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2005年6月

2005年6月30日 (木)

コンフリクトマネジメント

B00011UZVW システム・テクノロジー・アイ「iStudy BB for Human Skills コンフリクト・マネジメント 対立の解消法」(2003)

お奨め度:★★★

システム・テクノロジー・アイのiStudyシリーズのコンフリクトマネジメント編。

内容

・4種類の対立の兆候を早期発見

・現状を受け入れ

・冷静な対処

・理由の解明

・建設的行動/生物的逃避反応・攻撃反応を超える積極的対応/建設的イメージ確認

・建設的な表現/積極的傾聴

・話しやすい雰囲気作り

・質問スキル/ブレーンストーミングを用いた対策立案

・解決策の評価・選択/実行計画策定と進捗チェック

リーダーシップを学習する

B00011UZXK システム・テクノロジー・アイ「iStudy BB for Human Skills リーダシップ 建設的な影響力」(2003)

お奨め度:★★★1/2

偶然、あるところで、この教材を見た。ヒューマンスキルをeラーニングでやるというのは、有効であることが確認できた。21000円という価格をどう考えるかだ。リーダーシップの本を10冊買うより価値はあると思う。セミナーと較べると安い

ただ、頭で理解して、分かった気にならないようにするという点だけは使用上の注意としてあるだろう。

ちなみにこのeラーニングは以下の内容。

感受性と柔軟性の意義

・操縦と説得の違い

・影響力・圧力の危険性/人間関係の構築/ボディランゲージ

・相手のシグナル

・意識的身体心理コントロール/声のトーンと言葉遣い

・対人関係スキルと自己反省スキルのバランス/好みの情報スタイル

・指示の危険性

・前向きな質問

・捉え方の再構成/柔軟性を発揮した説得スキルの使い分

チームをリードする

B00013D3PK システム・テクノロジー・アイ「iStudy BB for Human Skills チームワーク チームリーディング」(2003)

お奨め度:★★★

iStudyヒューマンスキルシリーズのチームワーク編。テーマはチームリーディングで、プロジェクトリーダーが必要とするリーダーシップに関する知識が解説されている。

内容

・リーダーとしての基本資質

・4種のリーダーシップスタイル

・チームの発達、チーム戦術による発達促進

・実力の4要素

・コミュニケーションスタイルに応じた対立解消・実力伸長・行動理解

・協力的な環境作りの4つのカギ

・チーム変革のための手法

プロジェクトチームへの参画

B00011UZYO システム・テクノロジー・アイ「iStudy BB for Human Skills チームワーク プロジェクトチームへの参画」(2003)

お奨め度:★★★

iStudy ヒューマンスキルシリーズのチームワーク編。テーマはプロジェクトチームへの参画というテーマで、主に、メンバーシップに焦点を当てた構成になっている。

内容

・通常のチームとの違い

・プロジェクトチームの発達

・チームメンバーとしての資質とスキル

・役割/マイナス要因の想定/チームワークの育み方・発揮の仕方、スタイルの活用

・日常業務とのバランス

・プロジェクトチームでの対立解消法/プロジェクトライフサイクル

2005年6月15日 (水)

マネジメントはサイエンスか、アートか

4478374848 菅野寛「経営者になる 経営者を育てる」、ダイヤモンド社(2005)

お奨め度:★★★★1/2

面白い本だ。出井伸之・ソニー会長、稲盛和夫・京セラ名誉会長、金川千尋・信越化学工業社長、酒井秀樹・ヒロセ電機会長、鈴木敏文・イトーヨーカ堂会長、高原慶一朗・ユニ・チャーム会長、柳井正・ファーストリテイリング会長など、優れた経営者との議論を基に、リーダーシップに必要なエッセンス・スキルを抽出し、スキルセットを定義している。

そのような手法はともかく、スキルを「科学系」のスキルと「アート系」のスキルに区分し、「アート系」のスキルについて、非常に丁寧に論じているので、非常に面白い。

さらに、習慣化などを中心にして、アート系のスキルを身につけていく方法についても論じている。

米国では、CCLなどを中心に、科学的なリーダーシップ開発が進んでいるが、日本では残念ながら、OJTの域を出ていない。書籍をとってみても、日本のリーダーシップ本は、ハウツーものばかりが目につく。この中で、本書のように、科学的なリーダーシップ育成について論じた本は貴重である。

リーダーを育成しようと思っている人、リーダーになろうと思っている人は必読の一冊だろう。

ちなみに、CCLの活動を紹介した本が日本でも翻訳で出されている。

4833417197ハイ・フライヤー 次世代リーダーの育成法

次世代リーダーの育成法

4833417197 モーガン、マッコール(金井 壽宏、リクルートワークス研究所訳)「ハイ・フライヤー―次世代リーダーの育成法」、プレジデント社(2002)

お奨め度:★★★★

米国というよりも、世界一のリーダーシップ育成機関CCL(Center for Creative Leadership)の活動を紹介した本。

CCLでは、見事に体系化されたトレーニングをはじめとして、さまざまな方法論を駆使してリーダーシップ開発をしているが、そのエッセンスを1冊の本にまとめている。

CCLの手法というより、リーダーシップ開発に興味がある人は必読の一冊!

