PMstyle 2025年9月~12月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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2011年9月 9日 (金)

【UserStyle】ユーザ主導型プロジェクトの編成とマネジメント(1)~イントロダクション

◆ユーザ主体開発

User 日経BP社の谷島宣之さんがITの開発で提唱されている「ユーザ主体開発」を提唱されている。7月には谷島さんが編集された書籍も発売された。

日経コンピュータ「開発・改良の切り札 システム内製を極める」、日経BP社(2011)
 
この概念は、情報システムの開発の中で、ユーザが主体性を持つべき範囲を明確にし、その開発業務については徹底して内製化を図ることによって、業務のベネフィットを高めようするものである。これからの日本企業が、グローバルな競争を勝ち抜いていくためには極めて重要な概念である。

そこで、この連載では、ユーザ主体開発をスムーズに推進していく、ユーザ主導型プロジェクトマネジメントについて考えてみたい。

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2011年9月 1日 (木)

【PMスタイル考】第18話:強みを活かしたプロジェクトマネジメント

Style ◆強みを活かすとはどういうことか

金井壽宏先生の「人勢塾」を読んでいたところ、ストレングスファインダーでで有名なギャラップ社のストラテジック・コンサルタント小屋一雄氏の講演の採録 があり、なかなか、興味深いことがいくつか書いてありました。ちなみに、ストレングスファインダーはこの本を買えば、Web上で利用できます。

マーカス・バッキンガム、ドナルド・クリフトン(田口 俊樹訳)「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」、日本経済新聞出版社 (2001)

同社の事業コンセプトは「強み」を活かしたマネジメントですが、まず、「強みを活かす」という考え方への誤解があるといいます。強みを活かすという言葉に 対して、クライアントの反応として多いのが、「結局やりたいようにやらせることか」という反応だそうです。小屋氏はそうではないと言います。強みを活かす とは

ビジネスや組織の目標を達成するためにメンバーの「才能」をフルに活用する

というのが強みを活かすマネジメントだと言います。ここで問題は、「才能」という言葉の意味です。ギャラップ社のいう才能とは

無意識に繰り返される思考、感情、行動のパターン

です。ギャラップ社では、才能を

アレンジ、運命思考、回復思考、学習欲、活発性、共感性、競争性、規律性、原点思考、公平性、個別性、コミュニケーション、最上思考、自我、自己確信、社 交性、収集心、指令性、慎重さ、信念、親密性、成長促進、責任観、戦略性、達成欲、着想、調和性、適応性、内省、分析思考、包含、ポジティブ、未来志向、 目標思考

の34に分けています。これをみれば分かるように、才能とはコンピテンシーに近いものです。

強みを活かすというと、つい、経験や知識、スキルにこだわってしまうことが多いですが、これらに比べると才能ははるかに個人のパフォーマンスを高めるため に強いインパクトを持っているそうです。また、知識やスキルは比較的容易に身につくのに対して、才能はなかなか変えにくいそうです。

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【PMスタイル考】第17話:プロジェクトマネジャーのジレンマ

Style ◆組織を一部だけ変えることはできない

組織というものはひとつのシステムであり、他の部分への影響を及ぼすことなく、システムの一部だけを変えることはできない。ある人が変化を試みているにもかかわらず、属しているシステムが同じ状態であった場合には、その人はジレンマに陥ってしまう。

この南カリフォルニア大学マーシャルビジネススクールのフレーズはモーガン・マッコール博士の

ハイ・フライヤー 次世代リーダーの育成法」(プレジデント社、2002)

の一フレーズです。この本は、マッコール博士が、リーダー育成機関として欧米No.1の評価を得るCenter for Creative Leadership(CCL)でリサーチ部門のトップだったときの調査結果を中心にまとめた本です。

人材育成、特に、リーダーの育成をする際には、この指摘は極めて本質的なものです。10年近く、プロジェクトマネジメントの普及の仕事をしてきて、改めて、マッコール博士の言葉の重さを痛感しています。

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2011年8月29日 (月)

【PMstyle Kit No.12】リーダーシップ《PMstyle》

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【目的】権限を持たずに影響力を行使する

【用途】プロジェクトマネジャーとしての活動範囲を広げる

【効用】プロジェクトメンバーや、上位組織などを自発的に動かし、プロジェクトへの協力を引き出す。

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Tk ◆管理/マネジメント/リーダーシップ

PMstyleではプロジェクトマネジャーの活動を

(1)管理
(2)マネジメント
(3)リーダーシップ

の3種類に分けて考えている。管理は、権限に基づいて行う活動である。プロジェクトの基本的な考え方はプロジェクトへの権限移譲により、母体組織は実現できない成果を実現することにある。その意味で、プロジェクトは管理により運営できることが好ましい。

