経営戦略 Feed

2008年5月24日 (土)

ジョン・ネスビッツは、何をみて、どう考えているか?

447876106xジョン・ネスビッツ(本田 直之監修、門田 美鈴訳)「マインドセット ものを考える力」、ダイヤモンド社(2008)

お薦め度:★★★★★

マインドセットは

経験、教育、先入観などから形成される思考様式、心理状態

という意味でつかわれる言葉である。人間の思考様式や、心理状態というのは一面的に捉えることはできず、多面的にとらえるために、「セット(集合)」として認識される。

まず、このマインドセットの言葉の意味を念頭において欲しい。

さて、本書は世界の未来像を描き、社会に大きなインパクトを与えた「メガトレンド」の著者、未来学者ジョン・ネスビッツが書いた未来を読み解くためのマインドセットを書いた本である。

序文の中で、ネスビッツは、私には未来が予測でき、多くの人には予測できない理由はマインドセットの違いにあると指摘し、このマインドセットを身につければ、ジョン・ネスビッツのごとく、未来を予測できると説く。

さて、そのマインドセットとは以下の11である。

マインドセット1 変わらないもののほうが多い
マインドセット2 未来は現在に組み込まれている
マインドセット3 ゲームのスコアに注目せよ
マインドセット4 正しくある必要はないことを理解せよ
マインドセット5 未来はジグソーパズルだ
マインドセット6 パレードの先を行きすぎるな
マインドセット7 変わるか否かは利益次第である
マインドセット8 物事は、常に予想より遅く起きる
マインドセット9 結果を得るには、問題解決よりもチャンスを生かすべし
マインドセット10 足し算は引き算の後で
マインドセット11 テクノロジーの生態を考える

社会的な問題だけではない。たとえば、自分の会社の将来の姿を見たいとき、自分の事業の先を考えてみたいとき、この11の視点から考えることによって、適切な未来像が見えてくるだろう。

第2部では、この11のマインドセットを用いて、実際にジョン・ネスビッツが未来図を描いてみせている。メガトレンドと似ているものもあるが、この本のマインドセットの解説を読んでから読んでみると、また、別の面白さがある。

ついでだが、この本、「レバレッジ・リーディング」の著者、本田直之氏の監訳で、コメントを寄せている。このメッセージを読むと、レバレッジ・リーディングってこういうことかって分かる(笑)。

最後にもう一つ、おまけ。本書に併せたわけでもないだろうが、未来のリーダーシップ論として、ピーター・センゲの「出現する未来」とともに注目されているハワード・ガードナーの「Five Minds for the future」が翻訳された。

4270003308ハワード・ガードナー(中瀬 英樹)「知的な未来をつくる「五つの心」」、ランダムハウス講談社(2008)

この本もいずれ書評しようと思うが、この本は、未来のリーダーは

・熟練した心
・統合する心
・想像する心
・尊敬する心
・倫理的な心

の5つのマインドセットが必要だと説いている。未来リーダーを目指す人は併せて読んでみてほしい。

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2008年5月 8日 (木)

部長の仕事を再考する

4480064214 吉村典久「部長の経営学」、筑摩書房(2008)

お薦め度:★★★

3か月ほど前に出版された「課長の教科書」という本がずいぶん話題になった。「課長の教科書」のオビに、「本書こそが、今、日本で最も読まれるべき本である」というキャッチが掲載されていたが、必ず読まれるべき本というのであれば、この本ではないかと思う。

大学の先生が書いた本であるので、わかりにくいが、指摘している内容は極めて重要で、ミドルが経営(企業統治)にどのようにかかわっていけばよいかという問題の基本的な考え方を述べた本である。

日本の組織は欧米に比べると現場が強い。その源泉はミドルマネジャーである。ただ、この図式が通じなくなってきた。この本でも指摘されているとおり、従来はよいものを作れば売れた。したがって、戦略(のダイナミックス)が現場の活動に大きな影響を与えることはなかった。幸之助哲学に代表されるように、(品質の)よいものを作れば売れる。よいものを売ることによって世の中に貢献し、また、収益を上げることもできるという普遍性のある「経営戦略」があったともいえる。

