ほぼ日 読書日記 Feed

2009年2月15日 (日)

【ほぼ日 読書日記】2009年2月14日

今回のビジネス書の杜書籍プレゼントへの応募者が意外と少ない。理由は3つ考えた。

・ラテラルシンキング(水平思考)への関心が低い

・ラテラルシンキングという言葉の意味がわからない

・アマゾンの評価が低い本

むう~、どれだろう?それ以外の原因か?興味深いなあ。

さて、今日、読んだ本。常に考えることをこういう視点からまとめた本は、意外と無かったのかもしれない。この本を読んでどう感じるかが、まずは、平凡で終わるか、非凡になれるかの分かれ目だ。

岩瀬 大輔、伊藤 真「超凡思考」、幻冬舎(2009)

ただし、ハウツー本としてこの本を読むのは時間の無駄。本田さんのレバレッジと被っている部分が多い。違う視点から、すべきことが被ることが本当にすべきことなのだろう。

それにしても、タイトルがいいなあ。

2009年2月14日 (土)

【ほぼ日 読書日記】2009年2月13日

企画提案のために多少古い本を2冊。

酒井穣「あたらしい戦略の教科書」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2008)

ベストセラーになった「はじめての課長の教科書 」がそんなによいと思わなかったので、買ったまま読んでいなかったが、課長の教科書よりはるかによい本だ。

戦略思考の本というのは何冊かあるが、戦略論をこのような視点でまとめた本は珍しい。一般のビジネスマンがこの本を読んでピンとくるかどうかは微妙だが、コンサルタントや経営企画などの戦略策定に携わる人にはこれ以上ないテキストだ。

もう一冊。

畠山芳雄「中堅社員・どう能力を伸ばすか」、日本能率協会マネジメントセンター(2006)

畠山先生の「マネジメントの基本」選書の一冊。業績に直結した専門職ミドルのあり方について体系的に述べている。畠山先生の本は特段変わったことが書いてあるわけではないのだが、視点が体半分だけずれていて、そのずれがいろいろな気づきを与えてくれるし、また、本としても新鮮さを感じる。この本は特にそれを感じた。

2009年2月13日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2009年2月12日

大切なことがたくさん書いてある。、、、ような気がする。

冷泉 彰彦「アメリカモデルの終焉」、東洋経済新報(2009)

仮説は、

「組織とは評価の対象と範囲を決めるために作られた」

というもの。この仮説で、成果主義をはじめ、いろいろな米国流の経営制度が日本にはなじまない理由を説明している。

仮説が正しいかどうかは人によってとらえ方が違うように思うが、この仮説一つで、いろいろな説明ができるというのはおもしろい。ただし、最後の提言はあまり、おもしろいとは思わなかった。

もう一つ、これをビジネス書の杜の読書日記に入れると、また、小池龍之介氏の本のような批判が出てくるかもしれないが、勇気を持って。

中村 雅彦「祈りの力―願望実現へのアプローチ」、東洋経済新報社(2009)

今年はスピリチャルマネジメントに手を出そうとしているが、この手の本は意外と多い。中村氏は、心理学者であると同時に、「拝み屋」。「拝み屋」といえば、このコミックスを愛読している。

宮本 福助「拝み屋横丁顛末記」、一迅社(2008)

中村さんの本に比べると、マンガだが、心理的に考えさせられる要素は結構あるし、和めるコミックス。

2009年2月 8日 (日)

【ほぼ日 読書日記】2009年2月8日

2月5日に触れた本のコメントはまだ。2~3回読み直したが、まだ、よくわからない部分がある。深い。

さて、今日はまず、これ。取り上げられている方の一人から頂戴した。

福沢 恵子監修、日本能率協会マネジメントセンター編「私の仕事道 トップ女性10人のジグザグキャリアから学ぶ!」、日本能率協会マネジメントセンター(2009)

とりあえず、送ってくれた人の話を読んで、あと何編か読んでいるうちに、うんざりしてきて、最後まで読めなかった。僕はそもそも、「私の履歴書」をあまりおもしろいと感じない人なのでそのせいかもしれないし、ジェンダーダイバーシティをそんなに重要な課題だと思っていないのでそのせいかもしれない。

がんばれ、女性って感じの本だが、日本には意外と、男性が女性をどうみているかを書いた本が少ない。訳本だと結構ある。ビジネス書の杜でも何冊か紹介している。たとえば、これ。

パット・ハイム、スーザン・ゴラン(坂東智子訳)「会社のルール 男は「野球」で、女は「ままごと」で仕事のオキテを学んだ」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2008)

日本の女性市場に向けて作られた本は、女性に対するかなりステレオタイプな前提のもとに作られているように思える。だが、この本の登場人物のような女性たちが出現しているのだから、そろそろ、ものごとを客観的に眺めてみる時期にきていると思うが、、、

まあ、本としては、ステレオタイプの方が売れるのだろうけど、、、

それから、先週、比較的古い本を貰ったのでそれも読んだ。

岡野 雅行「メシが食いたければ好きなことをやれ!―世界一の職人が教える「自分ブランド」「人づきあい」「心丈夫」の方法」、こう書房(2008)

