みんなのドラッカー(その4) ドラッカーの活動やキャリアを紹介した本
みんなのドラッカーの連載の途中で足が止まってしまった。理由は簡単。どんどん、ドラッカーの本がでてきた。何冊か、入れたい本があり、困って止まってしまった。中でもいい本だなあと思った「ドラッカーの講義」を第3回に増補し、先に進むことにした。
さて、第4回のテーマは、ドラッカーの活動やキャリアを紹介した本である。
ドラッカーを読む上で、大切だなと思うのが、彼のキャリアだ。極論すれば、大半のドラッカーの指摘はキャリアにおける洞察だからだ。ドラッカーのキャリアについての本を読むと、なぜ、ドラッカーがそのように考えるのかがよく理解できる。
このジャンルでまずお薦めしたいのは、この本。
ジェフリー・クレイムズ(有賀 裕子訳)「ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる」、ソフトバンククリエイティブ(2009)
ドラッカーへの複数のロングインタビューに基づき、みごとにドラッカーの人生やその中で築いた思想を書ききっている。数あるドラッカー関連本の中でもっともお薦めしたい本でもある。
2冊目はこの本。ドラッカーはマネジメントを発明したとよくいわれるが、この本の著者、ジャック・ビーティが言い出したとされる。
ジャック・ビーティ(平野 誠一訳)「マネジメントを発明した男 ドラッカー」、ダイヤモンド社(1998)
冒頭に書籍の表表紙の写真を入れた本。僕がドラッカーに強い関心を持つようになったのは、この本を読んだのがきっかけ。それまでにも何冊かは読んでいたが、この本を読んで一挙に心酔した。いまでは、ジェフリー・クレイムズのように今はもっとよい本があると思うが、原点という意味でお薦めしておく(今でも読む価値はある)。
3冊目は小林薫先生の本。小林先生は、日本では上田先生と並んでドラッカーとの交流の深い先生。ドラッカーの著作ではなく、実際の交流をベースにして何冊かの本を書かれている。その中で、手に入りやすいので、この本をお薦めしよう。
小林 薫「ドラッカーのリーダー思考」、青春出版社(2010)
実際にドラッカーとの交流に基づいて書かれているので、響き方が違うように思う。ドラッカーの著作を解説する書籍は、ドラッカーの思想を知る上では役立つのだが、本としてみたときにおもしろいかをいわれると、「?」がつくものが多いように思う。だから僕はドラッカーを読むなら、著作を読むか、ドラッカーへの取材で作った本を読むのがよいとお薦めすることが多い。その点でお薦め本。
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8.まとめ~ドラッカー思考がプロジェクトを救う
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━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆もしドラッカーがプロジェクトスポンサーだったら
~プロジェクト関係者のための「ドラッカー思考」入門 ◆4PDU's
日時:2010年12月15日(水) 13:15-17:15(13:00受付開始)
場所:ヴィラフォンテーヌ汐留(東京都港区)
講師:好川哲人(エム・アンド・ティ・コンサルティング、MBA)
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1.プロジェクトスポンサーの役割と仕事
2.ドラッカー思考に学ぶプロジェクトスポンサーシップ
(1)戦略:戦略計画を策定する
(2)企画:戦略実行のためにプロジェクトを企画する
(3)統制:プロジェクトガバナンスを確立し、戦略を実行する
(2)成果:プロジェクトの成果を組織の成果にする
(5)変革:イノベーションを起こす
(6)組織:強みを活かし、人を動かす
(7)支援:プロジェクトを支援する
3.まとめ
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