ほぼ日 読書日記 Feed

2009年3月29日 (日)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月28日

セミナーのあとで、京都に移動。なんとなく、買ってしまった本を読み出して思いっきりはまった。

ジョー・マクモニーグル(杉本 広道訳)「遠隔透視ハンドブック」、東洋経済新報社(2009)

ジョー・マクモニーグルは名前は知っていたが、もっとうさんくさいものだと思っていた。どうして、どうして、科学的じゃないですか。びっくり。

こういう方法論が確立されているというのは、やっぱり、米国は大国だ。

僕が特に興味深かったのは、7章の「透視者は訓練で何を学ぶか」という章。透視というのは何かというのがこの章でなんとなくイメージできた。

2009年3月28日 (土)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月27日

書き忘れていたが、書籍プレゼント、新しくなりました。今度はシステム思考。今日に日記にあった感じ。こちらです。

高橋 浩一「レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング」、日本実業出版社(2009)

さて、年度末に駆け込みで新規セミナーを2本やったので、その準備に追われて、最近、あまり本を読んでいなかった。っていうか、明日、久しぶりに戦略論の講義をするので、この際と思って、本を買い集めて、15冊くらい読んだので、他の本を読む気にならなかったというのが正しい。

以前からの持論であるが、戦略論や戦略思考の本は著者を決めて読んだ方がよい。複数の人の本を読むと、訳がわからなくなる。その中で、この本はいい感じだと思った。好みです。

谷口 和弘「戦略の実学 際立つ個人・際立つ企業」、NTT出版(2006)

ということで、今日、やっと明日やる「ビジネスマンのための戦略論」というセミナーの資料を作り終え、久しぶりにゆっくりと本を読んだ。

木村 英紀「ものつくり敗戦―「匠の呪縛」が日本を衰退させる」、日本経済新聞出版社 (2009/03)

木村先生は、大学時代から、制御のエンジニアとしてのキャリアの中でいろいろな形でお世話になった先生だ。先生の論文に影響を受けたこともあるし、学会で有益なアドバイスをもらったこともある。

この本を見たときに、別人かと思ってすぐにプロフィールを見たらご本人だった。この本をよく日経プレミアム文庫から出したなと思うくらい、堅い内容の本。論旨は明確。システム的な発想をせずに戦争に負けたののと同じ道をビジネスでもたどろうとしているぞという、システムを軽視する日本人への警鐘。

思えば、システムズアプローチというのが一瞬だけ脚光を浴びた時期があった。米国ではアポロで人類が月面着陸を成し遂げ、日本では新幹線という次世代のビークルが登場した。すべてシステムズアプローチのなせる技で、零戦や戦艦大和とは一線を画すものだった。

実は、これが僕が大学に入った前後の10年。僕はシステム工学という道を選んだ。世紀の愚策だと思うが、この後、どんどん、システム工学系の学部は情報系に切り替えられてしまう。今では、40代前半までの世代で、ちゃんとシステムズアプローチを勉強したことのある人材はほとんどいないのではないかと思う。これが国際競争力の劣化につながっていることは間違いない。とくに、システムを基本とするマネジメント系の弱さが目立つ。木村先生の指摘は、得意だった技術分野で、システムズアプローチ(システム思考)の欠如により、どんどん、負けているというもの。

これは、これからローブローのように効いてくると思う。あと、15年くらいは競争力が取り戻せないような気がする。ひょっとすると、ずっと追いつけないかもしれない。

ただし、今回の不況に引き金になった金融工学もシステムズアプローチであり、すべてがよいという風にはみんなが考えなくなってきた。足が止まれば少しでも追いつくチャンスだ!

まあ、そんなことを考えながら読んで見て欲しい。ただし、システム論が結構出てくるので、読みづらいことは覚悟の上で。。。

2冊目。

八幡 紕芦史「人はなぜオバマに魅せられるのか?」、PHP研究所(2009)

僕は、八幡紕芦史さんの古くからのファンだが、最近、こういうソフトな読み物的な感じの本が増えてきた。この本、八幡さん独自の視点から、オバマ大統領のリーダーシップを分析しており、なかなか、読ませるし、おもしろい。

ただ、オバマというのはリーダーシップ研究の対象になりうる人物なのだろうかという疑問は持っている。この本を読んで改めてそう感じた。

マネジメントの研究のおもしろさはケースの選び方にかなり依存する。その意味で、あまりおもしろい分析だとは思わなかった。むしろ、それでも本としてうまくかいている八幡 さんの筆力に感心という趣の本だ。