しかし、現実には多くのプロジェクトは母体組織をベースにして行われるため、プロジェクトマネジャーが思うように活動するために必要が権限が委譲されず、母体組織に残ることがほとんどである。この制約をクリアするためには、プロジェクトリーダーに役員を据えるなど、組織上の権限とプロジェクトリーダーの権限を整合させることが現実的であるが、なかなか、そのような体制は作れないからだ。

そこで(2)のマネジメント、および(3)のリーダーシップという話になる。しかし、マネジメントとリーダーシップは補完的な役割を担う。マネジメントは本来は権限がなくては解決できない問題(あるいは権限があってもできない問題)をなんとか、いまある権限だけで解決する方法を考え、メンバーを指揮することによって実際に問題解決を行うことである。

これに対して、リーダーシップはメンバーに影響を与え、メンバーに自発的な行動を求め、メンバーの自発的行動によって問題を解決することである。

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第9回PMstyleスペシャルセミナーのご案内~テーマは「新しいプロジェクトマネジメントの基本」

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お待たせしました!

本年度第1回(通算第9回)のPMstyle Special Seminarを開催します。今回は、今月、PMstyeプロデューサー・好川哲人が出版した書籍

プロジェクトマネジメントの基本

をベースにして、これからのプロジェクトマネジメントはどのようにあるべきかについて考えてみたいと思います。

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2011年8月22日 (月)

【PMスタイル考】第16話:マネジメント過剰・リーダーシップ不足

◆「顧客満足」というミラクルワード

Style 「御社にはどんな戦略がありますか?」と質問すると、製造業の方は、それなりに答えが答えが返ってきますが、IT系の方は、ほとんど「顧客満足」、「品質向上」です。

「顧客満足」という言葉はミラクルワードで、「目標はなんですか」、「戦略はなんですか」、「経営理念はなんですか」など、どんな質問の答えでも、「顧客満足」と答えておけば一見もっともらしく思えます。

ところが、「その先に何があるのですか」と尋ねてみると、「継続的な取引」とか、「顧客の抱え込み」とか、あるいは、もっと情緒的に「お客様の喜ぶ顔が見たい」といった答えが返ってきます。

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2011年8月17日 (水)

【一期一会】プロジェクトリカバリーマネジメント~システム思考でデス・マーチを撲滅する

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【狙い】システム思考を応用したリカバリーマネジメントができるようになる

【対象者】プロジェクトリーダー、PMO

【効果】リカバリーの実施に関する意思決定の基準を知ることができ、さらに、「まず、安定化」を基本方針としたリカバリーの方法を習得できる

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__《 このセミナーの効用は 》___________

知識を得る   ★★★★
実行力を高める ★★★★
思考力を高める ★★★★


__《 このセミナーへのイントロ 》___________

プロジェクトマネジメントへの熱心な取り組みにより、納期に遅れたり、予算をオーバーするプロジェクトは減ってきました。一方で、IT業界で「デス・マーチ」と呼ばれるプロジェクトの割合はそんなに減っていません。

デスマーチという言葉は、ソフトウエアエンジニアリングの大家の一人であるエドワード・ヨードンが軍隊の「デス・マーチ」という訓練に見立てて命名したと言われています。具体的には、

人員不足、短すぎる開発期間、予算不足、ユーザからの過剰な要求などの悪条件が重なり、開発チームが過度のオーバーワークや疲弊状態に陥った状態

を指します。

デス・マーチはスタティックな(静的な)問題として取られられる傾向があります。つまり、受注条件、あるいは、要求です。このため、組織として、受注条件や要求の評価(見積もり)に力を入れ、初期のリスク対応をすることによって対応しようとします。

しかし、現場のプロジェクトマネジャーは肌で感じているように、デス・マーチはダイナミックな問題です。しかも、悪循環という典型的な「システム」問題です。したがって、デス・マーチを回避したければ、システム思考的アプローチをする必要があります。

つまり、悪循環を断ち切り、プロジェクトを落ち着かせた上で、好循環を生み出すような手を打っていきます。

たとえば、上のデス・マーチの記述を見てください。開発期間が短く、要員も足らないので、無理な作業(突貫工事)をします。すると、メンバーはだんだん疲れてきて、成果物の品質が下がってきて、リワークが発生します。それによって、スケジュールがますます、苦しくなります。

そこで、新規の要員を追加投入します。すると、コミュニケーションの負担が増え、既存メンバーの生産性はますます下がり、スケジュールに悪影響を与えます。

実際に、以前にメンバー10名ほどのトラブルプロジェクトで生産性の分析をしたことがあります。このプロジェクトでは顧客との要件合意に齟齬があり、徐々にスケジュールが遅れ、組織として介入するレベルに悪化したので、要員投入を行いました。しかし、その2か月後には生産性が当初計画の30%強まで落ちていきます。初期計画が妥当だったとしても、10人が3人分しか働いていないわけですので、初期要員を倍にしても間に合わないことになります。

