営業マネジメント Feed

2007年7月18日 (水)

実践マネジメントの金字塔

4532313368 マーク・マコーマック「ハーバードでは教えない実践経営学~ビジネス界の心理戦を勝ち抜け!」、日本経済新聞社(2007)

お奨め度:★★★★★

マネジメントには普遍の原則がある

とすれば、ドラッカーが膨大な著作で述べていることではなく、マーク・マコーマックがこの1冊の本で述べていることではないだろうか。マコーマックの名前を知らなくても、IMGという会社を知っている人は多いのではないだろうか?IMGの生みの親がマコーマックである。

ちょうど、サッカー界で中田選手が出てきたくらいから、日本でもスポーツ選手のマネジメントとマーケティングビジネスは認知されるようになってきたが、マコーマックがIGMを設立したのは1960年代である。いまや巨大な市場になっているこのビジネス分野を確立した人である。

マコーマックがこの本を上梓したのは僕が大学院を出て会社に入った年である。会社に入って5年目にあるきっかけで原書を読んだ。間違いなく、僕のマネジメント感に大きな影響を与えている。

突拍子のないことが書いてある本ではない。「人間」、「営業と交渉」、「企業経営」という非常にオーソドックスな分類でそれぞれを部として、基本事項を淡々と述べている。

例えば、人間だと

・人の心と読む

・印象付ける

・優位に立つ

・出世する

の4項目が並んでいる。

哲学はあるが、理屈っぽくない(ただし、心理学的にはたくさんの理論があるのだろうと思う)。これが20年以上、全世界で20年以上、読み続けられている理由だと思う。

みなさんもぜひ、手にとって見てほしい。マネジメント感が変わるかもしれない。すくなくとも、マネジメントとは何をすることかというのがわかるだろう。

蛇足だが、この時期に日経新聞社が翻訳に踏み切ったのは慧眼だと思う。いやというほど、類似書が出回りだしているからだ。本物を読んでみよう!

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2007年2月 7日 (水)

見える化ではなく「視える化」しよう!

4479791884_01__aa240_sclzzzzzzz__1 若松義人「トヨタ流「視える化」成功ノート―「人と現場が変わる」しくみ」、大和書房(2007)

お奨め度:★★★★1/2

昨年あたりから「みえるか」が大ブームになって、たくさんの本が出版されている。その中で、トヨタイズムの伝道師のカルマン若松社長だけが、「見える」という言葉を使わず、「視える」という言葉を使われている。これもトヨタ流とのことだが、トヨタでは、「みえるか」というのは、「見つける」、「気づく」だけでは意味がなく、改善して初めて意味があるとの考えからこの言葉を使っているとのこと。

この本では、そのような視座で

 ・能力の視える化

 ・問題点の視える化

 ・ノウハウの視える化

 ・市場の声の視える化

 ・失敗の教訓の視える化

 ・現場の空気の視える化

 ・仕事の大局の視える化

の7つの視える化について、42のヒントを提供している。

ヒントの内容は極めて濃く、みえるかの「元祖」はトヨタだといわんばかりのできである。また、書籍としても、事例をふんだんに使って説明してあるので、ピンとくる。

現場のマネジャーなら、一読して損はない。若松さんの本の中でも最もよいできの本ではないかと思う。一読の価値アリ。

2005年12月14日 (水)

利益を生む営業マネジメントとは

447853039409lzzzzzzz リチャード・クラフォルツ、アレックス・クラークマン(三本木亮訳)「ザ・キャッシュマシーン」、ダイヤモンド社(2005)

お奨め度:★★★★

ザ・ゴールの姉妹編。ザ・ゴールの知恵を営業マネジメントに使うとどうなるかを解説した本。

TOCのプロセス

 (1)制約条件を見つける
 (2)制約条件を活用する
 (3)制約条件以外を制約条件に従属させる
 (4)制約条件の能力を向上させる
 (5)上記ステップを繰り返す

を営業マネジメントのプロセスとして適用するとどうなるかということを述べた本。著者は異なるが、ゴールと同じく、ストーリー形式で書かれている。

テーマが営業マネジメントであることが興味深い。営業にはマネジメントが必要となる分野と、マネジメントは必要としない分野がある。営業にはマネジメントなどいらないと思っている人も結構多い。しかし、本書を読むと、営業マネジメントの本質がわかり、必要性がよくわかる。

TOCの本として読めば、TOCの可能性を大いに感じさせてくれる一冊であるが、同時に営業マネジメントの本としても一級品である。

2004年12月10日 (金)

営業力とは

B0006sn53009lzzzzzzz Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー)2005年01月号

特集:一流の営業力

詳細目次はこちら(ダイヤモンド社のサイトです)

好川の参考になった記事ベスト3

(1)ベンソン P.シャピロ「営業と製造のジレンマ」

営業と製造のコンフリクトは緩和することはできても解消は不可能である。この記事では、営業と製造にコンフリクトが生じる原因を八つに分類し、これらに基づいて発展的な緩和策を提示している。また、コンフリクトを奨励し、自社が提供する製品やサービスをより価値の高いレベルへと押し上げるというアイデアについても披露している。

(2)チャン・キム、レネ・モボルニュ「ブルー・オーシャン戦略」

既存の商品やサービスを改良し、既存市場でしのぎを削る「赤い海」の戦略に対して、既存の商品やサービスを進化させ、新規市場を創造する「青い海」の戦略の重要性を説いている。この本では、この100年をさかのぼり、30の産業分野について調査し、青い海の戦略(「ブルー・オーシャン戦略」)の成功例を150発見している。その共通原則は、コストとバリュー・プロポジションのトレード・オフを否定するところから出発していることである。

(3)生谷吉之「営業はいまや組織戦である」

モノが売れない時代にあって、優れた個人の力に頼っては売上げの拡大はおろか、持続的成長を果たしえず、数人のスーパー営業マンを抱えた営業部門よりも一定水準の組織能力を備えた営業部門のほうが業績は高いことを指摘している。

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