仕事術 Feed

2007年4月18日 (水)

プロフェッショナルの16か条

4901841564_01__sclzzzzzzz_v24117200 浜口直太「最後のルール―プロフェッショナルになる16条件 THE RULES OF BUSINESS」、ジービー(2007)

お奨め度:★★★★

「あたりまえだけどできない」シリーズで一躍名を馳せた浜口直太氏の新著。

ビジネスの最終結論だということで、プロフェッショナルとしての16の条件というのを述べている。目新しくはないが、非常に説得力があるし、はやり、書き方がうまい!各条件について、できそうなことをうまく選んで書いている。動機付けされること間違いなし!

条件★1 仕事に人生をかける
条件★2 不可能を可能にするために限りなき努力をする
条件★3 自分の仕事に誇りを持つと同時に謙虚に言動する
条件★4 先や時代を読んで仕事をする
条件★5 時間より目標を達成させるために仕事をする
条件★6 高い志、理念、目標に向かって邁進する
条件★7 結果に全ての責任を持つ
条件★8 成果によって報酬を得る
条件★9 仕事において甘えがない
条件★10 能力向上のために常に学び、努力し続ける
条件★11 仕事を通して人間性・能力を高める
条件★12 謙虚にかつ貪欲に誰からも学ぶ
条件★13 仕事を通して周りの人に夢と感動を与える
条件★14 仕事のために自己管理を徹底させる
条件★15 尊敬できる人を持ち、その人から徹底的に学ぶ
条件★16 真剣に人材(後輩)を育成している

2007年3月13日 (火)

フランクリン・コビー流プロジェクトマネジメント

4906638619_01__aa240_sclzzzzzzz_v4196786_1 リン・スニード、ジョイス・ワイコフ(フランクリン・コヴィー・ジャパン訳)「PQプロジェクト・マネジメントの探究」、キングベアー出版(2007)

お奨め度:★★★★1/2

7つの習慣で有名なフランクリン・コビー社のプロジェクトマネジメントスキルPQ(Planning Quest)の解説書。

PQには3つのポイントがある。

一つ目は時間管理であり、この部分には、同じくフランクリン・コビーの「TQ(Time Quest)」を取り入れている。TQについては、目標の設定、計画的行動、そして安心領域からの脱出を主軸にした時間管理で、効率だけではなく、「心の安らぎ、すなわち充足や幸福が最高潮に達した感覚」に到達することを目的としている。

4906638058_09__aa240_sclzzzzzzz_ハイラム・スミス(黄木信、ジェームス・スキナー訳)「TQ―心の安らぎを発見する時間管理の探究」、キングベアー出版(1999)

この中から、価値観の明確化が時間管理のベースであるとする生産性のピラミッドの考え方を取り入れている。

その上で、2つ目のポイントとして、プロジェクトのビジュアル化こそがプロジェクトマネジメントの成功要因だとしている。

これらの考え方に併せて3つ目のポイントは、マインドマップ使って思考の幅を広げることを提案している。

PMBOKのような分析的、体系的なプロジェクトマネジメントが必要な分野もあるが、多くのビジネスプロジェクトでは、多少、重い感じがある。そのようなプロジェクトに対するプロジェクトマネジメント手法として注目に値する方法である。

プロジェクトのビジュアル化こそがではこの方法をセミナーとして提供しているが、その前に、この本を読んでみて、自分の仕事に使えるかどうかの評価をしてみてはどうかと思う。ただし、実際に使おうとすると、ツールも含めて本だけでは不十分だと思われるので、セミナーを受けるべきだろう。

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2007年3月12日 (月)

コンサルタントの秘密の道具箱

4822281728_01__aa240_sclzzzzzzz_ ジェラルド・ワインバー(木村泉訳)「コンサルタントの道具箱」、日経BP社(2003)

