2005年1月13日 (木)

A Guide To The Project Management Body Of Knowledge: PMBOK Guide (PMBOK Guides)

193069945X.01.LZZZZZZZ

Project Management Inst :"A Guide To The Project Management Body Of Knowledge: PMBOK Guide (PMBOK Guides) ",Project Management Inst (2004)

(CD-ROMつき;こちらがお奨め)
A Guide to the Project Management Body of Knowledge [CD-ROM]

お奨め度:★★★

ご存知、PMBOK3の英語版です。

PMI東京でもシソーラスを作っていますので、もう、英語版ではなく、日本語版の方がいいでしょう。ただし、日本語には「言霊」がありますので、その点だけは要注意です。

ISOは新版(2000年版)が出たときに、移行が大きな問題になりました。PMBOKは単に標準で、審査がないからそんなことはないといっている人がたくさんいます。

が、それは、クエスチョンです。2000年版と比較すると、詳細化されています。つまり、2000年版では決まっていなかったところが決まったわけです。

ところが、これまで決まっていなかったところは、マネジメントシステムから省略してもよいとかそういう問題ではありません。自分たちで補完してなにがしかのマネジメントのツールや手法を決めています。もし、それが、3版と違ったらどうなるか、、、

当然、マネジメントシステムを修正する必要があります。

ということで、自社のマネジメントのシステムが心配だという人は、ぜひ、早いうちに読んでみてください!

==========

banner_04人気ランキング投票! → クリック!

人気ビジネス・経済BLOG ← こっちも!

プロジェクトマネージャー・コンピテンシー開発体系―PMI標準

488538706X.09.LZZZZZZZ

プロジェクトマネジメント協会:「プロジェクトマネージャー・コンピテンシー開発体系―PMI標準」、テクノ

お奨め度:★★★

Project Management Competency Development Framework(PMCDF)の翻訳。好川も監修者の一人として参加しました。

内容的には、プロジェクトマネージャーの知識(ナレッジコンピテンス)、スキル(パフォーマンスコンピテンス)、行動特性(パーソナルコンピテンス)の3つに分けて、コンピテンシーの記述とアセスメントの方法が書かれています。

で、内容ですが、PMBOKの知識とスキルのアセスメントには見るべきものがありますが、これだけでPMコンピテンシーは表現できないだろうという感じです。もっとも、PMBOKを対象にした体系ですので、PMBOKに基づくマネジメントを成功させるコンピテンシーはこんなものかもしれないと思わないでもありませんが、、、

PMBOKガイドと同じく、常に持っていて、参照しながら使うと有効だと思いますが、そういう使い方をするには5000円は高いですね。

よくわかるPMP認定試験の合格対策

4774122017.09.LZZZZZZZ

野村隆昌:「よくわかるPMP認定試験の合格対策」、技術評論社(2004)

お奨め度:★★★★

野村さんから献本戴きました。ありがとうございました。

この本、PMP試験対策本の体裁をとっているが、PMBOKの解説書である。PMBOKの解説書というのはありそうで、意外とない。例えば、JPMFの副会長の佐藤義男さんの

改訂 PMBOKによるITプロジェクトマネジメント実践法―PMBOKガイド2000年版対応

のように適用について書いた良書はあるが、PMBOKというのがどのようなマネジメントをすることをイメージしているのかを詳細に記述した本がない。米国では、知識エリアごとに、そのような本があるところまで進んでいることを見ると、さびしい限りである。

その意味で、この書籍がPMBOKの解説が世の中にでてくるきっかけになればよいと願っている。

内容だが、少し、掘り起こし方が浅いように思う。これは書き手の問題ではなく、本の作り方の問題だろう。

プロジェクト成功への決め手―構想・企画から商談・契約まで

4901234625.09.LZZZZZZZ

井野弘:「プロジェクト成功への決め手―構想・企画から商談・契約まで」、英治出版(2004)

お奨め度:★★★1/2

井野弘さんから献本をいただきました。ありがとうございました。

ありそうで、なかった受発注というスコープまで扱った本である。書き方は、受注サイドの視点を、発注サイドの視点の両方から書かれているので、読みやすく、意欲的なオピニオン発信をする意欲作である。特に、受注側の視点をかなり具体的に、詳細に書いてあるのは特筆に値する。

好川の感想だが、問題提起は共感できるが、提案されている解決方法は情報化のテクニカルスキルへの依存はもう少し小さくし、マネジメントに依存した方が現実的ではないかと思った。

