仕事術 Feed

2006年1月18日 (水)

あるあるマーフィー探検隊!

448405111709lzzzzzzz リチャード・ロビンソン(小林由香利、杉浦茂樹、服部真琴訳)「やっぱり、あるある マーフィーの法則」、阪急コミュニケーションズ(2005)

お奨め度:★★★★

マーフィーの法則とは、先達の経験から生じた数々のユーモラスでしかもペーソスに富む経験則をまとめたものである。「マーフィー」と言う名は、基地内のライト航空研究所に勤務していたエンジニアのエドワード・アロイシャス・マーフィー大尉が残したエピソードに端を発するといわれている。マーフィー大尉の逸話とは

エドワード空軍基地に来ていたマーフィーは、トラブルを起こした装置を調べて誰かが間違ったセッティングをしていた事を発見し、

If there is any way to do it wrong, he will.「奴は可能な限りヘマをする」

と言い放った。ここからマーフィーの法則は始まり、冒頭に述べたような法則をマーフィーの法則と呼ぶようになったという。

その後、いろいろな人の手で、マーフィーの法則が作られている。この本もその一冊。なかなか、よく出来たマーフィーの法則が多い。この本の中で、印象に残ったのは、帯にあるものだが、

 ・結論とは考えるのに飽きたときにたどり着く場所だ

 ・好きなようにしていいとき、人は誰でも同じことをする

といった法則である。

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2005年10月29日 (土)

思考と行動のエッセンス

31608250 井上明人「30歳からの進化論―仕事の仕方を成長させる29の知的ノウハウ」、文芸社(2005)

著者の井上明人さんがキャリアの中で培われてきた仕事のノウハウを1冊の本としてまとめられている。面白いのは、思考ノウハウと、行動ノウハウにきちんと分けてあること。こういう本を読んでコンピテンシーを高める上で、この区別をきちんと認識して読んでいくことは極めて大切で、それを表示してあるのはすばらしい。

内容は、キャリア(ビジネスマン人生)、問題解決力、コミュニケーション力、メンタル力という4つの視点で整理されており、数はそんなに多くないが、凝縮されたものが多い。

例えば、問題解決力の思考ノウハウの最初に

鳥のように上空から大きく全体を眺めて方向性を絞り、対象を見つけたらそこへ一気にズームアップして具体策の仕上げを行う

というのがある。大局観であるが、大局観をこのような凝縮された言葉で表現できるというのは並大抵のことではない。このような凝縮したノウハウが29個(行動7、思考22)、並んで、事例も提示しながら、解説されている。

1冊読めば、コンピテンシーは間違いなくあがるだろう。

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2005年9月 9日 (金)

フロー体験は偉大である

4309230563チャーリーン・ベリッツ、メグ・ランドストロム(菅靖彦訳)「パワー・オブ・フロー」、
河出書房新社(1999)

お奨め度:★★★★

最近、フロー体験に関する本を何冊か読んだが、チクセンチミハイルのフロー体験という概念を提唱した本は別格とすると、この本が秀作。

まず、フロー体験とは何かという話だが、これについては、こちらを参照してほしい。

この本は、ユングの提唱したシンクロニシティをフローと結び付けている。シンクロニシティは「共時性」とも訳され、複数の出来事が非因果的に意味的関連を呈して同時に起きる(共起する)ことをさしている。シンクロニシティの厳密な理解は難しいが、例えば、病院の窓から見える最後の一枚のはっぱが落ちたときに、患者が死んだとしよう。この2つの事象はまったく因果性はなく、単なる偶然なのだが、そこに意味づけをすることができる。これがシンクロニシティである。

このようなシンクロニシティの概念はフローをつくる上で不可欠なものである。如何に意味づけをできるかで、フロー体験をできるかどうかが、変わってくる。この意味づけの方法を、この本では、そのための9つの心の法則ということで紹介している。

後半は、フローで人生が変わるという内容。そんな例は結構見ているつもりだが、改めてこの本を読んでいると、そうだなあと思う。

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2005年8月28日 (日)

木を見る西洋人 森を見る東洋人

4478910189リチャード・ニスベット(村本由紀子訳)「木を見る西洋人 森を見る東洋人思考の違いはいかにして生まれるか」、ダイヤモンド社(2004)

お奨め度:★★★★1/2

まず、この本の原題は ”The Geography of thought”である。このタイトルも素晴らしいが、訳者の村本さんのつけられたタイトルはなんと素晴らしいのだろうと感動ものだ。

日本の比喩に「木を見て、森を見ず」という比喩がある。広辞苑によると

 細かな点に注意をし過ぎて大きく全体をつかまない

こととある。たぶん、10年くらい前までは、日本人の非常に重要な価値観であったように思うが、今は、あまり言われることがなくなった。

この本では、思考の普遍性に対するパラダイムの議論を、東洋と西洋という切り口からさまざまな視点で行っている。結論としては、普遍性がないということになるが、そこで取り上げられている事象は自分たちの立ち位置を確認するために非常に貴重な視点である。

