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2011年11月

2011年11月29日 (火)

【PMスタイル考】第30話:ドラッカースタイル番外編 ~ エグゼクティブスタイル

Style◆エグゼクティブ問題

ドラッカースタイルは前回で終わろうと思っていたが、整理していて、もう少し訴えたいことがあったので、今回は番外編とした。

前回まで、ドラッカーの思考を

1.成果を上げる(成果を大きくするドラッカー思考)
2.価値をもたらす計画をたてる(戦略と計画に関するドラッカー思考)
3.顧客を中心に考える(顧客に関するドラッカー思考)
4.チームを動かす(チームのパフォーマンスを高めるドラッカー思考)
5.マネジメントを極める(プロジェクト品質を向上させるドラッカー思考)
6.イノベーションを実現する(技術を有効に活用するためのドラッカー思考)
7.プロフェッショナルになる(自己成長のためのドラッカー思考)

の7つの視点から紹介してきた。今回は番外編として、「エグゼクティブ」問題を取り上げてみたい。カタカナ英語でエグゼクティブという言葉は、役員を指して使われることが多いが、辞書的(定義的)な意味は、管理職員、重役、役員などを指す言葉である。

少し、脱線するが、「executive」の語源は「execute」であり、「死刑を執行する」という意味がある。今年は、裁判員制度で初の死刑判決が下されたが、人が人の生を合法的に奪う死刑ほど思い決断はない。ここから転じて、エグゼクティブは

「最後の決断・決定が出来る人」

という意味で用いられ、上記のような意味で使われるようになった。

さて、ドラッカーのエグゼクティブという言葉の定義は少し異なる。というか、「最後の決断・決定が出来る人」に近い。ドラッカーは経営者の条件の中で

今日の組織では、自らの知識や地位のゆえに組織の活動と業績に実質的な貢献を果たす知識労働者は、すべてエグゼクティブである(経営者の条件)

と指摘している。ドラッカーの考えでいえば、自分自身で地位だけではなく、専門性に基づいて意志決定し、業務を行うものはエグゼクティブだということになる。

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【PMスタイル考】第29話:ドラッカースタイル~プロフェッショナル編

Style◆はじめに

これまで、

1.成果を上げる(成果を大きくするドラッカー思考)
2.価値をもたらす計画をたてる(戦略と計画に関するドラッカー思考)
3.顧客を中心に考える(顧客に関するドラッカー思考)
4.チームを動かす(チームのパフォーマンスを高めるドラッカー思考)
5.マネジメントを極める(プロジェクト品質を向上させるドラッカー思考)
6.イノベーションを実現する(技術を有効に活用するためのドラッカー思考)

と進んできたドラッカースタイルもいよいよ、最終回だ。最後は、プロジェクトマネジャー自身の問題に言及したい。テーマは

7.プロフェッショナルになる(自己成長のためのドラッカー思考)

である。実はドラッカー思考を一つに伝えると、極端な違和感を持つ人が少なからず存在する。特に、顧客中心やイノベーションなどでは目立つ。そのような人と話してみると感じるのがプロフェッショナル観の違いだ。彼らにしても何らかの意味でプロフェッショナルである。プロフェッショナルの定義は難しいが、少なくとも、「自分で稼ぐことができればそれでプロフェッショナルだ」という感覚を持つ人にはドラッカー思考は違和感が出てくるのではないかと思う。


◆ドラッカーのプロフェッショナル論の原点

そのような人も含めて、最後にドラッカーのプロフェッショナル論をお伝えしたい。

ドラッカーのプロフェッショナル論の原点は

一つは、人は、何によって人に知られたいかを自問しなければならないということである。二つ目は、その問いに対する答えは歳をとるにつれて変わっていかなければならないということである。成長に伴ってかわっていかなければならないのである。三つ目は、本当に知られるに値することは、人をすばらしい人に変えることであるということである(プロフェッショナルの条件)

というところにある。価値と成長、そして影響力である。プロフェッショナルになるには、この3つの要素を備える必要がある。一つ目の自分は何によって人に知られたいかというのは大抵の人は考えることである。日本的にいえば、何で食って行きたいかである。

プロジェクトマネジメントを一生懸命やっているIT業界や製造業では、プロフェッショナルを意識しはじめる時期は業務担当者としての時期であり、当然、そのときに担当している業務でプロフェッショナルになりたいと考える。例えば、システム設計であったり、営業であったり、マーケティングであったり、品質管理であったり、生産管理であったりする。ここは比較的、スムーズにいく。