このような状況では、何を作ればよいかは現場が決めることができる。

ところが、求めるものが「よいもの」から、「好きなもの」に変わってきた。こうなってくると厄介である。好きなものはどんどん変わるからだ。今日まで売れていたものが、明日も売れるという保証などないのだ。

こうなってくると、現場だけでは何を作ればよいかを決めることができない。また、売れそうなものが作れたとしても従来のようにその存在が分かれば売れるほど単純でもなくなってきた。売れそうなものを売るための仕組み作りが必要になってきた。こうなると、現場だけではどうしようもない。ここで過剰反応が起こり、トップダウンの戦略経営に一挙に舵を切った。

誤解を恐れずにいえば、ある意味で、これまではミドルは現場を見て仕事をしてきた。だから、現場が強かった。下意上達の役割をはたしてきたのだ。ところが、これからは上に述べた経営環境の変化により、本当の意味で経営と現場の結節点になってきた。結節点とは、上意下達でも、下意上達でもない。自分のポジションに情報を集めて、自身の判断で上と下を動かしていくような働きが必要である。この本はこのような役割を果たすミドルを「モノを言うミドル」と呼び、モノを言うミドルがどのようなスタンスでモノを言い、また、仕組みを作っていかなくてはならないかを経営全般について説明している。まさに、部長の仕事を書いた一冊である。課長にはちょっと荷が重いと思うが、部長になっていく課長には必読の一冊だろう。

ただし、大学の先生の本であるので、やたらと理屈っぽいし、決して読みやすい本ではない。また、ガバナンス論や現在の企業統治のやり方への批判にページを割きすぎている感もある。まあ、この辺が経営論ではなく、経営学というタイトルのゆえんだろう。

ただ、ミドルの仕事の出発点は企業統治であることを考えると、こういった本を考えながら統治について真剣に考えてみることも必要だろうと思う。その意味で、読むに値する一冊である。

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2007年12月 5日 (水)

プロジェクトXの経営学

462304873x 佐々木 利廣「チャレンジ精神の源流―プロジェクトXの経営学」、ミネルヴャ書房(2007)

お薦め度:★★★★1/2

プロジェクトXにはまっています。なぜから、こういう連載を始めたからです。

プロジェクトXにみるスポンサーシップ

プロジェクトXというと、そのネーミングからか、プロジェクトマネジメントの視点から取り上げられることが多い。しかし、プロジェクトXというのはプロジェクトマネジメントについて問われるべきものではなく、「プロジェクトのマネジメント」について問われるべきものである。つまり、経営組織がプロジェクトをどのように行っていったかをテーマにしているものは極めて多い(もちろん、純粋なプロジェクトものもあるが)。

ということで、八重洲ブックセンターにいきプロジェクトXの本を探していたら、面白い本があった。これがこれ。

まとめ方も面白く、NHKのプロジェクトXはなぜ、面白いかという視点からまとめている。まとめたのは、京都産業大学の先生たち。分析視点は
・新規事業創造
・製品開発と企業間協調
・イノベーションと産業発展
・新市場の開拓とマーケティング戦略
・経営の国際化と組織学習
・組織間の異種協働
・リーダーシップとリーダー・フォロワーの関係
の関係。この視点の設定はたいへん、面白いし、参考になった。NHKのストーリーがプロジェクトにフォーカスしているので、その背後や環境をうまく抽出する視点だからだ。

ただし、分析は、教科書のような分析なので、経営学の教科書かと突っ込みたくなるような内容。もう少し、突っ込んでほしかった(実際に教科書として使っているようなので、そのためかもしれない)。

ということで、試みは評価したいし、この本を読んでプロジェクトXを見ると、見方が変わると思う(実際にやってみたらそうだった)。その意味でも意味があると思う。本当は★3つ半くらいにしたいのだが、★1個はその点でのおまけ。

