リーダーシップ Feed

2005年6月15日 (水)

次世代リーダーの育成法

4833417197 モーガン、マッコール(金井 壽宏、リクルートワークス研究所訳)「ハイ・フライヤー―次世代リーダーの育成法」、プレジデント社(2002)

お奨め度:★★★★

米国というよりも、世界一のリーダーシップ育成機関CCL(Center for Creative Leadership)の活動を紹介した本。

CCLでは、見事に体系化されたトレーニングをはじめとして、さまざまな方法論を駆使してリーダーシップ開発をしているが、そのエッセンスを1冊の本にまとめている。

CCLの手法というより、リーダーシップ開発に興味がある人は必読の一冊!

2005年6月 1日 (水)

リーダーとしてキャリアをかけた決断をどう乗り越えるか

4492531793 ジョセフ・L. バダラッコ(金井寿宏、福嶋俊造訳)『 「決定的瞬間」の思考法―キャリアとリーダーシップを磨くために』、東洋経済新報社(2004)

お奨め度:★★★★

リーダーとしての意思決定は時として、キャリアをかけたものになることがある。たとえば、あたなが会社から、部下のリストラ計画があることを知らされる。部下の家庭事情などはよく分かっている。その場合、あなたは、その情報を得た時点で、部下に知らせるべきか、知らさざるべきかを悩むことになる。

今までの日本の会社であれば、こんな問題は一笑に付されていただろう。会社がすべてであれば、答えは決まっている。知らせる必要はないのだ。しかし、本当にそれでいいのだろうか?

このような場面は実際のキャリアの中では結構多い。この本はいくつものケースをもちいて、そのような状況におかれたリーダーはどのような思考をすべきかを議論している。

2005年5月10日 (火)

リーダーなら、人の心を変えなさい

4270000414 ハワード・ガードナー(朝倉和子訳)「リーダーなら、人の心を変えなさい」、講談社(2005)

お奨め度:★★★1/2

リーダーシップの本質はここにあるのではないだろうか?

さまざまなタイプのリーダーシップが、決心する、成長する、夢をかなえるなど、さまざまな形で人の心に影響を及ぼしていく。

考えさせられる本だ。

2005年5月 3日 (火)

再生巨流

4104753017楡周平「再生巨流」、新潮社(2005)

お奨め度:★★★★1/2

帯にある「このプロジェクト、死んでも成功させる」というフレーズが気になり、読んでみた。経済小説。

佐川急便をモデル化した運送会社スバル運輸で、豪腕ゆえに、新規事業開発事業部という新設ポストに左遷された主人公吉野公啓が、アスクル(小説中ではプロンプト)に対抗するビジネスモデルを構築するプロジェクト小説。アスクルは文具店を代理店としているが、このモデルでは、街の電気屋さんを代理店とし、文具だけでなく、日用雑貨、電気製品などを総合的に取り扱うネットワークの構築を行う。

このビジネスモデルは昔から話題に上ることが多いものだが、相当、具体的にかかれており、それだけでもなかなか読み応えがある。

この小説の真骨頂は、プロジェクトマネジメントである。商社からスバル運輸に転職した主人公は立ち上げ屋のイメージがあり、立ち上がるといなくなってしまうタイプの人間。それが左遷の原因にもなる。この小説で描かれているプロジェクトでも立ち上げ前のプロセスが詳細に書かれているが、最後は社主に直談判して実現にこぎつけた総額90億円の投資プロジェクト。運用ベースに乗るまで逃げるわけに行かない。その中で、人を育てるということを知る。

ステークホルダマネジメント、チームマネジメント、リーダーシップ、リスクマネジメントの教科書ともいえるくらいよくできたストーリーになっている。まさに、プロジェクトマネジメントのすべてがここにある。プロジェクトマネジメントを「説明」するために、いくつかの小説が書かれたが、さすが本職。それらとは比べ物にならない出来だ!

