【告知】計画の本質を学ぶ
先日あるクライアントさんに
なぜ、浦正樹さんに「計画力講座」を交代したのか
と訊かれました。
答えは簡単です。浦さんの考えている「計画の技術」のコンセプトが素晴らしく、コンセプチュアルスキル講座の目的にぴったりだからです。
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◆概念化と抽象化
まず言葉の定義をしておきたいと思います。辞書を引くと、概念的と抽象的という2つの言葉は同じ意味のようで、微妙に違います。たとえば、「大辞泉」では概念的であることを
概念的:個別性を問わず、概括的・抽象的にとらえるさま
とあります。概念的という言葉の説明に抽象的という言葉が使われています。これは前回触れましたように、
「いくつかの事物に共通なものを抜き出して、それを一般化して考えるさま」
と説明されています。
そこに、さらにキーワードとして概括的という言葉が使われています。概括というのは内容のあらましをまとめることです。もう少し、正確にいえば、「諸事物に共通する性質に着目して、それらの事物を一つの概念のもとに「統合」すること」です。
簡単にいえば概念化するというのは、抽象化したものをある概念に統合していくことです。詳しくは改めて議論したいと思いますが、統合するためには抽象化するだけではなく、抽象化したものを具体的に展開してみて、妥当性を検証するという具体と概念の行き来を繰り返し行いながら、収斂させていく必要があります。
そうはいいながら、概念化と抽象化の区別ははっきりしない場合の方が多いと思いますので、この連載の中ではここを細かく使い分けることはしませんが、一応、このような違いがあることを頭の片隅に残しておいてください。
個々の現場がタコツボ化して、全体を統括する中枢機能が弱い。目的を設定して必要のない部分を切る全体戦略がないので現場がいくら頑張っても収益が上がらない。
この目的意識の欠如という日本人の特徴は今に始まったことではなく、日本軍の問題として指摘されていたことです。それが今でも残っています。
驚くことに、プロジェクトで仕事をしている企業で、プロジェクトマネジメントを導入するようになっても残っています。たとえば、IT企業では21世紀に入ってから、プロジェクトマネジメントの導入が始まりました。そして、プロジェクトの成功確率は上がっていますが、収益は下がり続けています。
表面的な現象としては発注者の予算が少なく受注条件が厳しい、大きな失敗プロジェクトが全体の収益を食いつぶしているといった原因が指摘されており、プロジェクトマネジメント擁護派はプロジェクトマネジメントをやっていなければもっと悲惨なことになっていただろうと言います。
このような認識は本当に正しいのでしょうか?
第58話の「イノベーションの視点」で、技術ライフサイクルとイノベーションの視点の話をしました。今回の話はその続きです。
まず、最初に復習ですが、技術ライフサイクルとは、以下のようなものです。
(1)揺籃期(生まれる)
技術のユーザの求める機能は不明確であり、多くの考え方が提唱される
(2)成長期(育つ)
ドミナントデザインが確立され、技術に対して共通したイメージが生まれる
(3)成熟期(働く)
技術のユーザは技術の効用を重視
(4)衰退期(衰える)
技術のユーザはその技術に投資をしなくなる
このライフサイクルの中で、技術イノベーションは揺籃期、および成長期に活発に行われます。特に、成長期にドミナントデザインが確立されると、イノベーションの評価指標(性能や機能の着眼点)が決まりますので、一挙にイノベーションの競争が起こります。性能競争とか、小型化競争などです。
三品 和広、三品ゼミ「リ・インベンション: 概念のブレークスルーをどう生み出すか」、東洋経済新報社(2013)
神戸大学経営学部の三品和弘先生が前作
「三品和広「どうする? 日本企業」、東洋経済新報社(2011)」
のこれからの日本企業の生きる道として最後で提唱されている、リ・インベンションについて海外事例を中心にまとめた本。
これまでプロジェクト管理はIT企業の専売特許でしたが、ここにきてイノベーションの機会が増え、どんな業界でも必要なスキルになってきました。
プロジェクトを大きく分けると問題解決型と創造型の2種類に分けることができます。問題解決型ではスピードがポイントになります。創造型では多様性がポイントになります。
一方で、プロジェクトマネジメントも2つに分けることができます。一つは現場のプロジェクトマネジメントでPMBOK(R)に代表されるものです。もう一つは、組織的プロジェクトマネジメントです。両者の間は、組織的プロジェクトマネジメントがプロジェクトの方針(目的)、目標、制約、前提を決め、現場のプロジェクトマネジメントがそれをクリアするという関係があります。
浦 正樹「「実行」に効く計画の技術」、翔泳社(2013)
に210名の方にご応募いただきありがとうございました。以下の3名の方が当選されました。
ありよし 様
まっしー 様
jokerzero28 様
よい本ですので、惜しくも選に漏れた方もぜひこちらからお求めください。
また、本書をベースにした浦さんのセミナーを7月6日に開催します。本書を読んだ
使えそうだと思った方は、著者から直伝のスキル習得をご検討ください。
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◆イノベーション
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○コメントボード
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締切:2013年05月15日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/
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紺野 登「ビジネスのためのデザイン思考」、東洋経済新報社(2010)
デザインに対する関心が高くなってきた。20世紀の工業デザインに変わり、21世紀の知識社会におけるデザインである知識デザインのあり方としての デザイン思考について述べ、さらに、デザイン思考に必要な3つの方法論として、エスノグラフィーなどの質的研究方法論、ビジネスモデルデザイン、および、 シナリオデザインについて解説した一冊。