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2014年12月16日 (火)

【PMstyle Column:004】水野和敏さんの「思考作り」

Jidousya12月12日の日経ビジネスオンラインの連載「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」に台湾「LUXGEN」の責任者に就任した水野和敏さんへのインタビュー記事が取り上げられていました。

緊急速報!GT-R水野和敏氏が台湾自動車メーカーに!【番外編】水野和敏氏インタビュー・前編

水野氏、台湾「LUXGEN」の開発責任者に【番外編】水野和敏氏インタビュー・後編

このインタビューがとても興味深いものだったので、水野さんの発言を引用しながらコメントしたいと思います。

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2014年12月15日 (月)

【PMスタイル考】第95話:コンセプチュアルスキルで顧客の期待を超える

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆iPhoneは顧客の声で作れるか

Suprise

アップルもスティーブ・ジョブズからティム・クックにバトンが渡り、ジョブズの時代には考えにくかった宿敵IBMとの提携など、独自の戦略でさらなる成長をしようとしています。同時に、製品はあまり目新しさがなく、それを批判する人もいますが、まあ、そこは、価値観の問題だといえるでしょう。

最近のアップルを見ていて思ったのは、iPhoneの最新バージョンであるiPhone6は最初の1ヶ月でこれまでにもっとも売れた製品ですが、iPhone5からiPhone6は顧客の声を聞いていたら作れそうな気がします。実際にスペックを見てもたとえばサイズを大きくしたことなど、顧客の声を取り入れて作ったように見えます。

ところが、初代のiPhoneは顧客の声を聞いていてもできなかったでしょう。そもそも、この段階では顧客とは誰かという問題もありました。iPhoneの2代目以降は主たる顧客は既存ユーザで比較的明確だったわけですが、顧客の声をあまり聞かないという傾向はiPhone3くらいまでは顕著だったように思えます。

良くいえば、顧客の期待を超える製品を出し続けてきた結果として、今のiPhoneがあると言ってもいいでしょう。事実ジョブズの有名な言葉に「ユーザは自分が何が欲しいのか分かっていない」という言葉がありますが、まさにこの前提で顧客の期待以上の製品を生み出してきたといえるでしょう。

今回のテーマは、顧客の期待を超えるにはどうすればよいかを考えてみたいと思います。

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2014年12月 2日 (火)

【PMスタイル考】第94話:プロジェクト・イニシアチブの3本の矢~業務遂行・価値創造・人材育成

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Ya_2◆業務遂行・価値創造・人材育成

プロジェクト・イニチアチブということでプロジェクト活動を活用し、高業績の組織を創っていくことを提唱しているが、プロジェクト・イニシアチブには大きく分けると3つの役割がある。

一つは業務遂行であり、二つ目は価値創造である。そして、3つ目は人材育成である。プロジェクト・イニシアチブはこの三つの役割がバランスよく実現できたときに、経営の強力なツールとなり得る。

今回のPMスタイル考はこのような視点から、プロジェクト・イニシアチブについて考えてみたい。



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2014年11月25日 (火)

【PMstyle Column:003】概念化能力とコンセプチュアルスキル

Gainen◆概念化能力の起源と日本における取組み

このところ、コンセプチュアルスキルという言葉が少しだけ浸透してきたような気がしています。

ロバーツ・カッツというハーバード大学の先生がマネジャーに必要なスキルとしてConceptual Skillを提唱したのが1955年です。

その後、日本でもこの概念は注目され、「概念化スキル」、「概念化能力」といった名で導入されるようになりました。僕が会社に入ったときには、概念化能力は将来に向けて身につけてほしいスキルの一つに入っていました。

とはいっても、日本は現場・現物の国で、かつ、時代的にはキャッチアップの時代だったため、物や仕組みをまねて改善すれば十分で、概念はあまり重視されず、能力開発も行われないままでした。



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2014年11月15日 (土)

【PMスタイル考】第93話:質的効率を追求するプロジェクトマネジメント

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Kaizen

◆量的効率と質的効率

効率というと一般的には量的な効率をイメージすると思います。高度成長期から、生産量とか、売上などをいかに効率よく大きくするかに注力をしてきたわけですが、この追求の中で、品質の高い製品を大量に少しでも安く提供するという価値観が定着してきました。これが効率化です。

これに対して、国際政治学者の中西輝政先生が「質的効率」という概念を提唱され、これからは質的効率の時代だと指摘されています。中西先生は質的効率を

売れる売れないというまえに、ともかく「他社が作っていない物を」と考えを切り換え、その「違い」や「差別化」を大切にする。それが質的効率です。

と説明されています。ちなみに、中西先生は、従来の効率化を量的効率と区別する意味で量的効率と呼ばれています。

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2014年11月 5日 (水)

【PMstyle Proposition】仕事のクオリティを高める2つのステップ

◆仕組みは役立っていますか

Shigoto

みなさんの会社には業務を支援するためのいろいろな仕組みがあると思いますが、その仕組むは十分に役に立っていますか?

