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2007年10月

2007年10月 3日 (水)

上司とは理不尽な存在か?

4594054676 菊澤 研宗「なぜ上司とは、かくも理不尽なものなのか (扶桑社新書 16)」、扶桑社新書(2007)

お奨め度:★★★★1/2

著者は経済学(経済合理性)の視点から組織論を研究している学者である。2000年に

組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

という本が出版されて、さらっと読んで面白いことを考える人だという印象を持っていたが、同じように、軍組織ねたで、最近、出版された

4334034136 「命令違反」が組織を伸ばす

はすごく大切なことのエッセンスが書かれているので、いずれ、ブログで紹介しようと思っていた。ただ、この本、事例が詳しすぎるので、ためらっていたのだが、ちょうどよい本が出た。今回紹介する本がそれ。今回の本は、ビジネスねたで書かれていて、上の2冊と同じように、人間が如何に合理的な判断ができないかというのをわかりやすく解説している。

すぐに読めて、読んだ後で、「う~ん」と考えさせられる一冊だ。日本の組織で、部下は文句は言うし、批判するが、最後の行動では上司に従うことが多い。このため、組織変革が至難の業になっている。そんなマインドを一掃するのに、最適な本でないかと思う。

この本に併せて、以前、何かの記事で紹介した記憶があるが、この問題を文化的な側面から論じた橋本治氏の

4087202402 橋本 治「上司は思いつきでものを言う (集英社新書) 」、集英社(2004)

と併せて読んでみると面白いだろう。

2007年10月 1日 (月)

プロジェクトマネジメントの取り扱い説明書

4534042876 西村克己「世界一やさしい プロジェクトマネジメントのトリセツ」、日本実業出版社(2007)

お奨め度:★★★★

以前、この本の出版社の方から日本で一番売れている本は、西村克己先生の

よくわかるプロジェクトマネジメント (入門マネジメント&ストラテジー)

だと聞いたことがある。日経BP社の人に、伊藤健太郎さんの

プロジェクトはなぜ失敗するのか―知っておきたいITプロジェクト成功の鍵

が一番売れているという話を聞いた後だったので、推理すると西村先生の本がもっとも売れている本かもしれない。

なぜ、唐突にこのようなことを書き始めたかというと、本の流通のしくみはよく知らないが、それぞれが1位というのは両方とも正しいのかもしれないと思ったからだ。この2冊の本は、プロジェクトマネジメントの本であるが、ジャンルが違うのではないかと思ったのだ。伊藤氏の本は現場マネジメントとしてのプロジェクトマネジメントの本であり、西村先生の本は経営管理の一環としてのプロジェクトマネジメントの本である。つまりはドメインが違う。

さて、この記事で紹介する西村先生の新刊は、同じ出版社から「トリセツ」シリーズで出版された書籍であり、経営管理としてのプロジェクトマネジメントというのがより、色濃く出た一冊である。その意味で、あまり、なかったタイプの本である。「よくわかるプロジェクトマネジメント」よりできは明らかによいし、だいぶ、進化している。

プロジェクトマネジャーのプロフェッショナルを目指す人ではなく、マネジメントの一分野としてプロジェクトマネジメントのスキルを身につけておきたいというビジネスマンの人に、やっと薦めることのできる本が出てきた。

マネジャーの方、必読の一冊。

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