ついでも、もう一冊、読んだ。「シュガー社員が会社を溶かす」を読んでいっぺんにファンになってしまった社労士の田北百樹子さんの新作。

田北 百樹子「ブラック企業とシュガー社員」、ブックマン社(2009)

「悪いのはどっちだ?」って、おっもしろいところに目をつけたなあ。本当にこの人の着眼点はすごいと思う。思いっきり本質を突いているよなあ。この本、紹介記事かきます。

今、シュガー社員のアマゾンのページみたら、あまり、みかけない★の付きかたをしている。★★が0なのに、★が20%もついている。世の中がこういう反応をするというのは、やっぱり、この話は本物だと思う。今度の本は、シュガー社員より、一段とグレードアップしている。

2009年3月25日 (水)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月23日

日記が遅れているが、これは23日の日記です。

数日前の日記に、物語の基本的パターンというのを学んで、気になってしかたないという話を書いた。

メルマガでシステム思考の連載記事を書こうと思って準備をしているのだが、物語の件があって、ちょっとおもしろいことを思いついた。

自己啓発本を10冊ほど取り出して、その中に書いてある教訓を変数にして、因果ループ図を作ってみた。およそ、200。暇と言えば暇だが、まあ、ネタ仕込み。

できるだけ分野とかキーワードが離れているものを取り出したのだが、ほとんどの変数はつながってしまった。前々からうすうすと思っていたが、結局、自己啓発本というのは同じことを手を変え、品を変え(著者を変え、編集を変え)作っているのだと思う。

そんなことをした後で、まだ、因果ループが頭の中に残っているのだが、これは独立した変数があるのではないかと思われる本に出会った。

白取 春彦「考えすぎない思考術 成功体質になる24の習慣」、宝島社(2009)

そんなに共感するわけではないが、とにかく、変わったことを言っていることは確かだ。

さて、もう一冊。パコさんの本に目を通した。

渡辺 パコ「「先読み力」養成講座 未来を導くクリティカル・ティンキングの実践法」、ビジネス社(2009)

サキヨミという言葉は村中さんのプロアクティブが先鞭をつけた感があるが、本当の意味でのサキヨミというのはこちらではないかと思う。派手さはないが、パコさんらしい、良い本だ。

2009年3月23日 (月)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月22日

むう、書評家が本を出すというのは難しいなあ。

僕は小飼さんのブログは好きで時々、読む。ブログの方はおもしろいし、普段あれだけ言っているのだから、さぞかしおもしろいだろうとハードルを上げてしまうなあ。

小飼 弾「小飼弾の「仕組み」進化論」、日本実業出版社(2009)

マーケティングの行き届いた本だとは思うが、なぜか響かないなあ。昔、ある研究機関の仕事で、ヒット商品の成功要因を自動的に抽出して、組み合わせて商品を企画するという仕事をしたことがあるが、その仕事を思い出した。

さて、思いっきりはまってしまったのがこの本。

佐藤 六龍「江戸秘伝 職養道のすすめ (講談社プラスアルファ新書)」、講談社(2007)

実は20日の神戸大学のMBAコース20周年イベントで、加護野先生が紹介されていたので、読んでみたのだが、実におもしろい。

これは必ず紹介記事を書くが、例えば、「嘘をついても人をだますな」というのは加護野先生の十八番。

水槽のカマスに餌をやるとすぐに食べる。そこで、水槽を透明なガラス板で仕切って、入れないところに餌を入れても、暫くは食べようとするが、何度かガラス板に激突して目的が叶えられないことを学習するとやがてカマスは餌を入れても反応しなくなる。一旦、こうなってしまうと、次に仕切りのガラスを取り除いて同じように餌を入れてもカマスは餌に喰いつこうとしなくなる。

と振っておき、ミドルマネジャーにガラス板は「あなた」ですと指摘するネタ。カマスの話は(たぶん)嘘だ。

最近、僕の別のブログのゆでガエル現象の記事に「実際にやってみたのか?やってみたらカエルは跳びだしたぞ、嘘を書くんじゃない」というコメントがついていた。

これも同じ。世の中には実際に実験した人もいるが、カエルは飛び出すらしい(僕はしらない)。つまり、この話そのものは嘘だ。

ただ、カマスの話も、カエルの話も、それでいっていることは正しい。知見に富んでいるし、示唆的である。つまり、聞いた人をだましているわけではない。

こういうのが、「嘘をついても人をだまさない」ということだ。これはプロデュースには不可欠である。この本の紹介記事はまた書く。

2009年3月20日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月20日

今日は神戸大学のMBAコースの20周年記念イベントがあった。

20年で1000名弱というパフォーマンスをどう評価するかは、いろいろな意見がありそうだが、何にしても20年経って、初期より遙かに社会的な評価が高まっているというのはすばらしいの一言に尽きる。そのような状況に恥じないようなイベントだったように思った。

