人材マネジメント Feed

2005年4月 1日 (金)

実務家が読める人的資源マネジメントのバイブル

4820116843 ポール ハーシィ、デューイ・E. ジョンソン、ケネス・H. ブランチャード「入門から応用へ 行動科学の展開―人的資源の活用」、生産性出版(2000)

お奨め度:★★★★1/2

行動科学のバイブル。

経営学の大学や大学院で使うテキストと思うなかれ。ヒューマンリソースマネジメントに関して問題にあたったら、一度はこの本を紐解いてみるとよい。何かヒントが見つかると思う。

この本そのものが実践的というよりも、人的資源管理というのは、そもそも、そういう分野だという気もするが、実務家が読めるような書き方がされているのは明らかにこの本の卓越したところだ。

おそらく、この本で書かれているトピックスをこれだけ実務家向けに書いている本はほかにはないだろう。

<目次>

マネジメント―ある行動科学的アプローチ
意欲と行動
意欲を育む状況条件
リーダーシップ
リーダーシップ―状況対応アプローチ
リーダーの効果性決定
状況(環境)を診断する
状況対応リーダーシップ
状況対応リーダーシップ、意識、そしてパワー
人的資源の開発
建設的指導矯正
効果的関係の構築
グループ・ダイナミクス
状況対応リーダーシップの導入
計画と変革の実施
経営管理論の統合

2005年2月10日 (木)

リーダシップの価値

B0007lnqzi09lzzzzzzz Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー)2005年03月号

特集:リーダーシップ・バリューの創造

詳細目次はこちら(アマゾンではありません。ダイヤモンド社のサイトですので、ご注意ください)

好川の参考になった記事ベスト3

(1)髙木晴夫、渡邊有貴「リーダーシップR&D」

リーダーの育成方法として「リーダーシップのR&D活動」というチャレンジを提唱する。優れたリーダーは、マネジメントの教科書が教える理論や知識では理解できない非合理的な意思決定を下す能力はいかなるものなのかを科学し、この優れた能力を学習する方法を見出す。

(2)マイケル・マコビー「転移の力:フォロワーシップの心理学」

フロイトが発見した「転移」により、自分のリーダーシップがかえって部下の反発を招いている。部下たちは、上司やリーダーを父親もしくは母親、兄弟姉妹と見なすのだ。リーダーが心得ておくべき知識として、この転移のメカニズムを解説している。

(3)ティモシー・バトラー、ジェームズ・ウォルドルー「「対人関係力」のマネジメント」

延べ7000人以上の専門職社員を対象にした心理テストの結果、対人関係力として、「影響力」「チーム・リーダーシップ」「人間関係の円滑化」「対人関係面での創造性」の4つがあることが明らかになった。これらについての解説と共に、マネジメント法を論じている。

2005年1月13日 (木)

プロジェクトマネージャー・コンピテンシー開発体系―PMI標準

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プロジェクトマネジメント協会:「プロジェクトマネージャー・コンピテンシー開発体系―PMI標準」、テクノ

お奨め度:★★★

Project Management Competency Development Framework(PMCDF)の翻訳。好川も監修者の一人として参加しました。

内容的には、プロジェクトマネージャーの知識(ナレッジコンピテンス)、スキル(パフォーマンスコンピテンス)、行動特性(パーソナルコンピテンス)の3つに分けて、コンピテンシーの記述とアセスメントの方法が書かれています。

で、内容ですが、PMBOKの知識とスキルのアセスメントには見るべきものがありますが、これだけでPMコンピテンシーは表現できないだろうという感じです。もっとも、PMBOKを対象にした体系ですので、PMBOKに基づくマネジメントを成功させるコンピテンシーはこんなものかもしれないと思わないでもありませんが、、、

PMBOKガイドと同じく、常に持っていて、参照しながら使うと有効だと思いますが、そういう使い方をするには5000円は高いですね。

プロジェクトマネージャーが成功する法則

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好川哲人:「プロジェクトマネージャーが成功する法則―プロジェクトを牽引できるリーダーの心得とスキル」、技術評論社(2003)

プロジェクトマネージャーが成功する法則

 プロジェクトマネジメントについて説明した本は山ほどある。プロジェクトマネジメントが普及してきた証拠だろう。

 プロジェクトマネジメントには、PMBOKのような「仕組み」や、ISO9000のような「ルール」としての側面と、「プロジェクトマネージャーの仕事」としての側面がある。もちろん、プロジェクトマネージャーの仕事の多くは、「仕組み」の運用であったり、あるいは、「ルール」に則って行われる。その中で、最近、注目されているのが、単に、「仕組み」の運用た、「ルール」に則った業務を如何に上手に行うかだ。つまり、プロジェクトマネジメントではなく、「PMコンピテンシー」である。

 これには背景がある。プロジェクトには「不確実性」があるため、単に「仕組み」をつくり、「ルール」を作り、「ツール」を導入してもどうもうまく進まないことがわかってきた。よほど上手に行わないと、プロジェクトの成功はおぼつかない。現に、そこら中に失敗プロジェクトが氾濫している。

