キャリアマネジメント Feed

2007年1月 5日 (金)

イキイキ

4833418428_01__aa240_sclzzzzzzz_v3560707 人と組織の活性化研究会、加護野忠男、金井壽宏 「なぜあの人は「イキイキ」としているのか―働く仲間と考えた「モチベーション」「ストレス」の正体」、プレジデント社(2006)

お奨め度:★★★1/2

日本の経営学のグルの一人、加護野先生が学部長をやられていたときに「カゴの鳥」状態で外に出れなくて、学部長室に来てもらって開催していた研究会が、その後、成果を積み重ね、一冊の本になった。時代背景にバブルの後の落ち込みがある。

金井先生が研究会にコミットされていることの影響もあると思うが、この本は、いつも元気でいようというスタンスではない。「落ち込みOK」である。つまり、ライフサイクルの中で、元気な時期もあれば、落ち込んでいる時期もある。それを前提に元気のないときにどのように活力を取り戻すかを、研究会の参加者が実際に知っている、あるいは調査した事例に基づいて議論している。「落ち込みOK」、「実例」の2つにより、元気になりたい人にとってとても力強い本になっている。

ちなみに、研究会の議論のベースになっている、「イキイキ・サイクル・チャート」と呼ばれるライフサイクルチャートがある。年齢を時間軸にして、イキイキ度を書いていく。今、30代後半から40代前半にある人は、ぜひ、このチャートを書いてみてほしい。それだけで元気が出てくると思う。

もうひとつ、神戸大学のMBAコースの特徴である、「社会で活躍する人が自分の抱える問題を持って学校に来て、リアルタイムで解決し、トライアルできる教育環境」というのがよく現れている一冊でもある。

もうひとつ。3~4年前に金井先生にお会いしたときに、「好川さんは落ち込まないね」といわれた。この本の解説で金井先生がいつもハイなのはビョーキだと書かれている。そういう意味だったのか、、、(笑)

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2006年11月24日 (金)

創造的模倣

4479791817_01__aa240_sclzzzzzzz_v3471058 三田紀房「個性を捨てろ!型にはまれ! 」、大和書房(2006)

お奨め度:★★★★

ご存知、偏差値30台の高校生が現役で東大合格を目指す異色コミック「ドラゴン桜」の三田紀房氏の啓蒙書。三田紀房氏は、ドラゴン桜以外にも、ボクシングの世界チャンピオンがビジネス界でのチャンピオンを目指4063289095_09__aa240_sclzzzzzzz_4091846629_01__aa204_sclzzzzzzz_す「マネーの拳」というコミックスも書いている。

著者によると、コミックスではなく、もっと直接的に言いたいので本にしたとのこと。

ドラゴン桜にもマネーの拳にも共通する違和感がある。それは、「型」に対するこだわりと、組み合わせに対するこだわりだ。

世の中には成功するための型があり、成功するためには型にはまる必要があることを徹底的に主張している。これは著者の独自の主張というよりは、むしろ、多くの成功本で言われていることだ。

そして、より大きな成功をするには、その組み合わせが重要であるという2点。ここは、著者のオリジナリティだと思う。

誰もできないことをやるのは快感である。しかし、誰もできないことをやるよりは、成功していることがやっていることを「確実」にやるほうが難しい。競争するというのは結局そういうことであり、型にはまれという話は競争を恐れるな、同じ土俵で競争して勝てという王道を主張しているようにも思える。

もう、10年以上前になるが、この話を実証するような本が出版されている。

4641067813_09__aa240_sclzzzzzzz_ スティーヴン・P. シュナース(恩蔵直人、嶋村和恵、坂野友昭訳)「創造的模倣戦略―先発ブランドを超えた後発者たち」、有斐閣(1996)

お奨め度:★★★★1/2

この本は、後発企業が先発企業を逆転している例を集め、その要因を分析し、それらの要因を持つ戦略を創造的模倣戦略と呼んでいる。

・35ミリカメラ:キャノン:ニコン

・ボールペン:パーカー、ビック

・クレジットカード:VISA

・MRI:ジョンソン&ジョンソン、GE

・パソコンOS:マイクロソフト

・表計算ソフト:ロータス(さらに後発でマイクロソフト)

