ほぼ日 読書日記 Feed

2009年1月13日 (火)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月13日

現場視点はもういいって感じ。これからの現場リーダーは、経営視点を持った人材として育てるべき。現場の代弁者としてのリーダー、プロジェクトリーダーでは、現場は不幸になるだけ。

っていうのを、だいぶ前から思っている。3~4年前に、ボスコンのコンサルタントの方が書いた

菅野 寛「経営者になる 経営者を育てる」、ダイヤモンド社(2005)

という本が出て、これを読んである出版社の編集の方と、経営者の育て方の書籍の企画をしたことがある。結局、著者が見つからずに流れたが、ついに、本命の本がでたって感じです。ラム・チャランの本。

ラム・チャラン(石原 薫訳)「CEOを育てる―常勝企業の経営者選抜育成プログラム」、ダイヤモンド社(2009)

実践的だし、面白い。ただし、いつまでもこういうCEO像、一言でいえば、チャランを師と仰ぐといわれるウェルチタイプのCEOでよいのかという疑問は残る。

この本を一緒に読んでみるとよい。

ラケシュ・クラーナ(加護野忠男 、橋本碩也訳)「カリスマ幻想―アメリカ型コーポレートガバナンスの限界」、税務経理協会 (2005)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月12日

プロデュースについて考えたいことがあり、工業デザイナーの奥山さんの

奥山 清行「人生を決めた15分 創造の1/10000」、ランダムハウス講談社(2008)

を読んだ。たいへん、面白かったというか、共感したので、以前、買ったままになっていた、

奥山 清行「フェラーリと鉄瓶―一本の線から生まれる「価値あるものづくり」」、PHP研究所(2007)

奥山 清行「伝統の逆襲―日本の技が世界ブランドになる日」、祥伝社(2007)

を一挙に読む。「フェラーリと鉄瓶」は何人かに読むように進められたが、プロデュースという視点で読んでいるせいか、あまりピンとこなかった。むしろ、「伝統の逆襲」がよかった。この本はきちんと紹介したいなあ。

年末に読んだ茂木さんの「クオリア立国」と同じようなテーストの話。アマゾンのページで、NHKのプロフェッショナルの仕事の流儀の7巻に奥山さんがカーデザイナーということで登場することが判明。実は、この本、読んでいるのだが、記憶にない。

この本を読んだときには奥山さんの話を読みたかったわけではなく、将棋の羽生善治さんの話を読みたくて読んだせいか。読み直そうと思って、探したけど、行方不明。断念。まあ、またの機会ということで。

ただ、プロデュースを考えるときに、奥山 清行という人物は、たいへんな示唆を与えてくれることがはっきりしたのはよかった。

2009年1月12日 (月)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月10日

ちょっと、面白い本を見つけた。

四ッ柳 茂樹「理系アタマのつくり方」、サンマーク出版(2009)

理系アタマの4つの力を
「論理力(Logic)」「抽象力(Abstraction)」「計算力(Calculation)」「実験力(Experimentation)」
の頭文字をとってLACEというらしい。語呂もよい。

抽象力として書いていることに、全面的に共感。特に、分けることに丸々1章を割いているのはいいねえ。結局、話の本質はここだ。

こんな本がある。

坂本 賢三「「分ける」こと「わかる」こと」、講談社学術文庫(2006)

講談社現代新書で1982年に出版された本で大学のときに読んで感動したが、絶版になっていたので残念に思っていた。学術新書の方で復活した。ジャンルが難しい本である。タイトルから分類学だというのは早計であって、しいていえば哲学書である。坂本先生ご自身は、「「哲学入門」として読んでいただいてもいいし,「認識論」でもあり,「宇宙論」でもある」と述べられている。

分けるところでとまるのが文系アタマ、わかるところまでいくのが理系アタマだというと、文系の方はお怒りになるだろうか?でも、僕はそう思う。

この本、おしいのは、せっかっく体系的な思考というキーワードを引き出しながらほったらかしにしていること。ロジカルではなく、システマティックである。本当の理系アタマは、システマティックにものごとを考えることのできるアタマだ。

2009年1月 9日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2008年1月8日

京都駅新幹線のキヨスクに雑誌を買うために行ったら、レジ横に、労働基準法の新書が2冊おいてあるのが目に入る。

布施 直春「イザというときの労働基準法」、PHP研究所 (2008)

布施 直春「わかる!使える!労働基準法―「知らない」ではすまされない仕事のルール」、PHP研究所(2007)

機を見るに敏というか、まあ、そういう時代なんでしょう。新幹線でさっと読んだが、2冊とも面白い。

今年はあまり経験できない経済環境や、経験をできそうだが、ポジティブにとらえて、この時期でなくてはできないことをいろいろとやってみるべきだね。労働基準法の勉強をするっていうのもいいと思う。

2009年1月 8日 (木)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月7日

このあたりが境目かな。これ以上、ディープな本は、この日記では紹介できないな。なんとなく本屋で手にとって、ぱらぱらと読んでみたら思った以上に面白かった。で、買って来て真剣に読みました。深!