仕組みづくりをするときに難しいのは仕組みを決めることよりも、むしろ、その仕組みが役立つように機能することです。

たとえば、業務の計画をする仕組みを作ったとしましょう。仕組みを作ること自体である程度、業務が計画的になるといった効果は生まれます。しかし、業務が計画的になったからといって業務の成果が飛躍的に大きくなるとは限りません。

計画を作る能力は人によって異なり、非常に生産性が高くリスクにまで配慮した計画をする人もいれば、なんとか制約に収めただけ計画しかできない人もいます。一言でいえば仕組みを作ることによって最低限の計画の形はできますが、計画のクオリティは人によって異なります。

そこで、仕組みを使った業務のクオリティを上げるために必要なのが、コンセプチュアルスキルなのです。

PMstyleではコンセプチュアルスキルによる仕事のクオリティの向上を2つのステップで見ています。

コンセプチュアルな思考によって行動をコンセプチュアルに変え、行動を変えることによって業務のクオリティを高めるという2ステップです。

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2014年11月 2日 (日)

【PMstyle Column:002】開発力とカスタマイズ力

Customize_2スマホの競争が面白くなってきました。ついにサムスンがフルメタルユニボディのスマホを発表。デザインもスタイリッシュですが、これを機能的にはスペックダウンさせたバージョンで価格帯はフラグシップモデルの半分くらいとのことです。

「サムスン、薄型スリムボディの「GALAXY A」シリーズ発表」
http://www.rbbtoday.com/article/2014/10/31/125015.html

ターゲットは、今では世界第3位のメーカーとなったXiaomiがトップシェアを持っている中国市場で、最初に中国に投入するそうです。

一方で、同じ日にソニーは中国向けのスマホの開発中止を発表しました。事業の赤字縮小のための措置だそうです。

「ソニー、中国向けスマホ開発を中止へ--最終赤字1091億円」
http://japan.cnet.com/news/business/35055991/

この2つのニュースを読んでサムスンとソニーの違いは開発力の違いではないかと思いました。

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2014年10月29日 (水)

【プロデューサーの本棚】パターン・ランゲージを学ぶ

この2年くらい、「パターンランゲージ」というのが注目されるようになってきました。

その理由は2つあり、一つはITの世界で日本でもアジャイルが普及してきて、マネジメントや設計のパターンの在り方に興味を持つ人が増えてきたこと。

もう一つは、かなり属人的な話ですが、慶応大学の井庭崇先生が提唱されている人間行動のパターンランゲージという考え方がウケていること。

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井庭崇先生はパターンランゲージを概観する本を作られています。パターンランゲージがすでにある分野、可能性のある分野の識者と対談し、パターンランゲージの可能性を追求するという趣旨の本です。第1章では井庭先生の詳しめの総論もあり、一冊読めば、パターンランゲージの通になれます。

井庭 崇編著、中埜 博、竹中 平蔵、江渡 浩一郎、中西 泰人、羽生田 栄一著「パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語」、慶應義塾大学出版会(2013)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4766419871/opc-22/ref=nosim

パターンランゲージについてイメージしたければこの本がお薦めです。

僕も今、プロジェクト・イニシアチブのデザインをするパターン・ランゲージを作っています。それで、この1年くらいの間にパターン・ランゲージの本をいくつか読みましたので、感想をつけてご紹介します。

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2014年10月28日 (火)

【PMスタイル考】第92話:振返りの質を高める

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆4人に3人は感じた教訓を活かさない

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プロジェクトで仕事をしている企業では、プロジェクトから得られるナレッジの質をいかに高め、いかに活用するかが生命線だと言えます。

欧州のPMコミュニティであるIPMA Conference 2000の発表論文「Managing Projects Management Knowledge」の中に以下のような調査があります。

・プロジェクトから教訓を感じる 75%
・プロジェクトの教訓を覚えている 62%
・教訓を誰かに伝える 55%
・教訓を別のプロジェクトに適用する 25%

これから分かるように、プロジェクトマネジャーの4人に3人はプロジェクトで何かの教訓を感じているのに、教訓を別のプロジェクトに適用する人は4人に1人にすぎません。つまり、半分のプロジェクトマネジャーは何か教訓を感じても、何もしていないということになります。

これはナレッジギャップの問題と呼ばれますが、なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?いろいろな原因があると思われますが、根本的な問題として

ある状況の経験を別の状況でうまく活用できない

という問題があるように思えます。一つのプロジェクトの中でも言えますし、複数のプロジェクト間でも言えることです。一言でいえば、振返りが有効に機能していないいうことです。



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2014年10月25日 (土)

【問題提起】なぜ、教訓は使えないのか?

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IPMA Conference 2000の発表論文「Managing Projects Management Knowledge」の中に以下のような調査があります。

・プロジェクトから教訓を感じる 75%
・プロジェクトの教訓を覚えている 62%
・教訓を誰かに伝える 55%
・教訓を別のプロジェクトに適用する 25%

簡単にいえば、プロジェクトマネジャーの4人に3人はプロジェクトで何かの教訓を感じているのに、教訓を別のプロジェクトに適用する人は4人に1人にすぎません。つまり、半分のプロジェクトマネジャーは何か教訓を感じても、何もしていないということになります。

これはナレッジギャップの問題と呼ばれますが、なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?いろいろな原因があると思われますが、根本的な問題として

別のプロジェクトへ適用しようとしたときにできない

という問題があります。

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