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2005年5月

2005年5月 7日 (土)

エクセレント・カンパニー

4901234331 トム・ピーターズ、ロバートウォーターマン(大前研一訳)「エクレセント・カンパニー」、英治出版(2003)

★★★★1/2

ビジネス書ではまれに見るベストセラー。巨匠「トム・ピーターズ」の出世作。

エクセレントカンパニーの条件は何か?他の企業がやっていないのに、エクセレントカンパニーだけがやっていることは何か?ベストプラクティスを示している。

20年前(1983年)の本であるが、英治出版により復刊された。拍手!

三菱重工に勤務していた時代に始めてよみ、大学院でもテキストとして読み、何度か読んだ。久しぶりに読んでみて思ったのは、今、成功している企業を見ると、このような特徴が見つからないなということだっだ。

多様化しているのかもしれない。一方で、トム・ピーターズがこの本を書いたのは大変なブレークスルーだと思うが、そのようなブレークスルーを生み出しそうなコンサルタントやジャーナリスト、学者がいないようにも思う。ドラッカーは別格としても、トム・ピーターズの時代にはブレークスルーと呼べる仕事をしているビジネスアドバイザー(グル)が何人かいる。

5年ほど前に「経営革命大全」という画期的な本が出版された。マネジメントの「グル」79名の大まかな業績を紹介した本だ。詳しくはこちらを読んでみてほしい。

このレベルの30代のビジネスアドバイザーというと、ぱっと思う浮かぶ人がいないのも事実である。ひょっとすると、MIcrosoft、Yahoo!、Amazon、DELLにはすごい原則が隠れているのかもしれない。

経営革命大全

4532147166 ジョセフ・H. ボイエット、ジミー・T. ボイエット(金井壽宏、大川修二訳)「経営革命大全」、日本経済新聞社(1999)

お奨め度:★★★★

画期的な本だと思う。まずは、数。79名のグル(権威者)というのすごい数だ。これだけを取り上げながら、ばらつき感がなく、章ごとにまとまっている。

単にグルの主張の紹介ではなく、著者が問題を設定し、それに対してグルがどのような解決策を示しているかという視点から纏められていて、非常に現実の場面で役に立つ。とりあえず、困った問題に出会ったら、当該テーマの部分を読んで、役に立ちそうな説を展開しているグルを探し、その人の本を読んでみればいいからだ。

この本の問題点はドラッカー博士の扱いだろう。さまざまな分野で金字塔のような業績を残しているにもかかわらず、あまり、それがうまく扱えていないように思った。まあ、こういう枠を作ると明らかに別格だから仕方ないか、、、

2005年5月 4日 (水)

2005年4月ベストセラー

ビジネス書の杜 4月の月間ベストセラーです。今月は販売数は微増ですが、なぜか、ばらけています。

PMBOK3版は早くも100冊を超えました。すごい!です。

あまりたくさん売れた本がなかったおかげで、好川の著書が2位に返り咲きました(笑)

【2005年4月ベスト5】

(→)第1位 A Guide To The Project Management Body Of Knowledge: Official Japanese Translation (19)

(↑)第2位 プロジェクトマネージャーが成功する法則―プロジェクトを牽引できるリーダーの心得とスキル (16)

(-)第3位 世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント(6)

(↓)第4位 ソフトウエア企業の競争戦略 (5)

(→)第4位 チームリーダーの教科書―図解 (5)

(↑)第4位 セクシープロジェクトで差をつけろ! トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦 (2)(5)

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2005年5月 3日 (火)

再生巨流

4104753017楡周平「再生巨流」、新潮社(2005)

お奨め度:★★★★1/2

帯にある「このプロジェクト、死んでも成功させる」というフレーズが気になり、読んでみた。経済小説。

佐川急便をモデル化した運送会社スバル運輸で、豪腕ゆえに、新規事業開発事業部という新設ポストに左遷された主人公吉野公啓が、アスクル(小説中ではプロンプト)に対抗するビジネスモデルを構築するプロジェクト小説。アスクルは文具店を代理店としているが、このモデルでは、街の電気屋さんを代理店とし、文具だけでなく、日用雑貨、電気製品などを総合的に取り扱うネットワークの構築を行う。

このビジネスモデルは昔から話題に上ることが多いものだが、相当、具体的にかかれており、それだけでもなかなか読み応えがある。

この小説の真骨頂は、プロジェクトマネジメントである。商社からスバル運輸に転職した主人公は立ち上げ屋のイメージがあり、立ち上がるといなくなってしまうタイプの人間。それが左遷の原因にもなる。この小説で描かれているプロジェクトでも立ち上げ前のプロセスが詳細に書かれているが、最後は社主に直談判して実現にこぎつけた総額90億円の投資プロジェクト。運用ベースに乗るまで逃げるわけに行かない。その中で、人を育てるということを知る。

ステークホルダマネジメント、チームマネジメント、リーダーシップ、リスクマネジメントの教科書ともいえるくらいよくできたストーリーになっている。まさに、プロジェクトマネジメントのすべてがここにある。プロジェクトマネジメントを「説明」するために、いくつかの小説が書かれたが、さすが本職。それらとは比べ物にならない出来だ!

ビジネスモデルの構築の中で、SIがスケジュールが間に合わないとごねるシーンがある。ここに対しても非常に明確な解答を与えている。まあ、楡氏の得意分野ではあるが、、、

エンディングは書かないが、プロジェクトマネジメントというより、マネジメントのすべてがここにあるといってもよいかもしれない。

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2005年5月 1日 (日)

プロジェクトをリードする人たちの仕事術

4820741632 東洋エンジニアリング「プロジェクトマネジメント 成功するための仕事術―プロジェクトをリードする精鋭たちの経験とナレッジを集大成」、日本能率協会マネジメントセンター(2003)

お奨め度:★★★★

プロジェクトマネジメントありきではなく、仕事ありきで、その中でプロジェクトマネジメントが如何に役立つかを議論している。非常に貴重な本である。

残念ながら、プラントエンジニアリングを前提に書かれており、それが議論の幅を狭めていると思われる部分があるが、6~7割の話は、どのような仕事でも通用する話であり、その意味でビジネスマンの必読書である。

システム・シンキング

バージニア・アンダーソン、ローレン・ジョンソン「4820740156システム・シンキング~問題解決と意思決定を図解で行う論理的思考技術」、日本能率協会マネジメントセンター(2001)

お奨め度:★★★★

システム思考の教科書。

システム思考を具体的な例を示しながら、ツールごとに解説している。非常に分かりやすい本である。

 時系列変化グラフ

 因果ループ図

 アーキタイプ

この本のよいのは、システムとは何かという解説が非常に明確である点。この解説により、システム思考がなぜ必要か、なぜ、発案されたかが明確に分かるようになっている。

なお、この本だけでも、十分に例はあるが、実際にシステム思考を使えるようになるためには、本書と姉妹編のトレーニングブックを使って、実際に手を動かしてみるのがお奨め。

4820740946 ダニエル・キム、バージニア・アンダーソン「システム・シンキングトレーニングブック」、日本能率協会マネジメントセンター(2002)

 

 

 

 

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