ビジネスモデルの構築の中で、SIがスケジュールが間に合わないとごねるシーンがある。ここに対しても非常に明確な解答を与えている。まあ、楡氏の得意分野ではあるが、、、

エンディングは書かないが、プロジェクトマネジメントというより、マネジメントのすべてがここにあるといってもよいかもしれない。

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2005年4月18日 (月)

意志力革命

4270000635 ハイケ・ブルック、スマントラ・ゴシャール(野田智義訳)「意志力革命~目的達成への行動プログラム」、ランダムハウス講談社(2005)

お奨め度:★★★★★

この種の本としては、非常に体系的、かつ、論理的である。まず、これが第一印象。そして、読み出すと、引き込まれる。現実を踏まえた問題提起とその問題に対する具体的な解決法が述べられている。

「あくせくしながらも結果として何もしていない」状態から、自らの意志を駆使し、目的意識を伴う行動をとって有意義な結果をもたらすことが出来るようにしていく。そんなことができればいいなと思う人には必読書。

組織(経営)が目的達成するために個人が行動をするという視点から、マネージャー、リーダー、個人がどのような取り組みをすればよいかをそれぞれの視点からプログラムとして具体的に書かれている。

この構図は、プロジェクト、母体組織、メンバーで、プロジェクトの目的を達成するにはどうすればよいかという問題にそのまま適用できそうである。

成功企業十数社の具体的な事例をもとに書かれている。このような事例が提示されていること自体、ちょっとした驚きであるし、この本の魅力でもある。

個人が成長し、組織が変わらないと、個人がジレンマに陥る。その点を無視した組織の中で活動する個人の成長論というのは現実性に乏しい。この本のすばらしさは、そこの連鎖を十分に意識している点にある。

難点は、かなり、抽象度の高い記述になっている。かなり、本気で読まないと難しい。そのような本気が報われる本でもある。

あとがきもよい。この本の著者のひとりであるスマントラ・ゴシャールは、訳者の野田氏によると、稀有の経営学者だそうで、この本を世に出してすぐに他界したそうだ。野田氏は「異才」という表現を使っているが、まさにその言葉を彷彿させる本である。

そのスマントラ・ゴシャール博士の活動について、エピソードを交えて詳しい解説がされている。この解説を読むと、本書の読解の助けになるだろう。

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2005年3月 1日 (火)

動機づける力

4478360812.09.LZZZZZZZ
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部「動機づける力」、ダイヤモンド社(2005)

お奨め度:★★★★

「最後は人」とはよく言われる言葉だ。これにはいろいろな意味がある。

その中で、マネジメント的に考えれば、やはり、「人を動かす」ということに尽きるのだろうが、人を動かすという話もそう単純ではない。

モチベーション理論もあれば、MBOもあるし、エンパワメントもあれば、信頼のような哲学的な話もある。最近では、感情(EQ)なども注目されている。いずれもゴールは「人を動かす」ことだ。

動機づけることには特効薬はなく、一面的な話ではなく、さまざまな側面から、さまざまな施策を実行して、少しずつ、実現されるものだろう。ところが、何か1冊の本を読むと、それですべて解決してしまうという錯覚に陥る。冷静に考えることが必要だ。

そこで、この本。「動機づける力」というテーマで、人を動かすことに関するハーバード・ビジネス・レビューの記事を集めて作られた本である。「人を動かす」ということについて、多くの面を鳥瞰している。

人を動かすことに興味をもっていれば、一度、読んでおきたい本である。

まえがき――優れたモチベーションのマネジメントとは何か
第1章◎モチベーションとは何か
第2章◎ピグマリオン・マネジメント
第3章◎MBO失敗の本質
第4章◎モチベーショナル・リーダーの条件
第5章◎フェア・プロセス:信頼を積み上げるマネジメント
第6章◎人を動かす知恵
第7章◎正しい苦言の呈し方
第8章◎ストーリーテリングが人を動かす

