自律チーム型組織
チャールス・C. マンツ、Jr.,ヘンリー・P. シムズ 「自律チーム型組織―高業績を実現するエンパワーメント」、生産性出版(1997)
お薦め度:★★★1/2
著者であるチャールス・C・マンツ+ヘンリー・P・シムズJr.はセルフマネジメントチームという概念の産みの親ともいえる研究者である。
セルフマネジメントチームは本書の邦題のとおり、自律したチームである。本書ではまず、チーム制を導入する際の阻害要因を整理し、それを踏まえた上で、チーム制導入のためにはラインマネージャーが何をすればよいかを詳細に説明している。
これはプロジェクトマネジメントの導入初期において起こることとまったく同じことがいえる。その後、チーム制が持つ利点と欠点を整理し、運用について詳しく述べてある。導入初期においては、どのように組織に「ビッグバン」を起こすかについて説明している。次に定着後は、よく起こりそうな問題について、その要因や、対処方法についてエンパワーメントを中心に解説している。さらに、大規模なチームの場合の特有の問題や、進め方についても議論している。
すべての議論は著者たちの調査した事例に基づいて行われている。事例は顧客対応、TQC、業務プロセスなど多様であり、事例そのものを読んでいても興味深い。
本書は、プロジェクトマネジメント導入、あるいは運用で組織的問題に行き当たったときのお薦めの1冊である。
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