好川は、第3章にある、自己に関する考察が興味深かったが、その人が興味を持っている事項が一通りを入っているのではないかと思う。

ここでは、米国人は

・ひとはそれぞれ、他者と違う個性を持っている。さらにひとは肝心な点で他者と違っていたいと思っている

・ひとは、だいたいにおいて自分の思うとおりに行動している。そして、自分の選択やこのみによって結果が決まると気分がよい

・・・

というのに対して、東洋では「出るくいは打たれる」というように、成功を集団目標とする傾向があるといった指摘から始まり、実にいろいろなことが指摘されている。

関連記事:森を見るか、木を見るか

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2005年6月 5日 (日)

プロジェクトマネジメントではなく、プロジェクトの進め方が分かる1冊

4788917599 是沢輝昭「プロジェクトの進め方がよくわかる本―仕事の効率と成果を高める95のヒント」、実務教育出版(1999)

お奨め度:★★★★1/2

先日、新橋の文教堂に行ったら、店長が変わったらしく、大量の本に、店長がお奨めポップメッセージを入れていた。そのメッセージを追いかけているうちに、コイツはタダモノではないと思った。

たとえば、

行動科学の展開

https://mat.lekumo.biz/books/2005/04/post_1baf.html

を平積みして、絶賛したコメントをつけているのだ。

それで興味を持って、店長コメントの本だけをずっと探していった。そこで、であったのがこの本。プロジェクトマネジメントの本については、出版社の人よりもよく知っていると思っていたが、この本は知らなかった。

で、手にとって、びっくり。メールマガジン「プロジェクトを成功させる仕事術」で言いたいことのオンパレード。

方法論を述べた本は掃いて捨てるほどあるが、その方法論が仕事をするときに押さえておくべきポイントを押さえるのに、どのように役立っているのかをきちんと書いた本は残念ながら、ほとんどない。あえてあげれば、プラントエンジニアリングの色が濃いが

プロジェクトマネジメント 成功するための仕事術―プロジェクトをリードする精鋭たちの経験とナレッジを集大成

https://mat.lekumo.biz/books/2005/05/__5583.html

くらいかなと思う。とても貴重な本だ。うむ、恐るべし、文教堂新橋店!見開き1項目になっているので、若干、物足らない気もするが、とりあえず、プロジェクトマネジメントというのが自分の仕事の中でどんな役割を果たすのかを理解するには十分だ。

手法(方法論)自体にはほとんどふれていないので、手法を覚えたい人には不向き。

2005年5月 1日 (日)

プロジェクトをリードする人たちの仕事術

4820741632 東洋エンジニアリング「プロジェクトマネジメント 成功するための仕事術―プロジェクトをリードする精鋭たちの経験とナレッジを集大成」、日本能率協会マネジメントセンター(2003)

お奨め度:★★★★

プロジェクトマネジメントありきではなく、仕事ありきで、その中でプロジェクトマネジメントが如何に役立つかを議論している。非常に貴重な本である。

残念ながら、プラントエンジニアリングを前提に書かれており、それが議論の幅を狭めていると思われる部分があるが、6~7割の話は、どのような仕事でも通用する話であり、その意味でビジネスマンの必読書である。

2004年9月10日 (金)

提案力をつける

B0002ylm8s09lzzzzzzz Harvard Business Review(ハーバードビジネスレビュー)2004年10月号

特集:提案力のプロフェッショナル

詳細目次はこちら(アマゾンではありません。ダイヤモンド社のサイトですので、ご注意ください)。 

好川が参考になった記事ベスト3

(1)スティーブン・デニング「ストーリーテリングの力」

「ストーリーテリング」は、聞き手に自問自答を促し、行動を起こさせるきっかけを与える古くからある手法である。ビジネスの世界でも「ストーリーテリング」は有効だと考えられるが、同じようにやっていけばよいというものでもない。この記事では、ビジネスの世界でも、有効な「ストーリーテリング」の手法について解説する。

(2)キンバリー D.エルズバック「共鳴の演出法」

プレゼンテーションにおいては、どのような聞き手も自分が信じる判断基準に照らして提案者への印象のよし悪しを判断する。そこで、プレゼンテーションのタイプをうまく使い分けて、聞き手の共鳴を生み出すようなプレゼンテーションをする必要がある。この記事ではその方法について論じている。

(3)チャーリー S.フェルド、ドナ B.ストッダード「ITターンアラウンド」

この記事では、ITはまだ歴史の黎明期であり、まだまだ、学習が不十分であるという前提のもとに、ITマネジメントに長けた企業に共通する3原則を紹介している。

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