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2007年10月17日 (水)

トヨタ式でホワイトカラーの生産性を向上する

4532313554 金田 秀治、近藤 哲夫「トヨタ式ホワイトカラー革新」、日本経済新聞社(2007)

お奨め度:★★★★

まったくの偶然だが、これで3記事連続してトヨタものだ。これだけ、本が出るというのも驚きだし、切り口が違うというのもすごいなあと思う。

さて、この本は、古くて新しいテーマ、ホワイトカラーの生産性向上についての本である。

この課題に対して、トヨタ方式の導入のコンサルティングをやっている会社は少なくないが、この本は、スコラコンサルティングの金田秀治氏とケーズエンジニアリングの近藤哲夫氏による事例紹介を含めて、基本的な考え方、手法の概要を解説した一冊。

事例として紹介されているのは、岩手県庁、紀文などだが、この2社についてはかなり詳細に説明されている。

本書では、トヨタの方式を整理整頓などの5Sから始めるベンチマーク型と、部門の役割・機能を劇的に変えるシステム再構築型に分けて、それぞれについて、その進め方と本質がどこにあるかを解説している。

トヨタというと前者のイメージが強いが、後者(一般的にいうBPR)でも特徴のあるやり方をしていることが分かる。

いずれのタイプにしても、チェンジリーダーの存在と役割がもっとも重要だとしており、そのチェンジリーダーを如何に育てるかにポイントを置いている。実際に、ここがトヨタとトヨタ以外の企業の違いということになるのだろう。

トヨタにおけるチェンジリーダーの育成については、井上久男氏の「トヨタ 愚直なる人づくり」でも取り上げられているので、併せて読んでみるとよいだろう。

目次

第1章 トヨタ式革新の奥義
トヨタ式革新とは何か
三つの戦略ゾーン
「トヨタ式」を理解するためのキーワード
健全な危機意識、企業風土、経営マインドをつくる
第2章 トヨタ式ホワイトカラー革新
「工場」と「本社」のシナリオ展開の違い
「支援戦略」部門として新展開
「ホワイトカラー革新」活動の進め方
第3章 トヨタ式革新の二一世紀展開
恐るべきファッション化の時代
ファッション化商品の生産体制
トヨタ生産方式は日本型革新の源泉
二一世紀のトヨタ式はどうなるか
第4章 ホワイトカラー革新をどう進めるか
岩手県庁のベンチマーク型革新の実際
岩手県庁の革新活動の展開
紀文の物流部門のシステム再構築型革新の実際
なぜ、ホワイトカラー部門の改善は難しいのか
第5章 チェンジリーダーの育成が鍵(「知恵」を出すということ
人を育てるということ
トヨタ式を支える「自主研」

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