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2005年9月

2005年9月11日 (日)

図解主義!

4757303165アンドリュー・サター「図解主義!」、インデックス・コミュニケーションズ(2005)

お奨め度:★★★★

ユダヤ人の頭のなか」 でいちやく有名になった、アンドリュー・サターが図解思考法に焦点を当てて書いた本。

ユダヤ人の頭のなか」 は衝撃的ではあったが、実践性という意味で物足らなかった。この本は、図解という一つの分野に焦点が絞られているが、前作でもやもやとした部分で、こういうことだったのかというのは結構ある。その意味で貴重な本。

もちろん、前作を読まなくてもすばらしい1冊。今まで、図解475730241X本を読んで単なる表現技法だと思っている人は、ぜひ、この本を読んでみてほしい。図解により、ビジネスやシステムのアーキテクチャーが変わる可能性を示唆している。八百屋と大根の例など、それを分かりやすく教えてくれる。

日本人の書いた図解とはかなり視点が違うので、そのような目で見ながら読んでみるのもよいだろう。そのような読み方をする場合には、「ユダヤ人の頭のなか」と一緒に読んでみることがお奨め。「日本的」の打破に苦労している人、違った世界が見られるかもしれない。

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2005年9月 9日 (金)

フロー体験は偉大である

4309230563チャーリーン・ベリッツ、メグ・ランドストロム(菅靖彦訳)「パワー・オブ・フロー」、
河出書房新社(1999)

お奨め度:★★★★

最近、フロー体験に関する本を何冊か読んだが、チクセンチミハイルのフロー体験という概念を提唱した本は別格とすると、この本が秀作。

まず、フロー体験とは何かという話だが、これについては、こちらを参照してほしい。

この本は、ユングの提唱したシンクロニシティをフローと結び付けている。シンクロニシティは「共時性」とも訳され、複数の出来事が非因果的に意味的関連を呈して同時に起きる(共起する)ことをさしている。シンクロニシティの厳密な理解は難しいが、例えば、病院の窓から見える最後の一枚のはっぱが落ちたときに、患者が死んだとしよう。この2つの事象はまったく因果性はなく、単なる偶然なのだが、そこに意味づけをすることができる。これがシンクロニシティである。

このようなシンクロニシティの概念はフローをつくる上で不可欠なものである。如何に意味づけをできるかで、フロー体験をできるかどうかが、変わってくる。この意味づけの方法を、この本では、そのための9つの心の法則ということで紹介している。

後半は、フローで人生が変わるという内容。そんな例は結構見ているつもりだが、改めてこの本を読んでいると、そうだなあと思う。

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2005年9月 7日 (水)

心理学はマネジメントにどのように役立つか?

4806116122金井壽宏「組織を動かす最強のマネジメント心理学―組織と働く個人の「心的エナジー」を生かす、中経出版(2002)

お奨め度:★★★★

最近は、ずいぶん、心理学がマネジメントの枠組みの中で使われることが多くなってきた。古くから組織行動論といった考え方はあるが、どちらかといえば、心理的な側面より、「経験的にひとはこのように動くものだ」という考え方にたっており、そこで終わってしまう。
心理学を持ち込むことの魅力は、そこで終わらないで、それに対して、心理学として得られた知見を重ねあわせて、経験的な知見以外の新たな知見や、対応策が見つかることにある。

その流れを作った一人は金井壽宏先生である。その金井先生がやわらかく心理学と組織マネジメントの関係を書かれた1冊。

最近、チクセントミハイルの「フロー経験」といった概念が平気でマネジメントの本の中にでてくるようになってきた(アマゾンの書評に白牡丹さんが書かれているが、「昴」というコミックスにも出てきているらしが、、、)。金井先生のゼミを2年間受けたが、金井先生が教わった心理学の概念は10やそこらではないと思う。

そのような話が一冊の本で書いてあるので、組織論系の本を読む人は、とりあえず、一度、この本を読んでおいたらよいのではないかと思う。

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2005年9月 6日 (火)

気づく力を鍛えよう

4833450119畑村洋太郎ほか「気づく力」、プレジデント社(2005)

お奨め度:★★★1/2

この本は President books として、テーマを決め、過去のプレジデントの関連記事を編集して出版したものである。

この本のテーマは「気づく力」として、「気づく力」、「考える力」、「行動する力」の3つのパートでそれぞれ、10本程度の記事を収録している。ダイヤモンドもハーバードビジネスで同じことをやっているが、それと比較すると、気軽に読め、値段も安いのがよい(なんと、1000円である)。

内容は目次を見て戴きたいが、お奨め記事を何本か、ピックアップしておく。

大前研一「組織の思考を止める「上司の壁」」
橘川真彦「なぜ、人は「大切なこと」を見過ごすのか」
山田日登志「「停滞、繰り返し作業・運搬」にムダが潜む」
金出武雄「できない理由を考える前に、素直に行動してみる」
畑村洋太郎「なぜ人は、頭でわかっても動けないか」
田中義厚「雑用を任せられる社内人脈をつくれ」

気に入った記事に関しては、「読み足りない感」が残ると思うが、また、それがいいのかもしれない。後は、考えろってことで、、、

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2005年9月 2日 (金)

クリティカル・ワーカー

4478312184赤堀広幸「クリティカル・ワーカーの仕事力―ワークスアプリケーションズ問題解決型人材の挑戦」、ダイヤモンド社(2005)

お奨め度:★★★★

クリティカル・ワーカーという概念について、実際の事例に基づきながら、解説した本。

クリティカル・ワーカーというのは、新たな価値の創造を問題解決によるブレークスルーを中心に実行していく人たち。ソフトウエア開発会社を例にとって説明している。

興味深い点は、ソフトウエア産業の特徴かもしれないが、ボトムアップの価値創造ができる点。一般に価値創造はトップダウンのアプローチが適しているように思えるが、この本を読んでいるとそうでもないと思える。

業種やサービスは違うが、ノードストロームを思い出させる内容である。

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コーチングの実際が分かる

4569645577PHP研究所編集「リーダーのためのコーチング実践Q&A」、PHP研究(2005)

お奨め度:★★★1/2

こういう本が一冊ほしかったという感じの本。

コーチングの本を読んでも、枠組み(形式)はともかく、実際的なところがよく分からない。それで試してみても十分にできない。そこで、本格的なコーチのトレーニングを受けようかということになるが、「そこまではちょっと」という人も少なくないだろう。そんな人にぜひ読んでみて欲しい1冊である。

コーチングという枠組みに関係なく、リーダーシップを高める、コミュニケーション能力を高めるためにたいへんよいことが書いてあるし、ヒューマンソフトマネジメント一般に通じることが結構たくさん書いてある本である。

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