マネジメント Feed

2011年2月 5日 (土)

「マネジメントという営み」を解く(1/2)

4822248364 ヘンリー・ミンツバーグ(池村千秋訳)「マネジャーの実像 「管理職」はなぜ仕事に追われているのか」、日経BP社(2011)

お奨め度:★★★★★+α

1973年に「マネジャーの仕事」でマネジャーのイメージと実態のギャップを明らかにし、以来、「人間感覚のマネジメント―行き過ぎた合理主義への抗議」で人間の次元でのマネジメントの重要性を説く。また、「戦略サファリ」で従来から考えられてきたサイエンスとアートの統合だと考えられてきた戦略計画の策定に「クラフト」という新しい視座を提唱。最近では、コミュニティーとリーダーシップを合わせたコミュニティシップを提唱するなど、常に、マネジメントに新しい視座・視点を提案してきたミンツバーグ博士の36年間の足跡とともにドラッカー以来のマネジメントに関する多くの経営学者や心理学者の知見が一望できる一冊。そこから見えてくるものは、懐古ではなく、創造であり、実践である。

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2011年1月10日 (月)

個人と組織のGDT

4576101714 デビッド・アレン(田口 元監訳)「ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編 仕事というゲームと人生というビジネスに勝利する方法」、二見書房(2010)

お奨め度:★★★★★

2001年に邦訳されたデビット・アレン氏のGTDの実践編。

デビッド・アレン(森平慶司訳)「仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法」、はまの出版(2001)

こちらは、仕事のハウツー本的なイメージだったが、本書は、前書で述べられていたことを整理、改善し、GTDとして体系的な方法論にした印象のある一冊。また、経験に基づいて、理論も強化されており、納得性も高くなっている。

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イノベーションには「管理された、健全な戦い」が必要である

4434151215 サジュ=ニコル・ジョニ、デイモン・ベイヤー(満園 真木訳)「ザ・ライト・ファイト」、出版社: アルファポリス(2010)

お奨め度:★★★★1/2

対立をイノベーションのためのリーダーシップツールとして活用することを提唱する一冊。思考レベルや、マンツーマンの行動レベルではなく、組織行動レベルで対立を使うことや、その際に必要になるリーダーシップについて述べている。イノベーションを企ててるマネジャーは必読の一冊。

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2011年1月 6日 (木)

「直観的な知性」が経験を価値に換える~直観の正しい使い方

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ユージン・サドラースミス(吉田利子訳)「直観力マネジメント 第六感が利益を生む! 」、朝日新聞出版(2010)

お奨め度:★★★★★

ソニーの盛田昭夫氏、スターバックスのハワード・シュルツ氏、ヴァージンレコードのリチャード・ブランソンなど、ビジネスにはひらめきや勘が重要であると主張する経営者は少なくない。直観はアート的なものだと考えられがちだが、本書では科学的に説明がつくという立場から、実際に直観とはどのようなもので、どのように働くかについて科学的な説明を試みている。その上で、直観をビジネスやマネジメントの中での活用する方法を提案している。分析だけではビジネスに勝ちきれないと考えているマネジャーや経営者必読の一冊である。

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2011年1月 4日 (火)

プロジェティスタの作法

4492521909 紺野 登「ビジネスのためのデザイン思考」、東洋経済新報社(2010)

お奨め度:★★★★★

デザインに対する関心が高くなってきた。20世紀の工業デザインに変わり、21世紀の知識社会におけるデザインである知識デザインのあり方としてのデザイン思考について述べ、さらに、デザイン思考に必要な3つの方法論として、エスノグラフィーなどの質的研究方法論、ビジネスモデルデザイン、および、シナリオデザインについて解説した一冊。

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2011年1月 3日 (月)

「思い」を実現するマネジメント

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一條 和生、徳岡 晃一郎、野中 郁次郎「MBB:「思い」のマネジメント ―知識創造経営の実践フレームワーク」、東洋経済新報社(2010)

お奨め度:★★★★★

目標管理(MBO)を補完する新しいコンセプトのマネジメント手法MBB(Management by Belief)=「思いのマネジメント」について、概念化し、ベストプラクティスを紹介しながら解説した一冊。MBOを左脳マネジメントとし、その限界を明確にし、新たに、右脳マネジメントとしてのMBBを提案している。

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2010年12月28日 (火)

起業家のバイブルになるだろう

4534047576 磯崎 哲也「起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと」、日本実業出版社(2010)

お奨め度:★★★★★

「isologue」で知られる公認会計士・磯崎哲也氏の初の単著。ベンチャーファイナンスを通じて、自らの起業、経営、ビジネス、仕事などに対する哲学をカジュアルに述べている。一から十まで体系的に書かれている本は珍しいので起業家や起業家予備軍の方にお奨めしたいのはもちろんだが、そこに書かれている哲学は一読に値する。その意味で、ビジネスに関わる人すべてにお奨めしたい。書き方が平易で読みやすい本なので、さまざまな分野で専門家として活躍する人が、ビジネスや仕事の仕方、ファイナンスについての基礎を得たい場合には特にお奨めしたい。

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2010年12月13日 (月)

「第3の開国」のための3つのイノベーション

4023308072 藤井 清孝「グローバル・イノベーション 日本を変える3つの革命」、朝日新聞出版(2010)

お奨め度:★★★★1/2

グローバルマインド」で、日本人は正解のない問題に弱いという問題提起をした藤井清孝氏の続編。グローバルマインドを持つための3つのソリューション(イノベーション)を示している。藤井氏はマッキンゼー出身で、現在はベタープレイスという電気自動車のインフラビジネスを手がける企業の日本法人の代表だが、キャリアの中でケーデンスやSAPというITやソフトウエアビジネスの会社の日本法人の代表も務めており、特にこの分野で経営や組織マネジメントに携わる人にはぜひ読んでいただきたい一冊である。

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2010年11月 8日 (月)

機能的品質と情緒的品質をシナジーさせる

4532316421 遠藤功「「日本品質」で世界を制す!」、日本経済新聞社(2010)

お奨め度:★★★★★

最近の品質事故を引き合いに出しながら、「品質」管理の問題を分析し、これからの品質管理の視座を示すと同時に、それが日本企業のグローバル競争力となり、In-Outにも、Out-Inにも決定力になることを示唆した一冊。現場の品質管理担当者に新たな視点を与えるととにも、経営スタッフに品質管理への取り組みの視座を与える。製造業、IT業、サービス業などを中心にすべての人に読んでほしい本。

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2010年11月 2日 (火)

根拠のない優越感に対する処方箋

4093897298 大前 研一、柳井 正「この国を出よ」、小学館(2010)

お奨め度:★★★★

マッキンゼーでコンサルタントとして成功した大前研一氏、ユニクロで成功を収め、グローバル企業として世界展開を図っている柳井正さんの対談集。古くからの友人というだけあって、息も合い、グローバル社会で戦う経営や人材のあり方について論じている。

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