創造的なアイディアを生み出す方法
マイケル・レイ(鬼澤忍訳)「ハイエスト・ゴール―スタンフォード大学で教える創造性トレーニング」、日本経済新聞社(2006)
お奨め度:★★★★1/2
最近でこそ、キャリアという言葉が盛んに使われるようになってきたが、どれだけ実感を持って議論されているかというのは怪しい。この本は、自分の人生にとって、キャリアがどのように位置づけられるかを気づかせてくれる本だ。
よいリーダーを育てるには、キャリアの議論は避けて通れない。当たり前の話であるが、リーダーには、自分のキャリアを賭けて意思決定をせざるを得ない局面は必ずある。プロジェクトマネジメントのようなテクニカルな色合いが強いマネジメントリーダーでもこの話は避けて通ることはできないだろう。
この議論に興味がある人は
「決定的瞬間」の思考法―キャリアとリーダーシップを磨くために』
を読んで見てほしい。
そこで、リーダーとして活躍しようとしたときにポイントになるのが、その人の人生の目標である。この本は著者のマイケル・レイがスタンフォード大学で「ビジネスにおける個人の創造性開発」コースを実施していく中から生まれてきたものである。マイケル・レイの経験では、そのコースで学んだ後に、創造的な仕事で成果を挙げている人たちに共通しているのが、人生に「最高のゴール(ハイエストゴール)」を設定していることだという。
ストーリーは明快である。最高のゴールを設定し、それを目指す人生を送ろう。そのために何ができるか?真の成功を目指す、不安を突破口にする、他人をかかわりあう、あらゆる瞬間にシナジーを感じる、生産的なリーダーになるといったことを実践していこうという話である。
しかし、この本はよくある「成功」の啓蒙書ではない。MBAコースで使われているれっきとしたテキストである。そのためか、書き方は多少堅いが、逆にそれが多くの含蓄をもたらしているように思う。
ぜひ、じっくりと読んでみてほしい。ちなみに、昨年の「意志力革命」以来、+好川塾+でやりたいと思う本である。塾でかけることも検討中であるので、乞うご期待。
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目次
1 情熱と成功を乗り越えよう
2 自分自身の道を歩もう
3 最高のゴールとともに生きよう
4 真の成功を見いだそう
5 不安を突破口に変えよう
6 心で他人とかかわろう
7 あらゆる瞬間にシナジーを感じとろう
8 生産的なリーダーになろう
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