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2011年12月12日 (月)

【告知コラム】洞察力を鍛えよう!

コンサル「顧客はこのプロジェクトに何を期待しているのですか」
プロマネ「はい、要求通りにシステムを作ってくれることみたいです」
コンサル「どんな要求があるんでしょう」
プロマネ「まだ、確定はしていませんが、現在聞いている範囲では、A機能とか、B機能などが主な要求です。また、非機能要件も何点か重視しているものがあります」
コンサル「A機能が提供されれば、顧客はどういうメリットがあるんですか」
プロマネ「競合がまだ、提供していないサービスなので、競争が有利になるそうです」
コンサル「もしできなかったり、あるいは要求納期通りにできなかった場合には、このシステムにはどんな価値があるんでしょう」
プロマネ「詳しくは聞いていませんが、Bという機能も求められていますので、それなりの価値はあるんじゃないでしょうか」
コンサル「では、Aという機能によって顧客のビジネスがどう変わるので、競争を有利に進めることができるんですか」
プロマネ「そこまでは聞いていないですが、それはお客様の問題ではないでしょうか?」
コンサル「なるほど、ところで、いま、AとBしか決まっていないとのことですが、遅れている原因はなんでしょう?」
プロマネ「それがですね、顧客側では、RFPに書いた程度のぼんやりとした方向性は決まっているらしいのですが、具体的な内容となると決められず、こちらに提案してくれとか言っているんです。ただでさえ、スケジュールが遅れているのに、勘弁してほしいですよね。」


プロジェクトのコンサルティングをしていると、こんな場面によく出会います。要求分析がうまく行かない典型的なケースの一つだといえます。

SIがサービス業である限り、「問題」というボールを持っているのはプロマネです。その問題はどこにあるのでしょうか?たいていは、この種の問題は、最初は

(1)コミュニケーションスキルの問題

だと考えられてきました。しかし、コミュニケーションスキルを磨いても、顧客自身が要求をわかっていなければ、答えは出てきません。そこで、次に注目されたのが、

(2)ビジネス分析スキル

です。つまり、顧客のビジネスを分析して、要求を抽出しようというわけです。BABOKなどが出てきた背景にはこのような問題意識があります。その認識自体は適切ですが、現実には顧客のビジネスを分析しても、本当の要求はなかなか出てきません。何か、欠けているのです。それは

(3)「洞察力」

です。

表面的だと感じるのは、まとめられた要求が聞いたことや得られた情報から論理的に導出されることだからです。実際には、顧客の要求には論理的に説明できないものが少なくありません。だから、顧客も要求をまとめきれないのだということもできます。

洞察力は、事実(聞いたこと)からは論理には導出されない答えを見つけるための思考方法です。ものごとの本質を探すことだとも言われます。そこには論理だけではなく、直感や想像も含まれます。場合によっては感情が含まれたり、政治的な要因が含まれたりします。

顧客を対象に話を進めてきましたが、プロジェクトを成功させるためには、すべての主要ステークホルダや環境に対して、十分な洞察をし、アクションを決める必要があります。

プロジェクト憲章、プロジェクト計画書などを見ると、明らかに洞察が足らない、あるいは、リスク「しか」考えていないといった計画がよくあります。洞察が足らない計画は、まず、実行できません。聞いた情報を並べたシナリオはあっても、それらの情報から洞察をして、本当にそうなると確信できるシナリオがないからです。厳しい言い方をすると、理屈に過ぎないのです。

洞察力を鍛えましょう!これまでとは違った世界が見えてきます!

━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆プロジェクトリーダーのための洞察力講座                 ◆7PDU's
日時:2012年01月25日(水)  10:00-18:00(9:40受付開始)
場所:ヴィラフォンテーヌ汐留(東京都港区)
講師:峯本 展夫 氏(株式会社プロジェクトプロ 代表取締役)
詳細・お申込 http://www.pmstyle.biz/smn/pm_insight.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス
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【カリキュラム】
1.「洞察力の壁」とは何か。
2.論理的思考と知覚的思考
3.「洞察力」の極意と規範
4.「洞察力の壁」を乗り越える~「洞察力」の身につけ方
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