PMstyle 2025年9月~12月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

カテゴリ

Powered by Six Apart

2012年4月 4日 (水)

【告知コラム】プロアクティブなプロジェクトマネジャーを目指す

プロジェクトマネジメントにはリアクティブな活動とプロアクティブな活動があります。リアクティブな活動は

・規則への順応
・従前からの活動の反復継続
・ほかからの指示や要請への対応
・苦情や不具合への対処

などです。リアクティブなプロジェクトマネジメントのポイントになるのは、計画です。実行性のある計画を作り、実行することによって、確実かつ、安定的に活動をすることができ、プロジェクトを成功に導くことができます。

Proactive一方で、リアクティブな活動だけでは、不十分なケースがあります。たとえば、これまでにない納期、これまでにない予算でプロジェクトをやらなくてはならないような新たな状況に遭遇した場合です。

新たな状況では、規則や反復活動は役に立ちませんし、上位者が経験したことのないような状況であれば、指示も期待できません。そこで、

新たな状況や課題の創出と解決に向けた自発的な先取り指向の姿勢の活動

が必要になってきます。これがプロアクティブな活動です。


続きを読む »

2012年4月 2日 (月)

【プロデューサーの本棚】〈先取り志向〉の組織心理学--プロアクティブ行動と組織

4641173850古川 久敬、山口 裕幸編集「〈先取り志向〉の組織心理学--プロアクティブ行動と組織」、有斐閣(2012)

◆リアクティブとは

組織における「プロアクティブ」をテーマにした本。大学の研究者の研究成果に基づく共著なので、表現は固いが、内容は意外と実践的である。

プロアクティブに対する言葉は、リアクティブである。この本でいうリアクティブとは、

規則への順応、従前からの活動の反復継続、ほかからの指示や要請への対応、苦情や不具合への対処

などのことをいう。組織において、リアクティブな活動が確実に、安定的にできることは基本であり、かつきわめて重要である。

組織が社会に認められ、一定の成果を生み続けるためには、以下のことが必須である。

(1)自らの社会的責任を自覚し、コンプライアンスを遵守すること
(2)組織内外の現在を意識し、構想した課題や目標を、着実な活動によって達成すること
(3)組織内外の未来を見越して、これまでの前提を問い直し、発想を更新し、新たに取り組む課題や目標を定め、体制や活動、そして成果物の革新を図ること
(4)遭遇したリスク事象から、組織としての定常の活動へ、整然かつ迅速に復元できること

の4つがある。このうち、(1)、(2)はリアクティブな活動の重要性を示している。また、(4)もリアクティブな活動の重要性を示している。

続きを読む »

2012年3月27日 (火)

PMstyle2012

Pmstyle◆コンセプトとコース構成

PMstyle第8期(2012年4月~2013年3月;以下、PMstyle8)のPMstyleのプログラム体系です。PMstyle8のコンセプトは、


プロジェクトマネジメントをクリエイティブにする

です。昨年、PMstyleはバージョンアップし、2.0となりました。今年は、2.0をベースにして達成したいこととして、クリエイティブなプロジェクトマネジメントを取り上げることにしました。

コース体系は、

1.PM2.0コース(管理者、シニアプロジェクトマネジャー向け)
2.PMOS2.0コース(シニアプロジェクトマネジャー、プロジェクトマネジャー向け)
3.PMO2.0コース(PMOスタッフ向け)
4.PM3.0コース(管理者、プロジェクトマネジャー向け)

の4コースです。

PMstyle公開講座
http://www.pmstyle.biz/smn/list.htm

以下、各コースについてご紹介します。各講座の詳細の確認、お申込みは、URLが示されている詳細・申し込みページでお願いいたします。

なお、★は既存講座、☆は新規講座(2011年度にトライアル開催を行ったものも含む)です。

続きを読む »

2012年3月26日 (月)

