「どうやるべきか」から、「どうあるべき」へ
フランシス・ヘッセルバイン、ジム・コリンズ(序文)(谷川漣訳)「リーダーの使命とは何か」、海と月社(2012)
お奨め度:★★★★★
リーダーはどうやるべきかではなく、リーダーはどうあるべきかを考えることが重要であることを指摘したリーダーシップの歴史的名著。リーダーや、リーダーを目指す人はぜひ読んで欲しい一冊。
お奨め度:★★★★★
リーダーはどうやるべきかではなく、リーダーはどうあるべきかを考えることが重要であることを指摘したリーダーシップの歴史的名著。リーダーや、リーダーを目指す人はぜひ読んで欲しい一冊。
ヘッセルバインは1976年、急速に時代に取り残されつつあったガールスカウト連盟に身を置く。そして、ガールスカウトを劇的に復活させる。そののち、ドラッカー財団の初代プレジデントを務める。
このリーダーシップの旅の中で、彼女が気づいたさまざまなリーダーに関することをまとめた小文を、一冊の本にまとめている。
最初の気づきは、リーダーはどうやるべきかが問題なのではなく、どうあるべきかを考えることが重要であるという気づき。21世紀のリーダーは、どうあるべ きか、すなわち、資質、人間性、気構え、価値感、原則、勇気をどう高めていくかを考え、努力する人であるという。そして、自分が掲げる原則と組織の活動が 一致するかどうかを問われる。
つまり、どうあるべきかを考えるリーダーは
・組織のもっとも大切な財産が人間だと理解している
・分散した多様なリーダーシップを気づく
・個人と組織の両方を重んじる
・顧客の価値を知ることが重要であることを知っている
・メンバーの価値と尊厳を態度で示す
・組織の成功には健全なコミュニティが必要であることを知っている
といった特徴を持つ。そして、組織をピラミッドではなく、円としてとらえる。円であれば、いまいる場所から始めることができる。つまり、自分のチームに新しいリーダーシップや知見を持ち込むことができるのだ。
リーダーはあり方を考えるという点だけではなく、この2番目の点も、最近では、認識が高まっていることからも分かるように、非常に先見性にとんだリーダー論である。
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