峯本展夫「ピラミッド交渉力 「立体的+多面的思考」で「本物」の交渉力を身につける」、総合法令出版(2010)
お奨め度:★★★★★
弁証法に基づく対話による問題解決の具体的な方法と、その方法を実践するための能力構築の方法を説いた一冊。ミソは、論理だけではなく、知覚を絡めていること。これにより、論理的な解決ができない問題についても問題解決が可能になり、交渉力の幅が広がる。
漠然と対話の重要性を感じているが、実践をしようとすると、「話し合い」になってしまうという人にぜひ、読んでみていただきたい一冊。
太田 肇『「見せかけの勤勉」の正体』、PHP研究所(2010)
おすすめ度:★★★★★
この2~3年の間に読んだマネジメント書の中で、もっとも印象に残った一冊。「所有感」、「金魚すくいの法則」、「スイーパーリーダーシップ」の3つのキーワードで巧みに、「やらされ感」を持たせないマネジメントをいかに実現するかを問いている。
イビチャ・オシム「考えよ! ――なぜ日本人はリスクを冒さないのか? 」角川書店(2010)
お奨め度:★★★★
余裕があるときに、一度、やってみようと思っていた記事です。こういう書籍の紹介方法もありかなと思いまして。
イビチャ・オシム氏のこの本から、印象に残った記事を抜粋して、Twitterで紹介しながら、それに僕のコメントをつけていきました。それぞれのメッセージについて、かなりの数、RTして貰ったり、メッセージを下さいました。本当は、メッセージも紹介した記事にしようと思っていたのですが、ダイレクトメッセージが多かったので、今回は断念しました。
一応、書籍紹介記事ですんで、まあ、これで十分かな?まあ、読んでみてください。次は、最初に宣言をしてやります。まあ、お盆休みかな、、、
金井 壽宏編著『 「人勢塾」 ポジティブ心理学が人と組織を鍛える』、小学館(2010)
お奨め度:★★★★★
神戸大学大学院経営学研究科の金井 壽宏教授が中心になり、立ち上げた「ポジティブ心理学を組織と人事に応用する」ための研究会の内容を書籍化した一冊。ライブ感が伝わるような編集の工夫がされているため、逆に内容がすっと入って来ない。普通であれば、紹介しないのだが、あえて紹介したのは理由がある。記事の最後を見て欲しい。
ジェームズ・クーゼス、バリー・ポズナー(金井壽宏監訳、伊東奈美子訳)「リーダーシップ・チャレンジ」、海と月社(2010)
お奨め度:★★★★★
この本は、1987年に発行以来、180万部を突破し、世界でもっともよく知られたリーダーシップのテキストで、2007年に発行された第4版の翻訳がやっと出版された。「ザ・ゴール」のように著者が日本での出版を拒否していたわけでもあるまいから、23年というのはまさに、待望の出版である。この本の監訳を担当された金井壽宏先生いわく、
「もしも、英語が分かる人で10年以上リーダーシップの研究や研修に携わっていながらこの本を知らない人がいらた、その人は「もぐり」だ
とのことだ。そのくらいよく知られた、欧米では定石のテキストだ。
加護野 忠男「経営の精神 ~我々が捨ててしまったものは何か~ 」、生産性出版(2010)
お奨め度:★★★★★
日本を代表する経営学者・加護野忠男教授の久しぶりの著書。現在の日本の産業を「経営精神」に注目し、分析し、劣化の理由を考察し、さらに、その復興について提案した本。
前書きに、出版社からの、「生産性運動50周年を記念して日本企業の指針となるものを書いてほしい」という依頼によるものだと明かされているが、まさに、これからの日本企業の指針をなるものだ。経営者はもちろんだが、経営精神の具現者すべてに読んでほしい一冊。
濱田 秀彦「一冊ですべてわかる 課長のキホン」、河出書房新社(2010)
お奨め度:★★★★★
今月3冊目の課長本の紹介。この本が出たら、もう課長本は出しにくいのではないかと思うくらい、良くできている。明日、課長に昇進する人は、今日の帰宅時に買って帰って読んでおこう!
とりあえず、すぐに読んでほしいのは、課長の喜びの下り。
・人間的な成長
・経営感覚
・人脈
・DNAを残す
の4つだと指摘されている。
吉江 勝「あたりまえだけどなかなかできない 課長のルール」、明日香出版社(2010)
お奨め度:★★★★1/2
お馴染み、明日香出版の「ルール」シリーズの課長編。課長としてやっていくために必要なスキルを101のルールにまとめている。非常に具体的なルールから、かなりコンセプチャルなルールまで、混ざっている。このこと、自体が課長という仕事の本質を語っているのではないかと思う。
酒井穣「はじめての課長の教科書」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2008)
以来、多くの課長の本がでているが、ちょっと雰囲気が違うのは、課長になる前の人よりは、課長に読んでほしい本である。
ラリー・ボシディ、ラム・チャラン(高遠 裕子訳)「経営は「実行」―明日から結果を出す鉄則」、日本経済新聞社(2003)
お奨め度:★★★★★
2002年に原書が出版され、大変なベストセラーになった本。邦訳は、2003年に出版された。最近、経営リーダー向けの本がいろいろと出版されるようになってきた。手当たり次第読んでいるが、精神論とオペレーショナルな話だけに終始している本ばかりなので、古い本だが、経営の永遠を論じた本でもあるので、ぜひ、読んでほしいなと思って、紹介することにした。
この本のテーマはシンプルである。戦略の実行こそがリーダーの仕事であるにも関わらず、その方法を知らず、成果を上げることができないでいるリーダーは多い。そのようなリーダーのために、戦略実行には、体系があり、その体系をきちんと理解し、実践していくことで「実行」ができることを示すのがこの本のテーマである。
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