2012年度のPMstyle重点テーマは「クリエイティブ」

Pmstyle_color2PMstyleでは毎年、PMstyleコースとして、2006年度から重点テーマを決めて、ソリューションを提供するセミナーを提案しています。PMstyleに取り上げているテーマを習得することによって、

・自分のスタイルを作ってほしい
・ひとつ上のプロジェクトマネジャーになってほしい

といった思いがあります。

初年度の2006年度のテーマはPMコンピテンシーでした。その後、ヒューマンスキル、プロジェクト品質など、いろいろなテーマを取り上げ、2010年は「プロジェティスタ」、昨年度は「イノベーション」をテーマにしました。

今年度のテーマは「クリエイティブ」です。



Creative

続きを読む »

【PMスタイル考】第40話:プロセスとプラクティス

Process◆プロセスと再現性

エンジニアはプロセスにこだわる傾向があります。プロセスとは原因(入力)と結果(出力)の連鎖です。目標が決まれば、目標までの道のりは原因と結果の連鎖で表すことができるという立場をとっているわけです。言い換えると、再現性があるということでもあり、エンジニアリングにとっては再現性があることが極めて重要なことなのです。

(プロジェクト)マネジメントも例外ではありません。PMBOKには40を超えるプロセスが定義されており、それらの連鎖でマネジメント活動が表現(定義)されています。PMBOKの原型ができたのは1987年でもう20年以上前ですが、当時と比べるとプロセスの数は増えています。つまり、20年の間にいろいろなことが経験則として分かり、再現性がだんだん増してきているわけです。

ただ、マネジメントによる結果の再現性というのは難しいものがあります。たとえば、WBSを考えてみてください。非常にシンプルかつ強力な手法ですが、WBSを作ることによってスコープが明確になるということ一つとってみても、再現は難しいものがあり、当初はPMBOKのプロセスに含まれていなかったわけです。

続きを読む »

【PMスタイル考】第39話:チームと個人

Kojin◆意思決定は個人がするもの

PMstyleで「ファシリテーション・グラフィック」というセミナーを担当して戴いている日本ファシリテーション協会 フェローの加藤彰さんが、堀公俊さんと共著で5冊目の本を書かれました。タイトルは「ディシジョン・メイキング」。全体的には合意形成を如何にファシリテートするかという内容ですが、1章に多少違和感があるくらい、「意志決定は個人が行うものだ」と書かれています。

先日、機会があって加藤さんにその話をしたところ、加藤さんも堀さんもこの点にはこだわりがあるからとのことでした。

意思決定の本質は決めることではなく、決めたことを実行することにあります。とくに最近のように不確実性が高い環境においては、実行の重要性は高まっています。決定に仮説としての性格が強くなっているためです。

意思決定をグループやチームで行うことの意味は、そのグループやチームの全員が実行にコミットすることにあります。そのプロセスのイメージは、メンバーの各人が自分の意見を持ち、その意見の対立を乗り越えて、一つの決定に至り、それを実行していくというものです。

ところが、必ずしも、そうはなっていないケース、つまり、メンバーは意見を持たず、グループやチームの誰かの意見に対して、反対か賛成かの意見しか持たないケースが多いのです。合意形成というのは、賛成するということではありません。ちょっと微妙な言い回しになりますが、チームのすべての人が同じ意思決定をするということです。

続きを読む »

2012年3月10日 (土)

【10周年】システム思考はプロジェクトマネジメントをどう変えるか?