お奨め度:★★★★
 

コンサルタントとしてのものの見方、行動の仕方を解説した本で、分野を限らず、コンサルティングのバイブルだといってもよい一冊である。

この本では、思考法や、行動法を道具に見立てて、コンサルタントはそれを道具箱に収め、必要に応じて取り出して、問題を解決するというメタファーを作っている。

それぞれのツールについても

イチゴジャムの法則
知恵の箱
金の鍵
勇気の棒
願いの杖
探偵帽と虫めがね
イエス・ノーのメダル
ハート

望遠鏡
魚眼レンズ
ジャイロスコープ
卵、カラビナ、羽根
砂時計
酸素マスク

といったメタファーで書かれたウィット満載の一冊である。コンサルタントやその志望者であれば読んでおいて損のない一冊だろう。

なお、この本にはシリーズが存在する。20年ほど前に出版された本だ。

4320025377_09__aa240_sclzzzzzzz_ ジェラルド・ワインバー(木村泉訳)「コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学」、共立出版(1990)

今、読んでみると、荒削りな感じがするが、コンサルタントの道具箱の原点であるので、こちらもとてもよい本であるので、併せて読んでみるとよいだろう。
 

2007年2月13日 (火)

気まぐれコンセプト

4093590028_01__aa240_sclzzzzzzz__3 ホイチョイ・プロダクションズ「気まぐれコンセプト クロニクル 」、小学館(2007)

お奨め度:★★★★1/2

広告業界に生きているわけではないが、「気まぐれコンセプト」は僕の仕事術のバイブルのひとつ。25年間の集大成が本書。

「気まぐれコンセプト」を読み出した頃には、コンセプトの意味がよく分からなかったがだんだんわかってきて、仕事はこうするといった刺激を受けている。面白いことにこういう発想は、製造業行っても結構通用するんですね。

それにしても、ホイチョイ・プロダクションズは最近派手に活動しているなあ、、、

この本と連動している映画はこちら。

4043841019_01__aa240_sclzzzzzzz_v4643446 君塚良一、泡江剛「バブルへGO!!―タイムマシンはドラム式」、角川文庫(2007)

2007年2月 7日 (水)

見える化ではなく「視える化」しよう!

4479791884_01__aa240_sclzzzzzzz__1 若松義人「トヨタ流「視える化」成功ノート―「人と現場が変わる」しくみ」、大和書房(2007)

お奨め度:★★★★1/2

昨年あたりから「みえるか」が大ブームになって、たくさんの本が出版されている。その中で、トヨタイズムの伝道師のカルマン若松社長だけが、「見える」という言葉を使わず、「視える」という言葉を使われている。これもトヨタ流とのことだが、トヨタでは、「みえるか」というのは、「見つける」、「気づく」だけでは意味がなく、改善して初めて意味があるとの考えからこの言葉を使っているとのこと。

この本では、そのような視座で

 ・能力の視える化

 ・問題点の視える化

 ・ノウハウの視える化

 ・市場の声の視える化

 ・失敗の教訓の視える化

 ・現場の空気の視える化

 ・仕事の大局の視える化

の7つの視える化について、42のヒントを提供している。

ヒントの内容は極めて濃く、みえるかの「元祖」はトヨタだといわんばかりのできである。また、書籍としても、事例をふんだんに使って説明してあるので、ピンとくる。

現場のマネジャーなら、一読して損はない。若松さんの本の中でも最もよいできの本ではないかと思う。一読の価値アリ。

2007年1月24日 (水)

マナーを考えよう

4902444437_01__aa240_sclzzzzzzz_v3450639 ピーター・ポスト(堀内久美子訳)「正統派男の行動学―覚えるマナーから考えるマナーへ」、オープンナレッジ(2006)

お奨め度:★★★★

生活のほとんどの場所が仕事の場になってしまっているせいか、マナーというのにあまり気をかけなくなってきた。

ヒューマンスキルだといっている中で、マナーの領域の話は意外なくらい多い。

たとえば、プロジェクトマネジメントの中で、ステークホルダマネジメントの重要性を盛んに言っている。そこでは、うまく聞くとか、伝えるとか、あるいは共感を得るといったスキルが重要なことはいうまでもないのだが、いくら、仕事の場だからといって、マナーが悪いことが障害になることは少なくない。

