実践マネジメントの金字塔
マーク・マコーマック「ハーバードでは教えない実践経営学~ビジネス界の心理戦を勝ち抜け!」、日本経済新聞社(2007)
お奨め度:★★★★★
マネジメントには普遍の原則がある
とすれば、ドラッカーが膨大な著作で述べていることではなく、マーク・マコーマックがこの1冊の本で述べていることではないだろうか。マコーマックの名前を知らなくても、IMGという会社を知っている人は多いのではないだろうか?IMGの生みの親がマコーマックである。
ちょうど、サッカー界で中田選手が出てきたくらいから、日本でもスポーツ選手のマネジメントとマーケティングビジネスは認知されるようになってきたが、マコーマックがIGMを設立したのは1960年代である。いまや巨大な市場になっているこのビジネス分野を確立した人である。
マコーマックがこの本を上梓したのは僕が大学院を出て会社に入った年である。会社に入って5年目にあるきっかけで原書を読んだ。間違いなく、僕のマネジメント感に大きな影響を与えている。
突拍子のないことが書いてある本ではない。「人間」、「営業と交渉」、「企業経営」という非常にオーソドックスな分類でそれぞれを部として、基本事項を淡々と述べている。
例えば、人間だと
・人の心と読む
・印象付ける
・優位に立つ
・出世する
の4項目が並んでいる。
哲学はあるが、理屈っぽくない(ただし、心理学的にはたくさんの理論があるのだろうと思う)。これが20年以上、全世界で20年以上、読み続けられている理由だと思う。
みなさんもぜひ、手にとって見てほしい。マネジメント感が変わるかもしれない。すくなくとも、マネジメントとは何をすることかというのがわかるだろう。
蛇足だが、この時期に日経新聞社が翻訳に踏み切ったのは慧眼だと思う。いやというほど、類似書が出回りだしているからだ。本物を読んでみよう!
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