優れたリーダーはさまざまな矛盾を解消する
リンダ・A・ヒル、ケント・ラインバック(有賀 裕子訳)「ハーバード流ボス養成講座―優れたリーダーの3要素」、日本経済新聞出版社(2012)
お奨め度:★★★★★
ハーバード・ビジネススクールでリーダーシップ部門主任教授を務めるリンダ・ヒル教授とと、30年間にわたり数多くの組織でマネージャーと役員を務めたケント・ラインバック氏が、リーダーのあり方について書いた一冊。極めて実践的な役立つマネジメントの本。
お奨め度:★★★★★
ハーバード・ビジネススクールでリーダーシップ部門主任教授を務めるリンダ・ヒル教授とと、30年間にわたり数多くの組織でマネージャーと役員を務めたケント・ラインバック氏が、リーダーのあり方について書いた一冊。極めて実践的な役立つマネジメントの本。
本書では、まず、この問いに答えている。「マネジメントはなぜ、難しいのか?」
「マネジメントは逆説を抱えているからだ」というリンダ・ヒル教授の答えだ。リンダ・ヒル教授のいう逆説とは、「矛盾したいくつもの要素をはらみながらも真実をついた有用な表現」のこと。たとえば、
・他人の行いに責任を持つ
・仕事に焦点を合わせるには、その仕事に取り組む人々に注意を向けなくてはならない
・人材の育成と評価、両方をしなくてはならない
・各人に目を配りながら、結束の強いチームを築かなくてはならない
・チームを采配するには、幅広いマネジメントをしなくてはならない
・現在と将来の両方に焦点を合せなくてはならない
・業務遂行とイノベーション、両方を担わなくてはならない
・大きな犠牲のためには犠牲を強いなくてはならない場合もある
といったものだ。これらの逆説はどんなレベルのマネジメントでも存在する。
ヘンリー・ミンツバーグ博士は、「マネジャーの仕事」の中で、1973年に「マネジャーの仕事」の中で、いまいましい仕事をつぎつぎと片づけるのがマネジャーだと指摘した。数々の逆説に対応するには、確かにそのようなアクションをせざるを得なくなるのは直感的によく分かる。たとえば、「他人の行いに責任を持つ」という逆説を一つとってみても、言うのは簡単だが、実行はきめ細かなアクションなくしてはありえない。
このような逆説を克服するために
・自分をマネジメントする
・人脈をマネジメントする
・チームをマネジメントする
の3つの視座から課題を取り上げ、その解決方法を具体的に示唆している本。
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