例えば、携帯電話のマナー。プロジェクト会議中に携帯電話を切らずに、それで後をひくコミュニケーショントラブルが発生したケースを何度となく見てきた。

あるいは、聞き方以前に、聞く態度の問題で相手が十分に情報を伝えなかったということも何度もある。これをスキルだけで片付けるのは無理があるような気がする。

一度、マナーというのを真剣に考えてみる必要があるのではないかと思う。もっとも基本的なところにマナーがあり、その上にヒューマンスキルがある。そんな発想が必要だろう。

この本は米国では割と有名な本である。

日常生活、コミュニケーション、人付き合い、仕事など、いろいろな場面でのマナーやルールが簡潔に述べられている。含蓄もある書き方だ。

一度読んで、自分のマナーについて、じっくりと考えてみてほしい。

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2006年12月29日 (金)

人脈≠知り合い

4757304226_01__aa240_sclzzzzzzz_v3436483藤巻幸夫「人脈の教科書~図解フジマキ流シビれる人生をつくる」、インデックス・コミュニケーションズ(2007)

お奨め度:★★★1/2

テーマのせいか、前作の「チームリーダーの教科書」ほど、インパクトは感じなかったが、でも、引き込まれるように読んだ。

ほしい人脈を手に入れる方法、人脈の作れるひとになる方法、社内人脈を作る方法、仕事以外の人脈作りなど、人脈に関して藤巻さんが持っている考えをすべて披露したような一冊である。実は、人脈というのは雑読派の僕としては珍しくまったく興味のないジャンルである。実際に立ち読みはしても、本を買ったのはこれが初めて。なぜかというと、第一は藤巻さんの本だからだが、第二の理由は極めて論理的、合理的にまとめてあるからだ。

この本で藤巻さんが言っていることは、「人脈はできるものではなく、作るもの」だということ。そのためには、まず、自分。人脈に恵まれる人のタイプとして

・オリジナリティのある人

・単独で行動できる人

・フットワークの軽い人

・計算より「志」の実現を見据えている人

・志のある人

の5つが上げられている。僕は人脈は恵まれているほうだと思うが、この5つはクリアしていると自負しているので、納得。

よくコミュニティや交流会で知り合いはできるのだが、サラリーマンなのであまり役立たないという人がいる。そんな人は、人脈が何かということを理解できていないと思うので、ぜひ、この本を読んで勉強をしてください!

また、人脈化される場合にもこの本に書かれているようなアプローチをされるとうれしいな!

マーケターの日常

4820744062_01__aa240_sclzzzzzzz_v4840508 末吉孝生「マーケターの仕事術〔入門編〕」、日本能率協会マネジメントセンター(2006)

お奨め度:★★★★

マーケターの書いたマーケターのコンピテンシー。 

マーケターの業務シーンを想定し、それぞれのシーンで役立つ道具を「キット」としてまとめている。うまく構造化されているので、実践的である。

キットには

「チャート」:全体図

「ノウハウ」:実務上のノウハウ(手順、詳細)

「ステップアップ」:事例とトレンド

「ブック」:関連する書籍、資料

という4つの要素から構成されている。

シーンはマーケティングプロセスに沿って25準備されている(目次参照)。

解説スタイルは基本的なことをエッジを効かせて書いてある。なので読んでいて面白い。

また、この手のコンピテンシー本にありがちな、コンピテンシーの羅列という感じがない。一つ一つの道具に存在理由があることを意識し、その理由を一言かきくわえてあるかだらと思う。

たぶん、これが、マーケター末吉孝生の流儀なのだろう。

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2006年11月29日 (水)

リアリティのある目標を立てる

453403637x_09__aa240_sclzzzzzzz__1 野口靖夫「リーダーのための目標の立て方・達成のしかた」、日本実業出版社(2003)

お奨め度:★★★★

目標。。といった本は、MOBの普及以来山ほどある。

その中で、何気なく、本屋で手にとってびっくりした一冊。

日本で一部上場企業の8割がMOBを導入しているという割には、その具体的な成果を語る人事担当者は少ない。どうもいろいろ話を聞いてみると、問題の本質は、目標設定の仕方にあるのではないかと思う。

