チームマネジメント Feed

2009年5月16日 (土)

ルールかモラルか

448006477x 岡本 薫『世間さまが許さない!―「日本的モラリズム」対「自由と民主主義」』、筑摩書房(2009)

お奨め度:★★★★1/2

僕はマネジメントのコンサルタントの仕事をはじめてほぼ15年になる。その前は、5年ほど技術コンサルタントをしていた。この両者の間には歴然とした差があると感じている。

技術コンサルタントとして、たとえば設計方式(ルール)を決めたときにクライアントがそれを無視して設計するという経験はあまりしたことが無かった。逆に、マネジメントのコンサルタントとして何かルールを決めても、それを全員がやるということもあまり経験がない。極論すれば、ルールを決めることではなく、ルールを守らせることの方がコンサルタントとしての価値のある仕事のような気すらしている(儲かるのは、ルールを決める仕事だが、、、)。

このギャップについてそれなりに経験からくるもやもやとした思いがあったが、この本を読んで霧がぱっと晴れた。日本的モラリズムと著者が呼ぶ現象がそれを引き起こしている。平たくいえば、この本のタイトルのとおり、「世間さまが許さない」という話。

続きを読む »

2009年4月10日 (金)

プロジェクトマネジメントとチームマネジメントのマリアージュ

4806133183 石川 和幸「チームマネジメントがうまくいく成功のしかけ」、中経出版(2009)

お奨め度:★★★★1/2

チームマネジメントとプロジェクトマネジメント。相性がよさそうなのだが、実は、結構、取り合わせが難しい。プロジェクトマネジメントのライフサイクルと、チームのあり方について明確な関連付けがされていないためだ。

この背景にはチームマネジメントに対する位置づけがある。PMBOK(R)では、チームマネジメントはパフォーマンスマネジメントの手段であって、MUSTではない。スコープマネジメントの方法にもよるが、チームが形成されていなくでもできるように分担するのが計画するという仕事である。

しかし、この議論には見過ごしてはならない前提がある。

続きを読む »

2009年4月 2日 (木)

ワークショップをやりたいと思ったらとりあえず、この本

4532314038 堀 公俊、 加藤 彰「ワークショップデザイン――知をつむぐ対話の場づくり」、日本経済新聞出版社(2008)

お奨め度:★★★★1/2

ワークショップという言葉を日常的に耳にするようになってきた。ワークショップはすばらしいという効能もだんだん言われるようになってきた。そこで、やろうと思うと、「さて、、、」となるのではないかと思う。イメージはなんとなくあるが、具体的にどうすればよいか全くわからないので、戸惑う。こんな話も時々、聞くようになった。

そこで、この本。ワークショップのプログラムに焦点を当て、どのように設計するかから、ちょっとした小技(アクティビティ)まで、体系的にまとめられている。

続きを読む »

2008年12月25日 (木)

プロデューススキルの全貌が明らかに!

4820717332 佐々木 直彦「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」、日本能率協会マネジメントセンター(2008)

お薦め度:★★★★★

この本には誕生ストーリーがある。この本は、佐々木氏が1999年に日本能率協会マネジメントセンターから依頼され、一旦挫折したそうだ。同時期に、偶然、PHP研究所から同じ依頼があったが断った。ところが、PHP研究所でオファーした編集者の方がいつのまにか日本能率協会マネジメントセンターに転籍され、それを知った佐々木さんが日本能率協会マネジメントセンターに再チャレンジを持ち込んだというのだ。そして、最初から数えて10年かかり、やっと世の中にでてきたそうである。

そのストーリーを読んで、「これだけの本を作るにはやっぱり10年はかかるよな」と思わせるくらいよくできた本である。

続きを読む »

2008年11月21日 (金)

ミドルマネジャーの教科書~100冊の啓発書よりこの一冊

4534044593 秋沢 志篤「 「オキテ破り」が人を動かす」、日本実業出版社(2008)

お奨め度:★★★★★

まだ、年を振り返るには多少早いが、今年は酒井穣さんの「課長の教科書」の大ヒットに始まって、ミドルマネジメントの本がたくさん出版された。僕は神戸大学の金井壽宏先生のゼミナールに参加したが、そのときに先生が言われていたことを思い出している。正確ではないが、「ミドルマネジャーは組織によって立場が違うし、人によってキャリアが違う。モデル化するよりも、フィールドワークから何かを学ぶことが重要」といったニュアンスのことである。

続きを読む »

2008年11月14日 (金)

現代的なモチベーション理論

488759657x_5 小林 英二「マジマネ5 部下の「やる気」を育てる! 」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2008)

お奨め度:★★★★★

新任マネジャーやリーダー向けのマネジメントシリーズ「マジマネ」の5巻。内発的動機付けの重要性を語り、動機付けの方法を具体的に説明している。また、内発的動機と外発的動機の使い分けについても、説明している。

続きを読む »

2008年10月 9日 (木)

象を見せてくれるチームビルディング本

4818528358 関島 康雄「チームビルディングの技術―みんなを本気にさせるマネジメントの基本18」、日本経団連事業サービス(2008)

お奨め度:★★★★★

最近、チームビルディングの本が増えてきた。片っ端から読んでみているのだが、チームビルディングは多面性があり、著者の専門的な視点に偏った説明になっていて、どうも、「盲人が象を語っている」ような感じの本ばかりだった。ということで、これというお奨め本が見当たらなかったが、やっと、象を象として説明している本に出会ったような気がしている一冊。

続きを読む »

2008年10月 1日 (水)

質問だけで会議してみませんか?

4569702899_2 清宮普美代「質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?」、PHP研究所(2008)

お奨め度:★★★★1/2

21世紀に入ってから注目されるようになってきたアクションラーニングについて、マイケル・マーコード博士の手法を「質問会議」と名づけ、平易に、事例を交えて紹介した一冊。

続きを読む »

2008年9月15日 (月)

イノベーションが必須とされる競争社会で生き残るためのチーム

4904336089 デボラ・アンコナ、ヘンリック・ブレスマン(サイコム・インターナショナル監訳、西田 忠康、鈴木 立哉「Xチーム」、ファーストプレス(2008)

お薦め度:★★★★★

新しいチーム概念である、「Xチーム」を定義し、Xチームにおけるチームマネジメントやプロジェクトマネジメントについて体系的に述べた1冊。

続きを読む »

2008年8月22日 (金)

「仕事を任せる」ための本

4904336070 トーマス・L・ブラウン(森理宇子監訳、柴田さとみ上坂 伸一訳)「 「権限委譲」で、抱え込んでる仕事を部下に任せる」、ファーストプレス(2008)

お薦め度:★★★★1/2

権限委譲は、リーダーシップやマネジメントの本では必ず出てくるが、本1冊権限委譲というのは珍しい。それも権限委譲による組織の活性化だとか、人材育成だとかそういう話ではなくて、100ページの親書に純粋に権限委譲のテクニカルスキルがまとめられている極めて実践的な本。

続きを読む »

PMstyle 2025年7月~10月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

アクセスランキング

カテゴリ

Powered by Six Apart

Powered by Google

  • スポンサーリンク
  • サイト内検索
    Google