SystemPM養成マガジン10周年記念セミナーの第2回セッション

「システム思考は私たちに何をもたらすか?」

まで、1ヶ月となりました。今回は、なぜ、システム思考を10周年記念のテーマに取り上げたかをお話したいと思います。

PMstyleでは、三分の一のくらいのセミナー・研修・コンサルティングにシステム思考を入れています。その用途はさまざまで、

・プロジェクトインフラストラクチャーの設計
・プロジェクトの方針決定(プロジェクトデザイン)
・プロジェクト品質向上施策の決定
・統合マネジメント方針の決定
・プロジェクトのトラブルの構造分析
・プロジェクトにおける問題解決策の決定
・リスク分析と対応策の策定
・コミュニケーション計画の策定

といったプロジェクトマネジメント手法に応用するものから、コンサルティングの中で、

・PM導入の戦略策定
・PMOロードマップの策定
・PM定着化の戦術策定
・プロジェクト監査の監査項目の設定

といった用途でも活用しています。

また、変わったところでは、プロジェクトマネジャー向けの研修として

・プロジェクトのメンタルの構築
・プロジェクトマネジメントの原理の理解

といった活用をしている事例もあります。

続きを読む »

2012年3月 8日 (木)

【プロデューサーの本棚】「経験学習」入門

4478017298松尾 睦「「経験学習」入門」、ダイヤモンド社(2011)

◆あまりない経験学習の形式知

日本は経験主義である。経験にこだわって新しいことができないという実情を見ると、経験偏重だといってもよいだろう。その是非の議論をするつもりはないが、一つ思うのは、経験主義の割には、経験から学ぶノウハウを持たない人が多いし、そもそも、その方法は形式知化、言語化されていない。

その中で、例外的に形式知化されるのが「失敗経験」に対するもので、畑村洋太郎先生などの尽力で、「失敗学」として学問体系化されている。

それ以外の分野では、経験に学ぶことを主テーマにした議論というのはあまりなされていないが、その中で、プロフェッショナルの経験による成長プロセスを解明する研究をされていたのが、本書の著者である松尾睦先生である。松尾先生の著書の中で、

松尾 睦「経験からの学習:プロフェッショナルへの成長プロセス」、同文舘出版(2006)

という本があるが、この本は何度読んだかわからない。非常に示唆の多い本である。この本の対象はタイトルの通り、プロフェショナル人材であるが、もう少し、範囲を広げ、ビジネスマンやマネジャーにおける経験学習について論じたのが本書だ。

続きを読む »

2012年3月 2日 (金)

【PMスタイル考】第38話:ゲームというスタイル

◆反復可能性と予測可能性と新規性

Gameプロジェクトマネジメントの成熟度という考え方があります。プロジェクトとは、初期の状態から、目指す状態に移動することですが、システム開発やプラント開発のように生産を目的とするプロジェクトでは、常に変わらない結果が欲しいので、反復可能で、予測可能な結果を目指して作業を管理します。つまり、成熟度が高くなるとは、この2つの可能性が高くなることに他なりません。

可能性を高くするためには、ゴールは具体的で定量的であることが求められます。

ゴールが明確な場合には、決まった業務プロセス(たとえば、開発プロセス)を踏むことが最良の方法です。したがって、プロジェクトマネジメントは業務プロセスを計画し、実行していくことに最大の役割があります。

一方で、プロジェクトには、新規性という特徴があります。従って、あるプロジェクトの業務プロセスは以前のプロジェクトの業務プロセスの反復ではありませんし、また、業務プロセスによって予測できない部分も出てきます。

続きを読む »

【PMスタイル考】第37話:リフレクションというスタイル

◆自分の失敗は

プロジェ4532316790クトマネジャーがプロジェクトの進め方について考えるときに、自分の失敗行動についてあまり考えようとしない(計算に入れようとしない)傾向があります。リーダーたるもの、正しい行動をし、メンバーを導いていくものであって、リーダーが失敗を認めると、メンバーに対して示しがつかないと思っている人は、意外と多いようです。

もっとも、この傾向はプロジェクトマネジャーに限らず、リーダー一般にあるようです。興味のある人は、この本を読んでみてください。多くの事例が紹介されています。

リチャード・テドロー(土方 奈美訳)「なぜリーダーは「失敗」を認められないのか―現実に向き合うための8の教訓」、日本経済新聞出版社(2011)

続きを読む »