作業効率もそれなりに落ちましたが、ここまで落ちたのは作業従事時間の問題で、人が増え、打ち合わせがやたらと増え、当初計画の80%がなんと40%まで落ちたのです。

 

Death

図:デスマーチのダイナミックス

ここで、重要なポイントは、要員投入をするタイミングで、生産性の低下が続いていたことです。さらにスケジュールを遅らせてもよいので、まずは生産性の低下を防ぐべきだったのです。これがデス・マーチを起こさないリカバリー・マネジメントの方法です。

この講座は、デス・マーチを起こさないリカバリーマネジメントの方法を体系的に解説します。

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2011年8月16日 (火)

【PMstyle Kit No.11(2/2)】メンバーからリーダーに「変化」する(後)《PMstyle》

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【目的】プロジェクトリーダーとしてのマインドセットを身につける

【用途】プロジェクトリーダーとしての行動規範を考える

【効用】多くのプロジェクトリーダーがメンバーから昇進した初期のプロジェクトで陥っている落とし穴を防ぐ
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Tk 前半では、メンバーとリーダーはどう違うのかを5つの視点から述べた。後半は、この違いをどのように具現化していくかについて述べる。

◆コミュニケーションに意識を集中する

プロジェクトリーダーにとってもっとも重要な仕事は何か?多くの人はコミュニケーションだと答えると思う。メンバーからリーダーになったときに、まず心がけるべきことは、コミュニケーションに意識を集中することである。

プロジェクトリーダーのコミュニケーションの重要性を示すデータに以下のようなデータがある。

あるIT企業でプロジェクトマネジャーの仕事時間の調査をしたところ、調査対象の80%以上のプロジェクトマネジャーが70%以上の時間をコミュニケーションに費やしていた。

ただし、70%の時間の配分はプロジェクトの特性や本人の考え方によってまちまちだった。ある人は、80%のうちの80%を顧客とのコミュニケーションに費やし、あるプロジェクトマネジャーは80%のうちの60%を上司や他部門の部門長とのコミュニケーションに費やしていた。全体的に、50%以上の時間をメンバーとのコミュニケーションに費やしているプロジェクトマネジャーはほとんどいなかった。多くのプロジェクトでは、プロジェクトマネジャーとメンバーの間に中間層になるチームリーダーがいるというのがその理由だった。

この組織では、生産性の観点からこの点を問題視しており、この後、コミュニケーションの比率を変えていった。生産性、顧客対応、社内調整のバランスがよいのは、「プロジェクトの特性にほとんど関係なく」

・チーム:50%
・顧客対応:30%
・組織対応:20%

くらいだというところに落ち着いている。

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2011年8月10日 (水)

【一期一会】プロジェクトリーダーのための意思決定力講座

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【狙い】プロジェクトリーダーとして適切な意思決定ができるようになる

【対象者】プロジェクトリーダー、マネジャー

【効果】プロジェクトにおける意思決定の方法や留意点について知り、プロジェクトマネジメントの中で適切な意思決定ができるようになる。

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__《 このセミナーの効用は 》___________

知識を得る   ★★★★
実行力を高める ★★★
思考力を高める ★★★★★


__《 このセミナーへのイントロ 》___________

この講座は、プロジェクトリーダーのためのコンセプチュアルスキル強化講座の一つです。

プロジェクトマネジメントにおけるリスクマネジメントの重要性を強調するための表現に、「プロジェクトはリスクとの戦いである」
という表現があります。実感のある方が多いと思います。

プロジェクトにリスクが存在するのは、これまでの経験上、よく分からず、決めることができないことがあるからだと言われます。しかし、よく考えてみると、本当に決めることができないのだとすれば、リスクは発生しません。

たとえば、情報化投資のプロジェクトでエンドユーザの要求がなかなか、決まりません。ここで決めるまで待つことができるのなら、リスクは発生しません。ところが、プロジェクトには納期がありますので、いつまでも待つわけにもいきません。そこで大まかな仕様に基づいて、スケジュールや予算を「決めて」、要員の準備をする必要があります。

実はほとんどのプロジェクト計画は、このような位置づけにあります。

つまり、決めることによってリスクを発生させているわけです。これが、プロジェクトにおいてリスクマネジメントは重要な理由です。

逆にいえば、意思決定の方法やタイミングによって、プロジェクトのリスクは小さくなります。

このセミナーでは、プロジェクトにおいてプロジェクトマネジャーが決めなくてはならないことは何か、そして、どのように意思決定を行えばリスクを最小化することができるのかを学びます。

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2011年8月 8日 (月)

「プロジェクトマネジメントの基本」1章を全部ダウンロードできる

今、期間限定で、PMstyle facebookページのファンになれば、PMstyleプロデューサー・好川哲人の新刊「プロジェクトマネジメントの基本」の1章をすべてダウンロードできます!本の表紙をクリックしてください。

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8月12日18時までです。
お急ぎください!!