シックスシグマからデザインへ
奥出 直人「デザイン思考の道具箱―イノベーションを生む会社のつくり方」、早川書房(2007)
お奨め度:★★★★1/2
デザイン戦略やデザイン思考について勉強しようとしたら、まずはこの本だろう。古くから、デザイン思考について実践的な研究を続けてきた著者の書いたデザイン思考の解説書。哲学、ビジョンをしっかりと説明しながら、自らが実践するデザイン思考のフレームワークである「創造の方法」について紹介している。
奥出 直人「デザイン思考の道具箱―イノベーションを生む会社のつくり方」、早川書房(2007)
お奨め度:★★★★1/2
デザイン戦略やデザイン思考について勉強しようとしたら、まずはこの本だろう。古くから、デザイン思考について実践的な研究を続けてきた著者の書いたデザイン思考の解説書。哲学、ビジョンをしっかりと説明しながら、自らが実践するデザイン思考のフレームワークである「創造の方法」について紹介している。
遠藤功「「日本品質」で世界を制す!」、日本経済新聞社(2010)
お奨め度:★★★★★
最近の品質事故を引き合いに出しながら、「品質」管理の問題を分析し、これからの品質管理の視座を示すと同時に、それが日本企業のグローバル競争力となり、In-Outにも、Out-Inにも決定力になることを示唆した一冊。現場の品質管理担当者に新たな視点を与えるととにも、経営スタッフに品質管理への取り組みの視座を与える。製造業、IT業、サービス業などを中心にすべての人に読んでほしい本。
申元東(前坂俊之監修、岩本永三郎訳) 「 ソニー、パナソニックが束になってもかなわない サムスンの最強マネジメント」、徳間書店(2010)
お奨め度:★★★★1/2
サムスンの人事部出身のコンサルタントがサムスンの人材マネジメントの全貌を紹介した本。単に制度や育成方法だけではなく、人材マネジメントシステムの背景、戦略などについても詳細に書かれている単行本1冊、1企業(グループ)の人材マネジメントだけについて書かれた本というのは珍しく、サムソンについて知る以外にも人材マネジメントの全貌を知るという意味でもお薦めの本。
サムスンには、「サムスンミステリー」という言葉があるという。サムスンが企業変革の際に世界的なコンサルティング企業マッキンゼーに経営診断を依頼した。マッキンゼーの診断結果は、
「サムスンは他の企業と比べて特に優れたところはない。しかし、客観的には不可能な目標を掲げ、それを成し遂げている。これがサムスンのミステリーだ」
というものだったという逸話がある。この本はサムスンミステリーを解き明かしてくれる本だ。
日本経済新聞社「これからの経営学(日経ビジネス人文庫)」、日本経済新聞出版社(2010)
お奨め度:★★★★★
日経朝刊・経済教室面の人気連載「やさしい経済学」の“経営学のフロンティア”シリーズをビジネス人文庫として刊行。日本の経営学界の重鎮、気鋭の研究者17人が、変革・グローバル化の時代に必要な「一番知っておきたい」経営を具体的にやさしく講義した一冊。
藤本 隆宏、キム・クラーク(田村 明比古訳)「 【増補版】製品開発力―自動車産業の「組織能力」と「競争力」の研究」、ダイヤモンド社(2009)
お奨め度:★★★★★
出版不況のせいか、80~90年代の名著の復刊が目につく。特に、ダイヤモンド社は、持っているコンテンツの質の良さがあって、非常のよい本を結構、復刊してくれている。今年だけでも、先日紹介したテーラーの「科学的方法論」もそうだし、コッターの「ビジネス・リーダー論」もそうだ。その中の一冊が、藤本先生のこの本。
福田 収一「良い製品=良い商品か?―「モノづくり」から「価値づくり」へ」、工業調査会(2009)
お奨め度:★★★★★
技術的な立場から書かれた本格的なマーケティング論。「期待マネジメント工学(EM)」という考え方を提唱し、さまざまな問題提起とその問題に対するマーケティングのアイディアを体系的に示している。すべての技術系マネジャー、技術者に読んでほしい一冊。
宮永 博史「理系の企画力!-ヒット商品は「現場感覚」から」、祥伝社(2009)
お奨め度:★★★★1/2
東京理科大学の社会人向けのMOTコースは、日本の経営学の重鎮のひとりで、「人本主義」とか、「場のマネジメント」といったユニークな理論を構築されてきた伊丹敬之先生をはじめとする、質の高い教員を抱えた実践的なコースと評判のコースで。
その中でも、技術経営の分野に、セレンディピティというユニークな概念を持ち込まれている宮永先生のカジュアルに読める一冊。
井上 理「任天堂 “驚き”を生む方程式」、日本経済新聞出版社(2009)
お奨め度:★★★★1/2
今や、日本企業の中ではトヨタやソニーと並んで関心を持たれているにもかかわらず、そのマネジメントが秘密に包まれている任天堂を、取材とデータ、洞察から描いた力作ノンフィクション。
渡辺 英夫、「超感性経営」編集委員会「超感性経営―ソニー伝説のストラテジストが授けるデザインマネジメント・メソッド:25」、ラトルズ(2009)
ソニーファンで、マネジメントに興味のある人には、垂涎の一冊。
ある方から頂戴し、あっという間に読んだ。おもしろい。
プロダクトマネジメントに携わっている人であれば、渡辺英夫氏の名前を知らない人はいないと思うが、昨年、病気で他界された。闘病中、デザインマネジメント論をまとめておきたいという願いをもち、同僚や後輩に託したまま、他界されたそうだ。
渡辺氏の机のなかから、出てきたノートの最初のページに書いてあった「感性経営」という言葉を頼りに同僚や後輩たちは本作りを始めた。
しかし、誰一人として、渡辺氏から「感性経営」とは何かということを聞いた人はおらず、渡辺氏の残した資料や講義録、そして元部下や同僚のインタビューから、感性経営を編集し、できあがったのがこの本。ちなみに、「超」とついたのは、この分野が今後、渡辺氏の思想のさらなる広がりと飛躍を祈ってとのこと。
山本 修一郎「次世代プロジェクトリーダーのためのすりあわせの技術」、ダイヤモンド社(2009)
お奨め度:★★★★
今年になって、すりあわせをテーマにした本が2冊出版された。
そのうちの一冊がこの本。この本は、新規ビジネス開発をテーマに、その中核となるシステムの開発を行う様子を物語仕立てで描いたもので、その中で「すりあわせ家」が専門家の対立や協同をうまく調整しながらプロジェクトを成功に導いていくというもの。
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