さて、昨日の日記に、「ジョン・コッターのビジネス・リーダー論」について書いた。

ジョン・コッター(金井 壽宏、加護野 忠男、谷光 太郎、宇田川 富秋訳)「ビジネス・リーダー論」、ダイヤモンド社(2009)

まず、情報を修正しなくてはならない。加護野先生が今年で退官されると書いたが、諸般の事情で退官を撤回されたそうである。あと2年神戸大学におられ、定年で退官されるとのこと。どんな事情かは発表されなかったが、どんな事情にせよ、喜ばしい。

今日、訳者の加護野先生と金井先生の両名がイベントに参加されることがわかっていたので、サインを並べて貰おうと思って新しい本を買って持参した。

実は、僕は全然知らなかったのだが、この本は一度、

J.P.コッター(金井 寿宏訳)「ザ・ゼネラル・マネジャー―実力経営者の発想と行動」、ダイヤモンド社(1984)

として出版された書籍の、リバイバル出版らしい。実は、この本の訳者あとがきにそれらしきことが書いてあったので、昨日、アマゾンで検索してみたが見つけることができず、今日、金井先生からお聞きしてわかった。金井先生が30歳の時の翻訳出版ということになる。

翻訳とかに興味があったので、とりあえず、買ってみた。アマゾンは便利だ。おもしろいことに気がついたのだが、この本にはASINにアマゾンの商品番号が振られているが、これは何だ??

金井先生は今はプロフィールに書き入れないほどの著書があるが、初期のプロフィールでもこの本を見かけたことがないし、ゼミでこの本の話を聞いた記憶もない。大人の事情もであったんだろうか。。。

そういえば、「ダイヤモンド社はバイブルのような本をすぐに絶版するのでケシカラン」と時々嘆かれていたのはこの本のことかな。。。なんにしても、この金字塔のような本が読めるようになったのでよしということで。

ちなみに、僕は、この金井先生のことばに、いつも

エリック・フォン ヒッペル(榊原 清則訳)「イノベーションの源泉―真のイノベーターはだれか」、ダイヤモンド社(1991)

を頭に思い浮かべながら共感していたので、今まで気がつかなかったのかもしれない。これもひどいと思う。こっちも、ぜひ、リバイバルして欲しいなあ。

ちょっと用事があったので、早めにパーティーを抜けたので、帰り、六甲道から京都まで一人だった。新快速の車中、

山本 修一郎「次世代プロジェクトリーダーのためのすりあわせの技術」、ダイヤモンド社(2009)

を読む。

最近、「すりあわせ」というのが妙に引っかかっているので、読んでみた。非常によいことを言っているように思うし、タイトルにあるとおり、若い人にこんなスキルを身につけて欲しいなと思う。

ISISの編集学校で物語の作り方というのを学んで、こういうストーリー仕立ての本を読むときに、どうも、作りが気になって仕方ない。

たぶん、著者がいいたいと思っていることが物語の中できちんとツボにはまっていないような気がした。この話は比較的ポイントが明確な話なので、こういう物語仕立てにするのは逆にぼやっとしてしまってもったいないように感じる。まあ、手取り足取り教えないとわからないので、こういった形式を選んだのだろうが、惜しいなあ。

ちなみに、この本は次世代リーダーより、現役のミドルに読ませたい。

この本もダイヤで、今日はダイヤ大批判の日記でした(笑

【ほぼ日 読書日記】2009年3月19日

2日間、間が空いてしまった。本を読まずにいたわけでもないが、このブログに書くような本は読まない2日間でした。

明日から連休。

今日は夕方から「プロジェティスタ研究会」を開催。最終の新幹線がとれずに、早々に切り上げ、21時の新幹線で帰京(京は京都の京です)。

新幹線の中は基本、メルマガ記事、ブログ記事を書くが、さすがに、ざわついていてそんな気分にならず。本を読みあさる。

1冊目。

こういう研究は貴重だ!こうなってくるとビジネス書というより、人間観察だなあ。

ジョン・コッター(金井 壽宏、加護野 忠男、谷光 太郎、宇田川 富秋訳)「ビジネス・リーダー論」、ダイヤモンド社(2009)

