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2006年10月 1日 (日)

超現場主義で商売繁盛

4774507601 上野和夫「人事のプロが書いた商売繁盛学 ”超現場主義”のすすめ」、現代書林(2006)

お奨め度:★★★★

著者の上野氏は西武百貨店人事部で30年のキャリアを積まれた方で、その上野氏が小売業の「儲かるサービス現場」にこだわって書き上げた一冊である。事例などは小売業を事例に書いてあるが、顧客接点のあるビジネスを展開している企業においては、非常に学ぶところの多い本である。

この本では顧客接点で高い付加価値を生み出す人材をたくさん育成し、顧客から「ありがとう」といわれるプロのサービスを提供する企業をサービスカンパニーと定義し、サービスカンパニーを目指すために必要な人材育成、人事制度について提案されている。

第1章ではサービスカンパニーを作るための超現場主義10か条が提案されている。これが非常に興味深い

1)体制作りの目的は顧客価値創造の一点に向けられている

2)そのためにもっとも効果的で効率的な仕事の仕組みをくつくること

3)顧客価値創造に直接関係しない仕事は徹底的にそぎ落とすこと

4)個々人の能力を最大限発揮させるための仕組みをつくりあげること

5)個人には自己責任の原則が確立していること

(あと、5つあります)

第2章では、プロフェッショナルについて論じられている。西武、プロフェッショナルというと常に出てくるのが、伝説のシューフィッター久保田美智子さんであるが、彼女のプロフェッショナル論が社内研修の内容をベースにして紹介されている。今まで雑誌などで何度が読んだが、よく分からなかった部分が良くわかった。

小売業のプロフェッショナル論というのはITなどの専門性の高いプロフェッショナル論とは異なる部分が多いと思っていたが、この本を読んでそうではないことが明確になり、この本の主張そのものが、どんな分野でも通用するものだという認識に至った。

実は、この本を読む2週間くらいまえに、ある大手IT企業の事業部長さんと話をする機会があり、顧客からの要件がうまく聞きだせない、どうすればよいだろうかという相談を受けた。その際に、小難しい話(要件定義の方法論)はそれはそれで必要だが、もっと根本的に、人間同士が話をするのだから、その場でどういう態度を取るかは極めて重要で、この部分にサービス業や小売業からもっとベタなベストプラクティスを引っ張ってきたほうがいいのではないかという持論を展開したところ、露骨にいやな顔をされた。この部長さんにぜひ、お奨めしたい一冊である。

後半は人事制度について議論されている。前半の主張に整合する形の人事制度の提案であり、なるほどと納得できる内容である。

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