プロジェクトマネージャーが成功する法則

4774118583.09.LZZZZZZZ

好川哲人:「プロジェクトマネージャーが成功する法則―プロジェクトを牽引できるリーダーの心得とスキル」、技術評論社(2003)

プロジェクトマネージャーが成功する法則

 プロジェクトマネジメントについて説明した本は山ほどある。プロジェクトマネジメントが普及してきた証拠だろう。

 プロジェクトマネジメントには、PMBOKのような「仕組み」や、ISO9000のような「ルール」としての側面と、「プロジェクトマネージャーの仕事」としての側面がある。もちろん、プロジェクトマネージャーの仕事の多くは、「仕組み」の運用であったり、あるいは、「ルール」に則って行われる。その中で、最近、注目されているのが、単に、「仕組み」の運用た、「ルール」に則った業務を如何に上手に行うかだ。つまり、プロジェクトマネジメントではなく、「PMコンピテンシー」である。

 これには背景がある。プロジェクトには「不確実性」があるため、単に「仕組み」をつくり、「ルール」を作り、「ツール」を導入してもどうもうまく進まないことがわかってきた。よほど上手に行わないと、プロジェクトの成功はおぼつかない。現に、そこら中に失敗プロジェクトが氾濫している。

 何が必要なのか?大きく分けると3つある。一つ目は、いわゆるスキルである。スキルというのは、仕組みやルールを使いこなすためのメタな知識である。これは主に、経験により蓄積されていく。二つ目は、ものの考え方である。そして三つ目は、これらの知識や考え方を行動に結び付けていくヒューマンスキルである。これはパーソナルコンピテンシーとも呼ばれる。この3つが有機的に、プロジェクトマネジメントの知識と結びついて初めて、PMコンピテンシーは発揮されるし、プロジェクトも成功する。

 前置きが長くなったが、再び出版物に話を戻すと、「PMコンピテンシー」そのものについていは、PMIのPMCDのようにすでに出版物が存在している。ところが、どのようなことを知り、どのように考え、どのように行動すれば、「PMコンピテンシー」が高まるのかを体系的に解決した本はない。

 本書は、これを、マネジメントプロセス、戦略、手法、問題解決、パーソナルコンピテンシー、経験という6つの側面から、体系的に説明しようとしている。常に、プロジェクトマネージャーが手元に一冊置き、プロジェクトマネージャーとしての成功をおさめてほしい!

 なお、本書は、プロジェクトマネージャー養成マガジンという著者が発行するメルマガがベースになって構成されている本である。メルマガと併せて読むとより一層効果的であるので、ぜひ、メルマガも購読してほしい。

 プロジェクトマネージャー養成マガジン(無料)
 プロジェクトマネージャー養成マガジン・プロフェッショナル(有料)
【目次】
1章 プロジェクトマネジメントとは
1-1 なぜプロジェクトマネジメントなのか
1-2 プロジェクトとプロジェクトマネジメントとの関係
1-3 開発マネジメントとプロジェクトマネジメント
1-4 プロジェクトマネージャーの仕事と役割
2章 プロジェクトのマネジメントプロセス
2-1 プロジェクトマネジメントプロセス
2-2 CPCCのマネジメントプロセス
2-3 プロジェクト組織の構成

3章 プロジェクトマネージャー論
3-1 プロジェクトマネージャーとは
3-2 マネージャーと管理者の違い
3-3 プロジェクトマネージャーに必要なスキル
3-4 プロジェクトマネージャー自己開発プロセス
3-5 プロジェクトマネージャーに必要なコンピテンシー

4章 プロジェクトマネージャーの戦略的思考
4-1 企画・計画の戦略① プロジェクトシナリオを考える
4-2 企画・計画の戦略② プロアクティブにリスクを考える
4-3 計画の戦略 スコープ
4-4 計画・コントロールの戦略① 費用対効果
4-5 計画・コントロールの戦略② 仮説検証プロセス
4-6 コントロールの戦略 プロジェクトのクオリティ
4-7 終結の戦略 プロジェクトマネジメントの成熟度
4-8 ステークホルダマネジメントの戦略 プロジェクトマネジメントにおける
顧客満足
4-9 チームマネジメントの戦略 チームビルディング
4-10 コミュニケーションマネジメントの戦略 プロアクティブコミュニケーション
4-11 統合戦略 プロジェクトワークプレイス

