プロジェクトマネジメント(PM) Feed

2007年12月24日 (月)

プロジェクトマネジャーの仕事

490324167x メアリー・グレース・ダフィー(大上 二三雄、松村 哲哉、上坂 伸一、エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社訳)「プロジェクトは、なぜ円滑に進まないのか (ハーバード・ポケットブック・シリーズ 1) 」、ファーストプレス(2007)

お薦め度:★★★★1/2

ビジネス書の杜ブログで、新任のマネジャーやプロジェクトマネジャーのためのマネジメントの入門書としてお薦めしているのがクイン・ミルズの「ハーバード流」シリーズ

ハーバード流リーダーシップ「入門」
ハーバード流マネジメント[入門]

ハーバード流 人的資源管理[入門]

である。

このシリーズを出版しているファーストプレスがハーバード・ポケットブック・シリーズなるシリーズを投入してきた。その第1弾が本書。このほかに

限られた時間を、上手に活用する 
コーチング術で部下と良い関係を築く

の2タイトルあるが、いずれも良い本である。

さて、この本はプロジェクトスムーズに進めるプロジェクトマネジメントのポイントを

・必要なリソースを見きわめる
・目標をはっきりと定める
・途中で必要な修正を施す

に絞り、やさしく説明し、また、実際にできるような形で解説している。シンプルであるが、プロジェクトマネジメントの教科書には書いていないようなことも結構書いている(マネジメント視点からプロジェクトマネジメントをとらえている)。

また、自己診断がついているのも、行動の助けになるだろう。

プロジェクトマネジメントの本に対する評価として、難しいという本がよくある。これは理系の人がたくさん本を書いているからではないかと思う。

理系の人は知識を増やすために読む人が多い。したがって、プロジェクトマネジメントの本も、それなりに難しいことを書いていないと満足しない人が多いようだ。実際に、長尾さんの本とか、峯本さんの本などを読んで高い満足を得ているのは、すごいことだと思う。ビジネス書の杜でも取り上げているようにこの2冊はたいへんよい本だが、この本に書いていることを実践しようとすると、たぶん、10年はかかるだろう。

一方で、文系の人は、ビジネス書は行動(実践)するために本を読む人が多い。この目的でももっともよい本は、サニー・ベーカー+キム・ベーカー+G・マイケル・キャンベルの書いた「世界一わかりやすいプロジェクトマネジメント」だと思う。この本は、行動することにフォーカスしていると思う。ただ、網羅的に書いてあるので、やはり、これだけのことをできるようになろうとすれば5年はかかるなという感覚がある。残念なことに優先順位もつけられていない。

この本は、とりあえず、3つのポイントにフォーカスしている点が素晴らしい。勉強して、行動する。そして、行動できるようになれば、再び、勉強してまた行動する。このサイクルを作るための最初の一歩としてお薦めしたい本だ!

【アマゾンで買う】プロジェクトは、なぜ円滑に進まないのか

【楽天で買う】プロジェクトは、なぜ円滑に進まないのか

続きを読む »

2007年12月17日 (月)

右脳プロジェクトマネジメント

1567262066_2 B. Michael Aucoin「Right-Brain Project Management: A Complementary Approach」、Management Concepts(2007)

お薦め度:★★★★1/2

久しぶりの原書。これは英語に苦労しても損はない!(たぶん、この出版社の本は翻訳されない)

合理的な判断、論理的思考、分析的思考、数学的分析、事実に基づく思考や判断などはいずれも、左脳によるものであるといわれる。このような思考法だけでは、対応が難しいプロジェクトがある。スコープがあいまい、スコープが変化する、プロジェクト目標が大きくストレッチされているといったプロジェクトである。

この本は、このようなプロジェクトに対して、左脳プロジェクトマネジメントに加えて、右脳プロジェクトマネジメントの有用性を説き、ツールを解説した本である。

この本では、7つのツールを提唱している。

1. 人を引き付ける目的を見つける
2. プロジェクトを理解する
3. スコープや開発方法など、さまざまなことを試し、採用していく
4. 新たな現実を生み出す
5. 行動し、信用を作り上げていく
6. スイートスポットにヒットする
7. 実施したプロジェクトを「遺産」として残す

この考え方が面白いのは、最初にステークホルダがもつ動機(感覚)を探ることによって、プロジェクトを始めていくという考え方だ。左脳のプロジェクトマネジメントは、プロジェクトを実施することとありきで、ステークホルダの動機ではなく、ニーズを探し、目的とする。そのようなやり方は、曖昧性が少ない場合は有効だが、曖昧性があると、その対処が難しい。