2005年6月13日 (月)

マネージャーに関する超一級のエスノグラフィー

456124218X ヘンリー・ミンツバーグ(奥村哲史、須貝栄)「マネジャーの仕事」、白桃書房(1993)

戦略論のグル ミンツバーグの書いたマネージャーのエスノグラフィー。

組織の中でもっとも定義しにくい仕事は、いうまでもなくマネージャーの仕事である。そのマネージャーの仕事について、エスノグラフィーを行い

第3章 マネジャーの仕事にある明確な特徴
第4章 マネジャーの仕事上の役割
第5章 マネジャーの仕事の多様性
第6章 科学とマネジャーの職務

という視点で1冊の本にまとめている。

アジャイルプロジェクトマネジメント解説の決定版

4822282295 ジム・ハイスミス(高嶋優子、小野 剛、平鍋健児訳)「アジャイルプロジェクトマネジメント 最高のチームづくりと革新的な製品の法則」、日経BP社(2005)

お奨め度:★★★★1/2

製品開発プロジェクトマネジメントの研究は日本でも自動車業界を中心に進んでいるが、基本的にはリーン開発に焦点が当たっている。

つまり、如何に早く開発するかである。最近は、ここに、マルチプロジェクトマネジメント、プログラムマネジメントなどが加わり、投資の最適化により、戦略的な製品を如何に、早く市場に出すかという議論も多くなってきている。

自動車のような商品は開発リードタイムが極めて重要であった。リードタイムを短くすることによって競争力を保つとともに、ユーザニーズの短縮化に対応する意味があった。つまり、ユーザニースの変化が激しくなる中で、如何に変化する前にたくさん売るかである。

この辺の議論は

4641067929 延岡健太郎「マルチプロジェクト戦略―ポストリーンの製品開発マネジメント」、有斐閣(1996)

に詳しい。

しかし、もっとユーザのライフサイクルが早くなると、ライフサイクルの短縮だけでは対応できなくなる。最初から、途中で仕様が変化することを前提に、プロジェクトを進めていく必要がある。このようなプロジェクトマネジメントの手法がAPM(アジャイルプロジェクトマネジメント)である。

APMはソフトウエア分野では大いに注目されているが、一般的な製品開発の分野にも適用できることがこの本を読むとよくわかる。

製品開発担当者、必読の一冊です!

2005年6月 6日 (月)

たかがWBS、されどWBS

4798108499 Gregory T. Haugan(伊藤衡)「実務で役立つWBS入門」、翔泳社(2005)

お奨め度:★★★1/2

WBSというのは不思議なツール(手法)である。エンジニアであれば、セミナーで1時間ほど、レクチャーを受ければ、誰でも曲りなりは書くことができる。

ところが、5回、10回と書く経験を積んでも、なかなか、満足なものはかけない。ある意味で、マネジメントの難しさを象徴しているツールである。

また、PMBOKでも第3版からついに、WBSを作るというプロセスが登場してきた。つまり、プロジェクトマネジメントをするためには、避けて通れないものになった。

この本は、そのようなWBSを単に概念や事例だけではなく、活用方法について具体的に書かれている本である。

結局のところ、WBSの作成が難しいのは、作成目的によって必要なWBSの表現が異なるためである。したがって、この本のように、利用法を想定してWBSはこのように作るべきだというハウツーを知ることが正しいと思われる。その意味で、お奨めの本である。

この本と同時に、PMI発行のPMBOKの副読本的な位置づけになっている

1880410818 Project Management Institute Practice Standard for Work Breakdown Structures

をあわせて読むことをお奨めしたい。15種類のサンプルが収められている。

2005年6月 5日 (日)

プロジェクトマネジメントではなく、プロジェクトの進め方が分かる1冊

4788917599 是沢輝昭「プロジェクトの進め方がよくわかる本―仕事の効率と成果を高める95のヒント」、実務教育出版(1999)

お奨め度:★★★★1/2

先日、新橋の文教堂に行ったら、店長が変わったらしく、大量の本に、店長がお奨めポップメッセージを入れていた。そのメッセージを追いかけているうちに、コイツはタダモノではないと思った。

たとえば、

行動科学の展開

https://mat.lekumo.biz/books/2005/04/post_1baf.html

を平積みして、絶賛したコメントをつけているのだ。

それで興味を持って、店長コメントの本だけをずっと探していった。そこで、であったのがこの本。プロジェクトマネジメントの本については、出版社の人よりもよく知っていると思っていたが、この本は知らなかった。

で、手にとって、びっくり。メールマガジン「プロジェクトを成功させる仕事術」で言いたいことのオンパレード。

方法論を述べた本は掃いて捨てるほどあるが、その方法論が仕事をするときに押さえておくべきポイントを押さえるのに、どのように役立っているのかをきちんと書いた本は残念ながら、ほとんどない。あえてあげれば、プラントエンジニアリングの色が濃いが

プロジェクトマネジメント 成功するための仕事術―プロジェクトをリードする精鋭たちの経験とナレッジを集大成

https://mat.lekumo.biz/books/2005/05/__5583.html

くらいかなと思う。とても貴重な本だ。うむ、恐るべし、文教堂新橋店!見開き1項目になっているので、若干、物足らない気もするが、とりあえず、プロジェクトマネジメントというのが自分の仕事の中でどんな役割を果たすのかを理解するには十分だ。

手法(方法論)自体にはほとんどふれていないので、手法を覚えたい人には不向き。

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