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2012年1月 5日 (木)

【プロデューサーの本棚】いまこそ出番 日本型技術経営(2011)

  4532317487伊丹 敬之編著、東京理科大学MOT研究会編集「いまこそ出番 日本型技術経営―現場の知恵は企業の宝」、日本経済新聞出版社(2011)

東京理科大学 大学院 技術経営専攻の教員と卒業生からなる東京理科大学MOT研究会がMOTのあり方を考え、発信している一冊。構成としては、伊丹先生や教員の方が総論や概論で方向性を示し、卒業生が自社の事例をその方向性にまとめた作りになっている。



このシリーズ、過去に2冊出版されている。第1弾の

伊丹 敬之編著、東京理科大学MOT研究会編集「日本の技術経営に異議あり」、日本経済新聞出版社(2009)

では、

・ハードウェア指向の限界
・無秩序なアウトソーシング
・横並び研究開発の悪循環
・タコツボ化する技術者

といった問題に対して、改善のアイデアを出したり、改善取組事例を紹介している。

第2弾の

伊丹 敬之編著、東京理科大学MOT研究会編集「技術経営の常識のウソ」、日本経済新聞出版社(2010)

では、欧米流の技術マネジメントの限界について、議論し、

・オープン・イノベーション
・プロジェクト型マネジメント
・ステージ‐ゲート・プロセス

といった手法の弊害を挙げ、日本型の技術経営を模索している。

今回の第3弾は

・技術の相互作用
・経営理念主導
・組織の理論優先
・生産技術ドリブン
・スペックダウン

などの日本型技術経営の特徴にフューチャーして、かなり、突っ込んだ議論をしている。

第一弾は切り口は面白く、現実的だがが、内容は乏しく、学術的な意味はともかく、実践的な意義は薄いような印象だった。

しかし、第2弾は問題分析が深く、問題点の認識という意味では、かなり役立つ内容だと思う。しかし、代替ソリューションはそんなにインパクトがなかった。

今回の第3弾では、いわゆる日本型経営のいろいろなモジュールをソリューションに見立て、問題解決として役立つ内容になっている。逆に、分かったからすぐにできるものではないような性格のソリューションが多いが、米国的なプロジェクト中心経営との対比で、あり方の検討をするには非常に役立つ一冊になっている。

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