これに対して、右脳プロジェクトマネジメントは、計画を立てる前に、感覚を意識的に扱うため、早めにプロジェクトのあいまいさを受け入れ、プロジェクトの早期の時間を計画を作ることに費やすのではなく、動機を高めたり、意味づけをすることに費やす。これにより、プロジェクトの後期において、画期的な成果とパフォーマンスを生み出すことを可能にするという考え方である。

これは、トム・ピーターズが提唱しているWOW!プロジェクトマネジメントに通じるものがある。WOW!もはやり、右脳プロジェクトマネジメントなのだ。

エンジニアリングプロジェクト、IT系のプロジェクトなど、管理対象の大きなプロジェクトにはこのような手法は向かないとされている。この本を読んでみるとこれは誤解であることがわかる。右脳か左脳かという議論であれば、確かに、左脳が重要である。しかし、そのようなプロジェクトにおいても、右脳プロジェクトマネジメントによって、左脳プロジェクトマネジメントで得られる成果を大きくするというのが基本的な発想である。

その意味で、特にPMBOKのプロジェクトマネジメントを実施しているプロジェクトマネジャーやPMOに読んでみてほしい一冊だ。

続きを読む »

2007年12月10日 (月)

権威を使わずに人を動かす原理―レシプロシティ

4419050500 アラン・コーエン、デビッド・ブラッドフォード(高嶋薫、高嶋成豪訳)「影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル」、税務経理協会(2007)

お薦め度:★★★★★

原題:Influnence without Autohrity

原書はいろいろな本や論文で取り上げられてるコミュニケーションの名著である。僕も買って読もうとしたが、組織論やマネジメントの本では見かけない単語が並んでいて、諦めた経緯がある。

この本では「reciprocity」が影響力の源泉であるというのが基本コンセプトになっている。安部前首相が首相になってすぐに中国を訪問し、その際に「戦略的互恵関係」の構築をうたってきた。米国的な言い方をすれば、ギブアンドテイクだとこの本にも書いている。ただし、単なるギブアンドテイクではなく、良好な人間関係に立脚したギブアンドテイクである。このようなギブアンドテイクを「影響力の法則 コーエン&ブレッドフォードモデル」としてフレームワーク化している。

これは影響力を及ぼすための6つの法則から構成されるフレームワークだ。

法則1:味方になると考える
法則2:目標を明確にする
法則3:相手の世界を理解する
法則4:カレンシーを見つける
法則5:関係に配慮する
法則6:目的を見失わない

この本では、この6つの法則について、具体的な実現方法を体系的に示すとともに、ケースを多用して、その意味を直感的にわかるようにしている。体系的な説明のところでは、例が非常に多く、有用である。たとえば、カレンシー(通貨:価値交換の道具)だと
・気持ちの高揚や意欲を喚起するカレンシー
・仕事そのものに役立つカレンシー
・立場に対するカレンシー
・人間関係に関するカレンシー
・個人的なカレンシー
という分類をし、たとえば、最初の気持ちの高揚や意欲を喚起するカレンシーであれば、
・ビジョン
・卓越性
・道徳的/倫理的な正しさ
というのを上げている。このようにひとつひとつの例に非常に深い意味と、気付きをこめて作られた本である。

また、最後の2章は、それぞれに、「影響力の法則 コーエン&ブレッドフォードモデル」を使って、上司と部下にどのように影響を与えるかという説明になっていて、この部分は極めて実践的である。

この手の本は決して少なくない。しかし、ハウツーものはほとんど役に立たないと思う。ハウツーにできるような単純な問題ではないからだ。自分の行動を内省しながら、考えながら読まないと、行動に移せない。一方で、ハウツーものを欲しがる人も多い。

この本はそのような読者に対しても、一定の満足を与えながら、はやり、基本は考えさせることに置いているように思う。つまり、かなり、具体的な行動イメージが持てるまで、「例示」をし、そこでとどめてある。そこからは自分で考えましょうという書き方になっている。その点でも非常に参考になったし、よくできている。

組織で働くすべての人に一度は読んでほしい本だ。

【アマゾンで買う】影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル

【楽天ブックスで買う】影響力の法則

続きを読む »

2007年12月 8日 (土)

プロジェクトマネジメントオフィスに対する基本認識

4820117408 トーマス・ブロック、デビッドソン・フレーム(仲村 薫)「プロジェクトマネジメントオフィス―すべてのプロジェクトを成功に導く司令塔プロジェクトオフィスの機能と役割」、生産性出版(2002)