 何が必要なのか?大きく分けると3つある。一つ目は、いわゆるスキルである。スキルというのは、仕組みやルールを使いこなすためのメタな知識である。これは主に、経験により蓄積されていく。二つ目は、ものの考え方である。そして三つ目は、これらの知識や考え方を行動に結び付けていくヒューマンスキルである。これはパーソナルコンピテンシーとも呼ばれる。この3つが有機的に、プロジェクトマネジメントの知識と結びついて初めて、PMコンピテンシーは発揮されるし、プロジェクトも成功する。

 前置きが長くなったが、再び出版物に話を戻すと、「PMコンピテンシー」そのものについていは、PMIのPMCDのようにすでに出版物が存在している。ところが、どのようなことを知り、どのように考え、どのように行動すれば、「PMコンピテンシー」が高まるのかを体系的に解決した本はない。

 本書は、これを、マネジメントプロセス、戦略、手法、問題解決、パーソナルコンピテンシー、経験という6つの側面から、体系的に説明しようとしている。常に、プロジェクトマネージャーが手元に一冊置き、プロジェクトマネージャーとしての成功をおさめてほしい!

 なお、本書は、プロジェクトマネージャー養成マガジンという著者が発行するメルマガがベースになって構成されている本である。メルマガと併せて読むとより一層効果的であるので、ぜひ、メルマガも購読してほしい。

 プロジェクトマネージャー養成マガジン(無料)
 プロジェクトマネージャー養成マガジン・プロフェッショナル(有料)
【目次】
1章 プロジェクトマネジメントとは
1-1 なぜプロジェクトマネジメントなのか
1-2 プロジェクトとプロジェクトマネジメントとの関係
1-3 開発マネジメントとプロジェクトマネジメント
1-4 プロジェクトマネージャーの仕事と役割
2章 プロジェクトのマネジメントプロセス
2-1 プロジェクトマネジメントプロセス
2-2 CPCCのマネジメントプロセス
2-3 プロジェクト組織の構成

3章 プロジェクトマネージャー論
3-1 プロジェクトマネージャーとは
3-2 マネージャーと管理者の違い
3-3 プロジェクトマネージャーに必要なスキル
3-4 プロジェクトマネージャー自己開発プロセス
3-5 プロジェクトマネージャーに必要なコンピテンシー

4章 プロジェクトマネージャーの戦略的思考
4-1 企画・計画の戦略① プロジェクトシナリオを考える
4-2 企画・計画の戦略② プロアクティブにリスクを考える
4-3 計画の戦略 スコープ
4-4 計画・コントロールの戦略① 費用対効果
4-5 計画・コントロールの戦略② 仮説検証プロセス
4-6 コントロールの戦略 プロジェクトのクオリティ
4-7 終結の戦略 プロジェクトマネジメントの成熟度
4-8 ステークホルダマネジメントの戦略 プロジェクトマネジメントにおける
顧客満足
4-9 チームマネジメントの戦略 チームビルディング
4-10 コミュニケーションマネジメントの戦略 プロアクティブコミュニケーション
4-11 統合戦略 プロジェクトワークプレイス

5章 プロジェクトマネージャーが知るべき手法
5-1 WBSとマイルストーンで作業を具体化する
5-2 WBSでスケジュールをつくる
5-3 PERT分析で所要期間を見積もる
5-4 クリティカルパスでプロジェクトの遅延を防ぐ
5-5 EVMSで進捗を管理する
5-6 リスクをマネジメントする
5-7 プロジェクト憲章でプロジェクトの目的を共有する
5-8 コストの見積もりと予算の配賦の方法
5-9 クリティカルチューンで計画を管理する

6章 プロジェクトマネージャーのための問題解決法
6-1 プロジェクトにおける問題解決とは
6-2 問題はプロジェクトの中で解決するか
6-3 MECEでモレなくダブリなくリスクを洗い出す
6-4 ロジックツリーで問題を分析する
6-5 システム思考で複雑な問題を解決する
6-6 トレンド分析でプロジェクトの状態を把握する
6-7 フィッシュボーンダイアグラムで原因を分析する
7章 プロジェクトマネージャーの行動スキル
7-1 できるプロジェクトマネージャーに必要なコンピテンシー
7-2 コンピテンシーモデルを理解する
7-3 プロジェクトマネージャーのリーダーシップ
7-4 サーバントリーダーシップ
7-5 ファシリテーションとしてのミーティングマネジメント
8章 プロジェクトマネージャーのレッスンズラーンド
8-1 プロジェクトにおける失敗の整理
8-2 ケース1 コミュニケーション不足
8-3 ケース2 プロジェクトマネージャーの選定
8-4 ケース3 顧客から追加の要求が発生
8-5 ケース4 プロジェクト目的があいまい
8-6 ケース5 見積もりの感覚
8-7 ケース6 あいまいな進捗報告
8-8 ケース7 管理ミス

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