・ビデオ:JVC

・ビデオゲーム:任天堂

などの企業の事例を上げている。おそらく、二番手企業というイメージの企業はないだろう。むしろ、創造性の高いというイメージを持つ企業が多い。

イノベーションが注目されているが、イノベーションの議論というのは注意する必要がある。イノベータと呼ばれるのは主に、ドミナントデザインができた後で出てきた企業である。上の例を見てもそれは良く分かるだろう。

三田紀房の言い方を借りると、ドミナントデザインができた後で競争することが、成功の型にはまるということだろう。

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2006年11月 6日 (月)

ミッション

483341841x01_1 鳥谷 陽一「ミッション―新しい職場。燃える仕事。あの人を超えたい」、プレジデント社(2006)

お奨め度:★★★

大手飲料メーカに勤務する主人公・木村卓が離婚した父親の起こした小さな食品チェーンオリモフードに入社し、成長していくさまを描いたビジネス小説。

オリモフードは銀行からの追加融資に支障をきたすほど、経営状況が好ましくなかった。そこで、外資系のコンサルティングファームに立て直し策のコンサルティングを依頼する。そして、その担当コンサルタント・中井を自社にヘッドハンティングする。その担当者がつけた条件とは、社長の実子を招きいれることだった。

実子は、何とか、入社させることができたが、その後は、苦難の連続。まず、何よりも、木村に当事者としての危機意識がない。木村を変えることから始めなくてはならない。自らがロールモデルとなり、木村を成長させていく。

また、古株の社員は合理性を重んじるやり方に批判的である。あるいは、能力とポストにアンマッチが見られる。これらを合理的にして、かつ、機微を折り込んで処理していく。

このように企業変革を進めていく中で、木村が成長し、組織の新しい形も見えてきて、木村に経営を継承するところまでたどり着くという話だ。

著者はコンサルタントだが、コンサルタント臭い小説ではない。ストーリーがこなれているというのもあるが、非常に多くの視点を含んでいるからだと思われる。

 ・後継者問題

 ・中小企業と戦略経営

 ・中小企業から脱皮するための人材マネジメントと古株社員の扱い

 ・意識革命と組織学習

 ・ビジョンとミッション

 ・キャリアの問題

など非常に多く、これらの対してさらっとしているが、著者の明確な主張が見られるよい本である。

2006年11月 3日 (金)

あなたは箱の中でリーダーしていませんか?

447979177901 アービンジャー・インスティチュート(金森 重樹監訳、富永星訳「自分の小さな「箱」から脱出する方法」、大和書房(2006)

お奨め度:★★★★1/2

PM養成マガジンブログ関連記事:プロジェクトという箱からでよう

この本の原題は「Leadership and self-deception」。deceptionは「騙す」という意味。米国でよく読まれるリーダーシップ読本の一つの邦訳。

邦題からも分かるように、「箱」という一風変わったメタファ(比喩)の中で、寓話を使ってリーダーシップの本質と構築方法をうまく説明している。

誰よりも努力し(ていると思っている)主人公は、ザグラム社という会社でよい職を得る。しかし、それまでのやり方がザグラム社では通用しないという事態に直面する。自分を守り、他人に影響を与えるとするやり方が、ザグラム社の風土に合わなかった。ザグラム社のリーダーシップは、自己原因性(すべての原因は自分にあるという考え方)に基づいていたためだ。

そこで、主人公は上司であるエグゼクティブからの問題指摘を受けると同時に、コーチングを受け、そのことに気がつき、箱の外に出て行くというストーリー。

このストーリーで、「箱」に並ぶキーワードが自己欺瞞。「自分への裏切り」と呼ばれている。自分への裏切りというのは自分の感情に反した行動を取った場合に、自分を正当化するためにさまざまな行動に出る。これが箱に入っている状態であり、人間関係、リーダーシップにさまざまな問題を引き起こすというのがこの本の考え方。「自己原因性(Personal Causation)」の議論として、感情に注目しているのはかなり面白いと思う。