5章 プロジェクトマネージャーが知るべき手法
5-1 WBSとマイルストーンで作業を具体化する
5-2 WBSでスケジュールをつくる
5-3 PERT分析で所要期間を見積もる
5-4 クリティカルパスでプロジェクトの遅延を防ぐ
5-5 EVMSで進捗を管理する
5-6 リスクをマネジメントする
5-7 プロジェクト憲章でプロジェクトの目的を共有する
5-8 コストの見積もりと予算の配賦の方法
5-9 クリティカルチューンで計画を管理する

6章 プロジェクトマネージャーのための問題解決法
6-1 プロジェクトにおける問題解決とは
6-2 問題はプロジェクトの中で解決するか
6-3 MECEでモレなくダブリなくリスクを洗い出す
6-4 ロジックツリーで問題を分析する
6-5 システム思考で複雑な問題を解決する
6-6 トレンド分析でプロジェクトの状態を把握する
6-7 フィッシュボーンダイアグラムで原因を分析する
7章 プロジェクトマネージャーの行動スキル
7-1 できるプロジェクトマネージャーに必要なコンピテンシー
7-2 コンピテンシーモデルを理解する
7-3 プロジェクトマネージャーのリーダーシップ
7-4 サーバントリーダーシップ
7-5 ファシリテーションとしてのミーティングマネジメント
8章 プロジェクトマネージャーのレッスンズラーンド
8-1 プロジェクトにおける失敗の整理
8-2 ケース1 コミュニケーション不足
8-3 ケース2 プロジェクトマネージャーの選定
8-4 ケース3 顧客から追加の要求が発生
8-5 ケース4 プロジェクト目的があいまい
8-6 ケース5 見積もりの感覚
8-7 ケース6 あいまいな進捗報告
8-8 ケース7 管理ミス

==========

banner_04人気ランキング投票! → クリック!

いかにプロジェクトを成功させるか

4478374821

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部編 、「いかにプロジェクトを成功させるか」、ダイヤモンド社(2005)

お奨め度:★★★★1/2

ハーバードビジネスレビューのセレクション。

いわゆるプロジェクトマネジメントのノウハウものではお目にかかれない、読み応えのある議論がずらりと並ぶ。文句なしにお奨めしたい本。特に、" I PMO "を目指す方は、必読書!

まえがき――リアル・プロジェクト・マネジャーの不在
第1章 なぜプロジェクトの迷走を止められないのか
第2章 楽観主義が意思決定を歪める
第3章 チームEQの強化法
第4章 アイデアの具現者が企業を動かす
第5章 時間的制約は創造性を高められるか
第6章 リターン・マップ:時間対効果の最適化
第7章 デザイン・ストラクチャー・マトリックス法
第8章 大プロジェクトは小さく管理する

特に第1章、第6章、第8章がお奨め。これ以外にも、DSM(デザイン・ストラクチャー・マトリクス)の解説は、DSMが有名な技法であるにもかかわらず、あまりお目にかかれない。これもお奨め。

プロジェクトの成功とは何かがよく分からない人にもお奨めです!

プロジェクト思考を極めたいなら、これを1冊熟読してみてはどうだろう。もちろん、好川のセミナーへの参加も忘れてはならない(笑)

プロジェクト思考を極める 

==========

banner_04人気ランキング投票! → クリック!

2004年12月10日 (金)

営業力とは

B0006sn53009lzzzzzzz Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー)2005年01月号

特集:一流の営業力

詳細目次はこちら(ダイヤモンド社のサイトです)

好川の参考になった記事ベスト3

(1)ベンソン P.シャピロ「営業と製造のジレンマ」

営業と製造のコンフリクトは緩和することはできても解消は不可能である。この記事では、営業と製造にコンフリクトが生じる原因を八つに分類し、これらに基づいて発展的な緩和策を提示している。また、コンフリクトを奨励し、自社が提供する製品やサービスをより価値の高いレベルへと押し上げるというアイデアについても披露している。

(2)チャン・キム、レネ・モボルニュ「ブルー・オーシャン戦略」

既存の商品やサービスを改良し、既存市場でしのぎを削る「赤い海」の戦略に対して、既存の商品やサービスを進化させ、新規市場を創造する「青い海」の戦略の重要性を説いている。この本では、この100年をさかのぼり、30の産業分野について調査し、青い海の戦略(「ブルー・オーシャン戦略」)の成功例を150発見している。その共通原則は、コストとバリュー・プロポジションのトレード・オフを否定するところから出発していることである。

(3)生谷吉之「営業はいまや組織戦である」

モノが売れない時代にあって、優れた個人の力に頼っては売上げの拡大はおろか、持続的成長を果たしえず、数人のスーパー営業マンを抱えた営業部門よりも一定水準の組織能力を備えた営業部門のほうが業績は高いことを指摘している。

チーム・ビルディングを正しく理解しよう!

