【PMスタイル考】第86話:パラダイムを意識する
◆変化の常態化
「変革」、「変化」という言葉が氾濫しています。オバマ氏が大統領になったころ、チェンジというと新鮮さを感じたものですが、今は、あまり新鮮に感じなくなってきました。変化が常態になってきたのとともに、何でも変革が必要だと言っていれば済むような雰囲気もあります。
よく考えてみると、変化が常態化するというのはすごい話です。これまでのやり方のほとんどが通用しなくなります。
たとえば、仕事の仕方を考えてみてください。これまではどのような仕事かを考えて、その仕事をする人を決めて、チームを作って仕事をしてきました。
ビルを建てるといった仕事では計画を作って、チームで計画通りに進めていきます。不確実要因は天候とか経済情勢くらいですので、それらのリスクも計画し、計画に従って進めていけるわけです。
ITのように相手のある仕事となると、相手の(ビジネスの)都合がありますので、計画を作っても計画通りとはいきませんが、それでも計画を作って変更を管理しながら進めていきます。
これがイノベーションになるとどうでしょうか?計画すらできません。なぜか?どうすればよいかわからないからです。分からないことは学んでいくしかありません。そこで仮説検証と呼ばれるような活動をして、いろいろなことを学習しながら、仕事を進めていきます。