チームマネジメント Feed

2005年6月 4日 (土)

パイロットが空から学んだ一番大切なこと

475730305X 坂井優基「パイロットが空から学んだ一番大切なこと」、インデックス・コミュニケーションズ (2005)

お奨め度:★★★★

著者は国際線のパイロット。基本的には、どうすれば、安全が確保できるかについて書いた本。

いったん、空に出てしまうと、安全に注意するといってもできることは知れている。それゆえに、著者は、「飛ぶ以前の準備」の重要性を説く。それは人間関係の構築であったり、リスクマインドであったりする。JR西日本で報道されているようなことの正反対である。

この本を紹介した理由は安全について考えようということではない。フライトというのはひとつのプロジェクトである。プロジェクトを成功させるようとしたときに、何が必要かという点において、非常に学ぶことが多い本である。

特にリスクマネジメント、チームビルディングというプロジェクト思考の本質の部分で学ぶことが多いので、ぜひ、読んでみてほしい。

ちみなに、この本を読んで、このドラマを見直してみると、面白い!

B00008MMW8GOOD LUCK !!

2005年3月13日 (日)

自律チーム型組織

4820116215チャールス・C. マンツ、Jr.,ヘンリー・P. シムズ 「自律チーム型組織―高業績を実現するエンパワーメント」、生産性出版(1997)

お薦め度:★★★1/2

著者であるチャールス・C・マンツ+ヘンリー・P・シムズJr.はセルフマネジメントチームという概念の産みの親ともいえる研究者である。

セルフマネジメントチームは本書の邦題のとおり、自律したチームである。本書ではまず、チーム制を導入する際の阻害要因を整理し、それを踏まえた上で、チーム制導入のためにはラインマネージャーが何をすればよいかを詳細に説明している。

これはプロジェクトマネジメントの導入初期において起こることとまったく同じことがいえる。その後、チーム制が持つ利点と欠点を整理し、運用について詳しく述べてある。導入初期においては、どのように組織に「ビッグバン」を起こすかについて説明している。次に定着後は、よく起こりそうな問題について、その要因や、対処方法についてエンパワーメントを中心に解説している。さらに、大規模なチームの場合の特有の問題や、進め方についても議論している。

すべての議論は著者たちの調査した事例に基づいて行われている。事例は顧客対応、TQC、業務プロセスなど多様であり、事例そのものを読んでいても興味深い。

本書は、プロジェクトマネジメント導入、あるいは運用で組織的問題に行き当たったときのお薦めの1冊である。

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2005年3月 2日 (水)

チームリーダーの教科書

4757302886.09.LZZZZZZZ藤巻 幸夫:「チームリーダーの教科書―図解フジマキ流アツイチームをつくる」、インデックス・コミュニケーションズ(2005)

お奨め度:★★★★1/2

残念ながら、アマゾンに掲載されている写真は「オビ」がない。実はオビには、

 「フジマキさんのスゴさを最新式しました!! 楽天(株) 三木谷浩史

と直筆のサインが入っている(もちろん、印刷ですよ)。

藤巻さんの解放区を始めとするバイヤーとしてのキャリア、また、福助の救世主となった(なりつつある)ことは、いまさら、説明するまでもないだろうが、この本、三木谷さんのこの言葉が単なるプロモーション用のキャッチではないと思わせるような濃い内容の本である。

この本、藤巻流のチームマネジメント術と、世間でも話題になった男性用の「着圧くつした シェーパーズ・フォーメン」の開発ストーリーの2本立てになっている。もちろん、シェーパーズ・フォーメンの開発ストーリーが藤巻流チームマネジメントの事例になっているのだ。

刺激的で、かつ、現実的である。例えば、チーミングだと

(1)ゴールまでのイメージを描き、、、

とスキルセットをきちんとして、足らない部分はリクルーティングしてくるといった一連の教科書に書いてあるような手法が書かれている。ここまでは、普通なのだが、この後にさりげなく

 この一連の作業は組織的にすでにチームのメンバーが定まっていても必ず試してもらいたい

とさりげなく書かれている。この一言が、藤巻さんの真骨頂ではないかと思う。ここで、組織が決めているから仕方ないとあきらめる人と、もう一足掻きする人では、成果に対して決定的な差が出る。

藤巻さんのチームマネジメントというよりも、プロジェクトマネジメントはトム・ピーターズのプロジェクトマネジメントに近い。併せて読んでみるのがよいだろう。

4484003120.09.LZZZZZZZ
トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦〈2〉セクシープロジェクトで差をつけろ! トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦 (2)

 

 

 

 

 

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2005年1月13日 (木)

チームが絶対うまくいく法

4532311276.09.LZZZZZZZ

デイヴィッド・ストラウス (著), 斎藤 聖美 (翻訳):「チームが絶対うまくいく法~コラボレーション、リーダーシップ、意思決定のコツ」、日本経済新聞社(2004)

お奨め度:★★★★

 日本語で読めるチームマネジメントの本では一番よいと思います。

 プロジェクトマネージャーの知識のある人がチームマネジメントの本を読むと、最初のところで、そんなこと知っているで終わることが多いようです。これは当たり前の話で、組織論で議論されているチームマネジメントの初歩的なこと、特に、チームマネジメント計画に相当する部分はほとんどプロジェクトマネジメントにはメソドロジーとして組み込まれれているからです。PM手法が弱いのは運用ですが、そこに多くを割いている本はあまり多くありません。逆にいえば、プロジェクトマネジメント手法がきちんとしていることの証だともいえます。

 この本は計画より、運用(コントロール)に重点が置かれています。その意味で、間違いなく、多くのところで役に立ちます。

 また、意識して書かれているわけではないと思いますが、PMBOKのチームマネジメントとの対応が比較的はっきり分かります。その点でも、PMBOK派の人にはお勧めできます。

2004年12月10日 (金)

チーム・ビルディングを正しく理解しよう!

B0006fv85a09Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・ レビュー) 2004年12月号

特集:チーム・ビルディング

詳細目次はこちら(アマゾンではありません。ダイヤモンド社のサイトですので、ご注意ください)。

好川の参考になった記事ベスト3

(1)和田秀樹「チームの心理学」

チームマネジメントでは個と全体のマネジメントが求められるが、これには「心理学」のフレームワークが有効である。この記事では、精神的プラットフォームとして「成熟した依存」関係の必要性を訴え、ここに「共感する力」「疑う力」を発揮させることで、チームの生産性や創造性、結束力が高まると主張する。

(2)ナディム F.マッタ、ロナルド N.アシュケナス「大プロジェクトは小さく管理する」

大規模プロジェクトで期待どおりの成果を上げられない最大の原因はプロジェクト・マネジメント手法にある。WBSでプロジェクトに必要な活動を事前にすべて洗い出し、これらを順次水平的に実行していくやり方が災いの元である。ここに「ラピッド・リザルト・イニシアティブ」を導入すれば、プロジェクトは必ず成果を出すことができる。

(3)釘崎広光「成果主義が「チーム力」を強化する」

成果主義への批判は、運用の失敗に起因するものばかりである。これが度重なり、日本的経営を破壊するものだという批判もある。しかし、運用をうまくすれば、成果主義は日本的経営の強みを増幅することができる。

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