問題は二番目である。何によって知られたいかは歳を取るにつれて変わっていくことだ。たとえば、あなたは「技術力」によって知られたいと考えているとしよう。あなたの技術力は経験とともに成長していく。このときに、いつまでも「技術力」で知られたいと思っていてよいのかという問題である。

この問題は二つの側面がある。一つはあなた自身の問題としてどうかという問題だ。これは主観的な問題であり、そう思うならそれで構わない。ただし、「知られたい人」からみた場合には、「成長していないように見える」ということを認識した上でそのような考えを持つ必要がある。知られる技術が高度化しても、技術は技術であり、ビジネスにおいてそれ自体が価値であることは珍しい。価値をもたらす手段に過ぎないということだ。

もっと現実的な問題は、組織にとっての問題である。あなたが技術に拘り続ける限り、後進の妨げになることがある。よく先輩の技術者が後輩の技術者に「技術的指導」と称して自分の考えを押しつけている光景をよく見かける。押しつけているかどうかをチェックしたければ、後輩が彼自身のやり方で成功したときに素直に喜べるかどうかを想像してみればよい。

この話は三つ目の指摘と関わってくる。自分と同じ技術を後輩に身につけさせることが、後輩を「すばらしい人」に変えることになるという問題だ。一昔前の技術進歩が比較的ゆっくりしていた時代ならそういう一面もあっただろう。しかし、今はそうではない。技術を伝えることによって仕事はスムーズにいくかもしれないが、人は育たないし、事業も育たない。

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2011年11月21日 (月)

【お知らせ】PM養成マガジン1000号感謝イベント

1000PM養成マガジン編集長の好川哲人です。こんにちは。

お かげさまをもちまして、PM養成マガジンでは、11月8日に通算1000号を発行できました。また、来年には、10周年を迎えます。メルマガはすぐに刊行 できますが、読者がいなければメルマガにはなりません。これだけ継続できたのは、ひとえに読者の方のおかげです。ありがとうございました。これからもよろ しくお願いいたします。

1000号を機に、活動を見直すべく、アンケートを行い、振り返りと今後の方向性について、いくつかの記事を書きましたが、それについてはメールの末尾にリストを載せています。

1001号より新たな気持ちで、メルマガを発行しようと思っています。

1000号までは

「プロフェッショナルとしてのプロジェクトマネジャー」

をグランドテーマにして活動をしてきました。初期のころに行っていた読者セミナーの多くは、プロフェッショナルをテーマにしたり、意識したりしていました。

節目の1000号を迎えるにあたって、読者の声も参考にいろいろと考えました。

結論として、1001号からは

「リーダーとしてのプロジェクトマネジャー」

をグランドテーマにしたいと思っています。

ご 承知のようにリーダーは職位には関係のない概念で、経営トップもリーダーですし、現場の2人チームを引っ張っている人もリーダーです。リーダーといって も、役割も期待も異なるわけです。もちろん、プロジェクトマネジャーにもリーダーシップが重要だという認識は年々高まってきています。

では、プロジェクトマネジャーは、どのようなリーダーであることを求められているのでしょうか?これが1001号から議論したいことです。

まず、このテーマについて最初にみなさんと議論をしてみたいと考え、読者セミナーを開催することにしました。多くの方の参加をお待ちしています。

実 は、プロフェッショナルからリーダーへというのは、好川の経験でもあります。現場の仕切り役としては、経験も自信も持っていたところに任されたあるプロ ジェクトは、それまでとテーマへの近さも、ステークホルダも違うものでした。しばらくして、今までのやり方では駄目だと気づき、発想をがらりと変えてプロ ジェクトを成功に導いたことがあります。

この経験を通じて、学んだプロジェクトマネジャーのあり方をお話し、そのあと、全員で「リーダーとしてのプロジェクトマネジャー」というテーマで、ダイアログを行いたいと思っています。

また、終了後、忘年会と1000号記念を兼ねた懇親会を行いたいと思っています。こちらも奮ってご参加ください。


━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【PM養成マガジン1000号記念セミナー:プレ10周年イベント】
リーダーとしてのプロジェクトマネジャー~プロジェクトマネジメント再入門
日時:2011年12月10日(土)  14:00-17:00(13:30受付開始) 
場所:ヴィラフォンテーヌ汐留(東京都港区)
講師:好川哲人(PM養成マガジン編集長)
詳細・お申込 http://www.pmstyle.biz/smn/pm_magazine1000.htm
主催 PM養成マガジン(運営:PMstyle)
PDUの発行について:ご相談ください。
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【カリキュラム】
1.リーダーシップとマネジメント
2.プロジェクトリーダーとはどのような存在か
3.プロジェクトリーダーにとってのプロジェクトマネジメント
4.プロジェクトリーダーに必要なプロジェクトマネジメントスキル
5.ダイアログ
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【関連ブログ記事】