稲盛 和夫、梅原 猛「人類を救う哲学」、PHP研究所(2008)

 循環、他利、多神教、慈悲

いずれも重要な問題である。ただ、今はビジネスもこういうレベルの議論に立ち戻らないと、先に進めない状況になってしまった。

今年は、河合先生の著作集をもう一度読み直そうと思って、お正月に引っ張り出してきたが、そのときに、梅原先生の本も何冊か、取り出した。少し、考えたい。

今日、昨年から僕の中で懸案になっていた國貞克則さんの「悩めるマネジャーのためのマネジメント・バイブル」の紹介記事を書いた。

「素敵な」リーダーのバイブル

國貞さんから

本書の全体像と本質が本当に簡潔にそして鋭くまとめられているなと思いました。

というコメントを戴いた。

紹介記事ではふれていないが、この本はある意味でスピリチャルマネジメントに踏み込んでいるのではないかと思う部分がところどころある。こんな本がある。

江原 啓之「悪意/善意 たましいの素顔」、小学館(2008)

日本人にはキリスト教徒のような絶対的な神の存在を持たない人が多いので、結局、どこかでこういうことを考えなくてならないのではないかとも思う。コンプライアンスとかいう話では納まらない。

相当、難しい仕事だと思うが、編集力のある編集者が出てきて、きちんと扱う本がほしいものだ。著者が自分自身で書くと、カルトになってしまう。編集が不可欠な分野だ。

稲盛さんや梅原先生がされているより、ある意味でさらに深い議論である。

米国の投資銀行のやっていることを見ていると、社会的なパラダイムでは解決しないような深い闇(?)を感じる。それは個人の問題であり、ビジネスの領域の話ではないと反論する人も多いと思うが、会社や株式という装置を作ってみても、ビジネスは所詮、人間の営みであるのでここから逃れることはできないと思う。

もっと書きたいことがあるが、こういう話題は生理的に嫌いな人もいると思うので、ビジネス書の杜としてはこの辺でやめておこう。ただ、近いうちに紹介記事を書こうと思っているサーバントリーダーシップなどで、いずれはまた、議論することになるだろう。

昔、フラジャイルというブログをやっていたが、復活しようかな、、、

2009年1月 7日 (水)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月6日

考え事をしていて、この本があったことを思い出して、書庫から探し出して読み直す。

この本、頓珍漢な場所に入れていたので、捜索に20分くらい時間がかかってしまった。

僕が知っている個人のオフィスでもっともたくさん本があるのは金井先生のオフィス。金井先生のオフィスと比べると物の数ではないと思うが、それでも1万冊はあると思うので、結構、本探しも疲れる。

齋藤 嘉則、山本 直人「コラボレーション・プロフェッショナル―ゼロベース思考の状況マネジメント」、東洋経済新報社(2006)

発売当初は、齋藤 嘉則さんのプロフェッショナルシリーズの本であるという理由だけで読んだような記憶があるが、はっきり言って割と表象的なコミュニケーションの方法を書いた本で、そんなに良い本だとは思わなかった。たぶん、ブログに紹介記事も書いていない。でも、今、改めて読んでみると、結構、深いことが書かれており、なんてよい本なのだろうと思ってしまった。ひとつには僕自身のコラボレーションへの理解というのが当時の3.8倍くらいになっていることにも評価が変わった理由があるのだろう。本を納めていた場所からしても、理解していなかったことは明らか。

だから、本の評価というのは難しい。

仕事を終えて、もう一冊読む。

中谷 巌「資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言」、集英社(2008)

中谷先生がこの本を書かれたことは素直に評価したい。ある意味で、中谷先生でなければかけない「本」。ただ、提言のロジックは無理があるように思う。それよりも、このような提言であれば中谷先生でなくても書けるだろう。中谷先生でないとかけないようなロジックを作ってほしい。

2009年1月 6日 (火)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月5日

今年は、チクセントミハイルを本気で読んでみるかなあ、、、この本はよかった。

小森谷 浩志「「フロー理論型」マネジメント戦略―イマージョン経営12のエッセンス」、出版社: 芙蓉書房出版(2008)

サーバントリーダーシップを支援型リーダーシップだというような社会的土壌なので、やはり、こういう見せ方をしないとフロー理論は入ってこないのだろうか?天外さんは偉大だなあ、、、まあ、実績が違うか。。。

