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2012年1月 6日 (金)

【プロデューサーの本棚】伝説のPMが教える 私のいち押しプロジェクト

4828205551中嶋秀隆、鈴木安而、伊熊昭等編著「伝説のPMが教える 私のいち押しプロジェクト」、評言社(2011)


プロジェクトマネジメントのコンサルタントや、実務家が、自らの経験したプロジェクトを語った一冊。一押しプロジェクトというだけあって、10ページ弱にまとめられた内容からもさまざまなことを感じ、学ぶことができる。

・IT
・エンジニアリング・建設
・製品開発
・業務改革・新サービス

内容にもまして、このような本が生まれたことには敬意を表したい。本書ができたきっかけは、PMIのフォーラムの雑談で、「最近はプロジェクトマネジャーになりたがらない人が多い」という例の問題意識からだという。この本を読んで、一人でも多くの人がプロジェクトマネジャーをやってみたいなと思うようになることを願ってやまない。

取り上げられているプロジェクトと筆者は以下の通り。



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【プロジェクトリーダーのための技術マネジメント入門】第1回 技術とは

◆プロジェクトと技術

Motどんなプロジェクトでも、プロジェクト(プログラム)の成功要因には、ビジネスマネジメントの側面とプロジェクト(プログラム)マネジメントの側面がある。技術を付加価値の源泉にしている、言い換えると、技術により稼いでいる企業においては、ビジネスの側面で圧倒的に重要なのは「技術」である。技術のマネジメントが適正に行われない限り、適正な収益を実現しているとは言い難い。

一方で、現場を見ると、プロジェクトにおいて技術に関する明確な方針がなく、過去の経緯や、プロジェクトメンバーの保有技術、あるいは技術的な流行だけで適用技術が決められていたりすることは珍しいことではない。

本来、技術の問題はプロジェクトや部門で考えるべき問題ではなく、事業部、あるいは全社レベルで考える問題であるが、現実にそのようなマネジメントを行っている企業は少ない。その中で、現実的な対応をするためにはプロジェクトリーダーは技術マネジメントに関する見識を持ち、プロジェクトマネジメント、あるいは組織的プロジェクトのマネジメントの一環として実践していくことが大切である。

具体的な実践の場は、プロジェクトのシナリオ作成が考えられる。プロジェクトシナリオを作る際にシナリオの中に技術要素を入れ込み、プロジェクトの技術的方向性に対して組織としてのコンセンサスを作っていくことが望ましい。

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2012年1月 5日 (木)

【プロデューサーの本棚】ゲームストーミング ―会議、チーム、プロジェクトを成功へと導く87のゲーム(2011)

4873115051 Dave Gray、Sunni Brown、James Macanufo(野村 恭彦監訳、武舎 広幸、武舎 るみ訳)「ゲームストーミング ―会議、チーム、プロジェクトを成功へと導く87のゲーム」、オライリージャパン(2011)

今、もっとも注目されているコラボレーションの手法「ゲームストーミング」の待望の邦訳。会議やチーム、プロジェクトをクリエイティブに成功させたいと思っている人は必読の一冊。

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【プロデューサーの本棚】いまこそ出番 日本型技術経営(2011)

  4532317487伊丹 敬之編著、東京理科大学MOT研究会編集「いまこそ出番 日本型技術経営―現場の知恵は企業の宝」、日本経済新聞出版社(2011)

東京理科大学 大学院 技術経営専攻の教員と卒業生からなる東京理科大学MOT研究会がMOTのあり方を考え、発信している一冊。構成としては、伊丹先生や教員の方が総論や概論で方向性を示し、卒業生が自社の事例をその方向性にまとめた作りになっている。

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【プロデューサーの本棚】アジャイルサムライ-達人開発者への道-(2011)

4274068560Jonathan Rasmusson(西村 直人、角谷 信太郎監訳、, 近藤 修平、角掛 拓未訳)「アジャイルサムライ-達人開発者への道-」、オーム社(2011) 

 

アジャイル開発(マネジメント)の本は多いが、これだけ、マネジメントと開発手法のバランスのとれた本は珍しい。また、説明の突っ込み方も技術書特有のポイントを絞って詳細に説明するというのではなく、全体像が把握でき、かつ、個々の説明も実用レベルという絶妙のバランスで書かれている。この点も含めて、アジャイル開発の取り組むための最初の一冊としては、文句なしにお勧めの本。

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2012年1月 3日 (火)