お薦め度:★★★1/2

※ PMstyle.jp書籍プレゼントのために書き直し

プロジェクトマネジメントオフィスの基本事項についてまとめた本。マネジメント支援、組織へのコンサルティング、標準化と手法開発、研修などについて、書かれている。

出版は5年前。原書の出版は10年前。出版当時(2002年)には当り前のことしか書いていないという印象があったのが、今、改めて読んでみると、基本的であるが、重要なことがたくさん書かれているという印象が強い。

当時は、プロジェクトマネジメントオフィスを作っている企業はプロジェクトマネジメントに関して、先進的な企業であり、この本に書かれているようなことはやっているようなところが多かったように思う。ところが、現在、PMOの数は当時と比較のしようがないくらい増えてきたが、どうも、このあたりのこと、特に「組織」という視点が弱くなってきたように感じる。

結果として、プロジェクトマネジメントオフィスは、プロジェクトの便利屋さんのような位置づけになってしまった企業が少なくない。

プロジェクトマネジメントオフィスとは何か、何のために作るのか、そして、経営にとってどのような意味があるのかを再度認識するには、この本はうってつけだ。

最近、この本の訳者である仲村薫さんがPMOのプラクティスをまとめた本「PMO構築事例・実践法―プロジェクト・マネジメント・オフィス」を出版されたが、プラクティスを知る前にまずこの本を読んで、基本的な認識をもたれることをお勧めする。

【アマゾンで買う】プロジェクトマネジメントオフィス―すべてのプロジェクトを成功に導く司令塔プロジェクトオフィスの機能と役割

【楽天ブックスで買う】プロジェクトマネジメントオフィス

続きを読む »

2007年12月 5日 (水)

プロジェクトXの経営学

462304873x 佐々木 利廣「チャレンジ精神の源流―プロジェクトXの経営学」、ミネルヴャ書房(2007)

お薦め度:★★★★1/2

プロジェクトXにはまっています。なぜから、こういう連載を始めたからです。

プロジェクトXにみるスポンサーシップ

プロジェクトXというと、そのネーミングからか、プロジェクトマネジメントの視点から取り上げられることが多い。しかし、プロジェクトXというのはプロジェクトマネジメントについて問われるべきものではなく、「プロジェクトのマネジメント」について問われるべきものである。つまり、経営組織がプロジェクトをどのように行っていったかをテーマにしているものは極めて多い(もちろん、純粋なプロジェクトものもあるが)。

ということで、八重洲ブックセンターにいきプロジェクトXの本を探していたら、面白い本があった。これがこれ。

まとめ方も面白く、NHKのプロジェクトXはなぜ、面白いかという視点からまとめている。まとめたのは、京都産業大学の先生たち。分析視点は
・新規事業創造
・製品開発と企業間協調
・イノベーションと産業発展
・新市場の開拓とマーケティング戦略
・経営の国際化と組織学習
・組織間の異種協働
・リーダーシップとリーダー・フォロワーの関係
の関係。この視点の設定はたいへん、面白いし、参考になった。NHKのストーリーがプロジェクトにフォーカスしているので、その背後や環境をうまく抽出する視点だからだ。

ただし、分析は、教科書のような分析なので、経営学の教科書かと突っ込みたくなるような内容。もう少し、突っ込んでほしかった(実際に教科書として使っているようなので、そのためかもしれない)。

ということで、試みは評価したいし、この本を読んでプロジェクトXを見ると、見方が変わると思う(実際にやってみたらそうだった)。その意味でも意味があると思う。本当は★3つ半くらいにしたいのだが、★1個はその点でのおまけ。

また、プロジェクトマネジャーが、自分の置かれている立場を確認するためにも読んでほしい1冊である。

【アマゾンで買う】チャレンジ精神の源流―プロジェクトXの経営学

【楽天ブックスで買う】チャレンジ精神の源流―プロジェクトXの経営学

続きを読む »

2007年12月 3日 (月)

P2Mガイドブック

4820744690 日本プロジェクトマネジメント協会「新版 P2Mプロジェクト&プログラムマネジメント標準ガイドブック」、日本能率協会マネジメント出版情報事業(2007)

お薦め度:★★★★1/2

P2M(プロジェクト&プログラムマネジメント)は日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が推進しているプロジェクトマネジメント方法論であり、PMBOKと同じ個別プロジェクトのマネジメントに加えて、プログラムマネジメントとポートフォリオマネジメントを統合した(広義での)プログラムマネジメントのフレークワークである。

本書はP2Mのガイドブックの新版(第2版)。内容的に第1版と比較すると、
・フレームが明確になり、しっかりとしてきた
・プロファイルなどの独自概念がこなれてきた
などの改良点が見受けられる。

