成果主義を活かす自己管理型チーム
山口生史(編集)「成果主義を活かす自己管理型チーム―人の視点とプロセス重視のマネジメント」、生産性出版(2005)
お奨め度:★★★
主に労務管理の立場から、自律型チームのあり方について、広範な議論をしている。特に、チームのデザイン、目標によるマネジメントなどは参考になる。
また、編者はコミュニケーション論の専門家であるが、コミュニケーションスキルと、ファシリテーションスキルへ言及している部分は大いに参考になる。
山口生史(編集)「成果主義を活かす自己管理型チーム―人の視点とプロセス重視のマネジメント」、生産性出版(2005)
お奨め度:★★★
主に労務管理の立場から、自律型チームのあり方について、広範な議論をしている。特に、チームのデザイン、目標によるマネジメントなどは参考になる。
また、編者はコミュニケーション論の専門家であるが、コミュニケーションスキルと、ファシリテーションスキルへ言及している部分は大いに参考になる。
Bill Curtis, Sally A. Miller, William E. Hefley(前田卓雄訳)「People CMM―人を生かし組織を成長させる能力成熟度モデル」、日刊工業新聞社(2003)
お奨め度:★★★1/2
people CMMは組織の人的能力を示す指標である。この考え方はちょっとわかりにくい点がある。個人の能力だけではなく、総体としての組織としての能力を問題にしている点である。つまり、個人に帰属する知識・スキルだけではなく、組織に帰属するプロセス能力を合わせて、人的組織の力として定義している。
people CMMは、米国では、IBM、インテルなど、いくつかのエクセレントカンパニーで活用されている。米国以外でも、例えば、インド最大IT企業であるタタ・コンサルタンシー・サービシズは、ソフトウェアCMMでレベル5、People CMMでレベル3を認定されている。
本書は、people CMMのガイドの翻訳。ケーススタディを交えてあるので実践的なイメージがつかめる。
問題は9千円という値段だ、、、マネージャーであれば思い切って購入する価値はあるかもしれない。
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カール・E・ウィーガーズ(滝沢徹、牧野裕子訳)「ソフトウェア開発の持つべき文化」、翔泳社(2005)
お奨め度:★★★1/2
米国のソフトウエアエンジニアのバイブルの一冊。
ソフトウェア開発の上流工程から下流工程に至るまで明瞭かつ独自のスタイルで、事例をふんだんに使って解説。その中での慣行を「文化を生かすもの」と「文化を殺すもの」に分類している。
英語版がお奨め。原書はこちら
Software people―ソフトウェア開発を成功に導くための情報誌 (Vol.6)、技術評論社
ソフトウエアエンジニアに好評の Software Peopleの第6巻はPMBOKの入門記事。
常識程度にはPMBOKをかじっておきたい、言葉くらいは知っておきたいというソフトウエアエンジニアはこれで十分だろう。
ちなみに、PM Magazine第2巻にも同じような記事があるが、ソフトウエアエンジニアにはSoftware Peopleの方が分かりやすいので、こちらがお奨め。
中原淳編纂「ここからはじまる人材育成―ワークプレイスラーニング・デザイン入門」、中央経済社(2004)
お奨め度:★★★★
実用性:★★★★
中原淳氏は、教育の情報化や、ワークプレイスラーニングについて見識を持つ、教育学の若手研究者である。その中原淳氏が編纂したワークプレイスラーニングの事例研究書。
人財は宝、人材育成が大切と、口でいうのは簡単である。また、その方法論も多種多様である。しかし、実際にそれを実行するには、難しい。したがって、人材育成はオープンプロブレムになっており、現実の世界では、「やらないよりまし」というスタンスで取り組んでいる企業が多いのが事実だろう。
中原氏の問題意識は、如何に、人材育成を具現化していくことにあるようで、さまざまなアプローチを試みているようだ。その中で発見したベストプラクティスを集めた本である。
まさに、人材育成の第一歩に読んでほしい本だ。
ちなみに、取り上げられている事例は以下のとおり。
富士ゼロックス(株)における人材育成事例―「やる気の素」を追い求めて ゼロからの出発
(株)オートバックスセブンの人材育成事例―誰のためのコンテンツ?
東京海上火災保険(株)の人材育成事例―人生最大の変化をデザインする
マイクロソフト(株)の人材育成事例―自分をマーケティングする場をつくる
富士通(株)における人材育成事例―FUJITSUらしさをつくる―企業内大学の挑戦
(株)デンソーにおける人材育成事例―チーム力を復活せよ!管理職へのコーチング教育
Erling S. Andersen、 Kristoffer V. Grude、Tor Haug 、Mike Katagiri、 J. Rodney Turner「Goal Directed Project Management: Effective Techniques and Strategies」、Kogan Page Ltd(2004)
お奨め度:★★★★1/2
計画とマイルストーンの両方を管理しながら、プロジェクトをゴールに導いていく方法を議論している。
計画ベースの議論は通常のプロジェクトマネジメントの議論であるが、マイルストーンマネジメントはプロジェクトマネジメントの域を超えており、MBS(Mission Breakdown Structure)などの概念を中心に、目標管理、戦略実行の観点からのマネジメントになっている。
ある種のプログラムマネジメント、あるいは、エンタープライズプロジェクトマネジメントの手法について書かれているわけであるが、これらの手法で、PPMだけで漠然とした部分に対して、具体的な手法を示しているので、実用性が高い。
近藤哲生「はじめてのプロジェクトマネジメント」、日本経済新聞社(日経文庫)(2005)
お奨め度:★★★
注目度:★★★★
ついに、日経文庫にプロジェクトマネジメントが登場!
著者は「実用企業小説 プロジェクト・マネジメント」の近藤哲生氏。
この本の焼き直しっぽいので、この本を読んだ人にはあまりお奨めできないが、読んでいない人は一読の価値あり。
非常に現実的なプロジェクトマネジメントの方法論が書かれている。
なお、アマゾンのタイトルが間違っているので、ご注意ください!
独立行政法人情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター「組込みソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメント導入」、翔泳社(2005)
お奨め度:★★1/2
IPAのソフトウェアエンジアリングセンター(SEC)が、組込みソフトウェア開発のプロジェクトマネジメントに関するさまざまな視点からの見識を1冊の本にまとめている。なんと300円!えらい!
SEC自体、ソフトウェアのミッションなので仕方ない面があるとは思うが、製品開発のプロジェクトのプロジェクトマネジメントの一部だと考えると、少し、ズレているのではないかと思う。
IPAのホームページの紹介は以下のとおり。
(以下、IPAのホームページより抜粋)
体系的なプロジェクトマネジメントの導入が遅れているといわれる組込みソフトウェア開発を対象に、プロジェクトマネジメントとは何か、導入することのメリットは何かを平易に解説した。
あわせてプロジェクトマネジメントを実施するうえで基本となる技術・知識についても紹介し導入への助けとしている。
なかでも4章「プロジェクトマネジメントの心得」はマネジメントのエッセンスを要約したもので、組込みソフトウェア開発に関わっているすべての方にぜひ一読いただきたい章である。体系的なプロジェクトマネジメントの導入が遅れているといわれる組込みソフトウェア開発を対象に、プロジェクトマネジメントとは何か、導入することのメリットは何かを平易に解説した。
あわせてプロジェクトマネジメントを実施するうえで基本となる技術・知識についても紹介し導入への助けとしている。
なかでも4章「プロジェクトマネジメントの心得」はマネジメントのエッセンスを要約したもので、組込みソフトウェア開発に関わっているすべての方にぜひ一読いただきたい章である。
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