この本では、この行動パターンがある限り、業績に結びつかないとしている。確かにその通りだ。

問題は箱から抜け出すにはどうすればよいか、これが問題だ。この本の示唆で非常に役立つのは、「箱に入っているときにしても無駄なこと」を明確にしている。

(1)相手を変えようとすること

(2)相手と全力で渡り合うこと

(3)その状況から離れること

(4)コミュニケーションと取ろうとすること

(5)新しいテクニックを使おうとすること

(6)自分の行動を変えようとすること

の6つ。この指摘は鋭い。確かに、多くの人が箱に入ったまま、これらの努力やトレーニングをしようとしている。無駄だというのも最初から読み進めていくとちゃんと納得できる。

最後に、箱から出る方法というのが書かれている。

「他の人々に抵抗するのをやめたときに、箱の外に出ることができる」

本の質と同じく感心したのが、翻訳の質が非常に高いこと。米国のオフィスを舞台にしたストーリーであるが、まったく違和感なく読める。米国発のこのスタイルの本は、ストーリーそのものに違和感があって落ちないが、この本にはまったくそれがない。

それからこの本を読んでいく中で、イラストの存在が非常に役立つ。ロジックが結構複雑なので、自分で図を書きながら読んでいかないとおそらく、頭が混乱してくる。それを代わりにやってくれるイラストが入っている。なんと、寄藤文平さんの非常に味のあるイラストだ。

最後に少し違う視点からのメッセージ。10年くらい前に亡くなった安部公房という作家がいる。哲学的な作品を多く残した作家で、抽象的ながらもプラクティカルな文学性は高く評価され、欧米にも多くの作品が紹介されている。その中の一つに、「箱男」という作品がある。

4101121168 安部公房「箱男」、新潮社(1982)

ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男。箱に隠れて覗きをしたり、普段はできないことをすることに快感を感じる。

そのような行動を繰り返しているうちに、やがて主人公は箱男から箱を買い取ろうとした医者の偽箱男へ、少年Dへ、露出狂の画家ショパンへとめまぐるしく移ってゆく。

そうしているうちに、誰が箱男か、箱男のエスノグラフィーを書いているのは誰なのかがわからなくなってしまう。

という話なのなのだが、「小さな箱から脱出する方法」の本質をより深く理解するためには、安部公房の「箱男」を読まれることをお奨めしたい。

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2006年5月11日 (木)

3つの自問

483795666101lzzzzzzz ダニエル・ピンク(大前研一訳)「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代」、三笠書房(2006)

お奨め度:★★★★★

ダニエル・ピンクの最新作。3つの「自問」で大変な話題になった本の邦訳。大前研一が翻訳し、自ら、解説を書いている。

3つの自問とは、これからの成功者と脱落者を分ける自問と名づけられ、

1)この仕事は他の国ならもっと安くやれるだろうか

2)この仕事はコンピュータならもっと速くやれるだろうか

3)自分が提供しているものは、豊かな時代の非物質的で超越した欲望を満足させられるだろうか?

の3つである。

実は、ダニエル・ピンクがこのような価値観を主張したのは、この本ではなく、フリーエージェント社会である。

447819044509lzzzzzzz ダニエル・ピンク(池村千秋、玄田有史訳)「フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか」、ダイヤモンド社(2002)

個人的にはこちらの本の方が含蓄があり、面白いと思うが、ハイコンセプトでは、その価値観を具体的な6つのセンスとして表現している分、イメージが分かりやすい。6つのセンスとは

・機能だけでなくデザイン

・論理ではなく共感

・議論よりは物語

・まじめだけでなく遊び心

・個別よりも全体の調和

・ものよりも生きがい

いよいよ、日本人の文化、生き方、価値観を見直す時代がきたのではないだろうか。

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2006年3月19日 (日)

トヨタ版7つの習慣

447930017109lzzzzzzz_1 若松義人「最強トヨタの7つの習慣―なぜ「すごい工夫」が「普通」にできるのか」、大和書房(2006)

お奨め度:★★★★1/2

トヨタの組織マネジメントのコンピテンスを7つの習慣になぞらえて書いている。著者はカルマンの若松社長だが、彼はトヨタについて数多くの分かりやすい著書があるが、この本が一番、気に入った(すべての著書を読んでいるわけではないが10冊は読んでいる)。