20代の若者へのメッセージ。思いっきり、岡野節です。同じ内容の本を、30過ぎのライターが書いたら、読んでいるうちにゴミ箱に放りたくなると思うが、やっぱり、岡野さんの本だと思うと、説得力がある。これはプロデュースにつながっていく話だな、きっと。

報告書かきのために、この本を読み直した。

今村 龍之助「ドラッカーとトヨタ式経営―成功する企業には変わらぬ基本原則がある」、ダイヤモンド社(2008)

この本、紹介記事を書いていないが、よい本だ。出た直後に読んだときには、内容はともかく編集の良さに気がつかなかったが、読み直してみるとすごい編集の本だ。書いてあることはほとんどどこかで読んでいることだが、編集だけでインスパイアされているような気がする。そう思うと、そもそも、ドラッカーとトヨタ経営を結びつけるセンスがすごいなあ。

2009年2月 6日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2009年2月5日

う~ん、、、

一昨年の10月か11月に、岸良さんと講演会で一緒になり、今度、金井先生と「過剰管理」の本を書くんですよと話しかけられて、「お~!」と思った。しばらくして、金井先生からプロマネの本を書くというメールを戴いた。金井先生も楽しみにされていたので、僕も楽しみにしていた。

岸良さんの問題解決の本がダイヤモンドから出たときとか、金井先生監訳の「サーバントリーダーシップ」、「幸之助論」などの本が出たときとか、この本のことを思い出し、心待ちにしていた。

やっと出た!多摩センターで、アポの時間調整に啓文堂書店に入って、発見!

金井 壽宏、岸良 裕司「過剰管理の処方箋 自然にみんながやる気!になる」、かんき出版(2009)

手にとって、さっとみて、がっかりした。混ざっていない。勝手に岸良さんが料理、金井先生がワインというマリアージュを予想していたのだが、それは当たっていた。

でも、内容は、かなり、よく作り込まれたムックという感じ。ただ、2人の卓越したオピニオンリーダーの本なので、ムックとはいっても読み応えがある。期待しすぎていたのかもしれない。普通に読めばよい本だし、プロマネの本としてみれば、今までにはなかった画期的な本だと思う。

惜しいのは、昨今の不況で時代背景がずれてしまったこと。僕が岸良さんから話を聞いたときには、なんてすばらしいテーマだろうと思って、このテーマに関して僕なりの意見をメルマガに書いたりもした。が、今、この本を読んでもなるほどと思うが、むちゃくちゃ重要な問題だとは実感できない。そんなことを言っている場合ではないという感が否めない。

まあ、長く読み継がれれば、景気が回復し、重要な問題になってくるテーマだろう。

ということで、多少、がっかりした僕の目に一冊の本が入ってきた。この本屋はいったい、どういう本屋なのだ。この本をこんな棚に並べるとは!ものの道理がわかりすぎ!

そのあと、いろいろと仕事を済ませて、急ぎの原稿をほったらかして、3時間その本に没頭!メッチャ感動!

まだ、消化できていないので、紹介は明日。お楽しみに!

2009年2月 5日 (木)

【ほぼ日 読書日記】2009年2月4日

本日はビジネス書の杜Award2008セミナー。こちらにレポート。

「ビジネス書の杜Award2008」セミナーの様子

終わったあとで、佐々木さんと佐々木さんの知り合いの方2名と会食。ホテルに戻って、大好きな山口 智司の本を読む。

山口 智司「アウトロー経営者の履歴書―時代を創った社長たちの物語」、彩図社(2009)

この2~3ヶ月に読んだ本の中で、一番おもしろかった。山口 智司さんは視点がおもしろい。彼のアウトローシリーズを読んでいると、アウトローこそ、時代の先端をいくようなイメージを持ってしまうので不思議。

彼のアウトローというのはエキセントリックに近いのかもしれない。

2009年2月 4日 (水)

【ほぼ日 読書日記】2009年2月3日

強烈におもしろかった。っていうか、はまったというべきか。一気読み。小泉純一郎と麻生太郎はどちらがこわいか。この議論につきると思う。

田中 和彦「威厳の技術 上司編 (幻冬舎新書) 」、幻冬舎(2009)

日本人は形から入るというのは、守破離という思想でよく説明されるが、形からはいってよいものとそうでないものはある。

そうでないものの一つは、リーダーシップをはじめとする対人影響系の行動。守破離というのはもともと内面的な深まりを意味することなので、ある意味で当たり前か。

この本の中でも指摘しているが、「やさしい」上司、親しみのある上司というのが時代の流れである。ただし、このスタイルの突破は「優しいけど、尊敬され、命令以外の形で統制できる」ということだ。サーバントリーダーシップのような議論はあるが、統制を抜きにしては危機になると組織は成り立たない。表にでなくても、サスティナブルな組織であるための条件に統制というのは必ず必要だ。

やさしくなって部下からなめられているようでは話にならない。僕が会社に入った頃と比べると、なめられ度は比較にならない。

がんばれ、上司!