確かに、BSCしかり、戦略目標から個人の目標へまで落とし込んでいくと、自動的に目標が設定されるように考えてしまう。テーマという意味では確かにそうだと思う。

しかし、目標設定のもう一つの問題は、その先にある。つまり、目標として達成するための方法を見据えた上で、目標設定ができるかどうかだ。目標管理の本では、目標の設定方法については書いていても、その実行方法については、目標の難易度を考えろで終わっている。その中でも例えばこの本などは、学ぶところが多いとても良い本だ。

4818524123_09__aa240_sclzzzzzzz_

金津健治「すぐ使える・すぐできる目標設定法」、日本経団連出版(2005)

目標を立てるということは、その瞬間に達成のための計画を作るということである。にもかかわらず、その意識が希薄であり、それゆえに、設定した目標が達成できないケースが多かった。ところが、人事評価の中での位置づけが定着してきて、今度は、達成することに意識が移った。それは、残念ながら計画を作ってきちんと目標をクリアするということではなく、組織目標の末節のテーマで「実施できる目標を探す」という方向に向いてしまった。

いずれにしても、成果がでる目標の設定ができていない。

この問題を解消するには、各人が目標の達成スキルをきちんと身に付けていく必要がある。その本格的なものはプロジェクトマネジメントであるが、そこまではという向きには、この本をお奨めする。

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2006年11月24日 (金)

創造的模倣

4479791817_01__aa240_sclzzzzzzz_v3471058 三田紀房「個性を捨てろ!型にはまれ! 」、大和書房(2006)

お奨め度:★★★★

ご存知、偏差値30台の高校生が現役で東大合格を目指す異色コミック「ドラゴン桜」の三田紀房氏の啓蒙書。三田紀房氏は、ドラゴン桜以外にも、ボクシングの世界チャンピオンがビジネス界でのチャンピオンを目指4063289095_09__aa240_sclzzzzzzz_4091846629_01__aa204_sclzzzzzzz_す「マネーの拳」というコミックスも書いている。

著者によると、コミックスではなく、もっと直接的に言いたいので本にしたとのこと。

ドラゴン桜にもマネーの拳にも共通する違和感がある。それは、「型」に対するこだわりと、組み合わせに対するこだわりだ。

世の中には成功するための型があり、成功するためには型にはまる必要があることを徹底的に主張している。これは著者の独自の主張というよりは、むしろ、多くの成功本で言われていることだ。

そして、より大きな成功をするには、その組み合わせが重要であるという2点。ここは、著者のオリジナリティだと思う。

誰もできないことをやるのは快感である。しかし、誰もできないことをやるよりは、成功していることがやっていることを「確実」にやるほうが難しい。競争するというのは結局そういうことであり、型にはまれという話は競争を恐れるな、同じ土俵で競争して勝てという王道を主張しているようにも思える。

もう、10年以上前になるが、この話を実証するような本が出版されている。

4641067813_09__aa240_sclzzzzzzz_ スティーヴン・P. シュナース(恩蔵直人、嶋村和恵、坂野友昭訳)「創造的模倣戦略―先発ブランドを超えた後発者たち」、有斐閣(1996)

お奨め度:★★★★1/2

この本は、後発企業が先発企業を逆転している例を集め、その要因を分析し、それらの要因を持つ戦略を創造的模倣戦略と呼んでいる。

・35ミリカメラ:キャノン:ニコン

・ボールペン:パーカー、ビック

・クレジットカード:VISA

・MRI:ジョンソン&ジョンソン、GE

・パソコンOS:マイクロソフト

・表計算ソフト:ロータス(さらに後発でマイクロソフト)

・ビデオ:JVC

・ビデオゲーム:任天堂

などの企業の事例を上げている。おそらく、二番手企業というイメージの企業はないだろう。むしろ、創造性の高いというイメージを持つ企業が多い。

イノベーションが注目されているが、イノベーションの議論というのは注意する必要がある。イノベータと呼ばれるのは主に、ドミナントデザインができた後で出てきた企業である。上の例を見てもそれは良く分かるだろう。

三田紀房の言い方を借りると、ドミナントデザインができた後で競争することが、成功の型にはまるということだろう。

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