【PM養成マガジン:1000号】
<特別編集>リーダーとしてのプロジェクトマネジャー

【PM養成マガジン:999号】
<特別編集>41人の方のアイデアを携え、新たな旅に出る

【PM養成マガジン:998号】
<特別編集>1000号への旅を振り返る

ブログ、SNS、メールマガジンのフォーメーション

「プロジェクトの補助線」ブログの位置づけの見直しと過去の記事の整理

【報告】PM養成マガジン1000号アンケート(PM養成マガジンに関する質問編)

【PMスタイル考】第28話:ドラッカースタイル~イノベーション編

Style◆ドラッカーの思考体系

今回は、ドラッカー思考の体系をプロジェクトマネジメントに適用する際の7つの視点

1.成果を上げる(成果を大きくするドラッカー思考)
2.価値をもたらす計画をたてる(戦略と計画に関するドラッカー思考)
3.顧客を中心に考える(顧客に関するドラッカー思考)
4.チームを動かす(チームのパフォーマンスを高めるドラッカー思考)
5.マネジメントを極める(プロジェクト品質を向上させるドラッカー思考)
6.イノベーションを実現する(技術を有効に活用するためのドラッカー思考)
7.プロフェッショナルになる(自己成長のためのドラッカー思考)

のうち、これまで1番目から5番目について説明してきた。今回6番目のイノベーションについてである。

◆イノベーションはあらゆる局面で行われる

長い間、日本企業はイノベーションに対して崇高なイメージを持っていたが、この2~3年、急速に認識が変わってきた。そのきっかけになったのがドラッカーの「現代の経営」にある

イノベーションは事業のあらゆる局面で行われる。設計、製品、マーケティングのイノベーションがある。価格や顧客サービスのイノベーションがある。マネジメントの組織や手法のイノベーションがある(現代の経営)

という指摘である。

日本人がイノベーションという言葉に対して特別なイメージを持っていたのは、おそらく改善との対比である。多くの人がイノベーションと改善は違うと主張してきた。日本語でいえば、イノベーションは「革新」、つまり、新しくすることであり、改善は善くすることである。

この背景にあるのが、連続性である。イノベーションとは不連続な変化であり、改善は連続な変化であるという思い込みがあった。

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2011年11月11日 (金)

【PMスタイル考】第27話:ドラッカースタイル~プロジェクト品質編

Style◆ドラッカーの思考体系

今回は、ドラッカー思考の体系をプロジェクトマネジメントに適用する際の7つの視点

1.成果を上げる(成果を大きくするドラッカー思考)
2.価値をもたらす計画をたてる(戦略と計画に関するドラッカー思考)
3.顧客を中心に考える(顧客に関するドラッカー思考)
4.チームを動かす(チームのパフォーマンスを高めるドラッカー思考)
5.マネジメントを極める(プロジェクト品質を向上させるドラッカー思考)
6.イノベーションを実現する(技術を有効に活用するためのドラッカー思考)
7.プロフェッショナルになる(自己成長のためのドラッカー思考)

のうち、これまで1番目から4番目について説明してきた。今回5番目のプロジェクト品質についてである。


◆ドラッカーのマネジメント思考

品質管理も難しいが、プロジェクト品質を実現するのはもっと難しい。マネジメントの結果がプロジェクト品質だからだ。

ドラッカーの思考は、すべてマネジメントに通じるものである。その意味で、マネジメントについて何を中心に考えていくかは難しく、実際にドラッカーの信奉者においても意見の分かれるところだと思う。よく知られている思考だけをピックアップしてみても、

・強みを発揮させ、弱みを無意味にする
・目的を問うことが生産性を高める
・考える組織を作る
・成果に焦点を合わせる
・・・

といった考え方が並ぶ。まさに、「マネジメントに正解はない」というのを実感されるだけ、いろいろな切り口があることが分かる。

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【PMスタイル考】第26話:ドラッカースタイル~チーム編

Style◆ドラッカーの思考体系

今回は、ドラッカー思考の体系をプロジェクトマネジメントに適用する際の7つの視点

1.成果を上げる(成果を大きくするドラッカー思考)
2.価値をもたらす計画をたてる(戦略と計画に関するドラッカー思考)
3.顧客を中心に考える(顧客に関するドラッカー思考)
4.チームを動かす(チームのパフォーマンスを高めるドラッカー思考)
5.マネジメントを極める(プロジェクト品質を向上させるドラッカー思考)
6.イノベーションを実現する(技術を有効に活用するためのドラッカー思考)
7.プロフェッショナルになる(自己成長のためのドラッカー思考)