ガイドブックとしては第1版は読むのに苦労するくらい、読みにくい部分が多々あったが、これがすっきりとしてきて、読みやすくなっている。その意味で、第1版はPMC、PMSなどの資格試験を受験する人以外には薦めにくかったが、今回のバージョンはプログラムマネジメントを必要とする実務家に薦めることができる内容だといえよう。

PMBOK(R)を推進しているPMIでも昨年プログラムマネジメント&ポートフォリオマネジメントの標準を発表し、この3つを合わせるとちょうど、P2Mと同じ位置づけになる。内容的には、P2Mに一日の長がある。また、PMIのこのドキュメントは現在のところ、ガイドラインというよりはホワイトペーパーに近い(来年の改定でどこまで変わるか!?)

P2Mも第1版はホワイトペーパーだったと思うが、やっとガイドラインと言えるものになってきた。この点でもPMIと比較すると一日の長がある。この進化がどれだけ普及に役立つかは見ものだ!興味ある人は、とりあえず、本書を読むところから始めよう!

【アマゾンで買う】新版 P2Mプロジェクト&プログラムマネジメント標準ガイドブック

【楽天ブックスで買う】P2Mプロジェクト&プログラムマネジメント標準ガイドブック新版

なお、今回の改定の中で、実務に適用しようとすると改善された理由に含蓄のありそうな部分が少なくない。その意味で、実務適用を考えるに当たっては、第1版との併用をお勧めしたい。今回、新版が出たことでいずれは廃番されるのだろうから、買っておくなら今のうちだ!

45696283894569628370  P2Mプロジェクト&プログラムマネジメント標準ガイドブック〈上巻〉プログラムマネジメント編

P2Mプロジェクト&プログラムマネジメント標準ガイドブック〈下巻〉個別マネジメント編

続きを読む »

2007年11月30日 (金)

イノベーションをマネジメントする

4270002719 ジェームズ・アンドリュー、ハロルド・サーキン(重竹尚基、遠藤真美、小池仁訳)「BCG流 成長へのイノベーション戦略」、ランダムハウス講談社(2007)

お薦め度:★★★★

この本が指摘し、かつ、答えを準備している問題は非常に重要な部分である。

日本ではイノベーションはマネジメントするものではなく、言い方は悪いが、「アイディア」と「運」だと思っている人が多い。この議論でよく引き合いに出されるのが、20年前にウォークマンを作ったソニーはなぜ、iPodを作り得なかったかという話だ。実は、本書にもこの話は触れられているので、興味ある人は読んでみてほしい。

日本ではと書いたが、この傾向は欧米でも同じような傾向があった。あまりにも、説明できない(不確実な)ことが多く、体系的にマネジメントできるものではないと考えられてきた。

この傾向が変わる契機になったのが「クリステンセンのイノベーションのジレンマ」ではないかと思う。このあたりから、日本でも著名なものでも、クリステンセンの「破壊的イノベーション」、ムーアの「キャズム」、キム氏&モボルニュは「ブルーオーシャン」など、ロジャースが提示したイノベーションモデルでは説明できないような現象を説明するモデルが多くでてきた。

そのような中で、この本はボスコンの体系的なイノベーションマネジメントの手法を紹介するものである。投資マネジメントをキャッシュカーブというフレームワークで合理的に行っていくことによって、不確実性に対処し、最適なゴールを見つけ出し、到達することができるというものだ。

商品開発を担当している人にはぜひ読んでほしいと思うが、この本は単にイノベーションにとどまらず、「マネジメントの価値」を考えさせられる本である。その意味で、すべてのマネジャーにお薦めしたい1冊である。

続きを読む »

2007年11月26日 (月)

そのときエンジニアは何をすべきか

4627973217 Alastair S Gunn/P Aarne Vesilind(藤本 温、松尾 秀樹訳)「そのとき、エンジニアは何をするべきなのか - 物語で読む技術者の倫理と社会的責任」、森北出版(2007)

お薦め度:★★★★1/2

(原題:The Engineer's Responsibility to Society)

アメリカとニュージーランドで流通している技術倫理の教科書の邦訳。建築士によるマンションの安全偽装問題以来、技術倫理への関心が高まってきているが、学習するのにあまり適切な本がない。この本も、教科書として作られているので、基本は先生が教材として使うものだが、
・基幹部分が小説になっている
・その中で、ポイントになるところが、囲みコラムで分かりやすく書いてある
・議論すべきポイントを課題としてかなり具体的に提示してある
の3つの特徴があるので、独学のテキストとしても十分に使える内容である。

