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2006年11月17日 (金)

情けは人のためならず

4901234951_01__aa240_sclzzzzzzz_v3752032 グレン・アーバン(スカイライトコンサルティング監修、山岡隆志訳)「アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業」、英治出版(2006)

お奨め度:★★★★

アドボカシーというのは聞き慣れない言葉だが、辞書を引いてみるとadovocate=支持する、提唱するといった意味らしい。

要するに、むやみやたらと自社の商品を押し付けないで、顧客の立場に立ち、本当に顧客に役立つ商品を、それが仮に競合他社の商品であっても薦めていく。その中で信頼関係を構築し、長期的なスパンで収益を上げていこうという考え方のマーケティングのことである。

この本では、アドボカシーをプル・プッシュ、リレーションシップ第3のマーケティング戦略と位置づけ、企業は顧客や見込み客に対してあらゆる情報を包み隠さず提供し、顧客が最高の製品を見つけられるようにアドバイスをする関係を想定している。

このような背景にはインターネットの普及により「隠したところで顧客はいずれすべてを知り尽くす」という現実があると想定しているのだ。

ただし、このプロセスは、企業が一方的に顧客にアドバイスを与えるプロセスではなく、顧客との対話により顧客を支援していくプロセスであるとしている。言い換えると、顧客は自社の製品を買わないまでも、自社の製品を知り尽くす。そして、その情報を顧客が別の顧客に推薦してくれるという関係を構築しようという考え方である。

この本を読んでなるほどと思った。僕の会社は小さいのでこの手のことがよくあるのだ。つまり、お客様から相談を受けたときに、自社では最適解が提供できないというときには、競合でもいいので、最適解を提供できそうな企業を紹介をする。場合によっては本当に紹介の労をとることもある。そんなお客様に、弊社に適したお客様を紹介してもらうことが結構ある。

ロジックが分かっていることと、実行できることは別だというマーケティング手法の典型かもしれないが、だからこそ、実行できるところは強くなれるかもしれない。

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アドボカシー・マーケティングをご紹介頂きありがとうございます。
翻訳を担当しました山岡です。
今後ともよろしくお願い致します。

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