さて、トヨタの7つの習慣とは以下の7つである。

第1の習慣 「ケタちがい」の発想から入る
第2の習慣 「わが社」を主語にしない
第3の習慣 「なぜ」を五回繰り返す
第4の習慣 成功体験をリセットする
第5の習慣 成功より成長を目ざす
第6の習慣 忙しさを恥じる
第7の習慣 「みんなの力」を心から信じる

いずれもトヨタウェイとして有名なものである。コヴィーの7つの習慣は明らかに理論的な体系があるが、トヨタの7つの習慣は7つ大切なものを書き出してみたという感じであり、多くのエピソードの支えられている。

その分、凄みがあると思う。

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2006年3月17日 (金)

創造的なアイディアを生み出す方法

453231268x01lzzzzzzz マイケル・レイ(鬼澤忍訳)「ハイエスト・ゴール―スタンフォード大学で教える創造性トレーニング」、日本経済新聞社(2006)

お奨め度:★★★★1/2

最近でこそ、キャリアという言葉が盛んに使われるようになってきたが、どれだけ実感を持って議論されているかというのは怪しい。この本は、自分の人生にとって、キャリアがどのように位置づけられるかを気づかせてくれる本だ。

よいリーダーを育てるには、キャリアの議論は避けて通れない。当たり前の話であるが、リーダーには、自分のキャリアを賭けて意思決定をせざるを得ない局面は必ずある。プロジェクトマネジメントのようなテクニカルな色合いが強いマネジメントリーダーでもこの話は避けて通ることはできないだろう。

この議論に興味がある人は

決定的瞬間」の思考法―キャリアとリーダーシップを磨くために

を読んで見てほしい。

そこで、リーダーとして活躍しようとしたときにポイントになるのが、その人の人生の目標である。この本は著者のマイケル・レイがスタンフォード大学で「ビジネスにおける個人の創造性開発」コースを実施していく中から生まれてきたものである。マイケル・レイの経験では、そのコースで学んだ後に、創造的な仕事で成果を挙げている人たちに共通しているのが、人生に「最高のゴール(ハイエストゴール)」を設定していることだという。

ストーリーは明快である。最高のゴールを設定し、それを目指す人生を送ろう。そのために何ができるか?真の成功を目指す、不安を突破口にする、他人をかかわりあう、あらゆる瞬間にシナジーを感じる、生産的なリーダーになるといったことを実践していこうという話である。

しかし、この本はよくある「成功」の啓蒙書ではない。MBAコースで使われているれっきとしたテキストである。そのためか、書き方は多少堅いが、逆にそれが多くの含蓄をもたらしているように思う。

ぜひ、じっくりと読んでみてほしい。ちなみに、昨年の「意志力革命」以来、+好川塾+でやりたいと思う本である。塾でかけることも検討中であるので、乞うご期待。

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2005年10月29日 (土)

思考と行動のエッセンス

31608250 井上明人「30歳からの進化論―仕事の仕方を成長させる29の知的ノウハウ」、文芸社(2005)

著者の井上明人さんがキャリアの中で培われてきた仕事のノウハウを1冊の本としてまとめられている。面白いのは、思考ノウハウと、行動ノウハウにきちんと分けてあること。こういう本を読んでコンピテンシーを高める上で、この区別をきちんと認識して読んでいくことは極めて大切で、それを表示してあるのはすばらしい。

内容は、キャリア(ビジネスマン人生)、問題解決力、コミュニケーション力、メンタル力という4つの視点で整理されており、数はそんなに多くないが、凝縮されたものが多い。

例えば、問題解決力の思考ノウハウの最初に

鳥のように上空から大きく全体を眺めて方向性を絞り、対象を見つけたらそこへ一気にズームアップして具体策の仕上げを行う

というのがある。大局観であるが、大局観をこのような凝縮された言葉で表現できるというのは並大抵のことではない。このような凝縮したノウハウが29個(行動7、思考22)、並んで、事例も提示しながら、解説されている。

1冊読めば、コンピテンシーは間違いなくあがるだろう。

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「理系ビジネスマン」になろう!

