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2011年12月

2011年12月30日 (金)

【プロデューサーの本棚】Right Projects Done Right(2005)

P0787971138aul Dinsmore、Terence Cooke-Davies「Right Projects Done Right: From Business Strategy to Successful Pr oject Implementation」、Jossey-Bass(2005)

プロジェクトガバナンスの名著。

一般的には、プロジェクトガバナンスは「Right Project Done Right」という。正しいプロジェクトを選ぶ、そのプロジェクトを正しく行うことによって、ガバナンスが実現できる。

現場だけで考えるとその通りである。つまり、戦略実行をするためには、戦略と整合性の高いプロジェクトを選び、そのプロジェクトを統合マネジメントしながら、戦略への貢献を最大化する。これによって、ガバナンスが高まっていく。

ただし、資源が無制限にあればその通りだが、一般的に資源は有限である。人・金・モノという資源の制約条件があるからだ。そのような制限の中で、ガバナンスを維持しようとすると、少し話が変わってくる。

コンビネーションを正しく行わなくてはならない。この本では、The Right Combinationと言っている。



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【プロデューサーの本棚】Creative Project Management(2010)

0071739335Michael Dobson「Creative Project Management」、McGraw-Hill(2010)

「プロジェクトの補助線」に書いている連載「アジャイルプロジェクトマネジメント入門」の第2回でも述べましたが、プロジェクトがイノベーティブ、あるいはクリエイティブにならない理由を突き詰めていくと、結局、意思決定の問題に帰着することが多いです。俗な言葉でいえば、判断ではなく、決断、決定ができないものです。



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【プロデューサーの本棚】Perspectives on Projects(2010)

0415993741Rodney J. Turner、Martina Huemann、Frank T. Anbari、Christophe、N. Bredillet「Perspectives on Projects」、Routledge(2010)

会社とは何かという議論があります。付加価値を生み出し、社会の富を増やしていくための機能だという考えもあれば、人々に働く場を与え、人生の目標を与えるための場という考え方もあります。あるいは、資産家が自分の資産を増やすための仕組みだと考える人もいらっしゃるでしょう。

会社は誰のものかという問いが、オープンプロブレム(答えのない問題)になっているのは、このような多様性のためです。

会社以上に多様性があるのは、「プロジェクト」です。この本は、プロジェクトの機能を7つのパースペクティブから捉えています。

・Optimization: The Project as a Machine
・Modelling: The Project as a Mirror
・Success: The Project as Business Objective
・Governance: The Project as a Legal Entity
・Behaviour: The Project as a Social System
・Marketing: The Project as a Billboard
・Process: The Project as an Algorithm
・Decision: The Project as a Computer
・Contingency: The Project as a Chameleon


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【お知らせ】新しいカテゴリーの追加「プロデューサーの本棚」

BsPMstyle facebookページに掲載していました、「PMstyleブックガイド」を本ブログに移動することにしました。それに伴い、新しいカテゴリーとして

プロデューサーの本棚

を追加しました。

この名称は、文字通りです。ビジネス書の杜で紹介している本のほとんどは読み終わったら処分します。いろいろな方と話をするための情報収集が読書の主目的なので、本業で使う本は1割もないと思います。

こちらで紹介する本は、本業でヒントや情報を得ている本です。ということで、これまであまり公開してこなかったのですが、facebookを始めるときに、書籍のプロデュースという感じで、少しずつ公開しようと思い、始めました。

半年やってみて、facebookはストック型の情報発信には向かないことが分かりましたので、ブログの方に移し、カテゴリーもずばりの名前にした次第です。今後、ビジネス書の杜の方で紹介していた本も、好川の本棚に並べておく本はこちらのブログで紹介するつもりです。

基本的にビジネス書の杜のように内容を詳しく紹介することはしません。熟読しないと価値がない本ばかりだからです。紹介は、熟読する価値があるかどうかを見極めて戴くことを目的として行います。

そんなに更新頻度は高くないと思いますが、興味がある方は読んでいただけると幸いです。

【プロデューサーの本棚】The Project Sponsor Guide(2000)

188041015XNeil A. Love、Joan Brant-Love「The Project Sponsor Guide」、Project Management Inst (2000/07)

PMBOKガイドほど知られていませんが、2000年にPMIが発行したガイドです。

2000年のPMBOKの改定に併せて出版されました。

目次はこの記事の最後に掲載してあります。

このあと、改定されていませんが、そのエッセンスは2003年に発行されたOPM3に引き継がれています。

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2011年12月28日 (水)

【告知コラム】来年はコンセプチュアルスキルを強化しよう!

