが、、、

最後に紹介してくださった澤田さんへのメッセージ。

この話は科学的な話だと思います。実験計画法の発想の原点にはこのような話があって、それをさらに合理化するにはどうしたらよいかと考えたときに、アルゴリズムではなく、マインドセットを変えようというのが、セレンディピティという話だと理解しました。これ自体は面白い話だと思いますが、スピリチャルには結びついていかないのではないかと思います。ただ、小人のメタファがあるように、そこに何らかの精神性があるのかもしれません。その点も含めて、今後も興味を持ってみていきたい分野です。

2008年12月22日 (月)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月21日

今日は日曜日でとりあえず仕事は必要最小限にし、夕方からたまっていた編集稽古をし、そのあとこの本をじっくり読んだ。杉山先生の新刊。

舞田 竜宣、 杉山 尚子「行動分析学マネジメント」、日本経済新聞社(2008)

最近、行動分析学を応用した自己啓発本が増えているが、いつかはこの本を読んでほしいと思うし、今までの杉山先生の本に比べるとマネジメントに焦点が当たっている。この是非については、紹介記事を書くときに意見を述べたいと思うが、最初、出版社を見たときに日経だったのでえっと思った。内容を読んで納得したが、ビジネス書として価値のある本であるのは間違いない。

もう一冊。前から読みたいと思っていた吉本の木村政雄さん(元常務)の客観力。

木村 政雄「客観力-自分の才能をマネジメントする方法」、祥伝社(2008)

オンリーワンコンセプトが世の中にはびこってきたのは、SMAPの「世界に一つだけの花」のヒットの影響が大きいと思う。オンリーワンというのはベストワンに勝る素晴らしいものだと思うが、多くの人が勘違いしているのは、自分が評価するものではないことである。

ところがこの議論には、

自分だけのものなので、所詮他人にはわからないし、自分が評価(満足)すればいい

という落とし穴がある。これはレトリック以外の何物でもない。コンサルタントには、昔から、自称コンサルタントという人種がいるし、どんな領域でも自称プロフェッショナルがいるものだ。オンリーワンを標榜している人にも、これと同じような人が少なくない。

この議論に終止符を打ってくれる本。「個性」と「おれがおれが」は違うと一喝。オンリーワンを語る資格があるのは、自分を客観視できる人だけだということを愛情を持って語ってくれる本。素晴らしい!

2008年12月20日 (土)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月19日

やっぱり、武沢さんはすごい。メルマガで、名古屋駅で目の前で自分の本を立ち読みして、選んで買ったという一部始終を目撃したというエピソードを読んで、アマゾンを見たところ、25人の書評がついていた。

発売から2週間で25人のレビューがつくというのもすごいが、なんと25人とも★★★★★。好き嫌いがはっきり分かれるタイプの人なので、まあ、早々に読んでレビューを書くからにはこんなものだろうと思いつつ、本日、新幹線の待ち時間があったので僕も東京駅の書店で購入。

金曜日の最終で帰京(←京都に帰るという意味!!)の疲れが吹っ飛んだ!好き嫌いのレベルを超えて面白いし、社長には社員に話をする格好のネタ本。僕も★★★★★で紹介記事を書くことを宣言しておこう。

武沢 信行「使える!社長の四字熟語100選 経営に効く! 」、こう書房(2008)

で、感動したあとで、勢いでもう一冊。セコムの飯田亮最高顧問の本を読む。

飯田 亮「打てば必ず響く人―一流の仕事人になる「ビジネス金言集」」、三笠書房(2008)

言葉を選び、それにビジネスマン、経営者としての心構えの持論をつけていく、武沢本と同じようなテーストの本。書かれていることそのものは、飯田さんの本の方が卓越しているように思うのだが、本としては武沢さんの本のほうが面白い。想定読者の違いもあると思うが、編集力の差のような気がする。

今週、お会いしたある人から、「好川さんはなぜ経営者ものの本を読んでいるのか」と聞かれた。質問の意図が分からなかったのでその場では明確に答えなかったが、

「中小、中堅企業の経営者のお相手をするには、自身が優れた経営者である必要があるから」

というのがお答え。武沢さんもそうだが、飯田さんも尊敬する経営者だ。もっとも尊敬するのは松下幸之助だが、成功した会社の社長の中にはビジネスに成功した経営者と、経営に成功した経営者がいる。後者はビジネスの成功はもちろん、含まれる。

この視点で大体分けられるのだが、実はもっとも興味深いのはこの視点で分けられない人。これが僕にとっては魅力的な経営者だ。その典型はスチーブ・ジョブスだ。日本だと、まずは松下幸之助翁、セコムの飯田さんや、ヨーカドーの鈴木さんなどが思い浮かぶ。ただ、幸之助はもちろん、飯田さんや鈴木さんの作った画期的な経営スタイルは今ではすでに一般に受け入れられている。このタイプは米国だとたとえば、ビル・ゲイツやマイケル・デルだと思う。

その点でジョブスというのは、エクセントリクなのか、時代を常に先行して変容していっているのかよく分からないが、器が違うような気がする。来年のMacWorldに出ないというのでAppleの株が下がったそうだが、体調が心配だ。

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