488759360009lzzzzzzz 泉通博「理系ビジネスマンが書いた ― 人生をプロジェクトマネジメントしよう!」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2005)

お奨め度:★★★1/2

著者の泉さんは電子機器メーカーでPMの仕事をされている方である。その泉さんが、よい仕事ができれば幸せな人生を送れるという前提で書かれた広い意味でのキャリア本。

タイトルの人生のプロジェクトマネジメントというのはちょっとしたお遊びだが、実は、この本の特徴をより現している言葉は「理系ビジネスマン」という言葉。技術者でも、エンジニアでも、理系サラリーマンでもなく、「理系ビジネスマン」。「理系ビジネスマン」とは何かという定義をした本でもある。

内容は、エンジニアらしく、論理的に構成されており

「思考の基本鉄則」⇒「行動の基本鉄則」⇒「実生活の応用鉄則」

という順序で考えていけるようになっている。書かれていることにも説得力があるし、納得できる。何よりも、著者の真摯な面がひしひしと伝わってくる。日本の強みを作っている現場を垣間見るような本である。

僕もエンジニアというのはこういう人生を送ってほしいなと思うし、エンジニアの方にはぜひ手にとって読んでみてほしい本である。

実際に、僕のクライアントにはメーカが多い。現場でエンジニアリングを担当している人には泉さんのようなタイプの人が多い。僕も技術者だった時分にはこういう考え方をしていた。

同時に、メーカの中心になるエンジニアがこのようなキャリア観を持っていることが、青色発行ダイオードの中村修二さんのようなトラブルを起こす企業風土を作っている一面も生み出している。

その辺りで、これからのエンジニアの人には十分なダイバーシティを持ってほしいなと思う。この泉さんの本は、その点のヒントも隠されているように思う。

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2005年10月19日 (水)

プロ・サラリーマン

488474723201lzzzzzzz 高橋忠之「プロ・サラリーマン―組織の中で人生目標を達成するための13か条」、致知出版社(2005)

お奨め度:★★★★

いろいろなプロフェッショナル論を読んできたが、組織の中に所属してプロフェッショナルを目指す論としては、傑出した本だと思う。

まず、著者の高橋 忠之氏について抜粋。


志摩観光ホテル元総支配人・総料理長。昭和16年三重県生まれ。32年中学校卒業後、志摩観光ホテルに料理人見習として入社。46年29歳で料理長となり、従来の洋食メニューを一掃、独自の料理を交えて本格的フランス料理をメニューに据える。伊勢志摩の海の幸だけを基本素材とする料理哲学と味に対する芸術家的姿勢により名声が高まる。のちに総料理長、総支配人に就任。平成13年退任。

というキャリアの方である。このキャリアが半端ではない。ホテル業界は縦割りの社会で、料理人のキャリアから、総支配人というジェネラルマネージャーに昇進するのは、異例のことらしい。製造業でいえば、工員で入社して、社長になったようなもの。

この本を読んで、縦に突き抜ける人事制度か、従来型の人事制度かという議論が空虚に思えた。 どっちでもよく、組織が必要とする人であれば、組織に影響を与えることができるのだろう。

ここで高橋氏が提唱しているプロ・サラリーマンとは、

 スペシャリストの領域を持ちながら、同時に全体がわかるゼネラリスト

のこと。プロジェクトマネージャーはこうありたいものだ。タイトルになっている組織の中で人生目標を達成するための13か条(実践心得)とは

 その1  リーダーには絶対服従 

 その2  仕事は雑用と思え        

 その3  伸びない三要素は「バカ・ケチ・キタナイ」 

 その4  大仕事でひと皮むける

 その5  心のうちを未来指向型ストレスで満たす   

 その6  一日の設計図をつくる

 その7  本代をケチらない

 その8  波風を立てるのは新人の役目

 その9  ライバルは要らない

 その10  組織内の「いじめ」はいじめられる方に問題あり

 その11  部長の席は「なりたい」人ほど遠のく

 その12  会社のベクトルとずれた時-それまでの実績があなたを助ける

 その13  姿勢に生きざまが出る

である。

この本の中でとてもいいなあと思ったのは、むしろ、この13か条よりも、覚悟

 ・「のめりこむ」覚悟

 ・「むなしさ」に耐える覚悟

 ・創造力とは「捨てる」覚悟

 ・「変わり続ける」覚悟

 ・「超一流」をめざす覚悟

 ・「美しさ」を求める覚悟

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