2009年2月 3日 (火)

【ほぼ日 読書日記】2009年2月2日

こういう話を体系化するというのは、ひょっとするとコンサルタントやトレーナーの夢かもしれない。

ケリー・パターソン、ジョセフ・グレニー、デヴィッド・マクスフィールド、ロン・マクミラン、アル・スウィツラー(千田 彰、本多 佳苗訳)「インフルエンサーたちの伝えて動かす技術」、PHP研究所(2009)

ただ、行き着く先はそんなに多様ではないように思える。

アラン・コーエンとデビッド・ブラッドフォードの「影響力の法則」と結果としての行動がそんなに違うわけではないように感じる。事例を読んでいると、通じる部分が多い。

アラン・コーエン、デビッド・ブラッドフォード(高嶋 薫、高嶋 成豪訳)「影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル」、税務経理協会(2007)

結局のところ、人間というのは比較的に思ったような行動をするということなのだろう。心理学のウンチクにみんなが興味を持つというのもそういうことなのだろう。

ただ、1対1の関係と、集団の中での関係性は大きく異なる。システムが生まれたときに、その中で行動をする人間の思考は異なる。

影響力をプロセスでとらえているアラン・コーエンに対して、この本はシステムとしてとらえていることだ。この本のすごいところはそこまで踏み込んだ議論をしていることだ。その意味で、すばらしい本だと思う。

2009年2月 2日 (月)

【ほぼ日 読書日記】2009年2月1日

今日から2月。2月のスタートはマイクロソフトものから。

マイクロソフトの分析はクスマノ先生の「マイクロソフトシークレット」をはじめとして、いくつもの良書がある。その中で強調されるのは、技術(標準)戦略や技術、プロジェクトマネジメントである。たとえば、最近、出版された本でよくできているなと思ったのが、これ。

トム佐藤「マイクロソフト戦記―世界標準の作られ方」、新潮社(2009)

標準を巡る技術競争、戦略を非常にうまくまとめられており、興味深く読み進めていける。いままでありそうでなかった本だが、まあ、マイクロソフトの一般的なイメージを表している本だともいえる。

しかし、このようなイメージを一新する本が登場。

アンナ・ローリー(斉藤裕一訳)「リーダー・セラピー マイクロソフトの強さの秘密」、阪急コミュニケーションズ(2009)

リーダーシップ開発で世界中で、その取り組みがもっとも著名な企業はGEだと思うが、マイクロソフトにもGE顔負けの実態がある。

人材育成の担当の人はもちろんだが、IT系の企業のマネジャーは読んでみるといいだろう。事業をする、そして事業を育てるということがどういうことかよくわかるだろう。

ある意味で、技術だけで勝ち続けることができるのなら、こんなに楽なことはない。しかし、少なくとも21世紀になってからのマイクロソフトは技術的にはそんなに評価されていない。っていうか、ある意味でマイクロソフトのこれまでの歴史は技術的な評価で構成されてきたものではないような気がする。常にアップルと比較され、後塵を拝してきた歴史だ。

そこをカバーするのはマネジメントだというのが定説だ。特に、プロジェクトマネジメントを含む、プロダクトマネジメントだという認識が高い。たとえば、ビジネス書の杜の2006年のAwardに選んだこの本などは完全にそういうトーンで書かれている。

スコット・バークン(村上 雅章訳)「アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法」、オライリー・ジャパン(2006)

アンナ・ローリーの本を読むと、マネジメントとしてマイクロソフトがやってきたことは何だったのかがよくわかる。大きくイメージが変わる。

そして、この2冊を読み合わせると、プロジェクトマネジメントの成熟のために組織がすべきことは何かを思い知らされる。この点については、また、記事に書く。

2009年1月31日 (土)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月30日

タメ日記に効用?この人も早稲田だ。ローランド・ベルガー会長、早稲田大学教授遠藤功さんの現場力の新刊。

遠藤 功「現場力復権―現場力を「計画」で終わらせないために」、東洋経済新報社(2009)

現場力ブームを引き起こした方。そのきっかけになった本はこれ。

遠藤 功「現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件」、東洋経済新報社(2004)

この本はたいへんなインパクトだった。買ったあとですぐに2~3回繰り返して読んだ。その後も時々、読んでいる。遠藤さんはこの本のあとも何冊も、現場力に関する本を書かれているが、どうもこの本の焼き直しのような感じであまり面白くなかった。

が、やっと本家の後継が出てきたという感じだ。やはり、ケースを中心に書かれており、どちからというとなぜ、うまく行かないかを分析されている。読み応えがある。

遠藤さんといえば「現場力を鍛える」という感じだが、僕が一番、評価している本はグロービスのMBAシリーズとして出版されているこの本。

グロービス「MBAオペレーション戦略」、ダイヤモンド社(2001)

紹介しようと思ってアマゾンをみたら、ボロボロの評価ですなあ。

この分野はこの10年間くらい、すごく進歩しているところなので、ケースが古いというのは仕方ないとしても、この本が「浅い」なとと批判されるところに、今回の新刊で議論されている問題点の本質があるような気がするが、、、

PMstyle 2025年12月~2026年3月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

アクセスランキング

カテゴリ

Powered by Six Apart

Powered by Google

  • スポンサーリンク
  • サイト内検索
    Google