【プロデューサーの本棚】ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術
棚橋 弘季「ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術」、日本実業出版社(2009)
デザインの方法を仕事に取り入れた仕事術「デザイン思考の仕事術」について紹介した本。デザイン思考を仕事に取り入れると、
・今まで見えなかったものが見えるようになる
・結果を早く出せるようになる
・解決できなかった問題が解決できるようになる
・複雑な問題への対処も可能になる
といった変化が生まれるという。
棚橋 弘季「ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術」、日本実業出版社(2009)
デザインの方法を仕事に取り入れた仕事術「デザイン思考の仕事術」について紹介した本。デザイン思考を仕事に取り入れると、
・今まで見えなかったものが見えるようになる
・結果を早く出せるようになる
・解決できなかった問題が解決できるようになる
・複雑な問題への対処も可能になる
といった変化が生まれるという。
◆与件
与件という言葉があります。他から与えられることを意味する言葉ですが、特に、解決されるべき問題の前提として与えられたものを意味します。
与件に対して、「与件の整理」という概念があります。初めてであったのは、「ISIS編集学校」の破のコースの中の「プラニング編集術」というカリキュラムでした。イシス編集学校で学んだことはいろいろとありますが、仕事への役立ち度では、プラニング編集術が一番でした。特に、この与件の整理という概念は新鮮でした。
与件の整理で使ったフォーマットは、6H3Wというもので、これ自体はプロジェクトマネジメントでプロジェクトを整理するための使われるフォーマットと同じです。面白かったのは、二軸四方を使って情報の特徴検出をしながら6W3Hに落とし込んでいくというものです。二軸四方について詳しく知りたい人は
松岡 正剛編集、ISIS編集学校「直伝!プラニング編集術」、東洋経済新報社(2003)
を参照してください。
昨日、メルマガにフィールドワークに関する記事を書いていて、本を調べていたら、佐藤郁哉先生の名著、「フィールドワーク」の増訂版が出版されていることに気付いた。もう6年前の本だが、、、
佐藤 郁哉「ワードマップ フィールドワーク―書を持って街へ出よう」、新曜社; 増訂版(2006)
クレイトン・クリステンセン、ジェフリー・ダイアー、ハル・グレガーセン(櫻井 祐子訳)「イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル」、翔泳社(2012)
「イノベーションのジレンマ」で破壊的なイノベーションによって優位を脅かされる企業がイノベーションにおいて陥る落とし穴を示し、「イノベーションの解」で破壊する側からの視点で行動指針を示したクレイトン・クリステンセン博士が、イノベーションを実行する人と組織に着目し、その要件をまとめた一冊。特に本書で取り上げられているイノベータはアップルだとか、アマゾン、グーグルなど、いま旬の企業が多く、読み物としても面白い。
来年度はアジャイルプロジェクトマネジメントに力を入れようと思っています。
今年度、いくつか、アジャイルプロジェクトマネジメントについて知ってもらう趣旨のセミナーをやってきました。その中で、参加された方と情報交換しているうちに、方向性が見えてきたような気がします。
基本的なコンセプトは、アジャイル開発を活かすプロジェクトマネジメントです。アジャイル開発は技術ライフサイクルでいえば、成長期を終え、成熟期にかかりつつあります。しかし、アジャイル開発を行うプロジェクトのマネジメントは、揺籃期から、やっと成長期に入り始めたくらいだと思います。また、プロジェクトをコントロールする確立された方法すらないのが現状です。
一方で、この10年、多くの企業はウォーターフォール型の開発を前提にして、プロジェクトマネジメントを確立してきました。
そこで、いまあるプロジェクトマネジメントの枠組みを活かしつつ、業務プロセスをアジャイルにするにはどうすればよいかという課題に行きつきます。
◆前提条件と制約条件
プロジェクト憲章でプロジェクトに伝えるものの一つにプロジェクトの実施条件があります。実施条件には、前提条件と制約条件があります。
プロジェクト憲章を上位組織(プロジェクトスポンサー)がプロジェクトを定義し、プロジェクトマネジャーを任命するドキュメントだと考えると、前提条件というのは組織としてプロジェクトに約束することになります。委譲する権限、マネジメントサポートなどが主な内容になります。
では、制約条件とはなんでしょうか?額面通りに解釈すれば、プロジェクトを行うにあたって、プロジェクトを制約したいことです。予算、納期、リソースに関する制限などが制約条件として与えられます。そして、プロジェクトは制約条件を満たしながら組織との間で合意した成果物(プロダクトスコープ)を実現していきます。
◆スター主義経営
スター主義経営という言葉があります。おそらく、造語だと思いますが、ハーバードビジネススクールのジェイ・ロッシュ教授と、ベイン・アンド・カンパニーのコンサルタント トーマス・ティアニー氏がプロフェッショナルファームの経営形態として使った言葉です。もともとも英語は、「Aligning the star」ですので、スターを並べて、事業を行うといったイメージです。
ジェイ・ロッシュ、トーマス・ティアニー(山本 真司 , 大原 聡訳)「スター主義経営―プロフェッショナルサービス・ファームの戦略・組織・文化」、東洋経済新報社 (2007)
スターという言葉は死語化しているように思いますが、ジェイ・ロッシュ教授たちのいうスターとは、
「優秀かつ長期的に組織に価値をもたらす従業員」であり、「卓越した個人の能力を持ちながら、チームワークを重視し、企業の利益を最優先で考えるという行動特性を持つ存在」
のことです。まさにビジネスの世界できらめく人材で、「ビジネススター」とでもいうような人です。
神庭 弘年監修、Barbee Davis編、(笹井 崇司訳)「プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと」、オライリージャパン(2011)
米国の人気シリーズのひとつ「97 Things」シリーズのプロジェクトマネジャーの翻訳が出た。このシリーズは、その道のプロの「持論」を見開き1ページのエッセイにして収録したもの。
以下のようなタイトルの97のエッセイが並ぶ。
◆コンセプチュアルワークは洞察で行き詰る
「洞察」という概念があります。辞書では
物事を観察して、その本質や、奥底にあるものを見抜くこと。見通すこと。
と説明されています。この説明からも分かるようにやっかいな概念です。戦略策定、
シナリオ作成、プロジェクトの目的を考えるなど、洞察の必要なコンセプチュアルワ
ークが行き詰るときは、大抵、洞察で行き詰ります。
洞察できないと起こる状況は割とはっきりしています。「浅い」ということです。
商品開発やプロジェクト、新規事業などの企画プレゼンを聞いていると、筋は通って
いるのだが、浅いと感じることがよくあります。そんな企画は、たいてい失敗します。
逆に、仕組みを作る立場になりますと、「ここは洞察で」としか、説明のしようがな
いことがよくあります。