のうち、これまで1番目から3番目について説明してきた。今回は4番目のチームについてである。


◆貢献がチームワークを可能にする

まず、ドラッカーのチームマネジメントには大きな前提がある。それは、

組織はもはや権力によっては成立しない。信頼によって成立する。信頼とは好き嫌いではない。信じ合うことである。そのためには、たがいに理解しなければならない。たがいの関係について、たがいに責任をもたなければならない。(明日を支配するもの)

という前提である。そして、たがいに理解し、たがいに責任をもつには、計画のところでも出てきた「貢献」が重要である。貢献についてドラッカーは以下の様にのべている。

果たすべき貢献を考えることによって、横へのコミュニケーションが可能になり、チームワークが可能になる。自らの生む出すものが成果に結びつくには誰にそれを利用してもらうべきかとの問いが、命令系統の上でも下でもない人たちの大切さを浮き彫りにする(経営者の条件)

つまり、「貢献を考えることがコミュニケーションを活性化し、チームワークを可能にする」と指摘している。この感覚はいろいろな意味でおもしろい。組織や社会における貢献はすべからくそうだといえなくもない。例えば、以下の2つの問いについて考えて見て欲しい。

あなたが依存しているのは誰か
あなたが影響を与えているのは誰か

この問いについて深く考えていくと、貢献により初めてチームワークが可能になることが容易に分かる。このことはドラッカーの指摘するとおり、命令系統とはまったく別のものである。つまり、チームなのだ。チームにおいては、チームリーダーも果たすべき貢献を考える。それは強力なリーダーシップであることもあれば、サーバントリーダーシップであることもあるだろう。

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2011年11月10日 (木)

【PMスタイル考】第25話:ドラッカースタイル~計画編

Style◆ドラッカーの思考体系

今回は、ドラッカー思考の体系をプロジェクトマネジメントに適用する際の7つの視点

1.成果を上げる(成果を大きくするドラッカー思考)
2.価値をもたらす計画をたてる(戦略と計画に関するドラッカー思考)
3.顧客を中心に考える(顧客に関するドラッカー思考)
4.チームを動かす(チームのパフォーマンスを高めるドラッカー思考)
5.マネジメントを極める(プロジェクト品質を向上させるドラッカー思考)
6.イノベーションを実現する(技術を有効に活用するためのドラッカー思考)
7.プロフェッショナルになる(自己成長のためのドラッカー思考)

の2番目、「価値をもたらす計画をたてる」について考える。

◆計画とは

計画とは目標とその目標の達成手段である。

プロジェクトの計画の策定が難しいのは、「適切」な目標を設定することが難しいためである。たとえば、スコープとスケジュールとコストの目標をバランスよく設定するのは至難の業であると同時に、プロジェクトマネジャーの力量が力量を発揮できる局面でもある。しかし、残念ながら多くの組織では「制約条件」という形で「目標」を与えており、プロジェクトマネジャーが目標設定において力量を発揮することは少ない。

このような風潮は一考の余地がある。制約条件は最低の制約条件であって、より上位(経営上)の制約や顧客からの制約に対してぎりぎりの条件である必要はない。むしろ、そのような制約条件がプロジェクトに与えられているとすれば、プロジェクトスポンサー失格の烙印を押されてもおかしくない。

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【一期一会】プロジェクトリーダーのための戦略力講座

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【狙い】プロジェクトリーダーとしての戦略力を身につけ、プロジェクトの局面で発揮できるようになる

【対象者】プロジェクトマネジャー、プロジェクトスポンサー

【効果】戦略思考について理解するとともに、プロジェクトにおける戦略思考に必要な思考ツールの使い方を身につける
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__《 このセミナーの効用は 》___________

知識を得る   ★★★★
実行力を高める ★★★★
思考力を高める ★★★★★


__《 このセミナーへのイントロ 》___________

企業においてプロジェクトは戦略の実行手段です。そして、戦略の実行は、上から具体的にこうしなさいという類のものではなく、すべてのプロジェクトリーダーは、戦略を解釈し、戦略をプロジェクトに反映していくことが求められます。