また、プロジェクトマネジャーが、自分の置かれている立場を確認するためにも読んでほしい1冊である。

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2007年11月16日 (金)

日本における合理的経営の追求

4492501762 西尾久美子「京都花街の経営学」、東洋経済新報社(2007)

お薦め度:★★★

経営学者である著者が、5年にわたるフィールドワークを経て、京都の花街のビジネスシステムを分析し、まとめた一冊。内容は非常に面白いし、置屋のシステムを中心にして全体を分析しているのも納得できる。ただし、フィールドワークが中心で、現在のシステムについての分析が中心であるためか、置屋の話も読み物レベルで、本質がえぐりだされていないのではないかという感想を持った。

それはそうとして、花街のビジネスシステムをうまく、ベストプラクティスとして切り出しているので、ベストプラクティスとしては参考になる点が多い。置屋というと日本的なものだと思われているかもしれないが、実態は違う。最も大きな違いはリスクマネジメントである。

高いレベルの顧客満足を実現しようとした場合に、いろいろな面でリスクを取る必要がある。取引もそうだし、人材育成もそうである。花街のビジネスシステムは、リスクを取ることを前提にして、リスク管理を徹底する点に特徴がある。これは、欧米のマネジメントの考え方に近い。

それを日本の人間関係の中でいかに行うかに置屋システムの秘密があることまでは、よくわかる本である。

シニアマネジャー、経営者、プロジェクトスポンサーなどのお薦めしたい一冊である。

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2007年9月24日 (月)

日本組織の病巣「組織の<重さ>」

4532133378 沼上 幹、軽部 大、加藤 俊彦、田中一弘、島本実著「組織の〈重さ〉―日本的企業組織の再点検」、日本経済新聞社(2007)

お勧め度:★★★★1/2

日本企業の強さの源泉であると考えられてきた創発戦略の創出と実行が機能不全に陥っている。その原因は、「重い組織」にある。つまり、「重い組織」が経営政策を阻害し非合理的な戦略を創発していることにあるという。

この日本組織の病巣ともいえる仮説を沼上先生らしいフィールドスタディで徹底的に調査している価値のある一冊。

研究論文に基づいて書かれた本のようで、問題提起にとどまっているが、この本を読んで連想したのが、柴田昌治氏のこの本。

なぜ社員はやる気をなくしているのか~働きがいを生むスポンサーシップ」、日本経済新聞社(2007)

柴田氏がこの本で指摘していることを、膨大な調査で裏付けたような形になっている。ということは、この問題の解決策のひとつが柴田氏が必要だと指摘するスポンサーシップであることは間違いない。

日本組織がどのように変わってきているかということを考えてみたときに、はやり、スポンサーシップ(とは昔は言わなかったが)の欠如に行き着くように思う。その原因は柴田氏も指摘しているように業績主義にある。沼上先生の言われる重さは、業績主義と環境づくりのバランスの悪さゆえに出てきているように思う。

一方で、もう、おそらく昔に戻ることはできない。そう考えると、今すべきことは、重さの解消を仕組みとして実現していくことだ。そのひとつがスポンサーシップであることは間違いない。

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2007年9月21日 (金)

今、注目される「個を活かす組織」

4478001944 クリストファー・バートレット、スマントラ・ゴシャール(グロービス経営大学院訳)「【新装版】個を活かす企業」、ダイヤモンド社(2007)

お奨め度:★★★★1/2

クリストファー・バーレットとスマントラ・ゴシャールの「The Individualized Corporation」が新装版として出版された。ちょうど、原書が出版されて10年になる。

序文には今は亡き、スマントラ・ゴシャールへの追悼もこめて、現代的な「Individualized Corporation」の意味について述べている。また、今回、翻訳を担当したグロービス経営大学院の方があとがきで、組織変革をめぐる日本の状況の変化について述べられている。