内容はおいおい、書籍紹介を書くと思うので、そちらに回すとして、金井、加護野という組み合わせの翻訳は始めて見たような気がする。加護野先生は退官らしいが、自分が引っ張ってきた舎弟と最後の仕事と言うことか。

2冊目。

小西 正行「だから、社員がやる気になる!」、日本実業出版社(2009)

今、旬な経営者の経営論。本としては良くできていると思うし、読んでいてもおもしろい。

でも、僕でもおそらく毎年50人くらいは経営者の方にお会いしていると思うが、同じようなことを言っている人は結構いるんだよなあ。

昨日お会いしたある社長が皮肉混じりにこんなことを言っていた。

オンリーワンになるもっとも手っ取り早い方法は、周りを見ないことだと最近の若い人は知っている。うちにはそんな社員は要らない。

深い真実である。

上野 佳恵「情報調査力のプロフェッショナル―ビジネスの質を高める「調べる力」」、ダイヤモンド社(2009)

この本はいい本だ。コンサルタント向けに書かれた本のようだが、ビジネスマンもぜひ、読んでほしい。調べるというのは仕事の基本だが、調べる力があまりにも貧弱という人は極めて多い。

特に、目立つのは、聞くことと調べることを混乱している人が目立つ。例えば要求を分析するというのは調べる仕事である。

2009年3月17日 (火)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月16日

最近、ビジネスインテリジェンスに興味を持っていて、ちょこちょこと本を読んでみたり、人の話を聞いたりしている。

なかなか、すっきりとする本にも出会わないし、インターネットで検索しても、わかったようなわからないような記事とか、用語解説、ツールの紹介が多い。

何かに似ているなと思っていたら、ハタと思い当たった。80年代の人工知能だ。アーティフシャルインテリジェンス。米国ではきちんとしか科学的な研究をしているところに、現場チックな技術だけで入り込んでいった日本では一過性のブームで終わった。

ただ、AIもすてたものではなく、80年代に夢物語だと思われていたことが、どんどん、情報家電などの中に組み込まれている。やはり、科学技術の進歩というのは世の中を変えると痛感する。その中で、日本が貢献したのは、ファジーだけだというのは悲しい。ちなみに、なぜ、ファジーが成功したかはこの本に詳しい。

湯谷 昇羊「 「できません」と云うな―オムロン創業者 立石一真」、ダイヤモンド社(2008)

インテリジェンスの活用というのは、人間の知を超えたものだから、ある意味で、ツールの議論が先行するのは仕方ないのだとは思うが、結局、ツールだけが一人歩きすると、結局、AIの二の舞になりそうな気がする。

そんなことを思いながら今日読んだのがこの本。意外とよい本だった。

北岡 元「ビジネス・インテリジェンス―未来を予想するシナリオ分析の技法」、東洋経済新報社(2009)

CI(競合インテリジェンス)だけは体系化できているといってもよいくらい進んでいるのがよくわかった。この本を読むと、確かにビジネスでも役立っているというのがよくわかる。

この本を読むと、少なくともCIについては実用化の域に達しているような印象を受けるが本当か?CIだけであれば、

ベン・ギラッド(菅澤 喜男監修、岡村 亮訳)「「リスク」を「チャンス」に変える競争戦略」、アスペクト(2006)

という結構優れものの本があるが、まあ、これを読んでいると、日本企業がボロクソだ。もっとも北岡先生の本でも出てくるのは米国の事例ばかりだが、、、

2009年3月16日 (月)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月15日

このコーナーには専門書はできるだけ書かないようにしているので、書いていなかったが、この1ヶ月くらいの間にインストラクショナルデザインの本を5冊くらい読んた。当然、目的があるのだが、それは内緒。

僕の目的からすれば、今日、読んだこの本が一番よかった。

島宗 理「インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック」、米田出版(2004)

この本は、特にインストラクショナルデザインに興味がないというか、あまり、関わりがない人にもビジネス書としてお奨めする。

島宗先生の仕事の中では

島宗 理「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」、米田出版(2000)

が一般の人たち向けの仕事としてよい仕事だと思うが、インストラクショナルデザインも、パフォーマンス・マネジメントに劣らず、良い仕事だ。ただし、パフォーマンス・マネジメントを一度読んでおかないと、理解しにくい部分があるかもしれない。

ということで、夜になってもう一冊。

久恒 啓一「タテの会議 ヨコの会議―時間半減、生産性倍増の実践ノウハウ 」、ダイヤモンド社(2009)