Concept1ロジェクトリーダーにもっとも重要なスキル。それは「コンセプチュアルスキル」です。

コンセプチュアルスキルは、「概念的」にいえば

物事や課題を概念化し、本質を捉える能力のこと

です。

 

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2011年12月26日 (月)

【PM養成マガジン・10周年】ゲームストーミング~ゲーム一覧

4873115051PM養成マガジン10周年記念セミナーの1テーマに取り上げている「ゲームストーミング」の中に含まれるゲームの一覧です。

【PM養成マガジン10周年記念セミナー】
第1回 ゲームストーミングによるプロジェクト活性手法

書籍の内容(ゲームストーミングのフレームワーク)を知りたい方は、こちらの紹介記事をご覧ください。

仕事にゲームを取り入れ、クリエイティブに

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2011年12月15日 (木)

PM養成マガジン10周年記念セミナーのPMstyle+会員価格について

PMstyleプロデューサーの好川哲人です。

いよいよ、PM養成マガジン10周年記念セミナーの受付が開始されました。2011年度下期、2012年度は、PMstyle+会員向けセミナー「PMstyle Special Seminar」を休止し、PM養成マガジン10周年記念セミナーを代替とし、会員価格の設定をします。

さて、記念セミナーのグランドテーマは

「プロジェクトマネジメントを深化させるもの
~センスのよいプロジェクトマネジャーになるための6つのスタイル」

で、「進化」ならぬ、「深化」をテーマに6セッション行います。6回のセッションテーマと講師、日程は以下の通りです。


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2011年12月14日 (水)

【PMstyle Kit No.13】レスポンシビリティを委ねる《PMstyle》

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【目的】アカウンタビリティを果たす

【用途】メンバーに作業を分担し、責任と意欲を持って取り組ませる

【効用】メンバーが意欲で作業に責任を持つことにより、高い品質の成果物を期待できる

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Tk
◆プロジェクトにおけるメンバーの責任

リーダーシップの役割の中で、重要なことはメンバーに責任を委ねることである。責任には、アカウンタビリティとレスポンシビリティの2種類がある。アカウンタビリティは成果責任(あるいは、成果の説明責任)であり、レスポンシビリティは実行責任を意味する言葉である。

米国と日本の感覚の差があるが、米国的なプロジェクトマネジメントの考えとしては、アカウンタビリティはプロジェクトリーダーが持つ。プロジェクトリーダーはアカウンタビリティを果たすための計画を策定し、その計画のレスポンシビリティをメンバーに委任される。そのために、RAM(責任分担表、Responsibity Assignment Marix)を作成する。

従って、メンバーがレスポンシビリティを果たし、計画通りに作業を進めていき、成果が十分でなかった場合には、その責任はプロジェクトリーダーが負うことになる。それ以上でもそれ以下でもない。

日本的な感覚としては、レスポンシビリティはメンバーにあるが、アカウンタビリティはプロジェクトマネジャーにあると考えるのは少し違うかもしれない。日本の組織の文化は誰も責任を取らない、言い換えると、メンバーに責任を押し付けた上で不問にする文化である。アカウンタビリティはプロジェクトの連帯責任になると考えるの自然だろう。

そのような感覚の違いがあることを先にお断りした上で、どうあるべきかを議論したい。




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2011年12月12日 (月)

【告知コラム】洞察力を鍛えよう!

コンサル「顧客はこのプロジェクトに何を期待しているのですか」
プロマネ「はい、要求通りにシステムを作ってくれることみたいです」
コンサル「どんな要求があるんでしょう」
プロマネ「まだ、確定はしていませんが、現在聞いている範囲では、A機能とか、B機能などが主な要求です。また、非機能要件も何点か重視しているものがあります」
コンサル「A機能が提供されれば、顧客はどういうメリットがあるんですか」
プロマネ「競合がまだ、提供していないサービスなので、競争が有利になるそうです」
コンサル「もしできなかったり、あるいは要求納期通りにできなかった場合には、このシステムにはどんな価値があるんでしょう」
プロマネ「詳しくは聞いていませんが、Bという機能も求められていますので、それなりの価値はあるんじゃないでしょうか」
コンサル「では、Aという機能によって顧客のビジネスがどう変わるので、競争を有利に進めることができるんですか」
プロマネ「そこまでは聞いていないですが、それはお客様の問題ではないでしょうか?」
コンサル「なるほど、ところで、いま、AとBしか決まっていないとのことですが、遅れている原因はなんでしょう?」
プロマネ「それがですね、顧客側では、RFPに書いた程度のぼんやりとした方向性は決まっているらしいのですが、具体的な内容となると決められず、こちらに提案してくれとか言っているんです。ただでさえ、スケジュールが遅れているのに、勘弁してほしいですよね。」

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