B0006fv85a09Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・ レビュー) 2004年12月号

特集:チーム・ビルディング

詳細目次はこちら(アマゾンではありません。ダイヤモンド社のサイトですので、ご注意ください)。

好川の参考になった記事ベスト3

(1)和田秀樹「チームの心理学」

チームマネジメントでは個と全体のマネジメントが求められるが、これには「心理学」のフレームワークが有効である。この記事では、精神的プラットフォームとして「成熟した依存」関係の必要性を訴え、ここに「共感する力」「疑う力」を発揮させることで、チームの生産性や創造性、結束力が高まると主張する。

(2)ナディム F.マッタ、ロナルド N.アシュケナス「大プロジェクトは小さく管理する」

大規模プロジェクトで期待どおりの成果を上げられない最大の原因はプロジェクト・マネジメント手法にある。WBSでプロジェクトに必要な活動を事前にすべて洗い出し、これらを順次水平的に実行していくやり方が災いの元である。ここに「ラピッド・リザルト・イニシアティブ」を導入すれば、プロジェクトは必ず成果を出すことができる。

(3)釘崎広光「成果主義が「チーム力」を強化する」

成果主義への批判は、運用の失敗に起因するものばかりである。これが度重なり、日本的経営を破壊するものだという批判もある。しかし、運用をうまくすれば、成果主義は日本的経営の強みを増幅することができる。

2004年9月10日 (金)

提案力をつける

B0002ylm8s09lzzzzzzz Harvard Business Review(ハーバードビジネスレビュー)2004年10月号

特集:提案力のプロフェッショナル

詳細目次はこちら(アマゾンではありません。ダイヤモンド社のサイトですので、ご注意ください)。 

好川が参考になった記事ベスト3

(1)スティーブン・デニング「ストーリーテリングの力」

「ストーリーテリング」は、聞き手に自問自答を促し、行動を起こさせるきっかけを与える古くからある手法である。ビジネスの世界でも「ストーリーテリング」は有効だと考えられるが、同じようにやっていけばよいというものでもない。この記事では、ビジネスの世界でも、有効な「ストーリーテリング」の手法について解説する。

(2)キンバリー D.エルズバック「共鳴の演出法」

プレゼンテーションにおいては、どのような聞き手も自分が信じる判断基準に照らして提案者への印象のよし悪しを判断する。そこで、プレゼンテーションのタイプをうまく使い分けて、聞き手の共鳴を生み出すようなプレゼンテーションをする必要がある。この記事ではその方法について論じている。

(3)チャーリー S.フェルド、ドナ B.ストッダード「ITターンアラウンド」

この記事では、ITはまだ歴史の黎明期であり、まだまだ、学習が不十分であるという前提のもとに、ITマネジメントに長けた企業に共通する3原則を紹介している。

2004年1月 8日 (木)

ザ・リーダー

4887592752 ライル・サスマン、サム・ディープ、アレックス・スタイバー(服部由美 訳)「ザ・リーダー」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2003)

お薦め度:★★★★1/2

リーダーシップをテーマにしたビジネス小説です。エンジニアであるプロジェクトリーダー ラリーのプロジェクトは崩壊寸前の危機にあります。すべてはラリーが自分を変えられるかどうかにかかっています。そして、上司から8日間の猶予を与えられます。
8日間のプライベートタイムでいろいろなことをして、ラリーが気づいたことは

・プロジェクトメンバーは知ることを必要としている
・プロジェクトメンバーは成長することを必要としている
・プロジェクトメンバーは責任を持つことを必要としている

という3つの原則でした。

この本は、ITなど、専門知識を必要とするプロジェクトのリーダーに求められることの本質を見事に描いています。上の3つの原則のチェックは

・リーダーは自分が作り出そうとしている未来について、はっきりとした見通しを持っているか?メンバーは同じ見通しを持っているか?

・メンバーは1年前よりもチームにとって、会社にとって、そして彼ら自身にとって、さらに価値のある存在になっているか?
・メンバーは使用人のように働いているか、それともビジネスパートナーのように働いているか

の3つです。一つでも否定的なものがあれば、プロジェクトリーダーとしてのあなたはメンバーの必要なものを提供できていないといえます。ぜひ、この本を読んで、気づいてください!

PMstyle 2025年11月~2026年2月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

アクセスランキング

カテゴリ

Powered by Six Apart

Powered by Google

  • スポンサーリンク
  • サイト内検索
    Google