究極のリスクマネジメント
坂井優基「パイロットが空から学んだ危機管理術」、インデックスコミュニケーションズ(2006)
お奨め度:★★★★
パイロットの経験から得たリスクマネジメントを、現場編、中間管理職編、トップマネジメント編と分けてルールとして整理して、解説している。
一つ一つの内容は極めて濃い。以前、軍艦のリスクマネジメントの記事を雑誌で読んだが、軍隊に負けず、飛行機もすばらしいリスクマネジメントがされていることがよく分かる。
そして、その中から、ビジネスの現場に適用できるルールを選択している。
現場だと
だろうで行動してはならない
都合のよい解釈をしてはならない
データ=現実ではない
など21件。
中間管理職だと
主目的を変質させてはいけない
人間の変質に対処しなくてはいけない
対策には期限を明示する
など22件。ここまで部分はプロジェクトリスクマネジメントに非常に参考になる。究極のリスクマネジメントノウハウ集といった感じ。
トップマネジメントだと
安全なくして売り上げはありません
問題はシステムで解決しよう
など17件。
座右の書にしたいと思わせる一冊。
著者の坂井優基は国際線のパイロット。前作の「パイロットが空から学んだ一番大切なこと」では、パイロットの経験から得たチームマネジメントのノウハウ、コツについて述べている。こちらもお奨め!
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