久恒 啓一さんの本は最近あまり読んでいなかったが、いつの間にファシリテーションに進出してきたのだろう。ただ、論理の立て方は独特で、やはり、読ませるなあ。これはミーティングマネジメントの本のようで、実はそうでないのかもしれない。

2009年3月14日 (土)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月13日

平日では珍しく、事務所で一日仕事をした。

となると、やらなくてはならないことをほっといて、本を読んでしまう(苦笑

ジョン・コッター(村井 章子訳)「企業変革の核心 「このままでいい」をどう打ち破るか」、日経BP社(2009)

ジョン・コッターの新作。今までの変革の話とは切り口を変えているが、基本的に言っていることは同じ。

コッターの話は、理路整然としており、理論としては納得するのだが、落ちない気がするのはなぜだろうか。

大学院で

ジョン・コッター(梅津 祐良訳)「変革するリーダーシップ―競争勝利の推進者たち」、ダイヤモンド社 (1991)

を読んだときには、すごい衝撃を受けた。このあと、何冊も出た本を読んだが、なかなか、この本ほど印象に残ったものがないし、何か気持ち悪い。唯一、違う感覚だったのが、

ジョン・コッター、ホルガー・ラスゲバー(野村 辰寿、藤原 和博訳)「カモメになったペンギン」、ダイヤモンド社(2007)

実は僕が同じような読後の感覚を持つのが、柴田昌治さん。ご多分に漏れず、

柴田 昌治「なぜ会社は変われないのか―危機突破の企業風土改革」、日本経済新聞社(1998)

で共感を覚えファンになったのだが、そのあとは、そうだなと納得しながらも、共感できない。両者の共通点はなんだろう?

さて、共感というなら、思いっきり共感できた本を読む。

キム・ソンファン「絶対肯定―成功をつかむ人のマインド」、東洋経済新報社(2009)

日本語で書かれた本みたいなのだが、絶対肯定という言葉は宗教用語なのだろうか?日本人がこういう考え方ができないのはなぜだろうかと考え込んでしまった。

この本を読んでいて、思い出して引っ張り出してきた本。

山口浩「リスクの正体!-賢いリスクとのつきあい方」、バジリコ(2009)

リスクマネジメントを大変独創的に、わかりやすく書いてあり、おもしろかった。日本人はリスクを考えないと言われてきた。だからといって、絶対肯定というのはもっとも苦手とする考え方なのだ。ここが興味深い。

絶対肯定をするからリスクを考えるべきなのか?リスクを意識したくないから、絶対肯定はしないのか?

むう、、、

2009年3月13日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月12日

最近の世の中を見ていて、危機意識を持つのが如何に難しいかがよくわかる。危機を言っているのは経営層だけで、それも実際に実感を持って言っているかというと怪しい。

特に、今回は相当に深刻な状況だと思うのだが、昨年の秋頃から、「未曾有」とか、「100年に1度」といった言葉に慣れてしまって、あきらめにも似た奇妙な安心感があるのは不思議だ。

その奇妙な安心感を生み出している最大の元凶はこれだろう。東京から京都への移動中に読む。

井上 久男、伊藤 博敏「トヨタ・ショック」、講談社(2009)

よく取材してあり、分析も納得性が高い。この1年のトヨタの事業計画を見ていると何が起こっているのだろうと、訳がわからなくなるが、この本1冊読めば、だいたい、わかる。結論からいえば、戦略の失敗で、それがサブプライムで顕在化してしまっただけだ。

そんなに多くの実例を知っているわけではないが、つたない経験からいえば、戦略の失敗というのはそれが短期的に顕著に出てくることはない。機会損失にとどまることも多いし、短期的には大きな問題にならず、長期的な問題にとどまることも少なくない。環境が変わって神風なんてこともあるわけだ。

それが、どの企業も片っ端から、あぶり出されたのは、やっぱり未曾有かもしれない。そんなことを考えながら目を通す。

新横浜を過ぎて読み始め、名古屋に着く前に読み終えてしまった。他に手持ちの本がなかったので、電車で座れないとき用にカバンに入れている本を取り出す。

水野 俊哉「知っているようで知らない 法則のトリセツ」、徳間書店(2009)

結構、気に入っていて、ちびちび読んでいたのだが、京都に着くまでに残っていたページを読み終えてしまった。まとめて読むのはつらい。途中で飽きた。もう少し、全体の流れがあると読みやすいが、この方が売れるんだろうな。

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