2005年2月15日 (火)

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか

4478300593.09.LZZZZZZZ P.F.ドラッカー「プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか」、ダイヤモンド社(2000)

紙版><Kindle版

お奨め度:★★★★★

ドラッカーの小論文を 自己実現という観点からまとめた1冊である。

横串のテーマで見ると改めてドラッカーの知見の深さに感動するし、また、体験談をベースに書かれている部分は、ドラッカーの生き方そのものに感動を覚える。

しかし、本としてみれば少し物足りない気がする。 その物足りなさは、一つ一つの論文が深いにもかかわらず、前後に並んでいる論文との関連性が薄いという編集上の問題である。また、少し全体的に散漫な気もした。すでにドラッカーの本を何冊か読んでいる人にとって、ドラッカーの価値を高める一冊にはなりにくいだろう。

ただし、タイトルにあるように「はじめて読むドラッカー」というコンセプトなので、このコンセプトであればまあ、納得できるレベルである。

2005年2月10日 (木)

リーダシップの価値

B0007lnqzi09lzzzzzzz Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー)2005年03月号

特集:リーダーシップ・バリューの創造

詳細目次はこちら(アマゾンではありません。ダイヤモンド社のサイトですので、ご注意ください)

好川の参考になった記事ベスト3

(1)髙木晴夫、渡邊有貴「リーダーシップR&D」

リーダーの育成方法として「リーダーシップのR&D活動」というチャレンジを提唱する。優れたリーダーは、マネジメントの教科書が教える理論や知識では理解できない非合理的な意思決定を下す能力はいかなるものなのかを科学し、この優れた能力を学習する方法を見出す。

(2)マイケル・マコビー「転移の力:フォロワーシップの心理学」

フロイトが発見した「転移」により、自分のリーダーシップがかえって部下の反発を招いている。部下たちは、上司やリーダーを父親もしくは母親、兄弟姉妹と見なすのだ。リーダーが心得ておくべき知識として、この転移のメカニズムを解説している。

(3)ティモシー・バトラー、ジェームズ・ウォルドルー「「対人関係力」のマネジメント」

延べ7000人以上の専門職社員を対象にした心理テストの結果、対人関係力として、「影響力」「チーム・リーダーシップ」「人間関係の円滑化」「対人関係面での創造性」の4つがあることが明らかになった。これらについての解説と共に、マネジメント法を論じている。

2004年1月 8日 (木)

ザ・リーダー

4887592752 ライル・サスマン、サム・ディープ、アレックス・スタイバー(服部由美 訳)「ザ・リーダー」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2003)

お薦め度:★★★★1/2

リーダーシップをテーマにしたビジネス小説です。エンジニアであるプロジェクトリーダー ラリーのプロジェクトは崩壊寸前の危機にあります。すべてはラリーが自分を変えられるかどうかにかかっています。そして、上司から8日間の猶予を与えられます。
8日間のプライベートタイムでいろいろなことをして、ラリーが気づいたことは

・プロジェクトメンバーは知ることを必要としている
・プロジェクトメンバーは成長することを必要としている
・プロジェクトメンバーは責任を持つことを必要としている

という3つの原則でした。

この本は、ITなど、専門知識を必要とするプロジェクトのリーダーに求められることの本質を見事に描いています。上の3つの原則のチェックは

・リーダーは自分が作り出そうとしている未来について、はっきりとした見通しを持っているか?メンバーは同じ見通しを持っているか?

・メンバーは1年前よりもチームにとって、会社にとって、そして彼ら自身にとって、さらに価値のある存在になっているか?
・メンバーは使用人のように働いているか、それともビジネスパートナーのように働いているか

の3つです。一つでも否定的なものがあれば、プロジェクトリーダーとしてのあなたはメンバーの必要なものを提供できていないといえます。ぜひ、この本を読んで、気づいてください!

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