歴史から経済の本質を理解する
茂木 誠「経済は世界史から学べ!」、ダイヤモンド社(2013)
お奨め度:★★★★
今起こっている経済的問題を、歴史をひも解き、類似の事例や根源になるものを紹介することにより、本質を理解するとともに、経済学についての教養も身につく一冊。
問題の本質を見極め、それについて易しく、薀蓄を交えて解説するという手法では池上彰さんが有名だが、比較してもこの本は結構いい線をいっているように思う。
茂木 誠「経済は世界史から学べ!」、ダイヤモンド社(2013)
お奨め度:★★★★
今起こっている経済的問題を、歴史をひも解き、類似の事例や根源になるものを紹介することにより、本質を理解するとともに、経済学についての教養も身につく一冊。
問題の本質を見極め、それについて易しく、薀蓄を交えて解説するという手法では池上彰さんが有名だが、比較してもこの本は結構いい線をいっているように思う。
井関 利明, 山田 眞次郎「思考 日本企業再生のためのビジネス認識論」、学研パブリッシング(2013)
お奨め度:★★★★★
大学改革の手本となった慶應大学SFCの創設メンバーの中心であった井関 利明慶應義塾大学名誉教授と、インクスの創設者であり、モノづくりの論客でもある山田 眞次郎さんが現在のビジネスの認識について過去からの流れを整理し、論じた対談集。パラダイムの変化をうまく議論していて、今、われわれが行っているビジネスを明確に認識できる一冊。
これは名対談集だ。水野学さんによる本全体のデザインもよい。
ケビン・ワーバック、ダン・ハンター(三ツ松 新監訳、渡部典子訳)「ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義」、阪急コミュニケーションズ (2013)
お奨め度:★★★★★
ビジネススクールで初めてゲーミフィケーションの講義を取り入れたウォートンの教科書。MBAプログラムの体系と関連付けながらゲーミフィケーションの説明がされており、ゲーミフィケーションを取り入れた仕組みの構築に役立つ一冊。
楡 周平「象の墓場」、光文社(2013)
お奨め度:★★★★★+α
世界的なエクセレントカンパニーであるコダックをモデルにしたと思われるグローバル企業ソアラ社の日本法人を舞台にした小説。資本主義、企業文化、価値感、イノベーション、技術、組織と人などについて非常に深く考えさせられる一冊。
小説と調査に基づく学術書を比較すべきではないことは重々承知しているが、クレイトン・クリステンセン先生の「イノベーションのジレンマ」以上のインパクトがあった。
特に、小説(ストーリー)という形でしか書けないと思われる全体の構造が見事に書かれており、現場で起こる現象がなぜ起こっているかを、断片的なステレオタイプの指摘ではなく、コンセプチュアルに把握できる。イノベーションや変革に携わっている方すべてに強くお奨めしたい。
天野 祐吉「成長から成熟へ さよなら経済大国 (集英社新書)」、集英社(2013)
お奨め度:★★★★★+α
10月に死去された天野祐吉さんの遺作となるエッセイ。計画的廃品化、差異化、生活大国の3つにキーワードで、戦後の文明を広告を通じて論評している。
相変わらず、軽やかで、本質をついたエッセイもこれで読み納めかと思うと、残念だ。
遠藤功「言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密」、潮出版社(2013)
お奨め度:★★★★★
「見える化」を広めた遠藤功先生がガリガリ君で躍進する赤城乳業を支える「言える化」の謎を解いた一冊。言える化というのは赤城乳業の造語で、文字通りなんでも言おうということで、赤城の製品開発力を支える一つの柱だが、口で言うほど簡単ではないことは「サラリーマン」ならよく分かるだろう。なぜ、赤城乳業は言える化ができたのかが分かり、とても参考になる。
ジェイク・ブリーデン(宮本喜一訳)「世界一の企業教育機関がつくった仕事の教科書」、アチーブメント出版(2013)
お奨め度:★★★★★+α
グーグル、スターバックス、マイクロソフト、IBMなどの企業をクライアントにもち、エグゼクティブ教育では世界一だと言われるディーク・コーポレート・エディケーションで教鞭をとる著者が新しい仕事の常識を述べた一冊。もし、これらの企業においてリーダーがこの本にあるような行動をできているのだとすれば、エクセレントカンパニーであることが納得できると思わせる一冊。すべてのリーダーに読んで欲しい。
狩野 みき「世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業」、日本実業出版社(2013)
お奨め度:★★★★★
大学で英語教育に携わる一方で、グローバルレベルの考える力、プレゼン力、作文力を身につけるスクール「Wonderful Kids」を主宰し、最近では、TED×Tokyoでプレゼンテーションを行い、注目されている狩野みゆきさんが、ハーバードが提唱する「考え方のツボ」をメソッド化した本。
キャリアの浅いビジネスパースンはもちろんだが、それなりのキャリアで考えながら仕事をできると思っている人にもお奨めの1冊。
水野和敏「非常識な本質――ヒト・モノ・カネ・時間がなくても最高の結果を創り出せる」、フォレスト出版(2013)
お奨め度:★★★★★
GT-Rの開発者で知られる水野和敏氏が書いた仕事術。キーワードは、非常識と本質。本質をどのように追及していくかについて自分のしてきた仕事を振り返り、まとめた本。
特に、マネジメントと本質論の間にどういう関係があるかを明確に示しており、クルマに興味がなくてもいいので、イノベーションを実践するリーダーにはぜひ読んで欲しい本。
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、ケネス・クキエ(斎藤 栄一郎訳)「ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える」、講談社 (2013)
お奨め度:★★★★★+α
ビックデータについて論じた唯一の本だと言われている「Big Data: A Revolution That Will Transform How We Live, Work, and Think」の翻訳。ビックデータについて、その本質を知りたい人は、必読。最近、JR東日本がSuicaのデータの販売を始めて話題になっている。これが何を意味しているかをきちんと理解できていないのであれば、自分のためにも読んでおくことをお奨めしたい一冊。
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