=====

エンジニアとして順調にキャリアをのばすクリス。クライアントからの贈り物、東南アジアでのリゾート開発、海外で仕事をするうえでの職業文化の違い、ヘッドハンティングなど、さまざまな経験を積んでいた。充実した日々を送り、確実に業績を上げていたかにみえたある日、構造的な欠陥の疑いを、クリスがその完成前に指摘していたホテルが、重大な問題を引き起こすことに…。岐路に立たされたエンジニア、そのとき彼は何を優先するのか。

=====

日本の企業に勤務する人が読むのであれば、エンジニアが遭遇する問題というよりも、プロジェクトマネジャー(特に、プレイングマネジャー、リーダー)がよく遭遇する問題が多い。その意味で、エンジニアはもちろんだが、プロジェクトリーダーの人、あるいはすべてのプロフェッショナルに読んでほしいと思う。

プロジェクトマネジャーに関していえば、PMIでもプロフェッショナルの倫理規定を定めている。この内容を見て、なぜ、そのような規定があるのか理解できない人は、この本を読んでみることをお勧めする。

続きを読む »

2007年11月20日 (火)

プロジェクトマネジャーの人間術

4872686721 Steven W. Flannes、Ginger Levin(PMI東京支部/吉沢 正文監訳)「プロジェクト・マネジャーの人間術」、アイテック(2007)

2005年に米国で発刊された「Essentail People Skills for Project Management」の翻訳。PMI東京支部の有志が翻訳している。

プロジェクトマネジャーの役割を
 ・リーダー
 ・マネジャー
 ・ファシリテータ
 ・メンター
の4つとし、これらの役割を果たすのに必要なピープルスキル(人間術と訳している)を
 ・対人コミュニケーション
 ・動機付け
 ・コンフリクトマネジメント
 ・ストレスマネジメント
 ・トラブル
の視点から、ツールとして解説している。また、最後にキャリアとそれに伴う人間観という視点でどういう心構えでキャリア形成していくべきかを論じている。
本書の特徴は
(1)プロジェクトマネジメントプロセスに人間術を対応させている
(2)キャリアステージを強く意識した手法を提案している
の2つだろう。書かれている内容は、簡潔ではあるが、独自性が強く、非常に本質をついているように思える。その意味で、ハウツーものというよりも、教科書としてプロジェクトマネジャーが内省のインプットとして使うとか、あるいは、組織でプロジェクトマネジャーの教育やワークショップの教材として使うといった使い方が適しているように思える。

また、明確に書かれていないが、この本に書かれていることはプロジェクトマネジメントのスキルがあることを前提にしているように見える。その点でも、初心者がハウツーものとして読む本ではないように思う。典型的な対象読者を一つ上げると、「PMPを取って、実践しようとしてもなかなかうまくいかなくて困っている人」だ。日本ではPMPホルダーのマジョリティだと言われてるが、米国でこのような本が出版されていることは興味深い。

続きを読む »

2007年11月19日 (月)

プロジェクトは大義と共感

4828413510 小池百合子「小池式コンセプト・ノート―プロジェクトは「大義と共感」で決まる!」、ビジネス社(2007)

お薦め度:★★★★

小池百合子議員がクールビスプロジェクトをどのように進めていったかを、コンセプトづくり、「大義と共感」をキーワードに振り返っている。副題になっているとおり、「大義と共感」が問題だったと振り返り、小泉郵政解散の際の刺客騒動についても、同じ発想が成功をもたらしたと振り返る。

クールビスについては、膨大なプロモーション費用が問題になったが、急速に広まっていったのは事実である。仕事がら、顧客企業にいくことは多いが、最初の年は行く先々でネクタイをしたり外したりしていたが、2年目になると、ほとんどネクタイをすることはなくなった。商品のプロモーションと違い、コストをかければ成果に直結するという類の問題ではないように思うので、本当にコンセプトの勝利だといえるだろう。

そのコンセプトを作った舞台裏をかなり詳細に書いているので、興味深いし、また、参考にもなる。

ステークホルダが多く、複雑なプロジェクトの企画やマネジメントを担当している方にはぜひ、読んでほしい。

タイトルから「大義」というは政治ならではの話だと感じる人も少なくないと思う。しかし、大義というのはビジネスでも非常に効果がある。本質的にも、現実的にも、大義のないプロジェクトに協力する人もいないし、特にプロジェクトが苦境に陥ったときには大義は重要である。

続きを読む »

PMstyle 2026年5月~7月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

アクセスランキング

カテゴリ

Powered by Six Apart

Powered by Google

  • スポンサーリンク
  • サイト内検索
    Google