旧版は組織行動論の名作「組織行動のマネジメント―入門から実践へ」と同じシリーズで出版されているが、この時期に改めてハードカバーの立派な本として出版した出版社の英断に拍手を送りたい。

内容的には上に述べた追加があるが、基本的に変わらない。訳はかなり、洗練されているように思う。

このブログを初めてから売れた本の中で、PMBOKとこのブログの家主である好川の本を除いて一番売れている本は、スマントラ・ゴシャールの、「意志力革命」である。意志力革命に至る思考プロセスを知る上でこの本の持つ意味は大きく、今回の企画は非常にうれしい。

なお、この後に旧版の書評(2005年8月2日)をつけているので、内容はそちらを参考にしてほしい。

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2007年8月13日 (月)

日本のプロジェクトマネジメントオフィス

4883732460_2 仲村薫編著「PMO構築事例・実践法―プロジェクト・マネジメント・オフィス」、ソフトリサーチセンター(2007)

お奨め度:★★★★

日本では初のプロジェクトマネジメントオフィスに関する実践的な解説書。

アルテミスの仲村薫さんの編著で、仲村さんがまず、PMOの基本事項の解説をし、事例を各事例企業の人が書くというスタイルをとっている。取り上げられている事例は

・オムロン パスネットプロジェクト
・日立製作所 情報通信グループ
・三菱電機インフォメーションシステムズ
・NEC
・A社(失敗事例)
・自動車メーカ(マルチプロジェクトマネジメント)
・医薬品企業(開発管理)
・日本IBM研究開発部門

である。

次に、PMOの重点活動ということで

・プロジェクトマネジャーの育成
・ポートフォリオマネジメント

の2項目について、詳細な解説を事例を交えて行っている。解説はわかりやすく、また、事例が入っているので明確なイメージができる。

やっと日本人の書いたPMOの本が出てきた。それも、日本らしく、事例という形。

これまで、訳本では、仲村さんの翻訳された

4820117408_2 トーマス・ブロック、デビッドソン・フレーム(仲村 薫訳)「プロジェクトマネジメントオフィス―すべてのプロジェクトを成功に導く司令塔プロジェクトオフィスの機能と役割」、生産性出版(2002)

や、PMI東京の永谷事務局長がプロジェクトマネジャーを勤める翻訳チームが翻訳した

4885387086 ジョリオン・ハローズ(PMI東京訳)「プロジェクトマネジメント・オフィス・ツールキット」、テクノ(2005)

などの良書があったが、やはり、日本の組織に米国のPMOの流儀をそのまま持ち込むことは難しい。

その意味で、この仲村さんのまとめられた本は特別な意味があるのではないかと思う。

半年くらい前に、米国で出版事業をやっている知人から、プロジェクトマネジメントに関する出版点数に対してPMOの本がないのはどういうことだと聞かれたことがある。異様に感じるといっていた。ちなみに、米国ではプロジェクトマネジメントの本が500冊、PMOの本が50冊程度出版されており、このくらいの割合が普通ではないかといっていた。

これを契機に、日本でもPMOの本がどんどん、出てくることが望まれる。

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2007年7月27日 (金)

フロネシス(賢慮)型リーダーシップ

4757121970 野中郁次郎、紺野登「美徳の経営」、NTT出版(2007)

お奨め度:★★★★1/2

卓越した企業が、美しさとしたたかさを併せ持つ。このような企業をフロネシス(賢慮)という概念を中心に、作り上げていこうと説く一冊。

美徳の経営とは

「共通善を念頭に社会共同体の知を生かす経営」

であるとこの本では述べられている。まさに、米国型の経営に対する強烈なアンチテーゼである。非常に興味深く、また、この本の説得力を増しているのは、たくさんの事例が挙げられていることだ。

英国のコオペラティブ・バンク、バングラデシュのグラミン銀行、クラレや資生堂、財閥三井はどが、賢慮に基づく経営の例として取り上げられ、さらには、それらの企業が賢慮をどのように育成しているかを紹介している。