これだけでもプロジェクトリーダーは戦略力が必要として十分なのですが、それ以外でも戦略力が重要な局面は数多くあります。

代表的な局面の一つは、計画です。計画は戦略的に策定する必要があります。戦略的に計画を策定するとは、プロジェクトの目的や目標を十分に絞り込み、その目標が達成できることが裏打ちされた計画を作ることです。目標を達成する計画を作ることはそんなに難しいことではありませんが、プロジェクトには、多くの制約条件があります。制約条件をクリアできる計画を作るには、目標達成の方法よりは、目標設定そのものを戦略的に考える必要があります。つまり、目的を実現することと制約をクリアすることのバランスを考えた上で、十分に考えた目標の設定をする必要があります。

また、プロジェクトの実行においても戦略力は不可欠です。いくら考え抜いた計画でも、プロジェクトは必ず計画通りに実行できるとは限りません。それは前提条件が変わったり、あるいは設定した前提条件が間違っていたりするためです。

プロジェクトが計画通りに進まない場合、もっとも重要なのは戦略的な判断です。たとえば、スケジュールが遅れてきたとします。逆に目先のスケジュールの回復だけしか考えないと、だんだん、状況を悪化させることになりかねません。

目先のスケジュールなどの問題解決だけに集中するのではなく、目的に立ち返り、このあとをどのように進めていくかを判断することが求められます。これが戦略的な判断です。

このように戦略力というコンセプチュアルスキルは、不確実性の中で仕事をしているプロジェクトマネジャーにとって不可欠なものです。

 

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2011年11月 7日 (月)

ブログ、SNS、メールマガジンのフォーメーション

現在、有限会社エム・アンド・ティが運用しているメルマガやSNSには、以下の6つがあります。

(1)PM養成マガジン(PMのメルマガ)

(2)戦略実行プロフェショナル(MBPのメルマガ)

(3)PMstyle+(PMstyle会員向けメルマガ)

(4)PMstyle Mail(PMstyleメール会員向けメルマガ)

(5)PMstyle_tw(PMstyle公式Twitterアカウント)

(6)PMstyle facebookページ(PMstyle公式facebookページ)


位置づけは、それぞれ右の()内に書いてあるとおりです。

PM養成マガジンの1000号発行を契機に、「プロジェクトの補助線ブログ」の位置づけを変更したのは、すでにお知らせしたとおりですが、各メディアの間の関係の見直しもしました。

メ ルマガの未着は以前より問題になっていましたが、1000号の調査で、Twitterやfacebookなど、SNS系へのアクセスができない企業が思っ たより多く、つまるところ、どれかのメディアにアクセスしていれば、おおよそ、すべての情報が入手できるようにするしかないという結論に至りました。

ただ、このようなやり方をするのは、パーミッションが希薄(曖昧)になり、スパムだと感じる人が増えると思われますのであまり良いとは思えません。

そこで、この機に、メルマガの発行を個人の活動の支援するという発刊の理念に立ち返ることにしました。つまり

(1)個人のメールアドレス
(2)個人のネットアクセス環境

の2つがあることを前提にして、考えることにしました。つまり、プライベートにメルマガを受けているということです。

お そらく、このメルマガを始めたころと比べると、このような前提は現実的というか、実現されているといってもよい状況になっていると思います。ドコモの調査 によると、次の携帯はスマートフォンと考えている人が80%を超えているそうです。携帯電話端末の平均使用年数3~4年ですので、早晩、ほとんどの人がス マートフォンでフリーのアドレスでインターネットにアクセスする日が来ると思われます。

このように考えて、ベストだと思われるのが下のような体系です。




Formation

 

おそらく、今より利便性が悪くなる人はいないと思って描いた図ですが、もし、不都合になったいう方がいらっしゃれば、ぜひ、PMstyle事務局までご一報ください。対応を一緒に考えさせて戴こうと思います。

お問い合わせ先:PMstyle事務局
営業時間:月~金 10:00~18:00(年末年始、土日祝日を除く)
電話:03-5537-7599
Eメール  こちらをクリックしてください

【PMスタイル考】第24話:ドラッカースタイル~顧客編

Style◆ドラッカーの思考体系

今回は、ドラッカー思考の体系をプロジェクトマネジメントに適用する際の7つの視点

1.成果を上げる(成果を大きくするドラッカー思考)
2.価値をもたらす計画をたてる(戦略と計画に関するドラッカー思考)
3.顧客を中心に考える(顧客に関するドラッカー思考)
4.チームを動かす(チームのパフォーマンスを高めるドラッカー思考)
5.マネジメントを極める(プロジェクト品質を向上させるドラッカー思考)
6.イノベーションを実現する(技術を有効に活用するためのドラッカー思考)
7.プロフェッショナルになる(自己成長のためのドラッカー思考)

の3番目、「顧客を中心に考える」を考える。

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