2009年1月 4日 (日)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月3日

このお正月は編集学校のお稽古に時間をとったので、あまり本を読まなかった。そんな中で今日は小説を読んだ。

楡 周平さんの小説はあまりはずれがないのだが、この小説は非常によかった。

楡 周平「プラチナタウン」、祥伝社(2008)

プロデュースを打ち出していく年に、イメージを伝えるにはもってこいの小説。急いで紹介記事を書くことにしよう。

2009年1月 1日 (木)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月1日

年末から、派遣切りがどうのという討論会やニュースを見ていてずっと読みたいと思っていた本を久しぶりに取り出して読んだ。

ぐちゃぐちゃしていて、気持ち悪かったものが、すっと清められたような気分。やっぱりこの本はすごいわ。

サミュエル・スマイルズ(竹内均訳)「自助論」、三笠書房(2003)

せっかく、お正月に読んだので、みなさんと共有したく、紹介記事を書いて見ました。よろしければどうぞ

もう一冊。少し、古い本。

澤口 学「逆転発想による創造的リスクマネジメント」、同友館(2007)

リスクを恐れるのではなく、どうすればそのリスクが起こるかを考える「サポタージュ・アプローチ」。これはありだな。PMBOK流のリスクマネジメントだけではもの足らず、リスクマインドという考え方を導入しているが、リスクマインドを高める方法としてはよい方法だ。

【ほぼ日 読書日記】2009年1月1日(特別版)

本年もよろしくお願いいたします。

いきなりですが、日記の2009年第一弾は、2008年、ビジネス書の杜のデータをみた感想です。総括というほど、立派なものではなりませんが、3つほど、あります。ベスト10はこちらにありますので、お読みください。

ひとつ目。このブログはプロジェクトマネジャーのための書籍紹介サイトとして開始しましたが、2006年くらいからこの枠を取り除き、「考え抜くビジネスパースン」のためのビジネス書の紹介サイトを意識した内容に変えてきました。書籍の選定も変わっているのですが、2008年はプロジェクトマネジメント関係の本のベスト10入りは2位の峯本展夫さんの「プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル」、3位のサニー・ベーカーさんの「世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント」2冊だけになりました。峯本さんの本はプロフェッショナルマネジャー仕様、サニー・ベーカーさんの本はビジネスマン仕様とテーストの違う2冊ですが、いずれもプロジェクトマネジメントの専門家向けの本ではありません。その意味では10冊すべてビジネスパースン向けの本がそろったといってもよいでしょう。

2008年はPMBOKが改版の年だったとか、プロジェクトマネジメント本の出版が少なかったなどの事情もあるとは思いますが、とりあえず、トランジションは成功したのではないかと思っています。今後はこの方向でアクセスを増やしていければと思っています。

2つ目。おそらく他の書籍紹介サイトではベスト10にも入らない書籍が並んでいるのではないかと思います。また、ベスト10の中で、5冊は昨年発売された本だというのも特徴だと思います。

メジャーなメルマガやブログと比べるとアクセス数、アフェリエイト数とも足元にも及びませんが、売れそうな本ではなく、読んでほしい本を紹介しているからだと自負しています。一言でいえば
 答えではなく示唆を与える本を重視する
ことを方針にしています。ある出版社の編集の方から「弊社の本をよく取り上げてもらっている」と言われたことがありますが、ひいきではなく、その出版社には明らかにそういう本が多いからです。実際には、答えを与えるハウツー本にも、たとえば、日本実業出版社のようにほれぼれするような作りこみをしている出版社もあるので、本を愛する者としては取り上げたい気持ちがなくはないのですが、この方針は僕の仕事観でもあるので、今後も変えないつもりです。
ということで、出版社のプロモーションに乗らないアウトローブログにも関わらずこのブログを影響力のあるブログのひとつだと認めてくださる編集者の方も増え、読者プレゼントの企画にも多くの方がコメントをくださるなど快くご協力戴いているのはうれしい限りです。この場をお借りしてお礼を申し上げます。

3つ目は、11月から「ほぼ日 読書日記」をはじめました。もともとは、書籍紹介の記事を書く時間が取れず、タイトルだけでも紹介しておこうと思って始めたのですが、これに予想以上のアクセスがあり、その効果もあってブログのアクセス数が倍増しました。これに伴い、アフェリエイトの数も12月は2008年1~11月の平均の2倍近くになりました。改めて数は力というのを思い知りました。今までも、ベストセラーを取り上げればSEO対策にもなってアクセス数が上がる傾向にありましたが、そちらには行きませんでした。今後も読んでほしい本だけを紹介するという姿勢は変わりません。引き続き、ご愛顧をお願いします。

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