そして、これを人間に対するイノベーションだと位置づけており、そこに、著者たちの取り組んでいる「暗黙知」や「デザイン」が位置づけられる。そして、これから卓越した企業になっていくには不可欠であることを述べている。この中で、不祥事で有名になった企業をチクリとやっているのも見逃せない。

美徳とは何かという話だが、簡単にいえば、共通善によりもたらされるもので、CSRに通じていく概念である。その点でも、米国流の経営に対するアンチテーゼとして説得力のある話である。

昨年、小泉政権が終わり、安部政権が始まったときに打ち出したメッセージは「美しい」と「イノベーション」であった。このメッセージで漠然と思い浮かべたのがこの本にあるような内容だ。

若干迷走気味であるが、ぜひ、産業施策においても、ぜひ、このような方向性を見せてほしいものだ。そのヒントになる本である。

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2007年7月18日 (水)

実践マネジメントの金字塔

4532313368 マーク・マコーマック「ハーバードでは教えない実践経営学~ビジネス界の心理戦を勝ち抜け!」、日本経済新聞社(2007)

お奨め度:★★★★★

マネジメントには普遍の原則がある

とすれば、ドラッカーが膨大な著作で述べていることではなく、マーク・マコーマックがこの1冊の本で述べていることではないだろうか。マコーマックの名前を知らなくても、IMGという会社を知っている人は多いのではないだろうか?IMGの生みの親がマコーマックである。

ちょうど、サッカー界で中田選手が出てきたくらいから、日本でもスポーツ選手のマネジメントとマーケティングビジネスは認知されるようになってきたが、マコーマックがIGMを設立したのは1960年代である。いまや巨大な市場になっているこのビジネス分野を確立した人である。

マコーマックがこの本を上梓したのは僕が大学院を出て会社に入った年である。会社に入って5年目にあるきっかけで原書を読んだ。間違いなく、僕のマネジメント感に大きな影響を与えている。

突拍子のないことが書いてある本ではない。「人間」、「営業と交渉」、「企業経営」という非常にオーソドックスな分類でそれぞれを部として、基本事項を淡々と述べている。

例えば、人間だと

・人の心と読む

・印象付ける

・優位に立つ

・出世する

の4項目が並んでいる。

哲学はあるが、理屈っぽくない(ただし、心理学的にはたくさんの理論があるのだろうと思う)。これが20年以上、全世界で20年以上、読み続けられている理由だと思う。

みなさんもぜひ、手にとって見てほしい。マネジメント感が変わるかもしれない。すくなくとも、マネジメントとは何をすることかというのがわかるだろう。

蛇足だが、この時期に日経新聞社が翻訳に踏み切ったのは慧眼だと思う。いやというほど、類似書が出回りだしているからだ。本物を読んでみよう!

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2007年3月19日 (月)

イノベーションを成功させる組織

4901234986_01__aa240_sclzzzzzzz_v4414069 トニー・ダビラ、マーク・エプスタイン、ロバート・シェルトン(スカイライトコンサルティング訳)「イノベーション・マネジメント 成功を持続させる組織の構築」、英治出版(2007)

お奨め度:★★★★1/2

イノベーションのマネジメントを組織の視点から書いた本。イノベーションは偶発するものではなく、管理するものであるいうスタンスに立ち、具体的な方法を述べている。

その中心になるのが経営陣の「7つのルール」。

(1)イノベーションの戦略とポートフォリオを決定する際に、強力なリーダーシップを発揮する

(2)イノベーションを階差の基本精神に組み込む

(3)イノベーションの規模とタイプを経営戦略に合わせる

(4)創造性と価値獲得のバランスをうまくコントロールする

(5)組織内の抵抗勢力を抑える

(6)社内外にイノベーションのネットワークを構築する

(7)イノベーションに適切な評価指標と報奨制度を設ける

の7つである。

この本では、この7つのルールを実行していくための具体的な方策について解説している。経営者や組織マネジャーはもちろんであるが、現場のマネジャーにも読んでいただきたい一冊である。

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