【プロデューサーの本棚】エスケープ・ベロシティ(2011)

4798125008ジェフリー・ムーア(栗原 潔訳)「エスケープ・ベロシティ キャズムを埋める成長戦略」、翔泳社(2011) 

ハイテクの商品開発を支配するキャズム理論を考案したジェフリー・ムーア氏のエスケープ・ベロシティの翻訳が出版された。原書が出てそんなに経過していないので、ちょっとびっくりした。この記事では、少し、大局的な解説をしてみたい。


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2011年12月30日 (金)

【プロデューサーの本棚】Right Projects Done Right(2005)

P0787971138aul Dinsmore、Terence Cooke-Davies「Right Projects Done Right: From Business Strategy to Successful Pr oject Implementation」、Jossey-Bass(2005)

プロジェクトガバナンスの名著。

一般的には、プロジェクトガバナンスは「Right Project Done Right」という。正しいプロジェクトを選ぶ、そのプロジェクトを正しく行うことによって、ガバナンスが実現できる。

現場だけで考えるとその通りである。つまり、戦略実行をするためには、戦略と整合性の高いプロジェクトを選び、そのプロジェクトを統合マネジメントしながら、戦略への貢献を最大化する。これによって、ガバナンスが高まっていく。

ただし、資源が無制限にあればその通りだが、一般的に資源は有限である。人・金・モノという資源の制約条件があるからだ。そのような制限の中で、ガバナンスを維持しようとすると、少し話が変わってくる。

コンビネーションを正しく行わなくてはならない。この本では、The Right Combinationと言っている。



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【プロデューサーの本棚】Creative Project Management(2010)

0071739335Michael Dobson「Creative Project Management」、McGraw-Hill(2010)

「プロジェクトの補助線」に書いている連載「アジャイルプロジェクトマネジメント入門」の第2回でも述べましたが、プロジェクトがイノベーティブ、あるいはクリエイティブにならない理由を突き詰めていくと、結局、意思決定の問題に帰着することが多いです。俗な言葉でいえば、判断ではなく、決断、決定ができないものです。



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【プロデューサーの本棚】Perspectives on Projects(2010)

0415993741Rodney J. Turner、Martina Huemann、Frank T. Anbari、Christophe、N. Bredillet「Perspectives on Projects」、Routledge(2010)

会社とは何かという議論があります。付加価値を生み出し、社会の富を増やしていくための機能だという考えもあれば、人々に働く場を与え、人生の目標を与えるための場という考え方もあります。あるいは、資産家が自分の資産を増やすための仕組みだと考える人もいらっしゃるでしょう。

会社は誰のものかという問いが、オープンプロブレム(答えのない問題)になっているのは、このような多様性のためです。

会社以上に多様性があるのは、「プロジェクト」です。この本は、プロジェクトの機能を7つのパースペクティブから捉えています。

・Optimization: The Project as a Machine
・Modelling: The Project as a Mirror
・Success: The Project as Business Objective
・Governance: The Project as a Legal Entity
・Behaviour: The Project as a Social System
・Marketing: The Project as a Billboard
・Process: The Project as an Algorithm
・Decision: The Project as a Computer
・Contingency: The Project as a Chameleon


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【お知らせ】新しいカテゴリーの追加「プロデューサーの本棚」

BsPMstyle facebookページに掲載していました、「PMstyleブックガイド」を本ブログに移動することにしました。それに伴い、新しいカテゴリーとして

プロデューサーの本棚

を追加しました。

この名称は、文字通りです。ビジネス書の杜で紹介している本のほとんどは読み終わったら処分します。いろいろな方と話をするための情報収集が読書の主目的なので、本業で使う本は1割もないと思います。

こちらで紹介する本は、本業でヒントや情報を得ている本です。ということで、これまであまり公開してこなかったのですが、facebookを始めるときに、書籍のプロデュースという感じで、少しずつ公開しようと思い、始めました。

半年やってみて、facebookはストック型の情報発信には向かないことが分かりましたので、ブログの方に移し、カテゴリーもずばりの名前にした次第です。今後、ビジネス書の杜の方で紹介していた本も、好川の本棚に並べておく本はこちらのブログで紹介するつもりです。

基本的にビジネス書の杜のように内容を詳しく紹介することはしません。熟読しないと価値がない本ばかりだからです。紹介は、熟読する価値があるかどうかを見極めて戴くことを目的として行います。

そんなに更新頻度は高くないと思いますが、興味がある方は読んでいただけると幸いです。