まずは、やらないことを決める
お奨め度:★★★★★
ピーター・ブレグマンはハーバード・ビジネス・レビューのサイトで最大の閲覧数を記録した人気のコラムニストである。彼のコラムをまとめた本がこれ。
46項目にわたる、少し、常識と異なることをさらっと述べている。内容は極めて濃い。
堀 公俊、加藤 彰「アイデア・イノベーション―創発を生むチーム発想術」、日本経済新聞出版社(2012)
お奨め度:★★★★★
PMstyleでお世話になっている加藤彰さんが、堀 公俊さんと共著されているファシリテーターのバイブル「ファシリテーション・スキルズ・シリーズ」に新刊が出ました。
ケン・シーガル(林 信行監修・解説、高橋 則明訳)「Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学」、NHK出版(2012)
お奨め度:★★★★★+α
facebookページ:「「シンプル」に忠誠を尽し、複雑さと戦う」
アップルの「Think Different」キャンペーンにたずさわり、iMacを命名した伝説のクリエイティブ・ディレクターであるケン・シーガルが初めて明かす、ビジネスとクリエイティブにおける「シンプル」という哲学。多数あるアップル本、ジョブズ本とは一線を画しているのは、ケン・シーガルのデルなど他の企業における経験の紹介がスパイスのように効いている点だ。
坂根 正弘「言葉力が人を動かす―結果を出すリーダーの見方・考え方・話し方」、東洋経済新報社(2012)
お奨め度:★★★★★
facebook記事:「結果を出すコミュニケーション」
坂根正弘氏は、21世紀に入ってからコマツの業績をV字回復させ、真の意味でグロ
ーバルな企業に育て上げた名経営者である。その坂根会長が、自らの経験に基づいて展開するコミュニケーション論。コミュニケーションという言葉から、多くの人は対人的なコミュニケーション(マンツーマン、あるいはチームコミュニケーション)を思い浮かべると思うが、この本でいうコミュニケーションは組織的なコミュニケーションである。組織的コミュニケーションは、対人的なコミュニケーションほど意識されないが、リーダーは組織的コミュニケーションに熟達し、組織を動かさなくてはできなくては仕事ができない。そのような問題意識を持っている人にぜひ、組織的コミュニケーションの達人の書いた本書をぜひ読んでいただきたい。
デニー・ストリグル、フランク・スウィアテク(川村 透訳)「「叩き上げCEO」が明かす結果にこだわる思考法」、日本経済新聞出版社(2012)
お奨め度:★★★★★
電話設置の現場担当からベライゾン・ワイヤレスのトップに上り詰めたデニー・ストリグルのマネジメント論。マネジメントの4大原則を中心に、マネジャーがすべきことをまとめた内容は、非常に実践的であり、具体的である。この紹介記事では、もっとも概念的な指摘をお伝えするが、各項目について、これを1段階~2段階、具体化した内容の書籍であると思って戴けばよい。
サイモン・シネック(栗木 さつき訳)「WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う」、日本経済新聞出版社(2012)
お奨め度:★★★★
facebook記事:チームをインスパイアする
人をインスパイアすることをテーマに、リーダーシップのあり方を論じた一冊。視点は、WHYから始め、HOW、WHATと考えていくことだ。ジョブズに焦点を当てているわけでもなく、さまざまなリーダーの事例を引き合いに論じられていて、非常に納得性がある。
アトゥール ガワンデ(吉田 竜訳)「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】」、晋遊舎(2011)
お奨め度:★★★★★+α
facebookページ記事:「チェックリストは深い!」
チェックリストの力を信じる外科医アトゥール・ガワンデが提言する「チェックリスト」作成のススメ。著者は医者であると同時にジャーナリストでもあり、医療だけではなく、経営、投資、飛行機、建築、料理などでもチェックリストが使われており、驚くような成果が生まれていることを事例を通じて紹介している。読み物としても抜群に面白い。
遠藤 功「伸び続ける会社の「ノリ」の法則」、日本経済新聞出版社(2011)
お奨め度:★★★★★
facebook記事「「ノリ」を生み出し仕組みづくり」
「現場力を鍛える」、「「日本品質」で世界を制す!」など、比較的、硬派の論調で知られる著者の「ノリ」論。これまでの著作を読んでいる人は何となく、底辺で通じているものを感じながら読める組織活性化論。
シャーリーン・リー(村井章子訳)「フェイスブック時代のオープン企業戦略」、朝日新聞出版(2011)
お奨め度:★★★★★+α
顧客に対しても、社内においても、オープン戦略が取られ始めている。まだ、大きなうねりになっているとまではいかないが、止まる流れではない。特に、Twitter、facebookの急速な普及は、この流れを加速すると見られている。そのような中で、組織やリーダーシップはどうあるべきかを論じた一冊。原題は、35ドル支払ったオンライン調査で圧倒的に人気だった「オープンリーダーシップ」だった。微妙な邦題だが、基本的にはオープンリーダーシップの本である。
鈴木 裕子「ストーリーで体験を語れば人の心を動かせる」、こう書房(2011)
お奨め度:★★★★
ストーリーを使って、納得と共感を生み出すプレゼンテーション、コミュニケーション、説明、説得を行うフレームワークについて解説した本。ストーリー・テリングはぼちぼちと本が出ており、提案されているフレームもあるが、この本ほど、具体的な方法論を示した本はない。一方で、楠本先生の「ストーリーとしての競争戦略」のヒットで、ストーリー・テリングへの関心はかつてないほど高まっている。ストーリーを作って、コミュニケーションを行うための最初のステップに最適の一冊。
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